No.334〜No.355

打ち出し太鼓

落語会を迎えるたびに必ず血が滾る。
終えたあと、満足感、反省(?)、そして次への熱き思いがある。
そんな栄歌の独り言、裏話などをおもしろくお伝え出来たらエエなあと思います。


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 さらば、「浪漫亭砂九」        
 
  
   
No.355   2006年11月29日 (水) 10時16分


 第121回 商店街寄席 11/25(土)        



「掛取り」粗忽家勘朝/「七段目」南遊亭栄歌/【紙切り】粗忽家酔書/「七度狐」粗忽家勘タン
No.354   2006年11月29日 (水) 10時16分


 第13回 河崎蔵々寄席 11/12(日)        
此処にみえるお客さんは実に不思議。
日によってノリとか笑いとか食い付きとかのリアクションが全然ちがう。滅茶苦茶ウケる時もあれば、重たくてなかなか笑って貰えへん時もある。今日はどうやら後者の方やった。
全体的に笑いは少な目、反応はやや重たい。

まずのっけに、「ゑちご亭独楽酢」さんの初高座から。
独楽酢さんは今年の1月の寝床の会の時に入会希望があって現在見習い中(準会員扱い)の身。試し高座は付け焼刃的な2月のサウスでの「転失気」でこれはまだ落語と言うには程遠かった。本格的な最初の高座となる今回の「つる」はそれでも予定外のエントリーということで、開演2時より少し前の1時50分からスタート。会場もまで落ち着いておらず、独楽酢さんも緊張の高座であったから、評価は次回の時にするね。
衆朝さんは「つる」の演題から急遽「平林」に変更、そこらのマクラもまずハマって会場の雰囲気は柔らかいものに。衆朝さんの味がよくでた高座やった。
ワタシの「ちりとてちん」は広島での大爆笑から勢いのついた得意ネタでの大熱演…と行きたいところやったけど、最初に書いたとおり非常に大人し目のリアクション。それでもワタシ的には出来もそう悪くなく、かなりお客さんにはウケたように思っていたが、降りてきてから玄やんが「いつもの栄歌さんにしては笑いが少なかったですね」と云った。そういえばそうやったのかな…。まあ、ワタシ的には満足なんやけどネ。
玄やんのネタはメンバー全員が初めて聴く噺。下座では横で衆朝さんがゲラゲラ笑うし、ワタシ的にも結構面白いかな…と思ったが、お客さんの反応はイマイチ。今回の会場の反応はちょっと厳しいかな。
会長の「五貫裁き」。ワタシは控え室に引っ込んでいたので前半は聞いてなかったが、後半会場は結構エエ雰囲気で笑って頂いていたような様子。でも会長は降りてきて不満やったみたい。これはまた後でDVDが出たら見させて貰うて再評価させて貰おうと思う。
大喜利は時間押しでちょっとメニュー変更。いつも以上でも以下でもなく、ソツなくこなせたのではないやろうか。
 
「開口一番(つる)」ゑちご亭独楽酢/「平林」にうぎに家衆朝/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/「トクさん、トメさん」隣乃玄張/「五貫裁き」切磋亭琢磨/〜大喜利〜(相撲の決まり手、秋の味覚の一〜十)
No.353   2006年11月17日 (金) 15時58分


 第110回 サウスロード落語ライブ 11/11(土)        
とにかく初めから終いまで心のゆとりがなかった。
『テレショップ・パニック』は短いネタで、マクラを除くと8分くらい。マクラが長いとメンバーからは嫌がられている(?)ワタシでも15分くらいで降りて来られる。そんなテクニックが無くても結構爆笑が取れる。
そんなワケでエントリーしたが、いつに無く(めずらしく)仕事の方が忙しくて週半ばまで半分も覚えられない状態であった。まあネタの長さからは、金・土あれば十分かな…とタカを括っていたが、なんとその当てにしていた週末が心筋梗塞と緊急のペースメーカー植え込みでぶっ飛んでしもた。
会場についてから大喜利の打ち合わせも上の空で、必死でネタ繰りした。
あとは開き直り。。。

今回のサウスロード落語ライブはプチ記念公演。
お店のサウスロードが開店30周年を向かえ、落語ライブがキリのエエ110回目。そこで隠しテーマを設けた。数字の「三十」と110と云えば「警察・犯罪・110番」。
衆朝さんは「三十石」…隠れてへんがな!そのままや。。。しかも(上)とあるが、三十石の船に乗り込む前のドガチャガで降りてきた。そらぁ、「三十石」とちゃうて。フランス料理のフルコースを頼んだらオードブルとサラダとスープで勘定書きを持ってこられたような気分。しかも練習不足で間延びしているし…。(←あ、練習不足は人の事云えへん。。。)
とは云っても、そこは衆朝さん。エエ具合に暖めてくれて、会場は和やかな雰囲気に。
玄やんは「へっつい盗人」。ネタのなかで「おやっさんに見つかったら、懲役に行ったらエエがな」…つまりは今で言う「110番、警察」ですね。
玄やんは本当によくウケた。ちょっと粗いが若い時はそんでエエ。妙にこじんまりとまとまっているより、自由奔放で爆発力のある方が将来もっともっと大きくなる。三重の地でもファンが確実に増えているのももっともなこと。実に魅力的な高座やった。
さあ、不安イッパイのワタシの出番。「テレショップ・パニック」は桂三風さんの新作で、テレビ通信販売の訪問販売版。オチの部分が「お申し込みは局番なしの110番へ」。ここまで喋って来て、初めて隠しコマンドに行き当たる。ちょっとした趣向やろ?
さて出来栄えであるが、とにかくよくウケた。もう、ムチャクチャうけた。やはり一夜漬けに近い準備やったから少しはバタついたが、大トチリすることもなく、電話番号も販売員の喋りも間違えずに喋れた。
厨房のスタッフも寝床の会のメンバーも全員が大爆笑をしている。ここまで沸かしたのは記憶にない。ちょっとした快感や。お客さん、スタッフ、演者、そして自分をも含めてひとかたまりの笑い。ああ、気持ちよかった。
欠多利さんの「佐々木裁き」は「110番、その後」っちゅうことやね。
ワタシもこのネタは演るので、一緒にクチを動かしながら聴いていたが、かなりワタシの喋り・テンポとは違う。演り手によってこうも変わるネンなぁと驚きながら聴かせて貰うた。ざわついていた会場がピシッとおさまり、エエ流れのネタ並びやったと思う。
「大喜利」はお題を出して貰ったお客さんに演者から自腹を切ったプレゼント…と云う趣向。
ワタシは張り切って、時節柄「クリスマス・ツリーに飾るデコレーションのあれこれ」と「2007年の手帳3点セット」。張り切って買ってきたのに、他のメンバーは「コンビにで買ったミネラルウォーター」とか「自分の名刺(ウラにコーヒーおごります、の文字付き)」とか「おでんの缶詰」とか…値段とか趣向とか手間とか、そんなに掛けてへんやろ!? それでもお客さんは大喜び。そして最後にサウスロードのチーフに寝床の会からの花束贈呈。
なかなかエエ趣向やったな。ジーンときたわ。
とにかくプレゼントをはかせる為に謎掛けのお題をイッパイ貰ったから、忘れてしもたワ。誰か覚えている人があったら、メールか何かで教えて!!

