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Gazing At " Promised Land "

2003年度 12月第4週


12月22日

終業式。陵が寝坊して遅刻したとか。

高1の由子のテンション、やたら高い。今日も英文法の問題の解説をリクエスト。たまたま悩める17歳が久しぶりに顔を見せていたので、合同授業。ところがその授業、矢継ぎ早に質問にくる中3の田中のために何度も中断する。そういや田中、由子よりもテンションが高い。

田中の内申は45段階中43で終了した。男のくせにこの内申、許せんな。やっぱ愛嬌がある奴が勝ちやね。これで付属の内申に怯えることなく津高で勝負に行ける。直線コース、鞭が入った!

菊山が姿を見せる。「先生、今夜早稲田大学の英語お願いします」「学部と年度は?」「理工の1998年です」「分かった、じゃあ夜の12時過ぎからでいいか」

悩める17歳、いつしか当初の勢いもなくなり、塾への密航は週に二度か三度。そんなテンションの下がったお嬢ちゃん宛てに前田(早稲田大学院)から小包が届く。中には早稲田大学のパンフや新聞などが入っていた。

ひと月ほど前に前田が帰省した際に、早稲田に行きたくて悶々としていた彼女と話をしてくれた。やはり大学受験の厳しさが分かっていない、早稲田を1年少しで攻略するにはかなり甘い毎日を過ごしていた。しかし、どうしても早稲田に入りたいというピュアな熱意はじゅうぶんに伝わった。ブランド志向でないシンプルな熱意、飢餓感にも似た自分の内に在るものを表現したい渇望に前田は打たれた。それは俺もまた同じだった。

しかしお嬢、最近のテンション湿りがち。早稲田に行きたい・・・言うだけなら誰にだって言える。それでも俺たちは生徒の発言に夢を抱く。ずっとずっと夢を抱きながら塾をやってきた。数え切れないほど裏切られてきた。しかし夢を語る生徒の出現とともに裏切りの痛みは霧散する。立ち直りが早いんだよなと自嘲する。因果な商売・・・、しかしそれでも期待するし、期待したいのだ。小包に込められた前田の熱き想い、その熱を感じながら俺はお嬢ちゃんに小包を渡した。

中2がデンちゃん持参の問題に臨む。なにしろ中3が昨日やった6枚の1枚目だ。前の黒板には昨日の点数が書いたまま。中3にすりゃ気分悪いこと、この上なしだろうがね。

中3にも同じ問題をもう一度させてみる。「百点以外は英単語書き写しだ!」 そして試験終了、静寂のなかで採点が続く。そして点数発表・・・中2の彩加が51点を叩き、中3の遥の点数を上回る。この瞬間、彩加万歳! そしてご褒美にCDシングル盤をゲット。対照的なのは中3、粘っこい視線が絡み合う。これで一歩、受験生に近づく。

彩加の出来は予想以上、さては「オマエの数学は文系数学」とけなしたのが憤怒に火を付けたのか。はたまたこの授業、彩加の弟が混ざっていて「弟にええとこ見せたらな」と気迫込めよったか。ちなみに小学生もレピュテーション(P)とコンビネーション(C)周辺の場合の数めいたエリアで希望者は参加可能。小6から中1の瞭、中2・中3と、4学年が同じ空間の下で俺の授業を聞いていたわけだ。そして一番できたのが瞭だってのが複雑なところ。

今日からウチの塾に登場予定の講師、理恵からは遅々として連絡なし。理恵が雪が降った日に車を脱輪させたとかで、俺が送り迎えをすることになっていた。ところが10時を過ぎても連絡がない。小林は1999年度センター現代文を解いてスタンバイしている。果たしてどうなるのやら・・・。

