No.268〜No.291

打ち出し太鼓

落語会を迎えるたびに必ず血が滾る。
終えたあと、満足感、反省(?)、そして次への熱き思いがある。
そんな栄歌の独り言、裏話などをおもしろくお伝え出来たらエエなあと思います。


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 さようなら新居浜、さようなら川之江        
最後の落語会を終えた4人は、虎や志夫人のご実家に厚かましくも泊まらせて貰うた。
ご両親と奥様が気さくに出迎えて下さって、リビングから浴室、二階の間も全部我々に提供して下さった。奥様やご両親は台所の横のダイニングに布団を敷いて休んではった。恐縮っ!!
で、リビングにはご馳走がズラーっと並んで、次から次へとお酒が出てくる。飲めないワタシも久しぶりに酔っ払って、最後の夜は大いに盛り上がった。
艶笑さんは飲めば飲むほど饒舌になりついには独断場。珍歌さんは時々しょうもないことを云いながら間に入ってくる。ワタシはそれにツッコミを入れ、酔書さんと虎や志さんが横で笑っているという絵面。あまりにワタシに出鼻をくじかれ続けた珍歌さんがイジケて目を開けたまま寝てしもた。その無様な寝顔にまたみんな笑ったり写メを撮ったり。本当に楽しかった。このまま朝を迎えてしまうのではないかというくらいにみんな笑うた。
でもさすがに2日間の疲れでみんな次第に無口になり、やがて2階に上がって寝ることにした。2階に上がってもひとしきり布団の中で語り合った。 
翌日、美味しい朝ごはんをご馳走になり、お世話になった川之江を後にすることにした。酔書さんはJRで、ワタシと珍歌さんと艶笑さんは大阪行きの高速バスに乗ることになった。電話では当日予約は出来へんとのコトで、とにかく高速道路の入り口のバス停まで送って貰う事にした。
バス停で待っている間に「もし3人のウチ2人しか乗れへんかったら、どないする?」と云う話になった。半ば冗談で言い出したのやけど、途端にみんな無口になった。やはり新幹線とバスとでは運賃も全然違うし、1人で寂しく電車で帰るのは辛いわな〜。そうこうしているウチに高速バスがやってきた。3人が荷物を積み込もうとしていると、高速バスの運ちゃんは言うた。「ほぼ満席であと2人しか乗れませんよ。」
…冗談で言うてるコトがホンマになった。しばらくみんな無口で顔を見合わせてから、誰も乗らないコトにしてバスを見送った。
次に「レンタカーで大阪まで交代で運転して帰ろう」と言うことになった。虎や志さんのお弟子さんの鵜飼さんが隣の街まで高速道路を飛ばしながら、虎や志さんが実家に電話をしてくれた。「○○市付近のレンタカー屋さんの電話番号を教えて。」電話で値段を聞くと大阪乗り捨てはべらぼうに高い。また実家に電話。「別のレンタカー屋さんの番号を教えて」しばらくこのやり取り。ご実家には本当にご迷惑を掛け通しでした。
結局、値段が高いか乗り捨ては出来へんかで、レンタカー作戦も諦めて3人揃うて電車で帰ることにした。最初からこないしてたら良かったのに。虎や志さん達は駅の中まで見送りに来てくれて、本当に最後の最後までお世話になりました。
列車に乗り込むと何と酔書さんが座ってはった。
結局最初の4人に戻り、4人向かい合わせで昨日の続きで語らいあった。岡山の駅でみんなでで記念撮影。酔書さんと別れ、新大阪でそのまま東京に向かう珍歌さんと別れ、艶笑さんとカレーを食べてからお別れをした。
本当に楽しい落語ツアーやった。また来年、新居浜で会おうねっ! 
No.291   2005年08月15日 (月) 07時36分


 『川之江納涼落語寄席』 7/17(日)        
今回のツアーで最後の落語会。場所は虎や志さんの奥様のご実家(川之江市内)のすぐ近くの妻鳥公民館。主催はこの地区の奥様連で構成される「わくわくクラブ」。
現地に到着すると早速うら若き(?)奥様連中が黄色い声で出迎えてくれた。見ると昨日新居浜でのアマ競演会に来て下さった方達も見えた。
会場を見せて貰い、少し下座スペースの手直しをしてから下座合わせに入った。実は今回のツアーでこの会のお囃子が一番の問題やった。…と言うのは、今までずっと下座で三味線を務めてくれていたみどり会の「たらこさん」が今晩のフェリーで帰られることになっていた。虎や志さんがなれない手つきで三味線を弾いてはる。ワタシは笛で酔書さんは太鼓。これは今まで通りなんやけど、問題は虎や志さんの出番の時の三味線がないのと、酔書さんの紙切りの時の下座を虎や志さんの三味線とワタシの太鼓でつながないといけないコト。
虎や志さんの出番の時はワタシの笛と酔書さんの太鼓だけで出て貰おうかと考えていた。時間を聞くとギリギリ1席分は間に合うとのコトで急遽虎や志さんを1番手に出て貰い、その出囃子・下げ囃子をたらこさんに弾いて貰うことで問題解決。酔書さんの紙切りの時はあらかじめ曲を決めて貰うことで対応した。
会場はお母さんやお子さん方で一杯となり、コレまでの会とはまた違う雰囲気で終始盛り上がった。
ワタシの「おごろもち…」は、コレまでの悩んでいた作風がある方向性で固まりかけていた頃の作品やったので、まあ満足の行く出来栄えとなった。何と言うても今回の主役は酔書さん。落語も紙切りも大盛り上がり・大爆笑であったが、反対に下座の虎や志さんとワタシは大量の汗にまみれての打ち出しとなった。ワタシは自分ではもっと太鼓が叩けると値踏みしていた。大誤算!笛もさることながら太鼓も、もっともっと練習せなアカンなぁと反省させられた。そう言う意味で今回の落語ツアーは大変収穫となった。
最後にみんなで記念撮影をし、ワタシの音頭で「大阪締め」を叩き、わくわくクラブの奥様連とお別れをした。
虎や志さんの奥様のご実家はここから歩いてすぐの所。みんなで「後ろ髪を引かれるなぁ。わくわくの奥様連中と打ち上げの飲み会でもやりたかったなぁ」と大声で不謹慎なことを喋りながら虎や志婦人邸へと向かった。

「後生うなぎ」芸乃虎や志/「親の顔」水都家艶笑/「たがや」火災亭珍歌/「おごろもち盗人」南遊亭栄歌/「転失気」→【紙切り】粗忽家酔書
No.290   2005年07月24日 (日) 01時08分


 『こども寄席』 7/17(日)        
みんなでお弁当を頂き後半戦にそなえる。
午前と違って子ども達の年齢層がグッと上がったとは云え、それでも大人対象の落語会とは勝手が違いやはり緊張する。
艶笑さんはまず皮切りにトークと南京玉簾を披露。昨日2席こなし、どちらも爆笑を取っていたマクラがちょっと子ども達の前ではスベり気味か?それでも同席の大人たちが笑ってついて来てくれるから大丈夫。艶笑さんの玉簾は昨日に引き続いて結構なものでした。
珍歌さんの「勘定板」。この人は不思議な世界を持ってはる。通にはたまらんと思う。しかし今日の子ども達の前ではマクラは冗長やったかも。ウチの会長や玄やんのとはまた違った味の「勘定板」でした。
次の酔書さん。昨日からずっと舞台袖で笛を構えながら聞かせて貰うて来たけど、この人は本当に凄い!この人の落語は大人やから子どもやから…とか、通やから通でないから…というのは関係あれへんね。守備範囲が広くとにかく引き付けるのがウマイ。フレキシブル!落語の後の紙切りはワタシにはまたまた緊張のひととき。バックのお囃子にワタシは汗をかき、反対に会場は沸く。とにかく(三味線の)たらこさんの思いつきで曲が決まり、ワタシと虎や志さんが笛と太鼓で必死に付いていく。たらこさんのリードが冴えどうにかこうにかつとめあげた。ホンマ勉強になるわ〜。
さて息のつく間もなく、ワタシの出番。ネタ繰りする暇もあれへん。虎や志さんに習ってとにかく陽気に出て行く。マクラでチョイ掴み、そのままネタに持っていく。悩んだ挙句のこの「お忘れ物…」ではあったが、ネタがヒットしてよう笑うて貰うた。ワタシの技術やない、この三枝師匠のネタの凄さやけど。とにかくホッとした。トリはつとめられたかな。
子ども寄席もなんとか空気を掴めたし、筋書きの無いお囃子メドレーも経験出来たし、今回の四国ツアーは勉強の連続、ごっつあんでした。
  