「三十石(上)」にうぎに家衆朝/「へっつい盗人」隣乃玄張/「テレショップ・パニック」(桂三風・作)南遊亭栄歌/「佐々木裁き」噴駄理亭欠多利/〜大喜利〜(謎掛け「竜巻」「福知山線の列車脱線事故」…、折り込み作文「サウスロード」)
No.352   2006年11月17日 (金) 15時54分


 楽々園学区福祉のまちづくりの集い 10/29(日)        
さて一夜明け、てい兄ぃとの落語会も残すところあとひとつ。
豪勢なビュッフェスタイルの朝食を済ませて部屋で一服していると、ホテルまでてい兄ぃが迎えにきてくれて、一路佐伯区の楽々園へ向けて出発。
現地近くまで来てまだ1時間ほど余裕があると、少し足を伸ばして宮島口駅まで案内をして貰った。ツアーガイドばりの案内に加え、落語に対する想いや職場での苦労・悩み、お父様の闘病生活のことから患者さんサイドの考えなどを聞かせて貰い、充実したドライブを楽しんだ。
現地に着くと既にイベントの真っ最中。寸劇の途中で会場を遠めに見せて貰い、高座となる机の配置の手直しや出囃子・進行など段取りを打ち合わせして控え室へ。
今日も食事の後の落語会でしかもお客さんは高齢者揃い。昨日の昼の悪夢が蘇えりいささか不安になった。
とにかくゆっくり噛んで含めるように語ろうと、慎重に高座を務めた。気を使った分すこし冗長な喋りになったか、高座を降りてきたら予定の持ち時間をかなりオーバーしていた。笑いもいつもより(期待したより)は少ないような気がする。もっとも、老人会での落語経験がそれほどなく、この笑いが多い方なのか少ないのか、判断はつかなかったが。。。(少なくとも「大広苑」のような悲惨な状態ではなかったが…。)
反対にてい兄ぃの落語を袖で聞かせて貰ったが、上手に笑いを誘っているように思える。お年寄りにはお年寄りが喜ぶようなギャグ・洒落を選んで語っているように見える。ここらがやはり「経験値の差」なんやろうか!?

ワタシは出来る限り自分の高座をMDに録音することにしている。後で聞いて反省の材料にしたり、大ウケの時は後日同じネタをする時に聞いてモチベーションを高めるために、そうしている。
今回のツアーではてい兄ぃの高座も全て録音させて貰った。夏に新居浜に行った時も、てい兄ぃの落語だけは許可を貰って録音させて貰った。

白状すると、ワタシは普段あんまり江戸落語を聴かへん。江戸落語自体をスキやないのか、長い小説を読んでるように途中で飽きてくるのである。日頃から気に入った噺家さんの噺しか聴かへん。せやから恥ずかしい話、あんまり江戸落語の事は知らんのとちゃうやろか。数少ないお気に入りの噺家さんは、プロなら志の輔・昇太・たい平・(故)圓生あたりで、アマなら夢輔[愛知]・彦柳[東京]・勘朝「福岡]・酔書[福岡]そしててい朝[広島]。(←全て敬称略 m(_ _)m )(そして今回名前の漏れた方々、平に平に m(_ _)m m(_ _)m )
てい兄ぃの落語は耳に心地よい。江戸とか上方とか関係なく、芸を盗もうとかテクニックを学ぼうとかそう云った打算でもなく、ただただオーディエンスとして聴いていて楽しい。そこらがこの広島でこれだけのお客さんに支援されている重要なファクターなのかも知れへん。
そして今日の会では、お客さんに合わせ、ハコに合わせ、コンセプトに合わせた柔軟な語りをする、それがてい兄ぃに教わった事であった。



余談ではあるが、落語ツアーが全て終わった後、てい兄ぃのお宅に厚かましくもお邪魔して、3匹の猫ちゃん達とじゃれ合い、てい兄ぃのテレビ出演のビデオを見せて貰い、そして奥さん・お嬢ちゃんと3人で駅まで見送りがてら駅ビルで広島焼きをご馳走になった。
お譲ちゃんは本当に可愛らしくて素直なエエ子(と云う言い方は失礼やな。ウチの娘より数歳年上やから…)で、昨日は昨日で酔っ払いのお相手と家までの運転手をイヤな顔ひとつせず務めて下さって、今回も夕飯のお付き合いだけでなく改札で手を振って見送って下さった。
仲睦まじく温かい家族の内らを垣間見て、心まで温まって帰路に着いた。(家には冬将軍のような冷たい嫁・子供が待ってんねや。。。)


「手水廻し」南遊亭栄歌/「目薬」秋風亭てい朝/「餅屋問答」南遊亭栄歌/「ちりとてちん」秋風亭てい朝
No.351   2006年11月07日 (火) 16時07分


 第28回 秋風亭てい朝の落語をぶつ会 10/29(土)        
何とも贅沢で眩しいタイトルなことか。つまり「秋風亭てい朝」の落語を聞かせる会、他に何の修飾もあれへん。そしててい兄ぃの落語を何と百人前後ものお客さんが聴きに集まってくるというのやから「スゴイ!」の一言や。さらにさらに今回で「第28回」やて。。。
会場は(たしか)160人くらいのキャパ、階段状の客席にステージで何とかマイクなしでもいける大きさ。舞台袖と裏(楽屋スペース)にはモニターが付いていて、高座の様子も見ることが出来る。落語するには最高のハコ。
受け付けにてい兄ぃの奥様が立ってらっしゃて、笑顔で出迎えて下さった。元スッチーだけあって女優並みの美貌とスタイル。

今回、てい兄ぃは全然お稽古が出来てない、途中で真っ白になったらどうしよう…と、しきりにアタマを抱えている。確かにパンフレットや名ビラ、千社札バリのポスターに真新しい手作りの屏風…と、ひとりで準備したひとつひとつにてい兄ぃの「こだわり」を感じ取れる。これだけのものを揃えるには、なるほど自分の落語の練習時間を削るしかないやろ。稽古のパワーも激減やろ。ちょうどワタシが『プロ・アマ落語フェスティバル』を企画・開催した時がそれやった。パンフレットからチラシ作成、会場準備から進行まで全部自分で切り盛りして、結局自分の落語の練習時間をまともに作れず、気持ちも落語モードになりきれず、不満足な高座を務めた記憶が蘇える。せやから今のてい兄ぃの苦悩・心境が自分のコトのように読み取れる。
今回の客入りが90人ちょっと。これまでなら120人くらい入るのに…と落ち込むてい兄ぃ。それも半分はワタシのせいやろ。ゲストの名前が誰やわからんオトコでは、客足も鈍るというもの。
昼間のトラウマがまだ残ってはいたが、何とか支えてあげたいという闘志が湧いてきた。とにかく自分の高座だけはしっかり務めよう。