理恵を迎えに行き、塾に戻った時には深夜11時を越えている。小林が翌日剣道の試合があることから2時間程度ということで授業は始まった。

小林にとれば俺も森下も権威、ただひたすらひれ伏す存在であるようだ。別に俺や森下が恣意的に振舞っているわけではない。原因は小林の英語に対する自信のなさにある。しかし自信がなくとも言葉のキャッチボールをしてくる輩はいる。そしてその類の成績は上がる、これは保証してもいい。ところが小林の場合、ひたすらひれ伏し自分の世界をつくってしまい、そこに居候を決め込んじまう。俺たちが洞窟の外から話しかける。小林は洞窟の中から顔を出し頷いては見せる。しかし中に入れようとはしない。時間が経つと洞窟の中に入っていき自分だけの生活が始まる。俺や森下と小林が繋がっているのはたった一本の道、それも細い細い道なのだ。なんとかバイパスを作りたかった。脇道も抜け道も空気穴も下水道も逃げ道も作りたかった。その意味では古西も俺たちと一蓮托生、小林とのアクセスは俺たちと同じ、細い細い一本道を使用することになる。つまりはれいめい塾の連綿と続く気迫勝負の受験生が汗と涙で塗り固めて築いてきた道・・・。しかしその道、こと小林にはしっくりこないと感じ始めたのはいつ頃のことだったのだろうか。
コンピューターの部屋で理恵と小林の二人三脚は始まった。こちらまでやたら聞こえてくる嬌声は理恵の声だったが、時折小林のボソボソとまとわりつくような話し方が洩れてきた。理恵がアップテンポで何かを尋ね、それに小林がスローに反応していた。少なくとも・・・よくしゃべっていた。

12月23日

1階に下りていくと高校1年生の面々、雁首揃えて明日の計画を練っている。明日はメリークリスマス、何かを作ってくれるようだ。
ただ、この学年もまた高校生特有の享楽という流れに押し流されようとしている。ゆえに強引に始めた冬季講習だったのだが、この様子では今日はあまり勉強にならない? 夜にはこんがり焼けた三重大女子テニス部主将がやって来るはず。とりあえず今は高校の数学の出題をつぶすのが賢明な策か。

今日から中3の冬季講習といっても感動も緊張感もない。飄々と悠久の時間が過ぎていくだけ。今日はそれでも初日らしく平成9年度の高田高校の試験からスタート。その初日に陵はいない。おじいちゃんが「冥土への土産」と表現した親族総出の旅行へ出発した。

菊山、昨夜は寝ちまったとかで、早稲田理工1998年度を午後2時から始める。他のメンバーに寺沢と大森と綾奈。センター英語とは桁違いの迫力、ワケの分からん駄文。さすが早稲田やね。この問題の中、言語論の評論があった。珍しく連荘で来ている悩める17歳にも、そこだけ参加させてみた。もちろん辞書を使うハンディをつけてだ。

中1は今日で第一ターム終了。今まで小刻みに実施していた試験の総計発表がある。その前にメイン・イベントとして中1と中3対抗の歴史の試験。範囲は最初から奈良時代まで。最後の試験だからと配点を高くしたため波乱が起きる。それまでトップだった朋弘に土壇場で絵梨奈が追いつき、同着トップ。これで俺は賞品のCDを2枚買うことになる、トホホ。なお3着には瞭が入ってCDシングル盤をせしめる。

12月24日

クリスマス・イヴ・・・この日ばかりは大学生も塾に寄り付かない。いいや、ステディイがいる高校生も寄り付きたくないはず。しかし高校生、けなげに塾で中3のためにクリスマスパーティの準備に追われる。ほんま、すんまへんな。

高1の女子が買出しにジャスコへ出向く。俺はタクシーの運転手、彼女たちが買い物をすます間、全館禁煙のはずが『喫煙席あります』との看板かかった喫茶店で久しぶりに何気ない時間を過ごす。『仏教を歩く』で「一切を捨離すべし」と妻や子供を捨て一心に念仏を唱える生活を送った一遍の生き様に想いを馳せ、『アエラ』では全国に勃興してきた公立6年制の疑問点を検証する。

中3も自分たちでフルーツポンチやポテトサラダをつくるとか。ご父兄から手羽先やサンドイッチの差し入れもあり、高1の今年のメニューはケーキに焼きそば・ビーフシチューにクリームシチューといったところ。

中2の曜子と加央里や中1の瞭・陵・健斗、小学生の悠志の妹や俺の末娘のあいも加わり、午後8時過ぎからクリスマスパーティが始まる。冥土の土産ツアーからの帰途、中3の陵も駆けつける。いつもなら顔を出す大学生や社会人の姿も見事になく、平均年齢の低い、まるで普通の塾のパーティが続く。今ごろ甚ちゃん、サンタクロースの衣装を身にまとって冬季講習に精を出しているはず。ウチの塾は束の間の休息。しかしこの時間、身体を削りながら机に向かっている奴もいる。