【落語入門〜南京玉簾】水都家艶笑/「勘定板」火災亭珍歌/「饅頭こわい」→【紙切り】粗忽家酔書/「お忘れ物承り所」南遊亭栄歌
No.289   2005年07月24日 (日) 01時06分


 『おやこ寄席』 7/17(日)        
さて安い安いビジネスホテルで2日目の朝を迎えた。
朝食はバイキング。そして部屋のユニット・バス以外に大浴場もある。これで5千数百円は安すぎる!
朝風呂も浴びてサッパリしたところで気合いを入れて出発。
今日の朝の部はホテルからそう遠くない新居浜市立図書館。円形の多目的ホールを上手にパーテーションで仕切り、これまた見事な高座が既に作られてある。丁度ドーナツの穴の部分が会場で外のお菓子の部分が楽屋になっている。
着くとさっそく締太鼓を締め、下座の準備。午前中はワタシの出番はなくお囃子に集中出来る。昨日1日やってきたからちょっとは慣れたし心に少しゆとりが生まれた。

子どもさんの前で落語を演るのは、また違った難しさがある。大人と子どもとは感性が大きく違うし、また大人ほど協調性も忍耐もあれへんから、覚えたそのままやると失敗する。それは一応アタマの中では理解しているのやけど、なんせ経験がそうないので、ムチャクチャ不安。
とりあえず皆さんのやり方を見せて貰うて勉強することにした。

熊さんの「狸の札」。本当にキチッと演ってはるけど、結局玉砕。途中から子ども達は奇声を挙げたり走り回ったり、悲惨な状態となった。大人達が喜ぶような演じ分けは子どもにはなんの効力もない、子どもはストーリーを追っかけるモノやと漠然と分かった。
虎や志さんは子どもの心を掴むのが上手。最初の登場からしてスキップをしながら。さながら体操のお兄さんみたい。去年の優勝者「河崎亭好朝さん」を彷彿とさせる寿限無は子どもの心を鷲掴み。後半は爆笑に継ぐ爆笑で大成功。名前の由来の説明でちょっとダレてざわついたケド。ここはカットしてもよかったのとちゃうやろか。
酔書さんの紙切りは子ども達にも大好評。最初怖々やったリクエストの声も、2作品目からは我も我もと大合唱。こども寄席に落語を演らずに紙切りだけにした虎や志さんのプログラムも命中!さすがでした。
茆町さんは不思議な味を醸し出してはる。ネタもそうやけど、この人のキャラは子ども受けするのかな。キチッと演じて子どもたちを飽きさせへんかった。さすがトリの実力を見せて貰いました。
 
「狸の札」豊の熊五郎/「寿限無」芸乃虎や志/【紙切り】粗忽家酔書/「四人癖」寿亭茆町
No.288   2005年07月24日 (日) 01時01分


 『アマ落語競演 in にいはま』 7/16(土)        
虎や志さんもようやってくれるワ。
今回の落語ツアーのメイン中のメイン「アマ落語競演 in にいはま」、会場に着いて呆れてしもた。『新居浜市市民文化センター・中ホール』…名前だけでもごっついのに、キャパ486人やて。。。そないに大きなハコを用意してどないすんねん。プロでも400人容れようとしたらしんどいのに、アマの落語ごときで486人やて。笑わしよんな。
ところが開場とともに入るわ入るわ。あっと言う間に満席になり立ち見がでる状態。スタッフ・演者が協力してパイプ椅子を運び込む始末。500人近く入って場内は熱気ムンムン。こんな状況での落語会って始めて。
ワタシは更に下座の笛のことでアタマの中はイッパイ。愛媛大学出身のらくさぶろうさんとは初対面やけど驚いてもうたワ。酔書さんが下座の太鼓をするのやと思うたら「私は仲入り後に出番ですから、前半は私が叩きますので、仲入り後はお願いします」と申し出た。そして開演前の合わせでその上手さに痺れてもうた。ワタシの笛がチンケに聞こえる。もう無茶苦茶プレッシャーやわ。出番のコトも忘れて笛の練習ばっかりしていた。
今回のツアー参加者は全員出演、その為延々3時間を越える長丁場になったが、会場は終始熱い笑いで包まれた。ワタシの「餅屋問答」はマクラから全開。作り置きの飛び道具から出番直前に作り上げた即興ネタまでヒットし、なかなか楽しい高座となった。
反対に下座の笛の方は反省点がイッパイ。どれひとつとしてまともに吹けた曲はなかった。こう云う大きな会でちゃんと下座をつとめあげられるのはイツになることやら。。。
艶笑さんは落語の後のサービスで「玉すだれ」をやった。かなり時間が超過して帰りかけているヒトも見えたが、反対に最後まで大喜びで見て行かはったお客さんも大勢見えた。
お見送りで沢山の方に声を掛けて貰い本当に満足のいく落語やった。こんなビッグな会を企画してやってのける虎や志さんに改めて驚きと尊敬の念を覚えた。
 
「秘伝書」柱笑福/「シャチの恩返し」火災亭珍歌/「高尾」寿亭茆町/「天災」粗忽家酔書/【マジック&ジャグリング】新居浜高専/「紙入れ」芸乃虎や志/「餅屋問答」南遊亭栄歌/〜仲入り〜/「町内の若い衆」豊の熊五郎/「遊山舟」らくさぶろう/「禁酒番屋」水都家艶笑
No.287   2005年07月24日 (日) 00時54分


 『どんでん寄席 in どんでんどん』 7/16(土)        
さて我らの乗ったオレンジ・フェリーが新居浜東港につくと、すでに虎や志さんが酔書さんと一緒に待ってくれていた。ねきにはお弟子さんと見られる方(芸乃鵜飼さんとおっしゃる)が居てはった。今回の三味線を弾いて下さる谷口さん(通称:たらこさん)が降りて来はるのを待って(我々と一緒のフェリーに乗ってはったのね)全員集合。
朝食をコンビニで調達してそのまま会場入り。まだ8時半を少し回っただけやと云うに、ぎょうさんスタッフの方が出迎えて下さってびっくり。そこで朝食をすませ会場を見せてもらうと高座もしっかりと組んであり、下座スペースも設けて頂いてある。締め太鼓を締めてスタンバるとそのままたらこさんの三味線にあわせてセッションが始まる。気持ちがグッとしまるひととき。
そうこうしている間に豊の熊五郎さん、柱笑福さんも会場入り。今日の役者が揃うといよいよ開演。

ワタシは当初の予定では今頃新居浜に向かう電車の中。そのつもりやったから今回は出番はない。逆に不慣れな下座イッポンに打ち込めて結果オーライ。泥縄式にMD聞いては探りもって笛を吹く。まあそれでもたらこさんの三味線に酔書さんの太鼓と、周りが一流のお囃子さん達やからワタシのつたない笛でも何となくそれらしく聞こえる。気持ちエエ。
気が付くと会場は大入り満員。後で数えたら椅子席が54脚、そこへ立ち見や椅子の追加をしたからおそらく60人は入ったと思う。よく笑ってくれていっぱい拍手を下さる。ええ会場や。
人数が多いのでひとりひとりの感想は差し控えるけど、みなさん全国大会に出てくる人ばかりやもの、下手なはずはあれへん。演者それぞれの個性でマクラからお客さんをグッと掴み笑いで会場を揺らす、そのテクニックを舞台の袖で堪能した。
会がハネると軽くお茶をさせて貰うて、道具類を撤収すると、そのまま次の会場へ。…ああ、忙し!
  