さて開演。千艘さんがマクラを振る。ドッと会場が揺れる。お客さんの反応はきわめて良い。「昼間みたいにスカ喰らったらどないしょう」という言葉が不安から何度もクチをついて出てくる。今晩のお客さんは温かいから絶対に大丈夫、とてい兄ぃは太鼓判を押してくれる。
千艘さんは上々の出来栄えで高座を降りてきた。こうしてみると本当にエエ開口や。長くも無く、嫌味もなく、程よく会場を暖めてくれる。準備や高座返しもキビキビと動いてくれる。こんな芸人さんがウチの会にも居てくれたらエエのに…とてい兄ぃ達が少々羨ましかった。
さて、てい兄ぃの出番。自信ないと云い残して出て行ったワリには落ち着いた語り。さっきの不安は微塵も見られへん。一旦高座へ上がったらドカッと構えてお客さんを安心させる、そんなテクニックも大切なことやね。マクラで練習不足を笑いを取りながら振って、ああこれはどうかな…と思っていたが、ちゃんと「宮戸川」のオチにリンクさせるところもさすが!計算やったのね。お見逸れしました。
いよいよワタシの出番。毎度のネタで失礼します。でも自分の十八番やからと、取って置きの「ちりとてちん」をぶつけた。マクラも毎度お馴染みの医者ネタで、関係者なら耳タコ状態やろ。それでも、昼間の不調を払拭するかのようなドッカンドッカンの笑い。気持ちよかった〜。最近作ったオリジナルのプチくすぐりもはまって本当に楽しい高座やった。降りてきたら予定よりちょいオーバーの31分。お客様の笑いに乗せられて調子に乗ってしもたかな。
仲入りで大急ぎで着替えを済ませて、引き続いて「お忘れ物承り所」。
会場は既に暖まっていたためこちらのネタも演りやすかった。キャラ設定が不十分な箇所もあったが、それでも食い付いてきて頂いて気持ちよく演れた。こんな聞き上手のお客さんたちに迎えて頂けるのも、28回ものてい兄ぃ達の積み重ねの賜物なんやなぁとつくづく感心も得心もした。降りてきたら17分ちょっと。前半の時間超過もこれで帳消しに出来たし、「食い付きモタレ」としてはちょうどエエ軽さやったのとちゃうやろか。
最後の締めくくりはてい兄ぃの大トリ「妾馬」。ネタおろしとあって、本当に自信なげに出ていったが、これまた高座にあがるとそんな弱みはこれっぽっちも見せずに自信たっぷりの語り。お仕舞いの方はさすがに息切れのためか汗を拭き拭き少しバタついたテンポではあったが、それも裏事情を知ってる意地悪な目で見ての話。てい朝ファンのお客さんは大満足、本当に貫禄たっぷりの「妾馬」やった。
打ち上げは笑福さんや常連のお客さんも参加して下さって大いに盛り上がった。千艘さんの奥様、てい兄ぃの娘さん、酔っぱらいのおっちゃん達の相手をさせてゴメンね〜!

「権助魚」六ッ家千艘/「宮戸川」秋風亭てい朝/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/〜仲入り〜/「お忘れ物承り所」南遊亭栄歌/「妾馬」秋風亭てい朝
No.350   2006年11月07日 (火) 16時03分


 広島落語ツアー その1 『食して、笑って』 10/28(土)        
今回広島を中心に活躍されている秋風亭てい朝さん(「てい兄ぃ」と呼ばして貰っている)と一緒に落語の会を持たして貰うことになった。
土・日の2日間で3つの落語会、5席の公演の場を設定して貰った。
広島演芸協会の会長を務めるてい兄ぃは国民文化祭落語部門での優勝経験者であり、2年前始めてお会いした時からそのプロ並みの風体・語り・技術に度肝を抜かれた、日本のアマ江戸落語の代表的な実力者なのである。
3月に笑福さんのお招きで広島にお邪魔した時もかむくら寄席でご一緒させて貰ったが、今回は2日間ずっと一緒に落語ツアーに回らせて貰うというとっても贅沢で光栄な企画なのである。

昼間、まず手始めに竹原市の結婚式場「大広苑」というところで有料の落語会をやらせて貰った。題して『食して、笑って』。メンバーはてい兄ぃにワタシ、そして広島演芸協会のメンバー六ッ家千艘さんと指笛の山本邦男さん。
会費は5000円で豪勢な料理とお酒が出て、その後部屋を替えて我々の落語会という企画。いったい料理にいくらで落語にいくらの値が付いているのか解らへんが、食後でしかもアルコールの入っている人も居てるらしく、少々手強そう。
フタを開けると何と140人も入って下さってさらに緊張。
のっけは千艘さんが「子ほめ」で探りを入れた。あんまり反応がない。演り方はそれほど拙くないと思うのやが、お客さんの反応が少々重たい。
「よし、ここはひとつドッカ〜ンとやって来ようか」とはりきって出て行ったが、最初のマクラでちょっと笑いを取ったものの、後は不発で鳴かず飛ばず。鹿沼ではあれだけ沸かしたワタシの飛び道具の「代脈」が、これだけスカを喰らうのはこれまでで初めて。汗の小一升もかいて高座を降りた。
その後、指笛の山本さん。落語担当ではないので語りは少々ぎこちないがこの人が今日イチバンの大ウケやった。くすぐりでもキッチリ笑いを取って、指笛の芸も本当に素晴らしかった。
そして大トリのてい兄ぃ。指笛には敵わないまでも、キッチリとお客さんを沸かした。会場の空気が指笛で変わったのもあるやろうけど(←と自分を慰めたが)、恐らく最初に出て行ったとしてもちゃんと笑いを取ったであろう、それほど安定した語りやった。さすが年間150以上もの場所で数百席をこなす実力者。百戦錬磨の底力を見せ付けられ、ねじ伏せられたような気持ち。
初っ端からてい兄ぃとの実力差を思い知らされ、思いっきり落ち込んでしもた。これから2日間、大丈夫やろか。。。

