No.223〜No.247

打ち出し太鼓
落語会を迎えるたびに必ず血が滾る。
終えたあと、満足感、反省(?)、そして次への熱き思いがある。
そんな栄歌の独り言、裏話などをおもしろくお伝え出来たらエエなあと思います。


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 第3回 きくや寄席  12/19(日)        
色々と紆余曲折があり最後にこの日このプログラムに決まったのは2週間前のこと。
「きくや寄席」とは大阪の「落語天狗の会」のメンバー「立の家恋々クン」が実家をなんと寄席小屋に造り変えてしまったという、なんとも道楽的なお食事処『楽』の大阪版のようなモノ。そこの家の屋号が「きくや」であることから「きくや寄席」の名前が付いた。
高座・下座スペースからカメラを設置し楽屋でモニター出来る装置など、その仕上がりは一人でノコギリやドライバーを握り締めて作ったとは思えないほどのシロモノ。

さて玉造に着くと席亭・恋々クンは駅まで迎えに来てくれた。
会場入りして間もなく下座合わせ。本番の進行どおりに演奏していく。此処に集まるメンバー(落語天狗の会の面々)の下座のレベルはかなり高い。三味線を弾く真心丸クンや太鼓の圓さん(←お馴染みですネ)、それを指導する茂八さん(現・遊丸さん)はプロ並み。その中に混じってワタシも笛を吹かせて貰うた。
砂切り・石段・片砂切りの三つやけど、落語よりこちらの方が充実していて勉強になった。

落語の方では、学生の特権・若さの喜衛門クン、爆笑王の猿やん、華麗で安定感のある茂やんで前半を固め、後半にいよいよ席亭登場、そしてゲストのワタシへとバトンタッチのプログラムである。
レベルはみな高い。なんせ大所帯「落語天狗の会」からの選りすぐりの精鋭達が相手やからワタシもフンドシを締めてかからな玉砕してしまう。
トリネタとして用意した『花筏』と迷いに迷って、やはり演り慣れた『餅屋問答』に逃げてしもた。弱気の選択。自分らしさを出せる安心したネタやからしょうがないかも知れへんか。。。
自分としては今日イチバンの大爆を取ったつもりが、帰りの電車の中で録音していたモノを聴き返したらそれほどのモンでもなく、しかも言い澱んだり微妙にハズしたりの反省点が山ほど見つかった。う〜ん、これだけ演って来てもまだまだっちゅうことか。
ホンマ、奥が深いなぁ、この世界は。。。
     
「初音の鼓」立の家喜衛門/「君よモーツアルトを聴け」立の家猿之助/「尻餅」関大亭茂八/〜仲入り〜/「寄り合い酒」立の家恋々/「餅屋問答」南遊亭栄歌
No.247   2004年12月21日 (火) 02時17分


 わんわん軍団 第6回定期公演 「Sapo!」 12/18(土)        
ワタシとわんわん軍団さんとの出会いは、『楽』で落語を聴く会に初めて出させて貰うた後の食事会の席。無眠さんの同窓のジロンさん達がメンバー4人で来てくれていてそこに挨拶に行ったのが最初。
ジロンさんは無口で控えめで、それでいて笑いや芸に対してはとても厳しい確固とした意見を持ってはる。第一印象はそんな感じやった。(今でもそんな感じやけど…)
そのジロンさん率いる、そしてワタシの憧れのかなさんの所属する劇団「わんわん軍団」さんが年に1〜2回名古屋で定期公演をされている。
今回その憧れのかなさんの書き下ろし・主演をつとめる作品を観に行った。
芝居をそんなに経験していないワタシがレポートするのはちとおこがましいケド敢えて書いて見ようと思う。

「スタジオ・座・ウィークエンド」? 初めて行くこの会場、少し迷いながらそれでも予定通りの時間に到着。会場は暗く30人入ると満席かと思う客席、そこにもう既に20人は入ってはる。お客さんを見回したが知り合いは居てへん。一人ぼっちは余計に緊張する。
落語会とお芝居の公演と違いは既に開演を待っているこの雰囲気からして違うと思う。落語会の開演前は結構ざわついていてこれから笑わして貰おうとするお客さんの暖機運転の場のような雰囲気。今日のこの空気はほとんど会話もなく、これからどんなショウ(笑?)が始まるのか…という緊張の糸がピンと張り詰めて静まり返っている。ちょうどセンター試験の会場のような重苦しい空気とイメージが重なって少し可笑しかった。
その静けさを破る第一声は目の前に仁王立ちのかなさんの大きな声やった。(仁王立ちとは表現がちと的外れか…脚はミニーマウスのように内側に引きつっているし。。。)

今回のお話は出会いがテーマやと思う。2つのパラレルに進行する話が時折交錯しそしてひとつのエンディングへと収束していく。
役者さんたちはコレまでの作品とは格段にレベルアップしていて、台詞のキャッチボールによどみや微妙なズレなどはなくかなり完成度は高い作品と感じられた。
お姉さん(真理姐)やみずこ(新人・ジョー)を中心とした迫力のあるアクション、モリゾウ(毛利マン)のコミカルなキャラ、ジェフ(薫ちゃん)やお父さん(つげっち)の味のある喋り、その他どの役者さんもハマリ役で素晴らしいと思った。
最後のエンディングのシーツ越しに映るかなさんのシルエットは美しく、こんなにも素敵な作品を作り、そして娘であり恋人であり同時に母親である女性の葛藤を見事演じ切ったかなさんの限りないパワーは凄いと感動した。

帰りの電車の中では、これまでグズグズと先延べしていた新ネタの着手にかかり、ブツブツとネタを繰りながら帰った。
なんかテンションの下がっていた自分の核の部分にパワーを注入して貰うたような気分。
わんわんの皆さん、エネルギーをどうもありがとう!
No.246   2004年12月21日 (火) 02時03分