「平林」芸乃鵜飼/「転失気」粗忽家酔書/「大安売り」柱笑福/「小言念仏」水都家艶笑/「ちりとてちん」豊の熊五郎/〜仲入り〜/【マジック&ジャグリング】新居浜高専/【小咄披露】芸乃いや志/【紙切り】粗忽家酔書/「権助魚」火災亭珍歌
No.286   2005年07月24日 (日) 00時37分


  第1回 四国大落語祭 「前夜祭」 7/16(金)        
去年の国文祭に集まったメンバーのうち、今回虎や志さんに呼ばれている8人。その中で東の3人(三重・栃木・新潟)が同行することに決まったのは3週間ほど前。
お祭り好きの火災亭珍歌さん(栃木代表)のアイデアは、フェリーで前日出発し、一晩中飲み明かそうというムチャな提案。それに即・乗っかってくる我々も我々やけど。。。
そして更に物好きは、尼崎在住の隣乃玄張。(←この名前、もう何遍も登場しているからお馴染みやよね)出番もないのに同じく大枚をはたいてフェリーに同乗するんやて。四国で1泊して大阪へ帰ってくるんやて。

8時に近鉄・難波駅の乗り口で待ち合わせ。珍歌・栄歌・玄張の3人はすぐに集まったんやけど、水都家艶笑さん(新潟代表)がはぐれてもうた。ちゃんとメールで説明したのにスカタンこいて地下鉄を全く反対側から降りて迷子になってるの。あ〜あ、先が思いやられる。
ワタシの知ってる串カツ屋さんに案内。気に入って貰えるかどうか心配やったけど、値段も味も大好評でまずは幸先よし!9ヶ月ぶり2回目のご対面やのに、ずっと前から一緒に居てたような話の弾みようで酒を酌み交わす。楽しい!!
周りの迷惑そうな目を省みず、ワイワイと大声ではしゃぎながら地下鉄経由で大阪南港フェリーに乗り込んだ。船内はさながらホテルのよう。バーありビリヤード・麻雀・ゲームコーナーあり大浴場あり。
我々は特等室Bの4人部屋。小さなソファーと2段ベッドが二つ。テレビと洗面台が付いている。荷物を置くと早速売店に行って酒とつまみを購入。ホンマにこんなに飲むんかと云うくらい、日本酒・酎ハイ・ビールを買い込んで、しかも一晩でみな空けた。
午前2時頃、泥酔してはる艶笑さんを放っておいて3人で風呂に入って床についた。アカン…イビキがうるさくて寝られへん。初日からこんなスロットル全開で、明日からの2日間やって行けるのやろか。。。
ほんの2時間くらいウトウトとして新居浜の朝を迎えた。 
No.285   2005年07月20日 (水) 15時27分


 第1回 四国大落語祭 〜プロローグ〜        
昨年10月、宗像郡福間町(現・福津市)で国民文化祭があり、大盛り上がりに盛り上がった。(打ち出し太鼓No.237〜No.241参照)
その時、「来年(つまり今年)の国民文化祭は福井市で福井には主だった天狗連(アマチュア落語集団)がないため、落語部門はない」と聞いた。皆一同ブーイング。
その時新居浜在住の芸乃虎や志さんが「7月頃に『新居浜で落語を聴く会』でやろう」と、名乗りをあげてくれたのがきっかけ。

福間町で出席したメンバーを中心に虎や志さんが出演者を選定。7月16日〜17日の2日間でなんと5つの落語会を企画した。

7月16日(土) 12時半〜 『どんでん寄席 in どんでんどん』
     同   18時〜  『アマ落語競演 in 新居浜』
7月17日(日) 11時〜  『おやこ寄席』
     同   13時〜  『こども寄席』
     同   19時半〜 『川之江納涼落語寄席』

コレを書いているのは当然帰ってきてからなワケで、全て終わった後やから書くけど、コレだけの数の落語会を企画しながら、どの会も大入り満員。立ち見も出るような状態。
我々地元では、3ヶ月に一回の会でもハコイッパイにするのは至難のワザなのに、虎や志さんの人徳・人気なのか、それとも新居浜の人たちはよほど他にすることがないのか。。。

それともうひとつ言わせて貰えば、新居浜の観光を楽しみにしてたのに全然無かったやないの!
初日フェリーで着いてすぐ会場入り。会場・高座作り⇒鳴り物調整(これが時間かかった)⇒下座打ちあわせ⇒開演〜終演⇒会がハネたら撤収⇒次の会場へと移動⇒またまた高座つくり⇒鳴り物打ち合わせ⇒開演〜終演⇒会がハネたら撤収⇒打ち上げ会場へ移動⇒ランチキ⇒ホテルへ放り込まれ1日終了〜。
翌日叩き起こされ会場入り⇒セッティング⇒鳴り物打ち合わせ⇒開演〜終演⇒弁当⇒鳴り物打ち合わせ⇒開演〜終演⇒撤収⇒高速を使って次の会場入り⇒会場作り⇒鳴り物打ち合わせ⇒弁当⇒開演〜終演⇒撤収⇒虎や志さんご実家移動⇒打ち上げ・ごランチキ⇒泥のように眠る。。。
会場とホテルと打ち上げ会場以外は何処も見てない。サーカスの象か囚人の農作業みたい。 

ボヤいてんのやない。まる2日間、落語のコトしかなかった。ムッチャ楽しかった。こんな経験もう無いかも知れへん。(来年も虎や志さんが企画してくれたら別やけど…)
そんな楽しかった大落語祭の各論をこれから書くから読んでネ。
No.284   2005年07月20日 (水) 15時26分


 第93回 寝床の会 7/2(土)        
本当に熱い会になった。
開演の時84人の客入りが、ワタシの出番前には100名を越え、用意した当日のプログラムが無くなってしもていた。

玄やんの落語で幕開け。もうお客さんにはお馴染みの顔となりすっかりメンバーの仲間入り。マクラから全開で爆笑をとる。若いのに(←若く見えへんのに)中々の実力者。ウチの会のエエ戦力となってくれている。後半はちと粗かったかな。いつもパーフェクトではないところが彼の魅力でもあるの。
とにかく欠多利さんの夢八はよかった。随分練習したんやろね。これも玄やん効果かも知れへん。いつものウロな欠多利さんは何処かへいって、笑いの中に拍手も聞かれるほどの出来栄え。ちょっとネタがしっかり入ってへん箇所はいつものように伊勢弁が見え隠れしたけど、真に結構な夢八でした。ホンマはワタシも去年からこのネタを演ろうと思うてたのに今回先を越されてしもた。もう少しほとぼりを冷ましてからワタシもこのネタに挑戦させてネ。
会長の打飼盗人はしっかりと腰を据えて聞けへんかった。自分のネタのマクラ作りで必死やったから。でもブツブツ言うてる廊下にも大きな笑い声が聞こえて来てたから、きっとエエ出来やったんでしょうネ。ビデオが出来上がったらあとからしっかりと聞かせて貰います。
ワタシの船弁慶はここでは3回目かな。前回もエエ気持ちでやらせて貰うたけど、今回はもっと気分がよかった。この客入り、この熱気、そして衆朝さん・玄やん担当のハメモノ付きで演らせて貰うんやから、悪いワケあらへんやないの。
しかし滑舌はちと厳しかった。若い頃のようなテンポでは舌が付いて行けへんのね。やっている時はエエ調子やと思うてたけど、あとからMDでの録音を聞いてみたら、随分舌が滑ってたわ。
もう2〜3年先は体力的にも演れへんかな〜…などと漏らしたら、風庵のきーさんから『伊賀の陣』でリクエストが入った。演る演れへんは別にして嬉しいコトや。もう一度滑舌に注意して挑戦してみるかな。
テンポは枝雀師匠、情景は文枝師匠、面白さは文華さん、このイメージで行ってみよう〜!

