れいめい塾
Gazing At " Promised Land "
2003年度 8月第1週
8月2日
今日は久居市の花火大会。ちなみに三重県で一番派手なのは一万発打ち上げる熊野の花火、なんとそれに次ぐのが桑名の花火と久居の花火、ともに四千発とか。塾もこの日だけは休みとなる。家族団らんで過ごすと奥さんに約束したのも遠い昔、いつも何がしかが勃発。結局は約束を守れない年が多い。今年も福井からブーチャンの親父に加え、兵庫と奈良から大学時代のダチが訪れることになった。
とりあえずは飲み屋に席の予約を入れておいた。その店の前の道から久居の花火、少々距離はあるものの絶好のロケーションで見えるとか。これならダチの接待をしつつ奥さんとも花火が見れるなと考えた次第。
奥さんと店の前から見た花火は小奇麗にまとまってはいたが、少々迫力に欠けた。花火も終わった頃に仁志(立命館大学2年)が顔を出す。聞けば明日、琵琶湖に戻るという。
森下がやりやがった! 半荘6回目、40過ぎたオッサン連中の集中力が途切れた頃を見計らうかのように四暗刻単騎のダブル役満。振ったのは兵庫の山奥からやって来たシュウちゃん。8巡目の2枚目の中! 「この巡目でこの中やったら出るわ!」と一応シュウちゃんを慰めるものの、心の中では「そんな中をつかむからついてへんねん!」とほくそ笑む俺がいる。奈良のセンセもその後、シュウちゃんからリーチがかかると聞こえるように「死に馬に蹴られたくないよな」とつぶやく。
午前5時前、やっと終了。森下の若さをいやというほど見せつけられ床に敷いた2枚のバスマットに身体を埋める。スラム街のベッドには一足お先にシュウちゃんが眠りこけている。引きは弱いが撤収は見事だ。
8月3日
こんな日に限って大森(津西3年)、目覚めた俺の目の前に屹立する体調良さげな顔のアップ。「先生、授業をお願いします」と来たもんだ。そしてこんな日に限って出席者が多い。綾奈・直詞・菊山・寺沢とブーちゃん、大森を加えての6人で午前9時、恒例の毎日20問英文法テストのスタート。そしてブーちゃん、記念すべき正答率50%、つまり10点。そして5点の直詞と寺沢、初の一敗地にまみれる。なぜか大森は12点、これはフロック。俺は俺の予測を信じる。なんだかんだと午前11時に終了、小学生が来てないのでフットワーク軽く40歳のオッサン連中、昨夜乾坤一擲の四暗刻単騎をかました森下連れて街に出る。中井(立命館アジア太平洋2年・オーストラリア留学中)の親父さんが新装開店した『都寿司』で急いで昼食をとり、再び闘牌。兵庫の山奥、鳥取との県境に帰るシュウちゃん、ギリギリの時間までブツブツ言いながらも居座る。結局、中川発午後4時10分の近鉄特急に乗り込む。そして奈良に帰るセンセと福井に帰る刀根を見送り、俺は森下のリクエストでパソコンショップへ走る。昨夜来、マージャンはさんで森下とパソコンの対決は続いている。
三重県統一の過去問5教科が終了。一番アカンかったんはウチの娘さんのめい。しかし不思議なことに偏差値50はある。違和感・・・皆、それほど仕上がっているはずがないのに奇妙に偏差値がいい。実感がつかめない。歴史は中2との闘い、範囲は最初から江戸時代まではそこそこ仕上がっているはず、しかし明治時代以降はからっきし。地理は西日本は終了、私立中学を受けるかすみのこともありドップリと教えた。理科も私立中学受験との兼ね合いから星から開始する変則スタート。それでいて統一模試3回の成績がいい。いいにしても悪いにしても、自分の予測と同じなら安心できる。しかし予測の上回る成績が出ると不安だ。どこかに見落としがあるんじゃないか・・・。
日曜日ということもあり甚ちゃん、陣中見舞いでビール持参で登場。ここ数日で九州へ帰る杉野も挨拶に。しばしパソコンとの闘いからピットイン、森下と4人して飲み始める。杉野に言う、「9月26日は中3の仕上がりさえ良ければ九州まで行くからな」 9月26日は佑臣の卒業レース、テレビの競艇チャンネルでは放映するそうだが生が一番! できたら行きたい。「多分試験中のような気がするけど、なんとか時間とって佑臣の晴れ姿、先生と見に行きますよ」と杉野。
8月4日
高田恵(皇學館1年)のデビュー戦、午後10時にリング登場。初の対戦相手は小6の奥野。「先生、どこを教えたらいいの」と不安げな恵。「比や比! 内分比と外分比、文章題からや」「えっ・・・私の方が小学生に教えてもらわなあかんわ」
高3の英文法は趣向を変えて名詞をド〜ンと69問。これは過去1週間の試験から名詞や形容詞に弱点があると踏んだからだ。その授業中に小西(立命館アジア太平洋)が顔を出す。「先生、帰ってきたよ!」
森下が悪戦苦闘、大変である。そして俺も大変やん!