「子ほめ」六ッ家千艘/「代脈」南遊亭栄歌/【指笛】山本邦男/「天狗裁き」秋風亭てい朝
No.349   2006年11月07日 (火) 15時59分


 第98回 寝床の会 10/21(土)        
長らくサボっていましたが、ボチボチ再発進しようと思います。
最近PCの前に座ってもなかなかキーボードを打つ気になれません。何度もブックマークをクリックしては閲覧してただひたすらサーフィンしているだけです。
ちょっとした「欝状態」なのかも知れません。メールなど頂いて返信出来なかった方が居てはったらごめんなさいネ。
再出発は記念すべきホームグランドの会、「寝床の会」からです。過去に空欄のまま残したコラムもボチボチ仕上げて行きますので、その気があったらごらん下さいな。

この会を迎えるにあたって、メンバー内でちょっとしたゴタゴタがあった。これまで共にやってきたメンバーではあるが、少しずつ開大した落語に対する思いのズレや温度差に起因するとは思うが…。しばらく活動をやめようかとまで思ったが、脱会宣言をするまでは至らなかった。やっぱり自分に取って大切な会なんやな〜と改めて認識した。
今回のゴタゴタのほとんどはワタシに責任があるのやと思う。この場を借りてお詫びする。

遡ること3ヶ月前、大阪の友人「千里家やん愚」というエエかげんなおっさんが、「もしこの日に『七段目』を演るなら圓九とイッショに下座を手伝いに行ってもええで」と電話をくれよった。願ってもない申し出。『七段目』は「寝床の会」と「楽」で演るのを目的に覚えたネタで、どうせ演るならエエもんに仕上げたい。彼の申し出は願ってもないことやった。
途中紆余曲折があって、やん愚氏と藤本遊丸氏が出囃子と『七段目』と『骨つり』のハメモノをやるということに変わったが、百万の味方を得たような気分。
当日はメンバーのみんなに迷惑をかけながら、控え室である和室でハメモノとの合わしのリハーサル。茂やん(遊丸氏のこと)は歌舞伎に明るく、色々と手直しをしてくれる。やん愚氏の三味線は翠会の正統派で最近メキメキと腕を上げていると聞く。この二人のサポートで今回の『七段目』はグッとグレードアップすること間違いなし。
さて、開演。やん愚氏の三味線に茂やんの太鼓とあって、出囃子を吹くワタシも心ウキウキ。ところが最初の着到で玄やんの叩いている締め太鼓のテレン台が壊れて分解。慌ててアゲる(←お仕舞いの旋律を吹く)ワタシの唇が緩んだ。無残にも崩れた締め太鼓を一所懸命に叩く玄やんの後姿がアライグマのヌイグルミに見えて可笑しかったからである。一番最後の「ヒィ〜〜ッ!」と吹く笛の音がスカを喰らい、大外し。ああ、恥ずかしかった。
玄やんの「骨つり」、なかなかしっかりとした口調でお客さんの心を鷲掴み。下座のハメモノの効果も相まって、立派な噺に仕上がった。お客さんの後からの評判も結構エエもんやった。
「鉄砲勇助」は本来会長の琢磨氏が演る予定であったが、会長のお父様が亡くなられて急遽衆朝さんの代演。2日前に決まったが、それでも演ってしまうところが衆朝さんの凄いところ。おまけに結構ウケたらしい。(ワタシは自分の準備のため欠多利さんと衆朝さんの落語は聴けへんかったのが残念。)キチッと覚えず適当にやるスタイルがここで効奏した、と言うところか。
ワタシの『七段目』、何遍も聞いて貰っている伊勢と名古屋のお客さんには本当に申し訳ないが、新しい創意工夫もなく、覚えたとおりキッチリ演らせて貰うた。キッチリと言うたものの正直に言うと「忠臣蔵」のところで少し登場人物の名前を間違えたが、それ以外は完璧な『七段目』であったと思う。
思えば河崎蔵々ではマクラでウロが来たし、新居浜ではストーリーを追っかけるだけでいっぱいイッパイの語りやったが、最近は余裕が出てきたように思う。下座さんのチカラも絶大で感謝のコトバもない。
大喜利は会長抜きで少々痛かったが、玄やんが頑張ってくれてエエ具合に盛り上がったと思う。
しかし寝床の会のお客様はホンマ格別やなぁ。当初並べた椅子84脚は開場間もなく一杯になり、受付横に用意した20脚も無くなって最終114人の大入り。ドッカンドッカンと笑って下さり、本当に自分が上手くなったような錯覚にとらわれる。
やん愚・茂やん両氏も本当に羨ましがってくれた。ここまで育ててくれた皆さんに感謝!

「阿弥陀池」欠多利/「骨つり」玄張/「鉄砲勇助」衆朝/「七段目」栄歌/大喜利(折りこみ川柳「秋ふかし…」、謎かけ「日本シリーズ」「紅葉狩り」「 」、一〜十「秋の食べ物」)
下座:「三味線」千里家やん愚、「太鼓・ツケ」藤本遊丸、「太鼓(七段目)」隣乃玄張、「笛(骨つり)」南遊亭栄歌、
No.348   2006年11月06日 (月) 16時20分


 わくわくおやこ寄席 7/16(日)        



「開口一番」芸乃虎や志/「二人癖」南遊亭栄歌/「旅行日記」粗忽家酔書/
「犬の目」寿亭茆町/「間抜けの釣り」水都家艶笑/〜仲入り〜/「紙切り」粗忽家酔書/「せんべい布団」秋風亭てい朝/「親子酒」竜宮亭無眠 
No.347   2006年07月23日 (日) 14時48分


 どんでん寄席 7/16(日)        


「十徳」隣乃玄張/「片棒」粗忽家勘々/「明石飛脚」寿亭茆町(兵庫)/「ん廻し」火災亭珍歌/「猫の茶碗」柱笑福/〜仲入り〜/「マジック」新居浜高専奇術愛好会/「挨拶&小咄」芸乃虎や志/「時そば」芸乃鵜飼(愛媛・新居浜)/「金玉医者」三流亭楽々 
No.346   2006年07月23日 (日) 14時45分


 アマ落語競演会 in にいはま 7/15(土)        



「初天神」水都家艶笑(新潟)/「冷蔵庫哀詩」(桂小春団治・作)竜宮亭無眠(岐阜)/「出来心」三流亭楽々(新潟)/「お菊の皿」芸乃虎や志(愛媛・新居浜)/「マジック」新居浜高専奇術愛好会/「源太と兄貴」(笑福亭仁智・作)隣乃玄張(兵庫)/「厩火事」秋風亭てい朝(広島)/〜仲入り〜/「平林」らくさぶろう(愛媛・松山)/「魚根問い」粗忽家酔書(福岡)/「七段目」南遊亭栄歌(三重)
No.345   2006年07月23日 (日) 14時41分


 アマ落語競演in西条        

「つる」粗忽家勘々(福岡)/「九日目」南遊亭栄歌(三重)/「動物園」 秋風亭てい朝(広島)/「笑いと健康」芸乃虎や志(愛媛・新居浜)/「足上り」らくさぶろう(愛媛・松山)/〜仲入り〜/「紙切り」粗忽家酔書(福岡)/「川柳は心の憂さの吹き溜まり」(笑福亭仁智・作)柱笑福(広島)/「カラオケ病院」火災亭珍歌(栃木)
No.344   2006年07月23日 (日) 14時36分