 米之庄公民館高齢者学級 12/12(日)        
松阪の北のはずれ(このあたりは一志郡三雲町)に米之庄地区公民館がある。来年松阪市と合併をすることになっているらしく、三雲町として最後の高齢者学級に我々「寝床の会」が呼ばれた。
この話が出たのがなんと半年以上前の5月頃、そんなにも前から準備されていた。それからどんどん話が煮詰まって行き、参加希望者も78名になったと聞いた。それぞれが演りたいネタを持ち寄るのではなく、高齢者対象に時間と流れ、ビジュアルなどを重視としたプログラムつくりをした。
当日会場に集まると、「小林さん」という女性が、たったひとりで会場つくりをしてはった。この女性が此処の公民館の守り神やそうな。高座を組み、パイプ椅子を80客丁寧にならべ、高座には金屏風まで用意されていた。衆朝さんのアドバイスもあり、ほぼ完璧な落語の会場がたったひとりの手ぇで用意されていたのである。
イヤでも我々のテンションがあがる。毛氈・スポット・座布団・見台と膝隠しなどが運び込まれ、みんなで仕上げをしてから大喜利のネタ合わせをした。
まだ開場前と言うのにその頃から寒い中をお客さんがゾロゾロと集まって来て下さり、あっという間に会場の80客の椅子はおじいちゃん・おばあちゃんで一杯になった。老人会でもこんなには集まれへんやろ。その一杯の光景はある種壮絶な感じさえした。
小林さんの話では、この2日間で2人のお年寄りがなくなり、その葬儀のためさらに数人のお年寄りが来られなくなったと聞いた。(ここらはホンマに『高齢者学級』や--笑!)それでもコレだけ集まって下さるのは、この小林さんのチカラ・求心力なのやろう。
さて、始まった落語会、衆朝さんの開口「平林」は最高のウケやった。まくらで上手に会場を暖めて、本題もゆっくり丁寧に演ってはる。そう云うとこは上手いなぁと唸ってしもた。会長の「狸賽」もイントロで得意の鶴の恩返し。ようウケた、悔しいくらい。欠多利さんの「動物園」は(書かせて貰うて悪いけど)噛みまくり。練習不足は歴然。相手はお年寄りの素人とナメてたんとちゃう?降りてきたら一度意見してやろうとテグスネを引いていたら、次のワタシの「餅屋問答」もグズグズになってしもた。ナメまくりの練習不足はワタシの方やった。反省!
それでも全体によう笑うて貰うた。このお年寄り達の何処にそんなエネルギーがあるのかと思うくらい、大きな口を開けて笑うて下さった。ホンマにエエ会やった。来年松阪市米之庄地区公民館と名前を変えても招いて下さるやろか。心配をしていたら、お見送りの際のお客様も、そして席亭の守り神・小林さんも、是非来年もお願いしますと云うて下さった。やった〜!
小林さんは大勢の皆さんをお迎え・お送りするその忙しい最中にも、我々の靴を仕舞ったり出して揃えて下さったり、お茶・お茶菓子を出して下さったり、本当によく気の付く働きぶりやった。家庭でも、エエ奥さん・お母さんで居てはんねやろなぁ、そんなコトを考えながら帰路についた。
 
「平林」にうぎに家衆朝/「狸賽」切磋亭琢磨/「動物園」噴駄理亭欠多利/「餅屋問答」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(珍・漢和辞典「草冠」、謎掛け、長生きの数え歌)
No.245   2004年12月21日 (火) 02時01分


 第102回 サウスロード落語ライブ 11/27(土)        
早くからウチの会長が出られへんコトが分かっていた今回のサウスロード、大阪の落語天狗の会に応援要請をしたところ、立の家恋々クンと云うオトコが名乗りを上げてくれた。
わざわざ旅費の自腹を切って来て貰うような大規模な会ではないのやケド、寝床の会の財政難故旅費の負担してあげることも叶わず、その後の打ち上げ歓迎会から「ホテル・にうぎに家」宿泊付きの条件でお願いした。
開演時間前に一気にお客さんがなだれ込んで客席が一杯になるサマを、恋々クンは絶賛してくれた。彼らの会では開演後もパラパラとお客さんの入りが続き前半は落ち着きのない雰囲気なそうな。そういえば寝床の会(敬和公民館)でも開演前にはほぼ満席になるもんなぁ。
我々の会は4人しかメンバーはおらず、誰それのファン・知り合いと言うカタチで来場されるのでははなく、我ら4人まとめてのファンが多いからと云うことやろか。
さて今回「豆狸」のネタを取り下げて開口に回って頂いた衆朝さんの「酒の粕」、マクラから掴みはバッチリ。スタッフ募集から会長の代演としてのゲストの紹介、そしてネタへと上手に笑いを取りながら雰囲気つくりをして下さった。
二番手は恋々クンの登場。最初はかなりアガっているのかちょっとバタついたがすぐに取り返し、初登場のハンデをものともせず堂々とした貫禄の高座。いきなりのハプニング(栄歌が厨房の鍋を転がしてしもた)にも上手に対応、本場大阪の空気でサウスロードに新鮮な笑いをもたらしてくれた。
欠多利さんの「替わり目」。ワタシはネタ繰りに必死で聞いてなかったけど、衆朝さんの話では、いつもよりしっかり演じてはってさすがゲストを迎える心意気やとのこと。欠多利さん、レポート出来ずにごめんね〜。
ワタシの今回の高座は本当にヤバかった。ネタも十分に練れておらず、そのためマクラも直前まで出来ていなかった。ゲストを迎える立場としては本当に不甲斐ない状態、まことにもって面目ない!
ところが高座へ上がると妙に落ち着き、直前に大慌てで作ったマクラが返って功を奏して新鮮なものとなった。ヨン様来日から恋々くんの人物紹介、そして彼の落語道楽ぶりから道楽と云えば昔は芝居キチガイが居て…、と流れとしてもまあまあやったかな。本ネタは実際に歌舞伎をみたことのないワタシが演じているのは分不相応というか勉強不足やと反省すべきトコロやけど、芝居を演じている時に前のお客さんはしきりに「うんうん」と頷いてくれはるし、歌舞伎ファンの衆朝さんも「まあ、空気はちゃんと伝わったかな」と云うて下さった。
こうなると一度本当に歌舞伎・忠臣蔵を見るべきやなぁと新たに「蔵丁稚」への思いが強まるのであった。
打ち上げはまずサウスロードでマスター自慢の手料理。ピザも絶品やけど、今回は大阪からのゲストとあってあの幻の特性パエリアを作って下さった。そのあと衆朝邸へ場所を移し、これまた名物「にかわ」の「尾っぽの唐揚げ」と「鳥身のタレ焼き」で反省会。
彼は真面目な性格なのかしきりに駄目だしを要求。それならと出来上がったばかりのビデオを出してきて観賞。こんな反省会は久しぶりや。恋々クンとはその後も彼の仕切る「きくや寄席」出演のことに話題を移して延々と続いた。衆朝さんが床に就いた後も二人で4時半まで熱く語り合って、帰るハズのワタシも結局「ホテル・にうぎに家」に泊めて貰うハメになった。
     