8月5日
午前9時の英文法は代名詞が100問! 超大作ゆえに解説は午前と午後に分けることに。今日も恵が小学生と悪戦苦闘。その一人に小4になっても一桁の足し算ができない子がいる。恵の対戦相手にふさわしい。八戸の病院から帰ってきたあすか(星城大学1年)が塾に復帰、小西と恵と三人してさっそく笑い声のハーモニー。
古西(名古屋大学2年)が東京旅行から帰省。土産は浅草の饅頭、俺が甘いものを嫌いなことを知っての仕打ちだ。
お久しぶりの征希の登場。なんとスイカ持参、さっそく中3や大学生に配り、自らも食して風のように去る。
佑輔(早稲田大学1年)登場。東京に戻る18日までウチの塾で教えることになる。聞けば東京でも塾でバイトをしているとか。深夜1時に俺がビールを飲み始める頃まで高3の女子を個別指導。ビールに手をつけた佑輔、改まった調子で切り出す。「先生、今の塾の講師陣の布陣に疑問があるんですけどね」 内容はまだまだ時期尚早、夏が終わった頃に書いてみたい。しかし東京でアキちゃんと会えば、いつだって塾の話をしていたとか・・・ありがたい。
8月6日
佑輔の話は塾内批判の内容ではあったが、いやそれゆえに俄然おもしろく、ヒートアップ。結局俺はビールに始まり日本酒のビンを空け、ウイスキーまで行く始末。大森に起こされるものの、脳みそが口から溢れ出そうな気分。「すまん、今日は勘弁してや」と再びスラム街のベッドに沈む。
古西も丸太棒のように横たわる。デートの約束に2時間遅れで一日が始まる。場所は市民プール、しかし泳ぐ合間にプールサイドで再び昏睡、彼女は怒り心頭?