 全国選抜アマ落語名人競演会 in 鹿沼 7/1(土)        
四国ツアーでご一緒させて貰うてる栃木の火災亭珍歌さんから、栃木の落語コンクール出演のお誘いがあった。
楽しい落語会のイベントには出来るだけ参加したいタチやから、即レスでオーケーした。しかし企画が明かされていくにつれ、少しずつモチベーションが下がってきた。
珍歌さんも暗中模索なんやろうけど今回の企画は、ネタは当日までわからない、出番も当日決める…というサプライズ落語会。我々演者にはサプライズかも知れへんけど、お客さんにとっては何の興奮もない会となるやろう。我々が誰かもどんな芸風かもわからない状態では、ネタが出番直前に発表となっても期待値もドキドキ感も発生しにくいやろう予想されるからである。加えて行き当たりばったりの落語ではどうしても質が落ちる。「大丈夫やろか…」心配になっていたその時、るぱんさんから救いの言葉。それならネタは公表せず、ちゃんと準備して来たネタをかけよう…と。
珍歌さんは変わり身早く方向転換をされ、出番は年齢順・ネタは2〜3つエントリーして珍歌さんが選考する、というものに大きく変貌を遂げた。
エントリーされたメンバーがスゴイ!選手権や国民文化祭などでトップに名を連ねている連中ばかり。各地で大活躍され、その絶大な反響は各HPで伺うことが出来る。この中で出られるのか…。今度は逆にモチベーションがどんどん上がって行く…。

さて当日を向かえ、珍歌さんの送って下さった丁寧な案内に従って津→名古屋→東京→宇都宮→鹿沼と乗り換えながら向かった。
今回のワタシのお題『代脈』(←に決まった)は、まあ色んなトコで何遍も演っているネタやから大丈夫やろう…とタカを括りサボって、今日までほとんど練習していなかった。しかし、さすがに今日の相手ではエエ加減な落語をしては持っていかれると思い、電車の中で2〜3回ネタ繰りをした。これが効を奏して、いくつか旬のギャグや演出を思いついた。

鹿沼は今年図書館寄席が第50回を迎える。大勢のスタッフにたくさんのお客さん、結局会場は140人くらいでぎっしりとなり、終始立ち見の出る状態であった。大阪の選手権に模って前半・後半で一人ずつ会場の投票で選出され、それに審査員の持ち点を加え優勝者を決めるというもの。回収された投票用紙は前半・後半ともに各120枚以上に及び、今回の落語会の熱気はそれだけでも伺うことが出来るやろう。
演者は着替えて高座を務めると、さっさと控え室に走って戻り、急いで着替えて舞台袖(視聴覚室の一部)に雑然と置いてある椅子に座って高座の上の別の演者に釘付け。
こんな落語会もめずらしい!高座で演じている演者以外の出演者が全員舞台の袖で椅子にドカッと座り、高座を見つめて大笑いをしているのである。高座を降りると着替えの時間ももどかしい。面白い喋りを聞き逃すのが勿体無いとばかりに走って大急ぎで着替えを済ますのである。お客さんだけでなく仕掛け人や演者までもが楽しんでいる落語会。ハイレベルのメンバーやからこそ見られる光景と思う。
若々しく明るくとてもエエ雰囲気を作ってくれた一番手の玄やん、正統派で耳に快い語りの2番手波舟さんに続いてワタシの出番。マクラからよくハマって大いに笑って貰った。降りてくる時会場から「上手いなぁ」と囁きあう声が聞えてきて嬉しかった。るぱんさんはお客さんの笑いのツボを良く心得てはる。ここでこう来て欲しいと思うところでキッチリと来る。本当に上手いと思う。仲入りを挟んでてい朝さん。地味な噺やけどプロを思わせる語り口で上手に沸かせる。福間や広島でもそう思ったが、プロ並みと言う点では全国屈指やと思う。艶笑さんは出て数秒で客の心を掴む。個性的で魅力的な間、リズム。何より自分が楽しそうに喋るのが良い。楽々さんは今回初めて聞く噺家さん。声が少々細いかな…と思ったが、これは怪談を意識して…との本人談。ワタシの持ちネタにもあるこの噺、ワタシ的に新しい発見もあってとても参考になった一席やった。大トリは国民文化祭では必ず入賞をされる丹馬さん。この人には本当にうならされた。「上手い」と「面白い」を併せ持つ数少ない噺家。もちろん上方ではこの人も全国屈指やと思う。
こんな素晴らしいメンバーの中で演らせて貰い、しかも最優秀賞を頂戴した。2位は丹馬さんで3位はるぱんさん。上位3位がすべて上方勢と云うのも、ここの土地柄のせいかも。
落語の順位なんてほとんどシャレ。レースのようにタイムを競うワケでもなく球技のように点数を取り合うワケでもない。ただ、今日誰が面白かったか、ということに対する票数やから、お客さんの体調とか出る順番とか土地柄とかネタの好き嫌いとか、そういったもので全然結果が変わってくるものやと思う。
せやから、「今日このメンバーでこんな楽しい会がやれた」ということだけで大満足。
そしてこんな素晴らしい会を企画・開催してくれた珍歌さんに感謝!!

打ち上げは、美しい奥様連中にも参加して貰い、東京から菊之助クンにも駆けつけて貰って大いに盛り上がったが、その話はまた後日にでも…ネ。

「十徳」隣乃玄張/「幇間腹」今柳亭波舟/「代脈」南遊亭栄歌/「妻の旅行」(桂三枝作)河内家るぱん/〜仲入り〜/「死ぬなら今」秋風亭てい朝/「家見舞い」水都家艶笑/「幽霊の辻」(小佐田定雄作)三流亭楽々/「夏の医者」春歌亭丹馬
No.343   2006年07月23日 (日) 14時31分