「酒の粕」にうぎに家衆朝/「看板の一」立の家恋々/「替わり目」噴駄理亭欠多利/「蔵丁稚」南遊亭栄歌/大喜利(謎掛け、今年の出来事数え歌)
No.244   2004年12月01日 (水) 10時48分


 とびうめ国文祭 コンテスト編 11/14(日)        
いよいよコンテスト当日の朝。目覚めはイマイチ。兎にも角にも、寝不足!
昨日の酒は全然残ってないけど、枕が替わると寝付けへんのが相変わらずの悪いクセや。
会場入りをしても落ち着かず、中途半端にネタ繰りを何遍もやってしまう。気ぃが入ってへんから演る度に間もリズムも変わってしまい、このことが返って自分をイラつかせる。
そうこうするウチにコンテスト開演。此処にきてもまだ下座に張り付いている自分が居て、よっぽどお囃子がスキやねんな〜と我ながら呆れる。小きぬさん・勘遊さんに無理を言うて1番手の無眠さんの「じんじろ」だけ吹かせて貰うた。ワタシの無眠さんへのエール。「頑張ってきてっ!」と精一杯吹いた。
1番手は会場の硬さを如何に解すかが身上。無眠さんは見事にマクラから笑いをとっていつもどおりの高座をつとめた。その後次々に出てくる演者さんはどの方も上手い!昨日のメンバーも凄かったケド、今日の面々の上手さには正直舌を巻いた。日本中には凄いヤツらが居てンねやな〜。
中でも3番目に出てきた地元福岡代表の河崎亭好朝さんはマクラから弾けまくり。マクラだけで7分以上も使い、楽屋のモニターを見ながら「これは笑い取りに徹して完全に時間オーバーやな。勝敗は捨ててはるのかな」とみんながクチを揃えて云うていた。ところが終わってみると規定の15分をクリアー。そしてメチャ面白かった。寿限無を云うクダリはすべて口調を変えるという工夫、キチンと最後まで言うのが基本の寿限無をワザと早口で滑らせたり途中で息切れさせたり、とにかくオリジナル性を持たせていた。誰もが耳にしているこの寿限無を楽屋のみんなが大爆笑。セミプロを笑わせる好朝さん、アンタの優勝はほぼ決まりやで!
その後から出る演者はみな戦意喪失。まあそこまでは行かんでも1位はもう無いな…という手ごたえ。それでもみんなの技術は凄かった。
さていよいよワタシの出番。ネタは三枝師匠のコピもんやから大したコトはない。多少は手直しを加えてオリジナリティは持たせているが、三枝師匠以上の出来栄えではない(と思う)。勝負は如何に医者である自分と落語とのミスマッチを前面に出すか、トータル15分という短い時間に何処まで自分らしさを織り込めるか…、自分的にはそう言う計算で今回の国文祭に臨んだつもり。ところが出だしでネタを抜かした。アガっているつもりはないねんけど、とにかくマクラの大切なオチの部分を抜かしてしもた。マクラでそこそこの笑いしか取れずにそのままネタに入った。中途半端な医者マクラは嫌味につながる。自分的にはいつもの大爆は取れずに中途半端に終わってしもた。楽屋へ戻るとみんなは「おもろかったでぇ。大爆笑やったよ」と言うてくれたが、これは多分にベンチャラやろ。期待値の半分もなかったから。。。
終わってみると案の定賞外。あのテクニックと安定性で評判の圓九氏でさえ入賞叶わず、全国のレベルの高さ、コンテストの持つ魔物性を痛感した。
それでも我が『楽語の会』の無眠さんが3位入賞を果たしたことで少し無念を晴らして貰うた気分。
やったね、無眠さん!
1位:河崎亭好朝、2位:春歌亭丹馬、3位:竜宮亭無眠、以下:てい朝、栄歌、圓九、艶笑、冷奴 (敬称略・御免)

P.S. 春風亭昇太師匠の出囃子「ディビー・クロケット」の笛も吹かせて貰いました♪

「動物園」竜宮亭無眠/「湯屋番」三葉亭冷奴/「寿限無」川崎亭好朝/「尻餅」水都家艶笑/「目薬」秋風亭てい朝/「お忘れ物承り所」南遊亭栄歌/「二人癖」千里家圓九/「時うどん」春歌亭丹馬/『権助魚』春風亭昇太
No.241   2004年12月01日 (水) 10時42分


  懇親会と言う名の「潰し合い」 その夜         
今から10年前に三重で国文祭が開かれ、その時前日の土曜日に湯の山温泉に泊まって「前夜祭」が行われた。日本中の落語の達人が一堂に会し、そこで繰り広げられた隠し芸自慢、モノマネの大宴会。死ぬほど楽しかった。
世の中には凄い連中が居てはんねや、自分達は彼らの足元にも及ばへん…等と驚嘆すると同時に、色んな勉強にもなった。

今回も酔書さんに無理をお願いして「懇親会」なるものを開いて頂いた仕掛け人は、何を隠そうこのワタシなのであった〜♪
そして待ちに待ったその「懇親会」、明日のコンテストの演者にとっては飲みすぎは自爆につながるという特典付き。「懇親会と言う名の『潰し合い』」という命名も実はこの栄歌なのである♪♪〜