1階に下りるとドアのガラス越しに高3の大森と拓也の背中が見えた。からかってやろうと思って入ろうとするとドアに一枚の紙。『高3が勉強しています。中はクリスマスではありません。身をわきまえて行動してください』 年下に優しいのが一番の欠点だった高3がやっとここまで来た・・・。

この日、クリマスマスプレゼントがないことに怒り心頭の末娘のあい、恨みの丈(たけ)を瞬く間に便箋に書き付ける。これがなかなかおもしろく、これからも暇に任せて日記を書かせてみることに・・・。とりあえずダイアリーに掲載しときました。

最後まで残っていた高1、愛と竜神と荒井が帰っていく。午前2時を過ぎている。残っているのは中3のめいと絵梨香。めいが席を立つのを合図に絵梨香を家まで送る。ここ最近、高3のセンター対策で送ってやることができなかった。嬉野までのドライブから塾に戻り、ゴミ満載のポリ袋なんと8袋!を収集場所に運ぶ。真っ暗な1階の教室に入ると布団で寝ていた大森、起き上がる。「すんませんな、起こして。でもえらい早いやん」「明日の9時から横田先輩(三重大学医学部)の英語があるんです」「授業があってもなくても9時には起きろや」 3階の炊事場に残っていた食器を洗う。クリームシチューを作った鍋の底にへばりついたコゲがどうしても取れない。翌日の中3の準備をしながら時計を見る。午前4時、あと1時間でハイライトマイルドが吸える。

今年のクリスマスパーティも強引な高1の主催で開催の運びとなった。影が薄いのは高2、どうしてもクラブに押されてしまう。香織などバレーボールクラブで遠征中である。高校生にとってのクラブ活動。勉強とクラブの両立が理想なれど、クラブ活動終了後のことを考えると頭が痛い。ともかく来年のクリスマスパーティは現在の中3が主催するはず。来年こそ、今の高1が純粋に楽しむことのできるパーティにしてあげてほしい。

12月25日

沙耶加に英文法のマンツーマン。古西からは「沙耶加ちゃんと有加里ちゃんが危ういねえ」とのコメント。この二人、英語だけでなく他の教科も十分テンパッてる。器用でないタイプが高校の授業に並走しすぎると、夏休み明けは夏休みの貯金でなんとかしのげても、この時期あたりから成績が急激に落ち始める。そんな生徒、今まで嫌というほど見てきた。

少し前まではの沙耶加は、授業以外は3階に常駐。英語が苦手だからと中3の質問を受け付けながら、自分の勉強の分からないところを俺に聞いていた。いろんな学年が入り混じり、一斉授業と個別授業が至るところで勃発する3階の授業・・・ドクター一人で孤軍奮闘のところへ看護婦一人てな感じ?沙耶加の存在はありがたかった。しかし最近、3階に来る回数も減ったところへの古西のコメント。

今日、沙耶加が3階に姿を見せた。古西の英文法の試験が二日後に迫っている。中3の授業の合間を縫い、試験範囲のデキをさぐってはみたが、全くといっていいほどできていない。看護婦が致命傷の重症・・・。プリントの上に沙耶加の涙がポトポト落ちた。また泣かせちまった。

中2の大矢が塾にやって来る。こ奴が頑張らないと中2男子が活性化しない。そんな大矢に問題を出した。「正月のお年玉問題や。円周率が3.05以上であることを証明せよ」「何それ」「これが証明できたらCDプレゼントしてやるよ」 そこに居合わせた中1の視線が輝く。「あかんあかん、アンタらじゃさすがに無理だよ」

易しい問題にも集中力を発揮してくれればと始めた中1のCDをめぐるツアー、異常に活気がある。今日から第二タームに入ったが、その1ラウンド・中1で習う英単語動詞の活用表(原形&過去形)で唯一ミス0で駆け抜けたのがなんと勉強が苦手なはずの邦! 感動モンやったね。そんな雰囲気もあり、大矢との会話で洩れたCDに中1全員の耳が釘付けになっているわけだ。