最後に、今回は裏方に回って頂いた衆朝さん、すみませんでした。
 
「強情灸」隣乃玄張/「夢八」噴駄理亭欠多利/「打飼盗人」切磋亭琢磨/「船弁慶」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(誰の独り言?、謎賭け「七夕」「愛・地球博」)
No.282   2005年07月06日 (水) 14時40分


 第18回 『満徳寺寄席』 6/26(日)        
梅雨を通り越して暑いあつい1日となった。
この日も萬徳寺本堂を8割埋め尽くす客入り。外はうだるような暑さなので会場はガンガンにクーラーを入れていただいた。
無眠さんの落語が始まった時、施設からたくさんの団体のお客さん。お体がご不自由で杖をつかれたり車椅子で来られたり。職員の方たちが3人がかりで運び込まれ会場の空気がいっぺんに壊れた。無眠さんの折角のネタ下ろしが見事玉砕。お越し頂くのは嬉しいけどなるべく開場時間中にお越し頂きたかったナ。
かね平さんの「紙入れ」。この空気を見事に変えてしもた。途端に会場は笑いのムード。さすがでした。
河太朗さんの最近の十八番、「狸化け」。本当に落語らしいエエ雰囲気になった。鳴り物のきっかけも見事に決まり無眠さんもご満悦。高座と裏方の息の合った合作でした。
ワタシのお馴染みのネタ「代脈」。トリの砂九さんとリーダーの無眠さんにはあらかじめ「今日のマクラは長いですよ」と了解を貰い、大暴れをしたった!取って置きの医者のマクラを連発。後半は大きく空気を変えてやろうとのワタシのもくろみは大的中。ネタに入ってもお客さんの笑いはトーンダウンをせず、しっかりついて来て下さった。ああ、気持ちよかった。
砂九さんには申し訳ないと思いながら高座を降りたが、なんのなんの。砂九さんは自分のペースでお客さんを引き付ける。最近の彼の秀作はこの「青菜」。彼らしさを充分に醸し出したエエ植木屋さんのキャラが光ってました。
後片付けを終えるとわんわんさんたちと一緒に打ち上げ。あとからモウリくんも駆けつけてくれて、また大盛り上がり。本当に岡崎の落語会は毎回毎回楽しくって仕方が無い。
また呼んでね♪
 
「小倉船 =上=」竜宮亭無眠/「紙入れ」道落亭かね平/「狸の化寺」川の家河太朗/〜仲入り〜/「代脈」南遊亭栄歌/「青菜」浪漫亭砂九
No.281   2005年06月28日 (火) 16時46分


 訥庵亭練習会 6/19(日)        
こんなん書いてエエのンかなぁ。内緒の集まりやったりして。。。アカンかったら関係者の方々、メールちょうだいな。

『訥庵』…「とっつあん」と読む。圓九・茂八氏らのいた関大落妍のOBで7期生と言うから、もう本当にワタシから見ても大先輩。その方が、とある町の一角に店を構えてはる。なんでも半分道楽的な飲み屋やそうで、そこで定期的に落語会を開いてらっしゃる。
落語大学(関大落妍)卒業生はみな落語に対して熱い方ばかりや。そしてそのための練習会をこうして月1回開いているのやそうな。…ホンマに熱い、熱い。。。

市馬・喬太郎二人会がはねて、たまたま会場で一緒になった風庵の席亭「きーさん」と近鉄難波駅近くの喫茶店でお茶をしていると、圓さんからメール。よかったら来ぇへんか…と。
きーさんも参加OKと聞いて、むしろきーさんの方が小躍りして喜んではる。
タクシーを飛ばして『訥庵』へ。そこには千里家圓九・関大亭茂八・立の家猿之助(敬称略)のビッグスリーに加え、最近メキメキと頭角を現してきている千里家やん愚(敬称不要)、そして高座の上にはこの店の店主○○家△△さん(←名前明かしてもエエの?)。今度高座にかける「もう半分」についてのあれこれを談議してはる。
そして続いて茂やんの「胴とり」。めずらしい噺を聴かせて貰うた後、またあれこれと意見を交換。そのあと店を元通り戻して、そのまま飲み会に突入。

彼らと居てるとホンマに楽しい。それぞれが落語に対して熱い想いをもっていて、それらをぶつけ合う。人間的な摩擦もないし遠慮もない、そんな仲間同士で分かち合う落語談議は果てしが無く楽しい。
ホンマは7時過ぎまでには帰りの電車に乗りたかったのやけど、ズルズルと長居をしてしまい、思い切って彼らと別れを告げ難波駅に着いたのはなんと9時前。
最終の1本前の列車に乗り込み、きーさんと伊賀神戸駅までまた語り合って、充実したワタシの休日は終止符。
ああ、楽しかった。これやから大阪行きはやめられん♪
No.280   2005年06月21日 (火) 03時58分


 二人のビッグショーin大阪『柳亭市馬・柳家喬太郎二人会』 6/19(日)        
突然に思い立って大阪まで出かけて行った「市馬・喬太郎二人会」。この間名古屋であった喬太郎独演会には仕事で行けへんかって臍を噛むような思いをしたから、此処で少し取り返しておかないとね。

会場は先週選手権で使うたトリイホール。先週は向こう側に居てたけど、今週はこっち側。1週間前やけどなんか懐かしいような妙な感じ。
入場すると前から2列目。そこそこエエ場所をゲット。隣にはこれも先週演者で出てはった渚の会の「渚家梅仁」クン、後ろにはネットで知り合った「尾張の関西人」さんとそのお連れさん(「天」さんでよろしかったっけ?)。少し離れて『風庵』の席亭の「きーさん」が居てる。
伊賀市大山田から三重・津市からそして遠く愛知からも集まってくる、今日の会はそれ程値打ちのある会と言うこと。

市馬師は正直今回初めて拝見する噺家さん。喬太郎師のCDにもチョクチョク「市馬あにさん」と言う言葉で登場されているが、よく共演されるらしい。
市馬師の第1印象を語ると通の方には「違う」とお叱りを受けるかも知れへんけど、まず穏やかな喋りで、声もよく、声色もたくさん持って見えると思う。今回のような芝居話でも本格的に演じてはって、正統派って云う感じ。
一方今日の喬太郎師の1席目は『転宅』。迫力があってこれも本格的な語り。重厚感のある中に、喬太郎師特有の今風の喋り、古典的でない語りがあってそのコラボがまた楽しい。
仲入りをはさんで、ほとんど着替えの時間しかなかったやろうに、食い付きモタレでの喬太郎師はまた一転して弾けた芸風。その変わり身の早さにはオドロキやった。例の落妍のマクラでは発声練習や歌のくだりで叫んだり立って歌うたり、お初の人から見たらほとんど「壊れている」芸風やった。
「どうせ次は来ないでしょうから。て云うか、次は呼んで貰えないでしょうから」と強烈に織り交ぜるギャグにお客さんは拍手喝采。「東京ホテトル音頭」ではみな手拍子しての大乗りで、会場を巻き込んだ狂喜乱舞にワタシも含め客席は大満足。

いくら本格的な噺でも「七段目」「転宅」「松曳き」だけではおそらく不満が残ったやろう今回の落語会、この喬太郎師の「すみれ荘…」を1席入れるだけで幅も深みも増し、喬太郎師の芸域の広さ・深さを痛感した会やったと思う。
また何処かでやってね。都合つけて行くから。

「米揚げいかき」桂歌々志/「七段目」柳亭市馬/「転宅」柳家喬太郎/〜仲入り〜/「すみれ荘201号室」柳家喬太郎/「松曳き」柳亭市馬
No.279   2005年06月21日 (火) 03時18分


 全日本社会人落語選手権:第11回 大阪本選 6/12(日)        
もうほとんど忘れてしもてる。スレッドはアップしたものの、大きな会の後は書くことがイッパイあってなかなかまとまらず、そんなこんなでグズグズしている間に年を越してしもた。