 全日本社会人落語選手権・第12回 大阪本選 6/18(日)        
どうも昨今は参加者のレベルアップが著しく、容易には勝たせて貰われへんようになってきた。
今年は歴代チャンピオンの我風さん、圓九氏に加えて、昨年の雪辱を晴らすべく打倒猿之助を唱えるこのワタシと、前半のアタマ3席で優勝経験者が出尽くして、後半は歴代1位の当り目クン、無眠さんと東京のチャンピオン吉遊さんが居てる。それに前半の四国からの虎や志さんも油断出来へん存在や。
会場票は前半でひとり、後半でひとりというルールやから前半はかなり不利になる。事実、前3人でかなり票が割れたそうな。
ワタシの「おごろもち…」は持ちネタ27分のところを大幅に切り詰めて仕上げた。時間の関係から泣く泣く削除したくだりもあったが、降りてきたら18分を割っていた。これならもっと遊べたのに。司会者のアタマを弄ったネタ・審査員を持ち上げたネタを出番直前に織り込んだが、コイツは賛否両論。身内ネタ・楽屋ウケとの意見も頂戴したが、ワタシはこの選手権でガチガチにならずちょっとした遊びを混ぜる余裕を見て欲しかったところやけど。
後半は初都さんが凄いパワー。演ずる+作品の創作の評価を加えるなら当然この人が優勝やろ。此処までの笑いを自ら作り出す才能には感動!
後半全体に笑いのトーンが下がる中を、無眠さんの「ちりとてちん」が評価され、今年の年度1位が決定した。
猿やんは、得意の「手水廻し」を持ってくるのかと思うたら「天狗裁き」をぶつけてきた。繰り返しネタでオチも割れる傾向にあるこの噺、どう料理するのかと楽しみに聞かせて貰うた。
う〜ん、そう来るか…と唸らされるような演出。家主さんの顔の表情やらお奉行・天狗の語りの間など、新しい演出があり、大変勉強になった。
今年の優勝は、猿やんでも無眠さんでもどちらでもおかしくない。でも心の中では無眠さんの優勝を望んでいた。なんと言うてもワタシの属する「楽語の会」のリーダーやから。何年も挑戦して来て年度1位に甘んじて来た(返り討ちにしたのはこのワタシやけど…)姿を見ているから。
果たして無眠さんの優勝! 本当におめでとう。これからやね。今年1年で無眠さんの落語もまたグッと変わると思うよ。それを目の当たりに見せて貰うのも、これまた楽しみ。
無眠さん、優勝おめでとう!

「みかん屋」千里家圓九/「阿弥陀池」夢屋我風/「おごろもち盗人」南遊亭栄歌/「紙屑屋」芸乃虎や志/「道具屋」星笑亭直助/〜仲入り〜/「次の御用日」新宮亭当り目/「幇間腹」鹿鳴家吉遊/「星ヶ丘夫人・危険な願望」渚家初都/「隅田川」社繁亭倍蔵/「ちりとてちん」竜宮亭無眠/「天狗裁き」立の家猿之助
No.342   2006年07月23日 (日) 14時14分


 「ほくせい会館」落語会 6/11(日)        
桑名市の南に流れる員弁川、その川沿いに位置する「ほくせい会館」はセレモニーホールつまり葬式場である。そこから落語の依頼を頂いたのはワタシが入院する少し前。地域とのコミュニケーションとしてイベントを企画したそうな。
4月に入って一度会場を下見に行った。葬式場での落語会なんて始めてやったから。金屏風の代わりに銀屏風天井が少し高い事を除けばほとんど遜色なく演れる、いやむしろエエ会場やと思う。担当の方も誠実な方でどうやら気持ちよく演れそうや。

さて当日はワタシの当直明けということもあって、少し遅れて現場入り。早速会場を見せて貰うと打ち合わせの時とかなり段取りが違っていた。まず高座の大きさが問題。横幅は十分にとって貰ってあったけど、前後幅が座布団1枚分ちょっとしかない。これでは見台が置けへん。それに高さ。「座って膝に置いた手が椅子に座ったお客さんの目の高さ」と説明し、90cm〜110cmと数字まで伝えたのに、どう欲目にみても60〜70cmしかあれへん。照明もピンスポを左右2本とお願いしたのにアームスタンド程度のライトが左右の衝立に取り付けてあるだけ。
ちょっとあわてたけど、残っている時間で高座の前後幅だけあり合わせの材料で増設し、あとは妥協した。
しかし会場は立派で控え室も綺麗!遺族の控え室を用意して頂いたのやからそこは当たり前か。。。1時間半くらいの公演とのご依頼でみな17〜8分の高座に大喜利というプログラムを用意した。後は開場後の客足だけや。
担当に人にお願いをして、「お客さんの出入りは演者が引っ込んでから次の演者がマクラを終えるまで、本ネタに入ったら後ろの戸を閉め切って客足をとめて下さい」と伝えた。会場の外では色んなイベントをやっていたからである。
落語会の空気が容易に壊れることを分かって欲しかった。しかしこれが反対に足かせとなって客足を遠のけた。
開演の時100人くらい入る会場にはお客さんがたったの7人。どんな素晴らしい落語をしても到底沸かせるとは思えんかった。まず衆朝さんが玉砕、そしてワタシが上がった時には客席は10人ちょっと埋まったやろか、どうにか前のカップルと後ろのおばちゃんたちがクスクスと押し殺した笑いをする程度。う〜ん、試練じゃあ〜。
玄やんは客いじりが上手かった。何度か会場の笑いを誘い、それでも完全には空気は変えられず、会長の上がった時には客数25人くらい?此処まで来ると「ひやかし」連中は完全に帰ってしもて、本当に好きなお年寄りだけとなった。
会長は予定の『野崎』を止めて小咄でつなぐことに変更した。「手を上げて息を吸うと長生き出来る」と、お客さんにも参加させ、ネタもお客さんと会話するように運んでいく。長年培われた業が冴え、会場の空気が一気に和んだ。
大喜利はこの和らいだ雰囲気を受けて楽しく出来た。
まあ終わり良ければ全てよし!? 担当の方は大変恐縮して下さったが、まあ半分はコッチも悪いンやし。。。これで桑名の地にも落語好きが増えて裏を返して下さったら、ホンマに嬉しいんやけど。
最後は美味しいお弁当を頂戴し、綺麗な接客のお姉さんにお茶を入れて貰って、気持ちよく高速を飛ばして帰った。また呼んで貰えるとエエね!

「平林」にうぎに家衆朝/「お忘れ物承り所」南遊亭栄歌/「十徳」隣乃玄張/「小咄〜鶴の恩返し」切磋亭琢磨/〜大喜利〜(珍・漢和辞典「草かんむり」、謎掛け「ワールドカップ」「葬式」、数え歌「葬式」)
No.340   2006年06月13日 (火) 16時34分


 第13回 河崎蔵々寄席 5/28(日)        
ワタシにとっては久々のネタおろしの日。色んな不安がよぎる。緊張!
三味線なしの『七段目』、上手いこと行くやろか。衆朝さんのツケはキッチリはまるやろか。唄いのところ、「何と何とと詰め寄ったり〜♪」と「大手を広げて身構えたり〜♪」、は一体誰が唄う?自分?下座の誰か?お芝居のセリフは澱んだり間違えたりせぇへん?
色んな不安材料が怒涛の如く押し寄せてくる。とりあえず吉朝師の『七段目』のセリフと下座のキッカケを書き下ろしたネタ帳は衆朝さんに渡してあるけど、ちゃんと見てくれるやろか?
集合の前に衆朝さん宅に寄って、ツケを合わせて貰う。多分10回くらい合わせたと思うけど、一度たりとも完璧に合うことはなかった。益々不安〜〜! 