なんとか脳みそが鼻の穴から出そうな気分になったものの、俺はベッドにへたり込んでいる。そんな俺に「先生、帰りました」 視線を動めかす先にアキちゃんが立っている。「帰ってきやがったな、この野郎!」
中3の日本地理は東北。明日の北海道で全て終了。脳みそを吐き散らしながら、なんとか東北地方終了。そして今日から三重県私立高校入試問題に入る。第1ラウンドは津田学園平成11年度の問題、正四面体の求め方がポイント。今年の3月にざっと教えたはずだったが、三平方の公式すら頭に浮かばない惨状。再び基礎から這いずり進む。
三重大医学部サッカー部、初戦敗退。この日から中塚、復帰。違和感なく物理の授業が始まる。残る野球部の横田は「盆までは帰ってきませんから」と捨て置いて出奔。果たして・・・。
大阪での面接を終えた森下が戻る。太っている俺や征希とは逆に、痩せすぎているがため既製品がない森下。ぎこちないスース姿で微笑む。「今日はマージャンの面子じゅうぶんやね」
この日のマージャンで佑輔初登場。ところが俺とはニアミスで対戦なし。俺は沈みなしのトップ2回と2着で終了、俺の代わりに佑輔デビュー。半荘2回目でトップを取り勇躍家に帰る。時刻は午前8時。
8月7日
初めて綾奈と知早に起こされる。別段女の子に起こされたからというわけでもないだろうが、身体がリズミカルに動く。睡眠時間3時間に身体が慣れてきたような・・・ところが血便が出る。やっぱりね。午前9時からの英文法は会話表現と疑問文。このあたりはセンター避けるが、私立は避けて通れる道。
教室の床には粗大ゴミ・・・古西にアキちゃん、森下がバスマットの上で寝ている。その間を縫うように綾奈と知早が英文法のプリントを解く。いつものウチの塾の光景・・・。
アキちゃんは一旦帰宅、そして古西は今日もデートに遅刻、最近購入したマジェスティで赤目四十八滝にツーリング。
佑輔の初授業は化学、夜9時スタート。雨のなか古い塾に綾奈を送る。果たして初遭遇、どうなるやら・・・。
夜から出社?のはずがアキちゃん、家に遊びに来た友達が雨で泊まっていくからと欠席。佑輔も授業が終わるとさっそくお母さんにお迎えの電話。結局、古西と森下と俺は寂しくそれぞれの場所で眠る。
8月8日
森下(立命館国際4年)の英語の授業が昼過ぎから。今回は大学名を隠して実施するとか・・・そしてその大学は? 慶応・・・。果たして森下がもくろむ結果になるかどうかはともかく期待してみようか
佑輔が昼過ぎに姿を見せる。「どないしたん?」「昼過ぎから高3の誰か分からないけど数列を教えてほしいって・・・」 俺の知らないところで塾は回っていく。
今日は12期生の同窓会の趣き、昼過ぎから小野(皇學館3年)や彩(近畿大学3年)や弘(名古屋工業大3年)が顔を出す、古西と4人して遊びに行くらしい。「たまにはウチのホームページも見てや」と言うと、小野も彩も「ちゃんと見てますよ」とのこと。「そりゃうれしい、そうでなくっちゃ10万人もアクセスいかんしね」「先生、実は・・・」と小野。「なんや」「少し前に教育実習で立成で教えたん」「それで」「先生の娘さん、あいちゃんを教えたんやに」と微笑む。「えっ!」 一瞬にして弟子に対する態度を俺は豹変、出来の悪い娘の親父になっちまう。
中3は今日から過去の三重県統一4回に入る。ポイントは相似の三角形かな。何も教えずにさせてみたが、そこそこいく。ちったあ鍛えた成果が出てきたかな。高1は分詞と分詞構文。でも生徒は3人だけ・・・。授業が終わると愛がたずねる。「先生、今夜送ってってくれませんか」「なんで台風来てるのに夜までおるねん! 夜はマージャンする大学生だけでじゅうぶんや」「あすか先輩の生物の授業が夜10時からあるんです」
台風がひしひしと迫って来ていると感じられる夕刻、大森が登場。「先生、大阪府警に決まりました!」 ついつい握手してしまう。これで残るは森下・・・。
中村耕治(10期生・松下電工勤務)が姿を見せる。「家に帰ったんか」という俺に「まだ」 聞けば今日帰ることは知らせてないらしい。さればと父兄から頂いた貴重なお酒の封を切る。若戎の150周年記念のお酒だ。こうして酒の味が分からない三人が飲み始める。
アキちゃんが姿を見せプリントをコピーしている。「教える前に自分が解いておかないと・・・頭が腐ってますからね」と笑っている。
あすかの高1の生物は中止となったが、高3の怜美を教えるマンツーマン数学はある。深夜11時、暴風雨警報が出ているなか、授業を終えたあすかを家まで送る。塾にもどるとマージャンが始まっている。メンバーはれいめい塾のピンチこと古西と森下、それにアキちゃんと弘。俺は観戦にはまわらず、少しでも体力を蓄えておこうとスラム街にもぐり込む。
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