大矢へ出題した問題は東京大学で出題された問題である。中学生で三平方の定理を理解していれば解けるはず。中2はこのひと月、ひたすら中3数学で泥道を這いずりまわってきた。あとは大矢のヒラメキに期待。それとも戦線を中2全域に拡張しようか・・・。

腰を押さえて征希登場。「なんやしらんけど腰が痛いんさ」「そりゃ不摂生やろ。クリスマスに彼女と遊びすぎ!」「アンタには言われたない!」 腰をさすりながら俺のスラム街のベッドにもぐり込む。「ここで寝るんかい」「ボクちん、寂しがりややから・・・」 中1や中3が勉強している横で瞬く間に転がる石になる。

突如深夜に勃発するセンター英語。クリスマスパーティで顔を合わさなかった直嗣に尋ねる。「私立大学決まったか」「ええ、南山に名城」「あとは? 滑り止めどないするねん」「センター試験の結果で・・・」「ところで昨日は楽しかった?」「えっ」「デートやろ」「い、いや、別に・・・」

直嗣の英語、やたらマークには強い。ゆえに不安。しかし国語はナチュラルに不安。ことに古典と漢文が致命的。漢文担当の征希からは「直嗣はまず古典の助動詞の活用からやな。書き下し文が全く読めないレベルや」とのコメント。高1と高2の2年間、理系文系を問わず大森がしつこくしつこく試験を繰り返したはず。菊山と直嗣は3年となり理系教科の勉強へのシフトから古典の授業を切った。「古典の授業を受けている時間が無い」というのがその理由。これは例年、同じ状況になった理系生徒たちが言う台詞。そして彼らは口を揃えて言う・・・「必ず週に一度は古典の確認テストをしますから」 自主自立を標榜するウチの塾としては好きにさせるしかない。しかしこの約束が空手形で終わることもほぼ例年の常。ところが直嗣、土壇場で文系に変更したことから国語が主要教科になっちまった。これが俺の危機感に火をつける。センターまであと24日・・・直嗣の古典と漢文、果たしてどこまでいくのやら。

12月26日

昼過ぎに古西が浮き浮き顔で登場。「免許証もらったよ!」 そして勉強していたあいに「あいちゃん、サンタさん来た?」とジャブ一閃。ハイテンション・・・よっぽど免許証を貰ったのが嬉しかったのか。

その古西の機嫌のよさも試験が終わると一変。英文法試験ミス0は愛・由子・岡・竜神の4人。ミス7を飛んだのが沙耶加・荒井・千紗に高2の小林とブーちゃん。別室受験となった高2の真歩と松原はそれぞれミス4と7。「ミス7以上の奴は俺をなめとるんかな」 口調は優しいが目が笑っていない。そして一人一人、なぜミス7以下にできなかったかを聞いていく。教室内を静寂が支配する。

このまま古西の授業を続けるかどうかを各自が決めることに・・・。ブーちゃんが降りることに。そしてぶーちゃん以外の4人は1月4日再試験に落ち着く。

よっぽど機嫌が悪かったんだろう、古西は挨拶もせずに姿を消した。

卓(立命館大学1年)がサンクスからの差し入れを持って登場。「先生、車の免許取りましたよ」「そりゃなにより。これで安心して街にのみに行けるよ」「教官からオマエうまいなって言われましたよ」「それだけか、古西なんてもっとスゴイよ。教官に向かって“ボクってうまいでしょ”って逆下剋上発言したらしいで。それでいつまでこっちにおるねん」「4日まで」「そうか、じゃあまた飲もうや」

12月27日

あすかが帰って来た。抱きしめようかと思ったが、後が怖いのでやめておいた。あすかは9月から大学の近くにウィークリーマンションを借りて一人暮らしをしていた。2学期から実習が始まり、家と大学の往復4時間が勉強時間に重くのしかかっていた。ウチの生徒にすりゃマジメすぎる動機で一人暮らしを始めたわけだ。そして実習も終了、再び実家に戻った次第。

