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DEAD END

2003年1月弟5週


1月27日

全県模試が返却された。塾内偏差値は59.6。去年に引き続き60突破!とはいかなかった。今度の中3に期待しようか。

山本愛が土壇場で三重県順位1位になった。

去年の4月のことだ。全県模試1位、三進連全県1位、付属中学内1位の三冠を達成(プロレス的フレーズやな)、勇躍津高への進学を決めた秋田真歩、最も目をかけていた後輩・愛へ残したメッセージ・・・「愛ちゃんも全県模試で1番取るんやよ」

愛のこの1年間、ブルドーザーさながらで駆けぬけてきた1年間、スタートラインに立つ愛に向かって檄鉄を降ろしたのが、この真歩からのメッセージ。毎晩のように深夜2時まで粘る愛の勉強スタイルも、このメッセージに駈りたてられたゆえの荒ぶる魂の発露。

やっと真歩オバサンとの約束を果たせたよな・・・おめでとう、愛。

1月28日

この日から今年の高3の私立大学受験がスタート! まずはショッぱなが皇學館大学教育学部受験の2教科受験。ここは今年の高3のアキレス腱とも言える恵の本命のひとつ。戦略的にはこの日から京都女子3教科、皇學館1教科、京都女子2教科と続く恵のツアーのなかでは最もチャンスがある入試でもある。

勉強が苦手なくせに今までの6年間、ウチの塾で真摯に”約束の地”を見据えて勉強してきた恵のデビュー戦。行くべきか、行くざるべきか・・・悩みながら朝を迎える。去年の秋の京都女子推薦発表の日の記憶が蘇る。俺の行く気を逆撫でしやがる。クソ! 去年の仁志に続き、俺が見に行く入試は負け試合が滅法多い。ここは堪える一手か・・・。

中3の唯一の男子、知樹。ウチの塾で勉強する最後の夜を迎える。

知樹の受験校は静岡学園。今年の全国高校サッカーの静岡県代表校である。叩けば津西で勝負できるだけの力はあった。しかし逡巡のあげく、知樹は勉強よりサッカーを選んだ。静岡学園のサッカーのセレクションにはすでに合格している。あとは明日実施される基礎学力試験を残すのみ。

「明日は何時に行くねん」 苦手な国語を丹念に勉強している知樹に尋ねた。「四日市を午前5時頃」「えらい早いな!」「それに乗らへんと試験に間に合わへんねん」「試験は静岡学園でか?」「うん」「時間は?」「8時30分には着いとらんと」「そりゃ津駅の始発では到底間に合わんよな」

パソコンを操作している俺の横に愛が来ていつもの挨拶。「送っていってください」 俺はむげに却下。「アカンよ今夜は。知樹の最後の晴れ姿を見たいんや」

1月29日

JR四日市駅午前5時23分発、名古屋行の普通・・・これに違いない。インターネットで検索、これより遅い列車では静岡市に8時までには着けない。これしかない・・・。

午前4時。塾を一歩出ると外は雪爛漫。氷が張っている地面をそろそろ歩き、車に乗り込みエンジンをかける。ゆるゆると廃車同然のエスティマが動き出す。道路一面に白いコーティング、こりゃ今日は積もりそうだなと心が沸き立つ。朝起きたウチの娘さん達が小躍りする光景が脳裏をよぎる。

南が丘から23号線に入った。雪のうねりはますますひどく、風の強さもあいまって見事な乱舞を見せてくれる。情緒に浸りそうになる俺を現実に戻すのはトラック。この時間帯はトラックの独壇場、雪を歯牙にもかけず疾風する。おんぼろエスティマ、青息吐息で右往左往。とにもかくにも四日市を目指し一路23号線を北上する。

津から河芸まではの道は、かつて過ごした福井の冬を彷彿させる勢い。しかし鈴鹿に入るや、勢い急激にしぼみ、雪がちらつく程度となる。JR四日市駅に着いたのは午前5時前。自販機でダイドーのコーヒーを買って知樹の到着を待つ。

小学校の頃から数学的なセンスはあった。やはり小学生範囲、教えたことはすぐ理解した。しかし中学に入り、津市のサッカーチームに入っていたことから塾に来る日が不規則になった。中学ともなれば履修範囲も広がる。週に1度ではきつくなった。何度か話し合いを持った。しかし中学のクラブとサッカーの掛け持ち、時間的余裕もなければ身体ももたないようだった。徐々に滞りが目立つようになってきた。中2には県選抜で韓国遠征のメンバーに選ばれた。韓国土産をいつもと違う少々誇らしげな顔で渡してくれた時、いつ言うかいつ言うかと思いあぐねていた言葉、「そろそろサッカーやめて勉強せんか」、胸に押し込んだ。そして中3となっても塾に来るペースは変わらなかった。