当日、琢磨さんが「泣き」を入れてきた。予定の「ねずみ」が出来上がらへんので「竹の水仙」にして欲しい…とのこと。時間内に収められるのやったら、河崎寄席はパンフレットを配ってないからエエか、というコトになった。
昨日と今日との2日間で落語会を4つ掛け持ちしていたら、そないになる事は目に見えてるわな〜。(他人のことは言われん。昨日の自分も『七段目』でいっぱいイッパイで『鷺とり』のネタが変更になるところやったんやから。。。)
会場を組んでから衆朝さんのツケ・玄やんの太鼓を合わせて貰う。3回くらい合わせたやろか、どうにか恰好がついて来たのでコレで行こう…と半ば妥協みたいな諦めみたいなカタチで合わせを終えた。更にさらに不安〜〜!!
今回は衆朝さんが出番を遠慮してくれて、下のようなねた並びとなった。
自分は直前の練習で心のユトリがなく、みんなの高座は聞かせて貰えへんかったが、みんな多少噛みながらも時間内に収め、そこそこの高座やったらしい。
ワタシは結局マクラが十分出来上がらないまま高座に上がった。案の上お芝居のイントロがバラバラになってしもた。澱んだり戻ったり言い直したり、ほんまワヤや!ネタに入ってなんかホッとした。(本来、反対やろ!?)
ネタの『七段目』は自分で言うのも何やけど、結構良かったと思う。歌舞伎はビデオくらいでしか見たことないケド、見てきたような仕草を並べてそれらしく仕上げた。衆朝さんのツケも2度程はずしたけど、思っていたより素晴らしく合わせて貰うた。三味線があったら本当にエエ『七段目』になっていたと思う。
『楽』で落語を聴く会や寝床の会にはもっとバージョンアップした仕上がりで皆さんに披露したい。マクラもちゃんと作り上げて。。。
 
「動物園」隣乃玄張/「竹の水仙」切磋亭琢磨/「お玉牛」噴駄理亭欠多利/「七段目」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(新しい漢字の読み方、謎掛け「御木曳き」「梅雨」、数え歌「ワールドカップ日本優勝」)
No.339   2006年06月04日 (日) 14時52分


 第108回 サウスロード落語ライブ 5/27(土)        
翌日の『七段目』を仕上げるのにいっぱいイッパイで、今回の『鷺とり』まで手が回らなかった。
前日の金曜日にこのサウスロードの責任者である欠多利さんに、とうとう泣きを入れた。「どうも『鷺とり』が仕上がりません。ネタを替えてもエエですか?」欠多利さんは二つ返事で「どうぞ!」
この言葉で肩の力がスッと抜けて、『鷺とり』の練習に身が入るようになった。(当日の時間の関係でウグイスのくだりは省くか入れるかするか…)そんな事を考えるゆとりも出てきた。前回4年前に演った時はたしか「にわか」のところもウグイスのくだりも全て抜いた。ナマ下座がないので「にわか」は今回も断念するとして、出来たらこのウグイスは聞いて貰いたいところ。そこも含めて練習した。(ここまでの余裕、欠多利さんに感謝!)
2年前の自分のビデオも見た。マクラが面白い!それに『鷺とり』のイントロの「商売根問い」の部分に絡めたキーワードともリンクしている。この当時の実話から作ったモノやけど、なかなかエエ出来やないの。自分で見ても面白いのやから…(←独りよがり?)
マクラを考える手間も無くなって更にチカラが抜けた。サウスロードが待ち遠しくなった。
さて、当日はあいにくの大雨で荷物の運び込みにも苦労した。この雨で肝心の客足を心配していたが、ほぼ満席となって嬉しいかぎり。
自分の『鷺とり』に関して言えば、前半はよくウケた。マクラも計算どおり、商売根問いも順調であったが、ネタに入ってからお客さんの食い付きがちょっと弱くなったか。よく聞いて下さっていたけど笑いには繋がりにくい…そんな雰囲気。見方によっては「後半ダレた」という感も。。。
まあ、これも練習の時にオロオロしていたことを考えると上出来の部類か。こういう古典古典した噺はワタシには不向きなのかも…。そんな弱音とも言い訳とも取れる感想が出ること自体、歳をとったのかなぁ。。。
大喜利は直前にみんなで考えたにしては、これまた上出来!玄やんが今回のハマリ役。おもろいキャラが出来上がった。琢磨さんは玄やんに笑いを奪われてかなり不満気。「おもろない!」を連発。彼はいつも笑いの中心に居たいヒトなんやなぁ。まあそれも笑いを追及するスタンスとしては大切なんやろうけど、大喜利はチームプレイやから、全体として喜んで貰えたら、時として自分を殺すのも大切やと思うんやけど。。。  

「眼鏡屋盗人」にうぎに家衆朝/「鷺とり」南遊亭栄歌/「秘伝書」隣乃玄張/「野崎まいり」切磋亭琢磨/〜大喜利〜(サウスネタ宣伝作文、謎掛け「テスト」「ワールドカップ」、数え歌「新婚旅行」)
No.338   2006年06月04日 (日) 14時51分


 そして恒例の「打ち上げ」        
福岡にお邪魔して毎度思うこと。福岡の天狗連はムチャクチャ熱い!
何年前になるか、唐人町の商店街寄席にお邪魔して以来何度となくお邪魔しているが、例外なく手厚くもてなして下さる。  
そして今回もスタッフの皆さんに加えてお客として来て下さった関係者の皆さんが挙って打ち上げに参加して下さり、そして2次会・3次会までお付き合いして下さった。
2次会ではカラオケは辞めとこうという申し合わせであった。ワタシもカラオケは嫌いではないし(いや、スキです、むしろ。。。)、第1回の二人会の時もカラオケには行ったのやけど、どうしても一部の人たちだけで盛り上がる傾向にある。歌わない人は全くマイクを持とうとしないし、人が歌っている時でもマイクを取り上げて歌ってしまうカラオケキチガイもいてるし。
これは何処にでもある光景なんやけど、今日は落語会の打ち上げやし、やっぱりやめとこうね…と酔書さんと申し合わせていた。
でも1次会が終わった時のみんなのノリは、やっぱ「カラオケ」やった。
ハラハラしながら、席に着いたけど、今回は昨年よりもマナーもよく、ほぼみんなが楽しく過ごせたのとちゃうやろか。時間がきても延長・延長で盛り上がり、カラオケボックスを出た後も、別れが惜しくて3次会に集まった。
この時間(2時を過ぎてたと思う)になったらさすがに十数人くらいに減って(それでも10人以上も残ってるのかよっ!)、しんみりした話も出たりして結構楽しかった。
1次会、2次会、3次会とそれぞれ違う雰囲気の打ち上げを楽しみ、一部の人はそのままビジネスホテルへ直行。
みんな、ありがとう。こんなに歓迎してくれるなんて、もう三重には帰りたくない ・゚・(ノ∀`;)・゚・  
…とか何とか云いながら、大阪に立ち寄ってプロの落語会を見て帰ったケド…ね。
No.337   2006年06月04日 (日) 14時45分