とにかく今回のネタの選定には苦労した。本当はいま自分の中で一番温度の高い『おごろもち盗人』を持ってきたかったのやけど、何度もこの「打ち出し太鼓」で書いているように、まだ自分の納得の行くものが完成してない。毎回苦しんでいる状況。結構面白いんやで、ワタシの『おごろもち…』は。せやけど、まだ優勝に見合うものには成熟してへんっちゅうかな。。。
迷った挙句に学生の時に覚えた『手水廻し』にすることにした。そのままでは役に立てへん。もっともっといじって改良して爆発力のあるものに仕上げなアカン。もともと『手水廻し』という噺は結構ポピュラーで演じる噺家さんも多く、タイトル防衛をするにはちょっとパワー不足か…とは思うた。それでも100のポテンシャルのある『おごろもち…』で80しか出せへんのやったら、もともと80のポテンシャルで70出せる『手水…』にしよう…とのワタシのこだわりなのである。
今年の挑戦者は例年に比べてはるかにツワモノ揃いやった。無眠さんはもちろんのこと、遊丸(関大亭茂八)さんや新作の初都さん、そして落語天狗の会の2本柱のひとり(もう一人はお馴染み「千里家圓九」)猿之助クンも居てて、誰が上ってきても可笑しくなかった。その中で年度1位は猿之助クンの『遺言』が見事に勝ち取った。新作で優勝するコトはこのKARAでは結構めずらしいんやで。それ程素晴らしい出来やったと云うコト。初出場ながら落ち着いた高座で立派やった。(出番前まではもう緊張で顔が引きつっていたケド、さすがやね)
そしてタイトル保持者・栄歌の登場。今日の『手水廻し』は自分ではまあまあの出来やったと思う。20分というキビシイ時間制限の中、カット出来るところは大幅に削除し、可能な限りのギャグを満載、一週間前に思いついた演出も入れて結構どこへ出しても通用するかな…という満足のいく代物やった。
そして、今年は猿之助クンに敗れた。負けて悔いはなかった。もちろん相手にとって不足もない。オマケに猿之助クンの十八番は「手水廻し」。それをワタシが先にエントリーしたために、得意ネタを封印しての挑戦やったらしい。完敗やった。
審査委員長の染丸師匠と審査員の鈴木さんの寸評は「もうエエやないか。栄歌さんには『殿堂入り』して貰うて、タイトルは初出場の猿之助さんで。」とのことやった。壇上に猿之助クンが呼ばれ、その後で『殿堂入り』ということでワタシも呼ばれた。もうエエて。ワタシは惨めやった。負けたンやからみんなの前には引っ張り出さんといて欲しかった。『殿堂入り』という言葉で飾って貰ったけど、それは審査員側のワタシへの思いやりやと思う。ワタシは出て行く立場の人間やないと思うた。
圓九氏は5年連続優勝の後で「殿堂入り」を果たした。そしてこの「殿堂入り」は本物やと思う。5年目優勝した後、カップを返還してヒラで6年目に出てきた。(その年ワタシが勝たして貰うたんやけど…)ワタシの場合は彼にカップを持って行かれてその一方での「殿堂入り」。自分では本物やないと思うた。
打ち上げで鈴木さんは「連覇中の栄歌さんは云うたら常連。一方猿之助さんは初出場。初出場の彼を完膚無きまでに叩きのめして初めてディフェンディングチャンピオンの勝ちや。イーブンではアカン」とも仰った。まったくその通り!大いに納得した。
しかし、今年のこのメンバーで「完膚無きまで…」は無理やで。
 
「桃えもん」花乃家めぞん/「おごろもち盗人」渚家梅仁/「禁酒関所」三流亭無邪気/「遺言」(小佐田定雄作)立の家猿之助/「八五郎坊主」新宮亭当り目/〜仲入り〜/「進め地球防衛軍・第一部・誕生編」渚家初都/「牛ほめ」藤本遊丸/「京都議定書」社繁亭倍蔵/「片棒」竜宮亭無眠/〜審査発表〜/「手水廻し」南遊亭栄歌
No.278   2005年06月21日 (火) 03時17分


 第2回 いきいきお笑い寄席 6/11(土)        
今年ウラが返った「いきいきお笑い寄席」。
2回目と言うのは大切やと思う。1回目(初回)は勢いでやれる。3回目以降(馴染み)はお互いに信頼関係もできてある程度の安心感もあるけど、2回目はくせもの。
ウラが返ったということは第1回での反響があったということ。この時点では向こうさんの期待値も大きいから、前回以上の出来を収めな満足して貰えへん。同じでは相手の想定範囲を越えられず、結果相手に与える感動も薄まると思う。
今回のこの会は常に打ち合わせ不足やったと思う。メンバー間もせやけど、向こうさんとの連絡も密ではなかったと思う。

今回の会、まず会場内がかなりざわついていた。お客さんの出入りが多く、落語の最中でも立って出て行かはる人が結構居てる。(まあ、これはこちらの力量も不足なのかも知れへんけど…)
廊下で大声で話している方も居てて、それを注意する人も居てない。我々招かれた者が出て行って注意をうながすワケにも行かへんし。
さらには控え室がダイニングと兼用になっていて、お茶やお菓子の準備でワチャワチャしていて、打ち合わせやネタ繰りに集中できへん。
途中でカバンを探しているお客さんが控え室に入ってきて、着替えをしている横手で大きな声で喋ってはるし。。。
落語は比較的よく笑って頂いたように思う。去年に比べると皆の出来栄えもよかったと思う。その分、ハードの面で不満の残るのは真にもって残念なことや。

もしまた来年があるなら、今回の反省を元に充分な打ち合わせを先方ともメンバー内でもやって行きたいと思うた。
 
「平林」にうぎに家衆朝/「犬の目」噴駄理亭欠多利/「手水廻し」南遊亭栄歌/「野崎参り」切磋亭琢磨/〜大喜利〜(珍・漢和辞典「くさかんむり」、謎掛け「クール・ビズ」「愛・地球博」「 」、長生き数え歌)
No.277   2005年06月21日 (火) 03時10分


 『風庵寄席』 愚考あれこれ        
今回、風庵でのプロ・アマをやらせて貰って思うことをつらつら書いてみた。

【風庵】伊賀市大山田にある一軒の民家。大阪で定年を迎えた夫婦が第2の人生を歩むべく、購入・改造をし住居プラスイベントスペースとして生まれ変わった。インターネットで知り合った人たちを集め、ピアノリサイタル、インド音楽、長唄演奏会、講談、プロの落語会、そしてワタシ達アマチュアの発表の場とさまざまなイベントを送り出している。

【席亭】小川さん、通称「きーさん」。このために覚えたパソコンを駆使し、色んな方たちとの交流会を図っている。ご主人はイベントに関しては補佐役に徹してみえるが、趣味で始めた木工はもはやプロ並み。家具・調度品からイベントにまつわる大道具、見台やメクリ台など小道具もすべてプロ級の腕前で作り上げてしまう。

【回りの人々】風庵に集まる人たちはみなその道に秀でた著名人ばかり。プロの画家、プロのカメラマン、プロの石庭師、滋賀で農園を営んでいるご家族、そしてプロ並みの落語家(←これ、ワタシ達ネ♪)。遠く大阪や滋賀県から、イベントがあると駆けつけて裏から会を支え、そして打ち上げではみんなで盛り上がる。定期的に集まるひとつの大きな家族のよう。

【桂三象さん】プロはホンマにスゴイと思う。どんなキビシイ条件でもキッチリ仕事をしてしまう。重たい空気の会場では、とことんマクラを振り倒し自分の納得の行く雰囲気を作ってからネタに入る。「引き出し」も多いし「テクニック」もはるかに上。…まあ、当たり前の話なんやけどネ。。。そのプロが、決しておごることなく、我々と気さくに話をしてくれる。一緒に高座に上がって下さる。高いところから我々のレベルまで降りてきて下さる三象さんはホンマにスゴイと思う。

【天狗連】今回に限らず、色んな地域で落語を続けている仲間とホンマに仲良くさせて貰った。砂九さんは東海地区では屈指の落語プロデューサー。ネタ数も年間を通じての高座数もワタシなんかとは比べ物にならへん。猿之助クンは今回初めて(…2回目)ご一緒させて貰った。この後大阪の選手権でワタシからカップを奪っていくのやけど、何処にでもプロ級の腕前は居てンねやなぁ。ワタシを通じて風庵で高座を共にした仲間は、にうぎに家衆朝・切磋亭琢磨・噴駄理亭欠多利・隣乃玄張・川の家河太朗・浪漫亭砂九・千里家圓九・千里家桜夢・立の家猿之助(以上、敬称略)。…おお、凄いっ!
No.276   2005年06月01日 (水) 11時24分