妙な独りよがりはさておき、我々国民宿舎「つやざき」泊まり組の連中には予定の7時半まで待ちきれへん。(←よほどの酔い潰れ志願者揃いと見える。)6時過ぎには会場に上がりこんでちゃっかりお先に初めてしもた。
ほどなくぞろぞろと関係者が集まってくる。お互い名刺交換から始まり、そのアト今日の落語の感想やら、きにゃこ&琴色の可愛らしさ談やら、小やす&紫よいの綺麗どころの近くの座席争いやら・・・・・。
酔書さんが用意して下さった大きな名札を胸に貼り、乾杯の後順々に自己紹介。みんな一癖ある輩ばかりやから挨拶もひとひねりもふたひねりもしてる。
これや!これっ!10年前のあの死ぬほど楽しかった宴会の再現や。そう、これがやりたかったんや!
小倉から小粒さん小雪さんご夫妻も参加して下さって、さらには天神寄席終了後に駆けつけて下さった勘々・勘タン・小きぬ・勘遊各兄。ホンマに盛り上がりに盛り上がった。
この懇親会の綺麗どころの3人さんはというと、小やすさんは見事な飲みっぷりの後見事な壊れっぷりで、紫よいさんは華麗な紙きりで(ワタシへは「栄歌さん江」というメッセージ付きのハートを切って下さいました♪)、小雪さんはカメラ片手に相変わらず小粒さんへの献身ぶりで、3人3様の華を添えて下さった。
ほとんどのメンバーが今日初対面という、それも男同士の集団見合いみたいなちょっと変わった宴会やったけど、同じ趣味を共有し合う同士と云う者はかくも通じ合えるものかと、改めて落語に携わってきたコトの幸せを噛みしめた。
まだ本番のコンテストは明日やと言うのに、もう来年の再会を約束しあったり、交流会の計画を練ったり、今日この「宴会or潰し合い」の終えんを惜しみ合う男同士の友情の芽生えの見え隠れもまた感慨深かった。
No.240   2004年11月21日 (日) 23時33分


 二人の美女「きにゃこ & 琴色(ひびき)」        
小学生のオープニング・マジックや子供さんの落語に混じり、それよりちょっと年長の着物を着た可愛らしい女の子が我々の下座軍団の横に立っていた。その後ろには保護者と見えるお姉さんらしい綺麗な女性がご同伴。この二人は誰やろう?何で出はるんやろう?…とチラチラと気になっていたら、なんと着物を着た子は我々のお茶子さんやった。
我々演者の座布団を返してくれる、そのたどたどしい手つきがまた可愛らしい。座布団の返す方向を間違えて落ち込んではったので、珍歌さん・虎や志さん達と三人で返し方指南。「大丈夫やから、気にせず頑張って」と励ました。
あとから聞いたら中学生とばかり思うてたこの子は、なんと大学生!福岡教育大学の落語研究会のメンバーさん。後ろの保護者風のお姉さんとばかり思うていた女性はその子の同級生で、なんとお茶子の女性より若いという。ダブル・ショックに我々一時騒然となった。着物の方が「きにゃこ」で保護者風が「琴色(ひびき)」と名乗った。
それにしても女性の年はわからんもんや。

フェスティバルがハネてから、夕方の懇親会まで時間がありあまったので、楽屋に一同に会して、スナックをツマみながら、歓談となった。ワタシは無眠さんや圓さん相手にコントまがいのトークをぶつ。
みんな結構ノッてきて、流れで福教大の二人の稽古をつけようと云うコトになった。(つけられる方は災難や。。。)ワタシはまさかホンマにやるとは思わへんかったのに、彼女たちもノッてきて代わる代わる持ちネタを披露。無眠さん、圓九さん、虎や志さんや珍歌さん達が真剣に指導してはる。なんか学生時代の合宿を思い出して楽しかった。ワタシは落語のコトになると結構アツくなってしまうタイプなので、今回は茶化し役に徹した。
しかし全国からの選りすぐりの猛者たちが、二人の落妍女性のためにこんなにも一所懸命に稽古をつけてあげる、このシチュエーションは今後もめったにお目にかかることはないやろうと思うと、楽しくてしようがなかった。
来週は彼女達の発表会。エエ落語が出来るとエエなあ。明日のコンテストのことはどっかに飛んで行って、そんなコトばっかり思いを馳せていた。
No.239   2004年11月21日 (日) 23時32分


 とびうめ国文祭 フェスティバル編 11/13(土)        
いよいよ待ちに待ったフェスティバル当日。柴よいさんが会場まで送って下さると言うので、2時間ほどの睡眠でフラフラの状態のままで駅まで歩いて向かった。
程なく勘遊さんと小やすさんが到着。夜行に乗って天神に着いた千里家圓九氏と合流して、柴よいさんの車に乗り込んだ。会場に向かう車中で紫よいさんが朝食にと買って下さったサンドイッチと缶コーヒーをみんなで頂いた。本当に隅々にまで行き届く紫よいさんのお心配りに感謝。
会場に着くと、「まだ入場は出来ませんよ」とスタッフの方たちに足止めを食らった。「下座としてきました。あ、我々明日の出演者でもありますけど…」と伝え「スタッフ」と書かれたプレートとお弁当券を貰い、建物の中への侵入に成功。ついでに紫よいさんと小やすさんもちゃっかりスタッフに仕立て上げ一緒に潜入大成功!
楽屋には酔書さんが既に詰めてはって忙しそうに準備をしてはる。そして舞台袖・下座には既に小きぬさんと直角さんたちが来てはって鳴り物あわせをしてはった。小きぬさんたちとはちょうど1年ぶりの再開となる。相変わらず軽いタッチでジョークを飛ばしながらの調子合わせ。我々も笛のケースを出してきて店開き、お互いの名器を自慢し合った。笛吹き三人衆の勢ぞろい…と云うても勘遊さん・圓九さんの両巨塔の間に入ってしもてはワタシの出る幕もなさそう。それ程二人の笛は素晴らしかった。勘遊さんは流れるような澄んだ篠笛の音色、圓九さんは雄々しい勢いのある能管が特徴。そこへきてワタシは姿勢・運指すらも危なっかしいたどたどしさ。それでも二人の技術を盗もうと必死やった。
さてお待ちかねのフェスティバルの始まり。
コンテストに漏れたとはいえこのフェスティバルの演者の面々は素晴らしかった。色気たっぷり・語りしっかりは「夢の酒」の虎や志さん、創作を交えた笑いの絶えない「日光寿限無」の珍歌さん、本場・大阪に負けぬ関西弁と素晴らしいリズムの「ふぐ鍋」の勘タンさん達にまじり、小学生でありながら大人顔負けの落語を披露してくれた柴宗摩クン。本当にみんな芸達者揃いやった。
小きぬさんの三味線・酔書さんの太鼓に勘遊さんの笛、そこに圓九さんとワタシが交代で笛を吹かせて貰い、本当に楽しい下座フェスティバルで心ときめく2時間やった。