 第2回 栄歌・酔書二人会 5/13(土)        
今回はまったく余裕の無い状態での福岡入りやった。
当日まで『愛宕山』が出来上がらずにオロオロ、当然マクラは影も形もない状態であった。
このネタは体力の要る噺である。初めてこの噺を掛けた時には練習だけで膝頭が擦り切れて血が出ていたものやった。当然今回お稽古するのにも体力が要る。途中まで行くと気力が萎え中断。気を取り直してまた最初から…の繰り返しやった。後半が圧倒的に練習不足。プレッシャーに押しつぶされそうになりながら当日を迎えたのであった。
さて虎や志さんと合流して会場であるポンプラザに到着。酔書さん、小きぬさんはもう先にいらっしゃっていた。まずハメモノを合わせる。ワタシの落語が固まっていないので、お囃子とのマッチングもイマイチ。
今回は笛の勘遊さんがみえないので、下座の笛もワタシが務めることになっていた。着到(二番太鼓)で小きぬさんが「きちっとタイミングを合わせてアゲなきゃ太鼓をとめてやらない」とプレッシャーをかけてこられた。前回お邪魔した時これを教えて貰って、地元・三重に帰ってから何度か練習したケドなかなか習得出来なかった事。また開演までに宿題が増えた!
結局、笛のシミュレーションと『愛宕山』のキッカケに手一杯でオロオロ状態、『手水廻し』のマクラを十分に練らずに高座に上がるような始末。
結果は惨敗。いつものようにマクラでのエクスプロージョンは得られず、尾を引いたままネタに入ってしまい結局完全燃焼出来ないまま高座を降りた。
最初にお客さんを乗せられなかった事の悔しさと他の演者さんに対しての申し訳なさでイッパイになった。
酔書さんの『棒鱈』は本当に素晴らしかった。初めて演じるという酔っ払いも全然不自然なことはなく、前半は酔書さんに助けてもらうカタチとなった。
仲入り後、酔書さんの『鯛〜博多編〜』。三枝師匠の創作落語の『鯛』を、博多弁・関西弁・江戸弁の3匹の鯛を登場させる演出。これはよほど練習を積まな言葉の言い間違いは必発と思った。実際少し言葉が曖昧な感じに思えたところもあった。しかし面白い演出ではあった。
ゲスト虎や志さんは志の輔師匠の『ハンドタオル』。噺自体も面白い上に虎や志流のマクラも加わって、会場は笑いの渦。強いて言うなら、本ネタの部分は志の輔落語を追いかけるのではなく、志の輔師を越える何か或いは虎や志流の何かを目指して演出して欲しかった。
さて大トリの『愛宕山』。開き直ったのがよかったのか、練習とは打って変わってとても(自己)満足の行く出来栄えとなった。
春の雰囲気は出せたと思う。小きぬ社中のお囃子も打ち合わせどおりバッチリと決めて下さって、昨年の『船弁慶』に匹敵するような仕上がりとなった。
(あの練習の時からすれば)大満足!!
この噺の魅力であり難しいところでもある点は、狭い座布団の上で、奥行き・幅・高低がどれだけ演出出来るかと言うこと。
一八が傘をもって飛び降りる時、ただ走るだけでなく一八の崖の淵を見る目線が鍵となる。茂八が旦さんと一八との間を歩く時の茂八の目線の変化、土器(かわらけ)を投げた時の旦那や一八の目で追う仕草も同様。お客さんに前後・左右・上下の「3D」を感じて貰う落語が、ワタシのこの噺への思い。
そして最後のオチへと誘うくだり、崖下で縄をなうところからオチまでのリズムと最後の「忘れてきた!」の間も2つめの鍵、これもワタシ流の拘り。
ちゃんとお客さんに伝わったやろか。
当初の予想とは間逆の結果。安心していた『手水廻し』がイマイチで、不安な『愛宕山』が満足の出来栄え。
まあ、終わりよければ全てよし…とするか。。。

「四人癖」粗忽家勘仁/「手水廻し」南遊亭栄歌/「棒鱈」粗忽家酔書/〜仲入り〜/「ハンドタオル」芸乃虎や志/「鯛〜博多編〜」粗忽家酔書/「愛宕山」南遊亭栄歌
No.336   2006年06月04日 (日) 14時44分


 中之島まつり (中日) 5/4(祝)         
津島まちあそびの後、名古屋で一泊しそのまま『楽』になだれ込む予定であった。
津島に来た猿やんは今日一日で楽語の会のメンバーと打ち解け、もう話題の中心に居てる。勘々クンも持ち前の明るさでその場を盛り上げてくれるし、これなら無眠さんと心配してたような事態にはならへんやろ…と、日帰りすることに変更した。風呂にも入りたかったし。。。
翌日、猿やんの首尾を見届けるべく『楽』に向かう準備をしたていたが、太鼓やてれん台(締め太鼓を支える台)の劣化が激しく、太鼓の修理を手配すべく大阪の太鼓屋さんに向かうことに予定変更した。
さて大阪に着き、太鼓屋さんに電話をしたが、何度かけても呼び出し音が鳴り響くだけ。しつこくかけていたら最後に女将さんらしい方が出られて「今日は休みです」。ガァ〜ン! これやったら『楽』に行くべきやった。
まあ時間があったら中之島まつりに寄ろうと思うて着物を持っていたから、そのまま地下鉄で中之島に向かった。
着いた時にはほぼ終わりかけていて、玄やんが迎えてくれて、トリを取って下さいと云った。ワタシはトリを取る柄やないからと最後に玄やんにもう1席やって貰うた。(まあ、そう言う意味では玄やんもトリを取る柄やないし、まして『源太と兄貴』ではねぇ。。。それでも自分は責任は免れたし、玄やんもようウケてたから、堪忍してや。)
今日の『ちりとてちん』は昨日の出来よりさらにひどく、特に前半はあまり期待したほど笑いは来なかった。ホンマ、お客さんやみんなには申し訳ない。
落語て、キャッチボールやねぇ。エエ玉を放っても受け手のグローブの位置によっては落とされたり、こちらが荒れ玉でもちゃんと受けて下さったり、そう言う意味で本当に思うようなキャッチボールが出来たのは、ほんの数えるだけのような気がする。
 
…/「秘伝書」隣乃玄張/……/「一文笛」夢屋我風/……/「みかん屋」千里家圓九/「野崎」摂津家哲笑/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/「源太と兄貴」隣乃玄張A
No.335   2006年05月12日 (金) 15時42分