午前5時10分、2人の少年が姿を見せる。知樹だ。もう一人はガタイが大きい、180cmほどはあるかな。バックスかキーパーだろう。2人で何かしら話しながら近づく。「おはよう」と声をかけるとガタイの大きな少年が「おはようございます」 知樹の視線が俺のほうを向いた。「あれ!先生。どうしたん」

午前5時23分、四日市駅近くの踏み切りで車を止める。外に出て電車が来るのを待つ。警報が鳴り遮断機が降り始める。タバコに火を付け名古屋行始発が来るのを待つ。息が白い。電車が近づく。

女の子ばかりのなかで小さくなって過ごしてきた知樹を思う。塾での席は一番後ろだった。同級生の女子とよりは1年後輩の男子連中とつるんでいた。去年の末に古西が入ってからは話し相手ができて多少居心地が良くなったようだ。踏み切りを電車が通り過ぎる。なにしろ始発、人影は少ない。知樹は友達と笑いながら話している。勉強よりはサッカーを選んだ。そんな知樹に俺は何ができたのだろうか? 

電車は小さくなった。知樹がウチの塾で過ごした4年間を思った。果たしてこれで良かったんだろうか。この1年間、何度も自問した疑問が張りついた。車に戻った。メガネが曇った。

午前9時、電話で目覚める。奥さんからだ。「津は観測以来の大雪ですって」 三重教材の前の道、吹きすさぶ雪のなか久居まで帰るのがおっくうで鈴鹿の三重教材の前に車を止めて寝た。山本愛を送るようになって車にシュラフを積み込んでおいたのが役に立った。あくびをしながら三重教材のドアを開ける。「もしやと思ってたけど、あの車やはり先生のやった?」

恵の携帯に電話。恵の本命、京都女子大学3教科が終わった頃だ。「どやった?」「日本史が前日勉強してたとこから半分以上出たんですよ」 声が上ずっている。皇學館の出来が今イチだったとかで落ち込んでいた昨日がうそのようだ。ツキがある? なんとか合格してほしい。

1月30日           

娘のれいと奥さんを連れて車が動き出す。先日の雪が溶けないでアイスバーンの装い、おそるおそる踏みしめるようにエスティマは走る。南が丘に続く新装されたばかりの道は大渋滞。しかたなく細い道はくねくねと、スリップに注意しながら23号線へ。このタイムラグで鈴鹿医療化学大学に到着したのは午前9時45分。正門前には試験会場へ急ぐ受験生の姿がちらほら。案内係りを務める大学事務員の一人が俺達に近づく。「ご父兄の方ですか?」「ええ、親戚の娘が受けるはずなんですが・・・遅かったようですね」「そうですね、あらかたは試験場に入室したようです。まあ、父兄控え室でお休みください」

あすかの携帯はオフ。しかし健太にはつながる。呼び出し音・・・「はい」「なんでオマエ携帯の電源切ってへんねん!」 ヘンな言いがかりをつける俺。

同志社大学の受験にれいとめいを連れて行ったのは彼女たちが小学校4年の時、10期生・渡部裕美の受験だ。同志社大学は田辺の丘陵の上にある。正門から下を眺めると、雪が降るなかをアリの大群とも思える受験生の群れが押し寄せてくる。この光景、俺は何回経験しても慣れることはない。鳥肌が立つのを禁じえない。娘たちにも見せてやりたかった。入試とは・・・言葉で語り尽くせない。あの無言の行進が全てだ。そんな受験生にまぎれ、大阪の祖父の家からやって来る裕美を探しているのは斉藤(当時も今も北海道大学)と信藤(現在同志社大学5年目)。あげく受験生に間違われて同志社大学の学生からパンフを山のようにもらってやがる! オマエラには大学生のプライドがないんかい! あげくやっと見つけた裕美に「入試頑張ってください」なんぞと言いながらそのパンフを渡していやがる、バカ野郎! 俺は双子の娘達にたずねる。「これが大学入試だ! どや」 れいが小さい声でつぶやく。「お父さん、大学入試って寒いんやね」 

中学を休んで健太とあすかと佳子の”その一瞬”を見るために密航したれいの目に、4年ぶりの大学入試、鈴鹿医療化学大学の静謐さはどのように映ったのだろうか。

この日、佳子は午後で受験。そして午前の受験を終えたあすかは翌日からの畿央大学・四条畷大学受験のために大阪入りした。今夜からのねぐら、美女と野獣と揶揄される兄貴(近畿大学3年)のマンションである。

1月31日

翌日の鈴鹿高校から高校入試が本格的にスタート。中3の送り出しが始まる。やはり今年の高1はフットワークが鈍い。全く準備なし、あげく高2の大森(津西)がジュースやカメラを買いに走る羽目に。

卒業生のYから連絡が入る。「先生、私の1年か2年後輩に日比均って子おったよね?」「ああ」「津市の子?」「ああ、それがどないした?」「入院してるわ」「え!」

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