「だくだく」添田真由/「親の顔」豊の熊五郎/「夢の酒」芸乃虎や志/「日光寿限無」火災亭珍歌/「首提灯」今柳亭波舟/「初天神」柴宗摩/「目薬」福々亭笑風/「ふぐ鍋」粗忽家勘タン/「かけとり」桂都んぼ「青菜」桂小米朝
No.238   2004年11月21日 (日) 23時31分


 一足お先に! とびうめ国文祭        
明日から2日間、「福岡とびうめ国文祭・福間演芸まつり」が行われる。その2日目(日)にコンテスト部門で出演予定。
せやからホンマは明日の夕方入りでもよかったンやけど、フェスティバル部門で下座の勉強もやりたいやん。ほな明日の朝イチ入りでもよかったンやけど、せっかくの福岡訪問、内浜落語会や宗像落語会の方たちとゆっくりお話がしたいやん。
そこで金曜日の仕事を半日で終えて一足お先に福岡入りと相成った。
お目当ての粗忽家酔書さんは仕事と今回の演芸祭りの実行委員の雑務の板ばさみでこの日のご対面は叶わなかった。その愛弟子(?)の粗忽家紫よいさんという方が音頭を取って下さって、笛の名取・粗忽家勘遊さんと、プロ・アマや落語選手権で精力的に東海・近畿に足を運んでくれている粗忽家勘々さんが出迎えて歓迎会をして下さった。
ちょっと高そうな和食の店に入りまずは乾杯!勘遊さんとは笛の話でひとしきり盛り上がり、勘々さんは若さに任せ肉系のメニューばかり注文してひたすら明るく弾けまくっている。紫よいさんはただただ我々の話を横で微笑みながら聞いて下さっている。ホンマ奥ゆかしい方。共通の趣味を持っている者同士は話も弾み、尽きることはない。
酒のピッチも上がってきて「さあこれから」っちゅう時に紫よいさんからストップがかかった。「明日は早くから頑張ってもらわないとダメですから、今日はこの辺にしておきましょう」時計を見ればまだ11時半をちょっと回ったトコ。「え〜っ、殺生なー。まだ宵の口やん。第一明日は出番あれへんし…まあもうちょっとくらいエエんとちゃう?」とオトコは心で思ってクチには出さん!「そうですね。ほな、出ましょう!」
清算を済ませオモテに出はしたが、まだ名残惜しい。「せっかく博多に来たんやから、ここはやっぱりラーメンやわな」ワタシが言いかけているその言葉をさえぎって「さあ、栄歌さん、駐車場はこちらですよ。」とバッサリ袈裟懸け。
無理やりお開き・斬りぃ〜っ!!
最初から印象悪うしてもアカンから、此処はおとなしく「はいっ」。…小学校の先生と生徒や。。。
しかし、たくさんのアマの演者が集まってくるっちゅうのに、わざわざワタシごときのためにこうして集まって宴を開いて下さった福岡の3人さんには感謝っ!!
ホテルのベッドに潜り込み、これから繰り広げられる楽しいお祭りにワクワクと胸ときめかせながら、いつまでも眠りにつけなかった。
『あ〜ん、飲み足らん、はしゃぎ足らん。寝られへんよぅ〜!!』
No.237   2004年11月21日 (日) 23時30分


 第3回 大学祭寄席 11/7(日)        
これで3回目を迎える「大学祭寄席」。でも今までと違うトコは現役生が出ると言うこと。
いよいよ三落会の新しい歴史の第一歩や。
今回の運営の大部分は八景さんにやってもらって地元代表としてのワタシは仕事と勉強の板ばさみ、着物を持っていって、出て、打ち上げとホンマに美味しいトコ取りの参加で恐縮やった。
「三重はなしかクラブ」のハッピを来てキャンパスでビラ配りをしていると、なんか学生時代にトリップしたような妙なテンションになる。
近頃の若者にはウケへんやろうとご年輩中心にビラを配ったが、フタを開けてみると老若男女を問わず、大入り満員の立ち見となって嬉しい悲鳴!
まず現役生のひゃーし君が「時そば」でご機嫌伺い。先輩も居らず独学で仕上げたというが、なかなかどうして。結構学生としてはエエ出来具合や。しっかり笑いも取っていた。
さて客入り最高潮で萬年クン登場。この20数年間ワタシのコトを師匠と呼び続けてくれて崇拝してくれてる(?と思うケド…)ワリには芸風が全然違う。
立ち見も出て本当に教室に溢れんばかりになった会場に「ちりとてちん」やから、さぞかし大爆笑かと思いきや、それ程のウケがなかった。何でやろ?喋りも年季が入っていてしっかりしてたけどな。。。少々まわりくどいかな、彼の落語は。
お後、これまた別の意味で現役の名古屋小鯱さん。彼はこの大学のなんと助教授。(←エラかったんやね、この人)20年ぶりやと言うてたけど、そのブランクを感じさせへん落語。あまりにも懐かしく、それこそ学生時代にトリップしてしもた。
仲トリはワタシ。「竹の水仙」はホンマ久しぶりや。最近は会長(切磋亭琢磨さん)が好んで演ってはるからワタシは遠慮してたケド、この噺は寝床の会ではワタシが本元。肩のトコに元祖と書いてあるやろ。(←ほな、会長は本家か。)練習不足(←最近コレばっかやワ。)で随所で噛んでしもたけど、やっぱりツボでは来るねぇ。このネタは長いけど、そこそこ爆発力もあると思う。
仲入りを挟んでぎょうさん客が帰ってしもた。ワタシが帰らしたンやろか。オロオロ(・・ )( ・・)
食い付きは漫才。まだまだインパクトはないけど、ネタはおもろかった。笑いのセンスはあるみたい。今度寝床の会で色モンとして演ってくれへんかなぁ。
もたれは大魔神。彼は実力はしっかりある。落語会に所属しておらず、ただ片手間にやっているだけやから、ちょっとしたトコで勿体無いハズシがあるけど。ウチの会に入ってくれへんかいなぁ。続ければ凄いモノになると思うんやけどなぁ。。。
大トリは三落会の大先輩、小林二八さん。昔からの達者な喋り。現在も大阪の小素人連で大活躍されている。テープ番をやっていたワタシは衝立の裏で不覚にも時々声を出して笑うてしもた。トリにふさわしい大看板やった。
大喜利は全員出演、打ち合わせナシのガチンコ。やはり八景・ワタシ・二八さんの現役で頑張って笑いをとったが、場数の少ないみんなには辛かったのとちゃうやろか。今度からちゃんと仕込もうね、八景さん。