 第12回 風庵寄席 5/28(土)        
今回は風庵でやらせて貰う2回目のプロ・アマ。
三歩さんの時はもうお馴染みなんでダイレクトに電話してダイレクトに交渉出きたけど、相手が三象さんとなると思いっきり緊張してしまう。砂九さんに相談をしながらの交渉で当日までこぎつけた。
本来なら三味線の候補が何人か居てはったンやけどみな都合でフラれて当日は出囃子をCDですることになった。それでも一番・二番太鼓と仲入り太鼓・砂切りはナマでこなそうとするのはワタシの妙なこだわり。鳴り物一式を後部座席に詰め込んで家を出発した。
津駅で砂九さんを拾いそのまま伊賀神戸駅まで走る。助手席で砂九さんはしきりに「遠い」「田舎や」の連発。伊賀神戸駅で三象さん、猿之助クン(以下「猿やん」)と玄張クン(以下「玄やん」)を乗せ、今日のフル・メンバー勢ぞろいや。重いっ!人間5人と鳴り物セット、見台やら膝隠しやら高座セットを詰め込んでは車がなかなか加速せぇへん。重い、重たいわ、玄やん。ちょっとは降りて車の後ろを押しや。
車中では皆「何やこれ。山や!林や!田んぼや!田舎や!!」の大合唱。その度にワタシは「大丈夫やて。田舎でも50人くらいは集まるて。…たぶん…やけど。。。」

3時過ぎに現地着。簡単な挨拶と紹介を済ませ、早速高座・会場作りに入る。風庵のご主人はテキパキと指示をして下さって4時前には会場が完成し、もう何もすることが無くなった。時間を持て余したので、風庵さんからさほど遠くない『さるびの温泉』でリフレッシュタイム。
戻って来ると程なくお客さんがゾロゾロと会場入り。。。あっと言う間に場内は50人を上回った。「ほらね、云うた通りやろ」と胸を張りながらも、内心は「ホッ」。

当初はワタシが2番手、砂九さんは仲入り後の予定やったけど、三象さんのリクエストでワタシと砂九さんが入れ替わり、ワタシのあと砂九さんの挨拶で三象さんの登場、というコトになった。

一番手猿やん。会場はちと硬い。猿やんも初めての地でちと緊張気味。それでもマクラのオワリ頃から自分を取り戻したのか、ネタに入ってからの彼の上手さが光り、ギャグと客の笑いとがバッチリと噛みあい、本当によい雰囲気が出来上がった。
二番手は砂九さん。かれの「あくび…」は本当に上手やと思う。ワタシもこのネタをもっている(持っていた)ケド、彼のンには到底かなわへん。トリでしっかり演って貰うつもりやったけど段取りが変わって2番手。今日のお客さんは非常に用心深い。そのためあんまり笑いの多くないこの噺にお客さんを乗せきれず、終始硬いままで高座を降りた。やはり仲入り後に演って貰うべきやったか。。。
三番手、いよいよプロの登場。ちょっと変わった風貌にお客さんも戸惑いの色。三象さんが出て行ってもまだ会場は硬目。だいたいいつもなら3つぐらいギャグを言うと大爆笑の渦になるところやけど、なかなか暖まらへん。三象さんは「ネタ込み30分で降りてきます」と言わはったけど20分過ぎてもまだマクラを振っている。プロのトコトン自虐ネタでとうとうお客さんはねじ伏せられ、ネタに入る頃にはちょっといじっても大爆笑。さすがプロ!最後は完全に三象さんのペースや。
仲入り後は陰の仕掛け人栄歌の登場。トイレ休憩で少し冷めた会場をどう盛り上げるか。「三象おどり」にどうつなげるか。しかしそこらがシュミレーション不足。マクラで自分のペースを掴めず、ネタに入ってからもやっぱり未だ征服できてないこの「おごろもち盗人」は不満足な出来であった。客として来てくれた知人からは「おもしろかった」と言うて頂いたけど、自分の課題未だ解決せず。…このネタ、一生モノにならへんのやろか。。。
  
「手水廻し」立の家猿之助/「あくびの稽古」浪漫亭砂九/「アメリカ人が家にやってきた」桂三象/〜仲入り〜/「おごろもち盗人」南遊亭栄歌/『三象おどり』桂三象
No.275   2005年05月31日 (火) 15時03分


 第11回 河崎蔵くら寄席 5/22(日)        
今回玄やんを迎えて初めての河崎蔵くら寄席。お客さんのためにも玄やんのためにもエエ会にしたい。
ところが前日はサウスロードのあと衆朝さん宅に泊めて貰い、さんざん夜更かしして体調はあんまり芳しくない。どうも朝からくしゃみが出て左側の鼻の奥が痛い。
河崎商人館に到着した頃から体調は最悪になった。鼻水が滝のように出てきてあっという間にポケットティッシュが2つなくなった。車から大きなティッシュボックスを取ってきてとにかくかんでは捨て、捨ててはかむ。
太鼓はというと昨晩からの雨の中を車中に放り込んであったため、皮が伸びてベホベホになってしまっている。体調と皮と狭い下座スペースできっちりシュミレーションしてきたつもりの一番太鼓がワヤになってしもた。
さて今回の小屋は今までの蔵である『角吾座』とは違い、商人館でも一番のメインの建物。和室を二間使っての会場&高座。
今までの角吾座も雰囲気はよかったケド、天井が低くてこじんまりしており、落語の世界は作りやすい。ただ古い建物なので天井だけでなく鴨居も強烈に低く、あちこちでデボチンを打つ『ゴン!』と云う音が頻繁に聞こえた。ワタシも会がハネるまでに覚えているだけでも4回はぶつけた。
いよいよ開演。会場は昨日サウスロードにお越し頂いた常連さんが数人見えてる。落語2連チャンとはまことにもって恐縮、そして有り難いコトである。それに2年前に再発進した三重大学落研の連中が2人見に来てくれている。ここは一番エエとこを見せなアカン!
玄やんは例の中国出身のマクラでまずはお客さんを鷲掴み。そのままそつなく「十徳」を演じ、今回はあまり緊張も見られず一番手の役目をみごとに果たした。
衆朝さんの「鈴木さんの悪霊」は小佐田定雄さん作。次々と色んな霊にとり憑かれるというナンセンスネタ。オチももうひとつでワタシなら3回生まれ変わって落語人生を3回やり直したとしても絶対演じようと思わへん噺や。まあこんなけったいなネタを衆朝さんがやんわりと演じてくれるから、ワタシは古典の枠の中から出ることなく悠々と遊んでいられるというもの。
この間控え室では会長とワタシが眼を血走らせてネタ繰りに必死!今回のメイン・ディッシュが2本とも倒れそうで一体今日の会はどないなるの?
さて問題の仲トリの「野崎詣り」。控え室のネタ繰りではボロボロやったのに、いざ本番になるとエエ落語しよるやないの。ハメモノの所は自信ないとカットしたからちょっと物足りない気もするが、まあエエ噺やったやないの。
さて「仲入り・休憩」でワタシが騒ぎ出した。ネタはしっかり繰れたし、ハメモノのキッカケもきっちり打ち合わせをしたけど、皿屋敷はそんなに爆笑ネタやない。
今日の前半をみるとお客さんはまだ完全燃焼してないンやないの。「餅屋問答」か「代脈」か、最後はとにかく爆笑ネタに変更してはどうか?メンバーに相談し、会場に入って常連さんに相談し、直前になってオロオロ。
でもお客さんの顔をみて安心した。結構みんな満足そうな顔や。ほな予定通り「皿屋敷」で押そう。
欠多利さんがマクラで小咄をして会場を暖めてくれた。この勢いに乗じて上がって行って皿屋敷をねじ込んだ。懐かしい。記録によると21年ぶり。最近は会長がよく演ってはったからワタシの出る幕がなかったけど、このワタシの「皿屋敷」も実はまんざらではないと内心では密かに思っていた。演っていると自分が楽しい。その楽しさが蘇ってきて本当に懐かしかった。
よく前半の怪談の部分を端折る人が多いけど、ワタシはキッチリと演る。前半思いっきり凄んで、後半はコミカルにやる。もちろんこれは落語のセオリーやけど、それをキッチリ筋書きに入れられているこの噺を、わざわざ壊す人の気が知れん。
まあ鼻水まるけで体調も優れず、久しぶりでちょっとたどたどしい部分もあったけど、自分的には大満足。常連さんから見たらどないやったかな?
例年この「河崎蔵くら寄席」は技術的に不満足な会が続いたけど、今回はまあ合格点をやりたい。年2回しかないネンから、これをステップに次はもっとレベルの高い会にしたいなぁ。
   