小林の現代文の授業、第二回目。里恵がタバコをくゆらしながらマンツーマン。「この2回で分かったんは、あの子はボキャブラリーが足らないってことやわ」「例えば」「躊躇とか推移とかの抽象的なターム、それに慣用句。耳が痛い、口が堅いなんてやつ。センター試験めちゃくちゃ出てるわ。そこそこ解読していくと理解はしてくれるんやけどな」 語彙の不足・・・確かにそれは言えた。いや、それは小林だけに限らず国語の苦手な生徒全般に共通することだ。「わかった、小林にセンター試験の問題で理解できなかった言葉を逐一書き取らせてくれよ。それを参考にして俺がプリントで作り直すよ」「今させてるわよ」 そう言って里恵はニヤッと笑った。

大森がやって来る。「今日は高1の授業だったんですけど、やっぱりクラブですかね。集まりが悪いですね」 そこへ征希がやって来る。小林について俺と話し込んでいた里恵の顔を一瞥、「久しぶりやな、里恵」「ウワァ感激! 先輩、私の名前覚えていてくれたんですか」 征希はウチの4期生、里恵は7期生。同じ教室でシノギを削った経験はない。「今、何やっとるねん」と征希。「病院のカルテを打ち込んだり、メガネ屋でバイトしたり・・・まあ、プーです」「なら、プーってはよ言えや」「ハハハ、すいません」「ええって、俺も同じようなもんや」 さらに「こっちは寒いな」と言いつつのっぽの森下登場。「京都のほうが寒いだろ」と俺。「それがそうでもないよ」「森下! 久しぶり」と里恵。「お久しぶりです」 森下は8期生、里恵の1年後輩にあたる。突如揃った3人の前に大森の影が薄い。ちなみに大森は11期生、ウィークデイなら十分濃い存在の大森も、この3人にかかると品行方性の優等生に堕しちまう。

夜の8時から直嗣と知早の漢文、講師は征希。センター過去問題、50点満点。直嗣が32点で知早が3点。前回こけたのは直嗣だった、今回は知早。「あと2回の授業で平均点まで取ってもらわなあかん」 征希、虚空を見据える。

森下は今日授業なし。ウチのパソコンをいじくりネット上に掲載する年賀状を作成している。「今年はこれで勘弁してもらお」 そこへ寺沢が南山大学の問題持参で登場。マンツーマンで授業が始まる。

古西の授業で大波乱! 高1がターゲットも800までそこそこ覚え、入試英文もなんとか読めるかもしれないと古西冒険。高3代々木ゼミナール主催センターマークの2番Aと5番をぶっ放つ。結果はなんと岡トップ! それも正答率90%の快挙である。三重6年制に合格するものの漂うような中学生活を送り、この3月に3年ぶりにウチの塾に戻ってきたときの岡は、英語に自信を根ごそぎ奪われ完全に打ちひしがれていた。あれからほぼ1年、ここんとこ毎晩に及ぶ俺の授業も褒めてほしいけど、本当にお見事。

深夜0時、征希の指示で古西がマージャン卓を設置している。俺と森下は『オークワ』まで買出し。鍋と刺身で中3の勉強している一角で酒盛りの準備をしていると試合開始のジャンが鳴る。征希が言う。「俺さ、明日午前11時から仕事。だから今から半荘4回やって午前5時、それでお開きにしましょう」 すかさず開局。早々と4巡目に森下リーチ。このリーチから俺の一年で最もハードな1週間が始まった。

12月28日

今日から森下の英語特訓が始まる。高2の短期集中、正午から午後6時まで。ただひたすら英文を読ませる。マテリアルはヘミング・ウェイの『老人と海』

森下語録・・・「高校生の教科書は易しすぎるのがアカン。辞書をひいたら理解できてしまう。辞書をひいても理解できない英文を読まさないと・・・。ただ読むんじゃなくて、読み込むという作業の徹底」

読み込みが足らない・・・森下の頻出タームだ。それと対極にあるのが古西、「英単語の意味さえ分かったら、あとは国語力でなんとかなるやろ」

今、高2は森下のもとで英語の王道を進んでいる。英単語を覚えることを強要せずに、ひたすら読むことで語彙を増やしていく。問題は時間、この方法で1年後の受験に間に合えばいい。そのときはウチの塾の新しいメソッドがひとつ生まれる。

いっぽう高1は古西のもとで従来の手法、英単語を頭に詰め込み同時進行でセンター対策の読みやすい試験英文(ここが森下との違い)を読み、短文で構成される英文法を解く。古西のせっかちな性格も手伝って高1の仕上がりは早い。