「時そば」三落亭ひゃーし/「ちりとてちん」南遊亭萬年/「カッパの皿」名古屋小鯱/「竹の水仙」南遊亭栄歌/〜仲入り〜/漫才「メガネ屋」ひゃーし&ちはらー/「不精の代参」大願亭大魔神/「禁酒関所」小林二八/「大喜利」全員+司会・近江家八景(なぞかけ、やりくり川柳、しりとり歌合戦)
No.236   2004年11月08日 (月) 23時09分


 第10回 林家染丸独演会 11/6(土)        
ものすごく楽しみにしていた染丸師匠のこの独演会。結構早くに特別指定席をピアで購入したハズが前から8列目やった。やっぱり田舎ではアカンねぇ。
指定席やからとゆっくりと入場した。会場に入るとBGMで出囃子が鳴っている。この夏に出された染丸師匠編集の寄席囃子集成であることはすぐに判った。毎日仕事の行き帰りに車で聴いているからついつい口ずさんでしまう。
さていよいよ開演。染太さんの動物園は結構おもろかった。将来が楽しみ。
お次は「姉様キングス」。ネットで見て存在は知っていたけど、結構ショッキング。あやめ姐さんのリードで展開される喋くりは、古典的なリズムではあるが相当笑った。今年のビッグニュースに因んだ数え歌など新しいネタもあり、大満足!
さて楽しみにしていた師匠の愛宕山。枝雀師匠のそれとは違い、とても端整で上品な仕上がり。土器(かわらけ)投げの所はあっさりと演ってはったが、小判を投げる時の一八の顔の表情には笑えた。枝雀師匠のコミカルで激しい「愛宕山」とは対照的に綺麗ですっきりとした印象を持った。
仲入りのあとこいし師匠との対談。染丸師匠は本当に聞き上手。ともすれば置いて行かれそうになるこいし師匠の昔話を上手にまとめ、客席の興味をあおる様な聞き方される。その後の「戸板返し」には腹を抱えて笑った。
リクエスト寄席は、「浮かれの屑より」と迷いに迷った挙げ句ワタシは「蛸芝居」をリクエストした。どれに決まってもどれも聞きたい噺やからエエようなモンやけど、「三十石」と「蛸芝居」との決戦投票まで本当にドキドキした。
師匠の「蛸芝居」は去年の「浮かれの屑より」につづく鳥肌モン。スキのない綺麗で洗練された動きにはタダただ感動。コレに投票してよかった、これに決まってよかった。
飛び乗った最終の電車の中で余韻を楽しんだ。

「動物園」林家染太/「音曲漫才」姉様キングス(桂あやめ・林家染雀)/「愛宕山」林家染丸/〜仲入り〜/「対談」喜味こいし・林家染丸/「リクエスト落語=蛸芝居」林家染丸
No.235   2004年11月08日 (月) 23時02分


 第5回 桂文華独演会『文華の日』 11/3(水・祝)        
さあ、今回は昼席やからゆっくり出来る。「文化の日」やから「文華の日」、しゃれたぁる。ホンマに文華さんのためにある休日みたいや。

初めて聞く福矢さんの落語。最初やから会場が硬い。硬い雰囲気やからとそれをくずそうともせず、真っ向から自前のマクラをいきなりぶつけて来た。エエかいな…と心配しながら聞いていたら、このマクラがメチャクチャ面白い。いつの間にかこの人のワールドに入って行ってしもた。ふ〜ん、こんなやり方もあるねや。せやけど、やっぱり一遍崩してからこのネタをやったら、もっとウケたやろなあ。まあしかし、この人のパワー・底力みたいなモンをチラッと見たような気がする。
染雀さんの落語も始めて聞かせて貰うた。「繊細」…そんな感じのする喋り。無学やから詳しくは知らんケド「宗論」ってもともとは江戸の噺やろ。それを上方に変えはったんやろか。ちょっとインパクトは江戸より弱いような感じを受けた。あやめさんとの「姉様キングス」の方が爆発力があったような気がした。
さて出て来ました文華さん。相変わらず軽やかな口調・リズム。この「船弁慶」はワタシも持ちネタとして持っているし、枝雀師匠はじめ色んな噺家さんで聞いているからそう新しい感動はないやろと油断していたら、何のなんの!とにかく面白い!リズミカルで文華さん独特のギャグも散りばめられ、何度噴出してしもたコトか。文枝師匠の「船弁慶」とはまったく異質の産物で感動も新たやった。
仲入りをはさんで「食い付き」は色物の講談。読み物は『裸の角左衛門』…もちろん知らんわ。始まった途端に職場から呼び出し。あわてて会場を出る。ホンマは携帯の電源はオフ!常識や!自分達の会の時もこう呼びかけていながら、自分が聴く方へ回ったら「マナーモード」にする。いささか勝手な話やけど職業柄仕方ないの、許してね。幸い電話指示だけで済んだから良かった。席へ戻って再度聞きなおしたけど半分以上済んでいて充分レポートは出来へん。残念やったけど、声は素晴らしく通り容姿も端整、語りのあちこちに笑いも仕込まれていて本当に楽しかった。また機会があったらじっくり聴いてみたい。
最後は文華さんの「おごろもち盗人」。たしか15分くらいの短いネタやと思うたけど「船弁慶」を差し置いてコレを敢えてトリネタに持ってくるとは…と疑問に感じながら聴いていたら、納得っ!!長めのマクラから通して一つの作品になっているのや。一連の流れっちゅうんかな、トリに相応しい仕上がりの作品。聴き応えがあってとにかく面白い!ああ、「おごろもち…」ってこんなに面白いネタやったんや、と突きつけられたような感じ。最後に財布を盗んで逃げる男(文華さんでは『由ま』)がもう少しアホならもっと良かったかも。。。しかし、今日聴かせて貰うて「よし、自分もやってみよう!」と言う気になった。ここ1年以上新ネタに着手出来ずにグズグズしていたけど、今日文華さんに背中を押して貰うたような気がした。
新たなエネルギーを貰うた。来て良かった!!