「十徳」隣乃玄張/「鈴木さんの悪霊」にうぎに家衆朝/「野崎詣り」切磋亭琢磨/〜仲入り〜/「道灌」噴駄理亭欠多利/「皿屋敷」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(やけど問答・謎掛け・カウンターアタック)
No.274   2005年05月24日 (火) 17時10分


 第104回 サウスロード落語ライブ 5/21(土)        
どうしたことか!24人も入れば満席のこのサウスロードで30人を越えた。テラスにある木製の椅子も全部持ち込んで、それでも足りへん。トイレの前までお客さんが入り、とうとう立ち見まで出来てしもた。演者一同、32人の客席に圧倒されっぱなし。
サウスロードは開演時間が遅いため、どうしても2時間以内、午後10時打ち出しを厳守しなければならない。そのため現在の5人プラス大喜利ではどうしても窮屈になる。今回は衆朝さんが落語を降りて下さった。
いつもは少し堅い目の此処のお客さんも、さすがこの人数ではよく笑って下さる。それでもそれに甘えることなく丁寧に攻めるコトが肝要。
今日の欠多利さんは、そう言う意味ではいつもより丁寧で、誠によござんした。
ワタシの代脈、もうお馴染みではあるけど、此処で演るのは本当に久しぶり。記録によると17年ぶりというコトになるらしい。せめてマクラだけはホットに…と、昨日起こった事件をもとに作ったネタ。着物を着ながら短い時間で作ったからちょっと粗かったけど、なかなか面白く出来たと思う。大爆笑とれたから大満足!
玄やんの「寄合酒」。玄やんで聞くのは初めてやけど、リズムもよくてなかなか面白い。ちょっと手直しすれば本当にエエものになるのとちゃうやろか。お客さんの反応ももちろん良く、既に何人かは玄やんのファンも出来た。もうすっかり寝床の会のメンバーさんやね。
会長の「鉄砲…」。相変わらず高座に上がって一言二言で自分の世界に引きずり込む、この人の力は凄いと思う。しかしネタに入ってからの早口はギャグが上滑り気味。それに何と言うても「わあわあ云うております。。。」で降りてくるこのネタを最後に持ってくるべきではなかった。
どうしてもトリを取りたいと主張した意気込みは買うたけど、会の構成を考えるならやはり「代脈」がトリを取るべきやったと思う。
大喜利は玄やんの位置づけもボチボチ出来てきたし、あと何回かこなせばもっとええコンビネーションになるやろうと思う。あと少し。頑張れ!
  
「牛ほめ」噴駄理亭欠多利/「代脈」南遊亭栄歌/「寄合酒」隣乃玄張/「鉄砲勇助」切磋亭琢磨/〜大喜利〜(おもしろ文学紹介・謎掛け・大阪弁の歌)
No.273   2005年05月24日 (火) 17時07分


 きくや寄席「玉造一日落語会」 5/15(日)        
愛知・津島でも同じような企画があったが、今度は大阪・玉造でなんと8時間半にも及ぶ落語会が開催された。
企画者は「落語天狗の会」のメンバー立の家恋々クン。彼はなんと個人の家を業者に頼むことなく改造して「きくや」と呼ばれる寄席小屋に作り上げてしまったオトコである。
関大・関学・立命・龍谷など有数の落妍卒業生からつわものを選りすぐって集められた「落語天狗の会」が後援。
参加者は、各大学の現役生から演者・お茶子を募り、あとは社会人落語に携わるメンバーで代わる代わる出演し、延々8時間半、もちろんその間の下座も自分達でやってしまうという、まあよく言えば壮大な企画、悪く言えば何考えとんねんと云われそうなイベント。
もしかして下座の音合わせがあるかも…と、朝6時に起きて7時過ぎの電車に飛び乗った。もうクラブを封印したけどゴルフ以外で日曜日の朝にこんな早起きして出かけるのは初めてくらい。
9時ちょっと過ぎに現地に到着すると既にほとんどのメンバーが集まっていて、挨拶・自己紹介・打ち合わせのあと一番太鼓。せっかく早起きしたのに音合わせがないのね。。。でもお陰で一番最初から落語を見ることが出来た。
社会人に入り乱れて現役学生も参戦。彼らも決してレベルは低くない。お茶子は4人とも可愛いし。演者はみな持ち時間25分を下回る速いテンポで高座を降りてきて4席ごとにちょっとした仲入りも入れられた。
会場はメンバー及びその知人・親戚関連と近所の住民と云うことで当初集客は完全に諦めていたのに、なんと常に15人以上の客数(キャパ25人で満席のハコ)で途中立ち見が出るほどの盛況振り。終始客席が冷めることはなかった。
ワタシは今回はマクラ控えめの「ちりとてちん」21分にまとめ、ちょっと不完全燃焼気味、でもその分下座も手伝わせて貰うたし大満足。
打ち上げは、鶴橋駅前でこれまた大盛り上がり。いろんなヒトとイッパイ喋ってたくさんのヒトと知り合いになれた。ワタシはいつも生ビール8分目くらいで酔っぱらってしまうのに、この日は3杯と焼酎も追加し、後は記憶にない。。。こんなに飲むとはよほど嬉しかったンやろな。
学生・社会人の壁を取り去り、大学や年代を越えてこうしてひとつの趣味を分かち合えた、しかもそのイベントが大盛況!こんな素晴らしい日はそうないやろ。
今日出会えた皆に感謝!!

「つる」千里家圓九/「借家借り」浪漫亭不良雲/「野崎詣り」立の家恋々/「強情」将軍亭猶朝/(仲入り)/「子ほめ」立の家喜衛門/「玉簾&トーク」珍坊改めキミヒコ/「宇治の柴舟」大亭都若/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/(仲入り)/「不精の代参」千里家志い蒼/「狸賽」切磋亭琢磨/「初天神」千里家芸夢/「お花半七」大阪亭茶借/(仲入り)/「住吉駕籠」京龍亭大富久/「代書」千里家やん愚/「牛ほめ」関大亭茂八/「月並み丁稚」爪田家桐璃/「天神山」千里家圓九/(仲入り)/「勘定板」隣乃玄張/「阿弥陀池」千里家市松/「あくびの稽古」千里家桜夢/「一文笛」立の家猿之助
No.272   2005年05月15日 (日) 23時53分


 中之島まつり「楽日」 5/5(祝)        
この日は体調優れず、かなり遅れて自宅を出発。
現地からの情報によると今日の下座は笛がないとのこと。それを聞いたら焦る焦る…。
津市から難波駅直通のアーバンライナーの出発時間ギリギリに駅に滑り込んだが、見ると連休最後の日とあって切符売り場が長蛇の列。結局その列車に乗れずその25分後の賢島行き特急に乗るハメに。。。伊勢中川駅で乗り換え列車待ち合わせでタイムロス、予定よ30分遅れで難波駅に到着。
そこからが迷った。そのまま御堂筋線に乗ればよかったのにわざわざ四ツ橋線まで歩いていって改札を抜け、そこで線を間違えたコトに気づいた。反対側のホームから出たらそのまま地上に出てしもて、そこから難波駅まで戻ってくるのに30分以上ウロウロと難波界隈をさまよった。