高1と高2、この2学年の1年後が楽しみである。

  横田が東京の実家へ戻るからと挨拶に来る、横にいるのは祐輔(早稲田大学理工1年)。「帰ってきたんか」「ええ」「また高3の様子見て都合がいいようやったら教えてやってくれよ」「ははは、実は昨日から直嗣と知早ちゃんを・・・」

祐輔が大学で学んでいる経営工学について話を聞いた。工学部というネーミングながら限りなく文系に近い内容。トヨタのジャスト・イン・タイム方式やかんばん方式など、概念や理論ではなく実践的に学ぶ授業が多いとか。さまざまな職種における内容のなか、一番祐輔の興味を引いたエリアは、医療ミスを防ぐため病院が行う品質管理。「三重大の医学部の先輩たちに話を聞かなくっちゃ」と相好を崩す。さらに極めつけ、「動機付けは永遠のテーマである」 そんなセリフがあの祐輔の口から飛び出すなんて思わなかった。気持ちいい裏切り・・・こんなときが一番楽しい。

古西の授業、今日のセンター2番Aと5番のトップは風邪から癒えて塾に復帰した有加里! 昨日の岡、今日の有加里・・・。毎日トップが変わるのはこちらの望むところ。山本愛の一人旅ではその学年は伸びない、愛自身も活性化しない。それは古西がよく知っているはず、かつて古西の12期生もそうだった。全てに古西が秀でた、そしてそのことが古西の増長、自己満足を招いた。その古西を活性化させたのは村瀬やアキちゃん、砂山などを擁した13期生。下級生の台頭が上級生を活性化させる。ウチの塾の連綿と続く歴史の必然。しかしながら下の台頭を待っているよりは、同じ学年で活性化するほうが遥にいい。その意味でこの学年に期待したい。でも、有加里のトップ、それも正答率90%以上はまぐれかも? 古西、明日は代々木ゼミのセンター対策第3回(高3の10月実施)を1番から6番まで全てさせてみるとか・・・果たして。

12月29日

圭亮(立教大学院)が顔を出す。「あたるは塾に来てますか」 あたる、今日も姿なし。

2002年度代々木ゼミナール模試・高3第3回(平均点111点)

愛 140点  竜神 126点  岡 123点  千尋 111点
有加里 96点  沙耶加 91点  荒井 68点

12月30日

響平を圭亮が教えている。「どないや、仕上がり」 俺が水を向けると圭亮、「まあなんとか、龍谷の問題は全問正解でした。しかし関西学院になるとちょっと・・・。やはり難しい問題になると手が出ないようで。しかし試験日までにはなんとかなるんじゃないかと」

響平からあたるの出来にネタ振るとがぜん圭亮の歯切れが悪くなる。「あたるですか、聞くところかなり遊んでいたようですね。この3か月間のブランクはかなり大きいですね」「ああ、夏休みまでの出来なら立命館に横綱相撲とれたよな、しかし今のあたるじゃ落ちる可能性十分や。怜美の小論文に付き合ってる間にあたるが俺の視界からはずれた。俺にしても痛恨のエラーや」

杉野(第一薬科)が古西のリクエストで登場、これで今夜の面子が決まる。「俺は塾では勝ったことがない」とブツブツ言いながら杉野、洗牌を始める。

12月31日

高1が昼過ぎに集合、ジャスコへ買出しに。当然にして俺が運転手を承る。大晦日の恒例行事、高1と高2の料理対決。高1のメニューはおでんとお好み焼きにサンドイッチにサラダ。いっぽう高2は・・・動きは全くなし。たぶん、クラブやクラスのことにかまけて今日の出場は危ぶまれる。優先順位は自分たちの楽しさ追求から。塾の後輩や先輩のことなんて最下層だと思われる。中3の時に先輩たちがしてくれたことは忘却の彼方に押しやり、今ごろは携帯で連絡を取りながら今夜の楽しい予定にウキウキしていることだろう。

山田日赤で勤務している村田ドクター(第一外科)と高橋ドクター(インターン)が酒を土産に襲来。「今夜は当直なんで昼間に来ちゃいました」
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