「牛ほめ」桂福矢/「宗論」林家染雀/「船弁慶」桂文華/〜仲入り〜/『裸の角左衛門』旭堂南海/「おごろもち盗人」桂文華
No.234   2004年11月04日 (木) 04時15分


 伝馬寄席 in 岡崎 10/24(日)        
岡崎に染丸師匠が来られる!それだけでときめいた。
伝馬寄席は、以前三歩さんたちが演ったとき見に行ってから、毎回案内状が届く。その度にメンバーでがっかりしたり、遠方と言うこともあり、値段の高さにちょっと尻込みしたりしていた。
師匠のHPにご挨拶にお邪魔した時、本格的に鳴り物一式を持って来られると聞き及んだ。もしかしたらナマでハメモノ入りの落語を聞かせて貰えるやも知れん。そない思うとどうしても行きたくなった。
当日朝仕事が入り、岡崎到着が開演ギリギリになってしもた。それでも一番前の席に滑り込み、「かぶりつき」で見せて貰えた。(ラッキー!)
まん我さんの「牛ほめ」。久しぶりに聞くまん我さんは驚くほどにパワーアップしてはった。文我さんと一緒の彼は萎縮し何処か不安定さが感じられた。この日のまん我さんは伸び伸びと演っており、パワーとリズム感が感じられた。そして何より面白かった。砂切りの能管も以前聞いたのとは違い格段の上達が見られた。10ヶ月でこんなにも違うのかと驚かされた。
染丸師匠の出し物は残念ながらハメモノ無しのネタ。それでも「子別れ」を演らはるとのこと。こんなネタ持ってはったんや〜。びっくりした。何度も聴いてよく知っているネタやったのに、師匠の亀吉はあどけなく可愛く、聴いているウチにどんどん涙が出てきた。一番前でエエ年したオッサンが、しかも落語経験者が、聴きながら泣いているコトに少々恥ずかさを覚えたが、それでも感動を抑えきれへんかった。
落語会を終えたあと、近くの川辺に降りて行き、常時携帯している篠笛を出してきて知っている限りの曲を吹いた。岡崎の街を去りがたく、いつまでも心を此処に残して置きたい、そんな気分やった。


「牛ほめ」桂まん我/「千早振る」林家竹丸/「不動坊」桂九雀/〜仲入り〜/「子別れ」林家染丸
No.232   2004年10月26日 (火) 19時26分


 第90回 寝床の会 10/23(土)        
9月にお江戸日本橋亭で社会人落語選手権大会のカップを貰って来てから最初の定期公演。今まで選手権明けの定期公演は毎回少し放心状態で仕上げもあらく不甲斐ない落語ばかりやって来た。今回は気合いを入れて頑張ろうと『花筏』をエントリーした。
大阪の天狗連『社会人落語・落語天狗の会』のメンバー「隣乃玄張クン」(以下、「玄やん」)が応援に駆けつけてくれると連絡を貰った。とたんにメンバーのテンションも活気づく。
例によって会場設営が終わった頃三味線の沢山さん登場。玄やんも入ってお囃子の練習会が始まる。この時点で玄やんは既にお客さんではなくて下座の一員として自動的に組み込まれてしもた。「立ってる者は他人でも使え」寝床の会のモットーなり。
会場は85席くらい用意したが開演後もお客様が続々と詰め掛けて下さって、90人を超えてしもた。特別な会でもなければこれといった企画も用意してなかったのに、ホンマに有難いことや。
玄やんには早速2番太鼓から参加して貰うて、結局最後まで太鼓として「へたり」を勤めて貰うた。
いつも申し訳ないケド欠多利さんが会場を上手に暖めてくれて、会長で大爆を取った。出だし好調。
ワタシはシャレで高座に2つの優勝カップ持って上がった。それを使うたちょっとしたギャグにもよく笑うて下さったが、それよりも大きな拍手を頂いてそのコトが本当に嬉しかった。
ネタの「花筏」は正直云うて練習不足。やはり数箇所噛んでもうた。それでもこの会用に少しアレンジもしたし、登場人物の設定もしっかりやって置いたので、そこそこエエ「花筏」やったんとちゃうやろか。オチ前の行司の軍配のトコではしっかり拍手も頂戴して、ここでサゲてもエエんとちゃうかな、というくらいの雰囲気やった。
打ち上げはホンマに楽しい会となった。玄やんが入ってくれたことで久しぶりに盛り上がった。会長もエエ気持ちに酔うてはったし、衆朝さんは飲みたいからと津市内に宿をとっての打ち上げやった。こんなことは珍しい。
ワタシを挟んで、大阪からわざわざ会に遊びに来てくれた友人をメンバーが歓待してくれた。このことが大いに嬉しかった。    


「花色木綿」噴駄理亭欠多利/「昭和任侠伝」切磋亭琢磨/「豆狸」にうぎに家衆朝/「花筏」南遊亭栄歌/大喜利「謎掛け」(台風・秋晴れ・山から下りてきた熊)「南遊亭栄歌の一〜十」
No.231   2004年10月24日 (日) 12時35分