結局現場に到着したのは午後2時過ぎで、もう後2席程しか残ってない。挨拶もそこそこに笛を出してきてスタンバイ!
次の曲は「梅は咲いたか」。レパートリーに入っているから行ける行けるとウキウキしながら待っていたら三味線と笛との調子が合うてなくて、結局玉砕。
次はワタシの出番やて。。。せっかく重たい笛のケースを三重から持ってきたのに…とイジケていたら玄やんが「ボクもう一席でます。栄歌さん、吹きたい曲をリクエストして下さい」やて。
ワタシなんかより玄やんの方が遥かにオトナや!
「正札付」をリクエストしてまたまたスタンバイ!今度は阪大の学生さんが弾いてくれたンやけど弾いているウチに調子が下がってきてまたもや合う笛探しでウロウロ、オロオロ。結局今度も笛なして上がって貰うて、次ワタシの出番で今日のプログラムは終いっ!
…なんか下座のことばかり書いたけど、とにかく1時間ちょっとでかなりのダメージをうけてしまいましたワ。

落語の方は例年に比べてようさん入ってくれてよう笑って貰うた。高座からことさら声を張り上げる必要もなく喉も潰れずに演れた。ただ「餅屋問答」でもやろうかと思うてたトコへ玄やんが「代脈」を聞きたいと連発しよるので直前にネタ変更。そのためもあってマクラが充分に練れておらず、爆発力はなりをひそめてそこそこのウケ。終わってから阪大の学生さん達に「栄歌さんはこんなモンやない」としきりに弁解をしてくれていた。
ここらあたりも玄やんはやっぱりオトナやねぇ〜。

(玄やんと自分の出番のネタしか覚えてへん。。。)
     ↓      ↓       ↓
 … 「源太と兄貴」隣乃玄張/ …… /「代脈」南遊亭栄歌/
No.271   2005年05月05日 (木) 23時24分


 第32回 『楽』で落語を聴く会 5/3(祝)        
またもや玉砕ですワ。。。

今回の『楽』、福岡から勘々さんをお招きしての会と聞き及んでいた。残りのメンバーがわからず、待てど暮らせど夢さんからは出演のオファーがない。4月20日を3日ほど過ぎたあたりでもう諦めた。今回は夢さんはメインに勘々さんを持ってきて後は此処暫く遠ざかっているメンバーで固めるねやと。。。
それはそれでOK。その日(5/3)は当直明けやし、普段はみんなに支えて貰うてるから今回はワタシは外回りで盛り上げよう。予定表から「『楽』で落語を聴く会」の項目を削除した。
そうこうしているうちに夢さんから掲示板で「メールは届いてませんか」との問い合わせ。なんや、連絡くれてたんや!慌てて「おごろもち盗人」をエントリー。(他に『楽』ですぐ出来るネタがなかったから。。。)

当日の入りは連休中とあっていつもより少し少ない目。この日ホスト役の夢さんは開口にまわってくれた。しかしお客が少ない上に座が暖まっていない。「あくび…」はこのシチュエーションでは少々パワー不足か。出来はそう悪くなかったケド大した盛り上がりも無いこのネタの宿命で暖気不足で勘々さん登場。
彼はマクラから全開。さながら機関銃のようにショートギャグを連発。『楽』のお客さんは年輩の方が多く、振り切られたお客さんも居てた様子。それでも勘々さんの強烈なキャラは愛知のお客さんに深く印象付けられたようやった。
最近の無眠さんはとても安定感がある。特に大阪の社会人選手権に出るようになったあたりから、マクラのヒット率もアップし、ネタに入ってからも大外しすることがなくなった。昨年の国文祭入賞からは特に自信に満ち溢れた堂々とした高座。そして今回の「皿屋敷」もその例に漏れず、本当にエエ語りやったと思う。(こりゃあ今年の選手権でボチボチ持って行かれるかな。)
さあ仲入りをはさんでワタシの出番。勘々さんを迎え撃つ…つもりではないにしても、今回のメンバーの並びを見たらやっぱりコケるわけにはいかへん。
気負って高座にあがったはエエが、出だしでの掴みが80%くらいの手応えで、ネタに入ってからもどうも滑舌がついて来ず、タダでさえ完成度に不満をもつ「おごろもち盗人」がこれまでで最悪の出来栄えとなった。
ショック!あかね寄席と云い今回と云い、ここぞという大きな会でのこのネタはどうもしくじってしまう傾向にあるらしい。あかね寄席の時はお客さんの笑いに助けて頂いたが、今回はどうも立ち直れそうにない。
そんなワケで、今年の選手権での「おごろもち盗人」は取り止め!早速事務局に連絡をして差し替えた。…早い目に気がついてよかったワ。
最後の勘々さんの「片棒」、ゴメンね。自分コトでアタマがいっぱいで冷静に分析出来へんかった。降りてきてから随分落ち込んでいた様やけど、お客さんの反応は悪くなかったよ。勘々さんのキャラはご当地ではとても新鮮でお客さんも大喜び、連休を飾るエエ会やったと思うよ。(ワタシを除いては。。。)
  
「あくび指南」若鯱亭夢輔/「悲しみにてやんでぃ」粗忽家勘々/「皿屋敷」竜宮亭無眠/〜仲入り〜/「おごろもち盗人」南遊亭栄歌/「片棒」粗忽家勘々
No.269   2005年05月05日 (木) 23時15分


 染二の会 〜落語四季〜 4/24(日)        
本当はもっと長いタイトル。
「上方お笑い大賞最優秀技能賞 文化芸術祭優秀賞 受賞記念『染二の会』 染二版 落語四季」
とても題名の蘭には収まり切らんワ。
土曜日が「愛宕山」(春)、「不動坊」(冬) の二つで、日曜日が「八五郎坊主」(秋) と「南瓜屋」(夏) と言う企画。

予定していたこの日の行事が中止になり、急きょ三重から駆けつけることにした。
急いでブランチ(朝食兼昼食)を済ませ、近鉄特急に飛び乗る。日本橋から歩いて行き慣れたトリイホールに到着。まだ40分前と言うのにもう受付のあたりにはお客さんがイッパイあふれている。凄い人気やなあ。その人ごみをかき分けて受付へ到達。「当日券で入りたいんですけど」と伝えると「今日は前売りと予約補助席でイッパイで立ち見になりそうです」と云われた。こんなコトなら前もって電話入れとけばよかった…とボヤいても、昨日は別の予定が入ってたんやからしゃぁない。
結局「立ち見」で半額の1500円を払って入場、花丸さんの落語を立って聴いてたら、イッパイ空席があるやないの。遅れてきた客も座り数席余っているのを確認し二席目が始まる直前に一番前の方の席に滑り込んだ。と、残りの立ち見のお客さんもあとに続く。ラッキー♪半額でこんなエエ席を確保出来た。
染二さんの「八五郎坊主」、リズムは枝雀師匠のそれと似て否なり!枝雀師匠の口調は確かに速いが、速い中にも緩急がキッチリついており、せやからお客さんが連られて笑うてしまう。云うたら「アレグロ」、楽しいリズミカルな速さ。染二さんのは聞きづらかった。溜めずに突っ込みを入れるから笑いづらい。結構キツかった。
染丸師匠の「三十石」、まさかこんなカタチで聴けるとは思うてなかった。感激!
染丸師匠の落語は綺麗、端正。ハメモノの入る噺が多いからお手本にするには厳しいかも知れへんけど、落研の連中さんは是非参考にして貰いたい。船頭の舟唄のところは染二さんと師弟での掛け合いとなった。こんな贅沢な落語、1500円とは安い!!(ホンマは3000円やて!)
さて大トリの「南瓜屋」。下げたアトは上げる…やないけど、なかなか結構な噺でした。迫力もあり人情モノの重厚感もあるエエ語りやった。江戸落語では聴いたことあったけど、上方でもなかなかエエもんやと感心した。
   
「千早振る」林家花丸/「八五郎坊主」(秋) 林家染二/「三十石〜夢の通い路〜」林家染丸/〜仲入り〜/「南瓜屋」(夏) 林家染二
No.268   2005年04月25日 (月) 01時17分