 篠笛!        
これまで一応五本調子と七本調子の2本は持っていたけど、今度国民文化祭で下座にお邪魔しようと思う。お囃子の下座は通常この2本で大抵こと足りるらしいけど、小きぬさんがもし三味線の調子を変えはったらどないしょう。
それに練習しようにもお手本のCDが、NHKが六・八・九本調子、染丸師匠のが七・九本調子。やはりここら辺をしっかり揃えておいた方がエエかな…と思い、調達することに。 
笛と言えば千里家圓九さん。そこで彼に電話で相談をしたところ、京都に一流の笛師が居てるとのこと。そこでその先生を紹介をして貰うた。
現在四世から五世に代わってはったが口調のとても穏やかな先生。
電話で五本〜八本の4本を注文した。本来なら出向いていって選ぶところやけど、先方さんがこれから作り出来上がったら郵送して下さるとのこと。しかし値段はべらぼうに高かった。今持っている笛の値段の3倍くらいする。ここ何年間かかかって貯めたヘソクリを全部吐き出した。
同時にネットオークションで九本調子を落札。長崎の笛の先生らしい。送られてきた九本調子の篠笛は筒音まで綺麗になった。これで5千円はお買い得。上物ゲット!
2週間ほどして、注文の4本が送られてきた。吹いてみるとワタシの持っていた篠笛より息が入りにくい。音が柔らかいけど筒音がキビシイ。特に一番使用頻度の高い七本調子がことさら吹きにくい。息が詰まる。迷いに迷った挙句、電話をしてこの七本調子だけ変えてもらう様にお願いした。この1本に4万円近く出したンやもん、それくらいして貰うてもエエやろ。
向こうの先生は「送り返して下さい。一応見てみます」とのこと。交換しますとは言うてくれはらへんかった。…そこらがちと不安。。。
笛を送ってから10日間、何の音沙汰もない。心配になって再度電話してみた。先生は「吹いてみてそれ程悪いところはなさそうでしたけど」といいながら「今新しい笛を作っていますからもう2〜3日待っていて下さい」とのこと。
これには恐縮した。つまりワタシの為にまたもう1本作って下さってるワケや。数日後に送られてきた七本調子はそれは素晴らしい音色やった。出にくい音もなく4本の中で一番吹きやすい。

天地朱巻きと呼ばれるこの篠笛は、普通カシューで塗り上げる「巻き」の部分と笛の内側を朱合漆で塗り上げてある。歌口は内側に少し丸みを持たせそのためか音色がとても柔らかい。口の形や当て方の未熟なワタシにも綺麗な音色が出せる。高い買い物やったけど、また一生の宝物が出来た。
さあ、これで国民文化祭に向けて練習、練習〜♪(あれ?落語は?…あれ??)
No.230   2004年10月20日 (水) 09時50分


 第1回 喬太郎のラクゴ新世界 10/17(日)        
以前ウチの楽語の会のメンバーである片桐さんが主催する『名古屋で新作落語を聴く会』で喬太郎独演会を聴きにいったコトがあった。それが喬太郎さんとの出会いやったが、正直「何じゃこりゃ!?」と言うくらい感動的に面白かった。

今回若鯱亭笑天夫妻と若鯱亭夢輔が「倶楽部しゃちほこっ」を結成しプロデュースする『喬太郎のラクゴ新世界』第1回目が開催された。
楽語の会のメンバーであれば当然スタッフとして参加すべきところなんやろうけど、喬太郎さんの落語はやはり「かぶりつき」で聴きたい。笑天さんにお願いして客として入れて貰うた。

1人で開口もモタレも使わずどんな形式でするのかなと思うたら、前半に2席ぶっ続けでやって仲入りをはさんで後半に1席。たっぷり3席笑わせて貰うた。
江戸の落語家さんは2席ぶっ通しと云うのンちょいちょいやるよね。以前三遊亭栄楽さんと伊勢で一緒に演らせて貰うた時も開口をワタシが演って、あと栄楽さんが2席ぶっ通しで演って仲入りをはさんで後半1席。(あの時は同じ『栄』がつくから2人で演りません?…なんて向こうから持ちかけて来はって結局客集めと前座だけやらされて…しかも持ち時間10分以内やて。これって「一緒に演りません」やないよね。次のお誘いからはキッチリお断りしたワ。)ボヤキで話がそれたケド、オチでアタマを下げておいてその後また喋り出すのは何か違和感というか慣れてないと云うか。。。

今回新作を真ん中にはさんで古典を2席演らはった。「へ〜、古典もやるんや」とビックリしたけど、これがまたおもろかった。喬太郎さんの古典は古臭さを感じさせへん仕上がりになっている。何でかな…と思うたら、現代的な言い回しとかリアクションとか間をふんだんに盛り込んであった。コテコテの正当派古典落語が好きな人からは反論もあろうが、ワタシ的には結構気に入ってしもた。面白さも倍増してるし、これが若い女性にも人気がある秘密なんやな、と思うた。
真ん中の新作はネタとしては旬ではないと本人はおっしゃってたが、ワタシも衆朝さんもとても気に入った。人情モノの要素もあり、よく練られた話でもあり、また強烈なギャグも満載。オチは「ハリー・ポッターと賢者の石」のパロディではあるが、『楽』の会場が大きく揺れた。後から聞くとこの話オチから先に作ったのではないとのこと、これは意外やった。
前回聴いた「すみれ荘201号」と言い、今回の「針医・堀田と…」と言い、こんな面白い話を自分で作って自分で演出する、喬太郎さんのチカラはスゴイとつくづく感動した。

次回は4月17日と早くも予定が決まっているこの『ラクゴ新世界』、皆さんも是非予定を立てて聴きに来られては?
 
粗忽長屋/針医・堀田とケンちゃんの石/〜仲入り〜/小言幸兵衛
No.228   2004年10月18日 (月) 01時10分


 第4回 ソフィアン寄席 10/16(土)        
第4回を迎えるこのソフィアン寄席、喫茶店の店内でやる落語会としては異常な盛り上がりを毎回見せてくれる。店のお客さんにまじり、いつもの「あかね寄席」や『楽』に見える常連さんが結構たくさん来てくれていて、いつも盛り上げて下さる。ホンマ、ありがたいワ。
今回は席亭砂九氏が「栄歌さんをメインにやろうとおもう」と云うてくれた。「30〜40分使うてエエからね。」東西制覇の凱旋公演と言うところか。
「ワタシをメイン」と云うてくれてても、無眠さんの出してきたネタが『景清』。もう既に持っていかれてるやん!まあ「笑いのメイン」と言う風に解釈しようか・・・
迷うた挙句にやっぱりお馴染みの「代脈」。ホンマは「ちしゃ医者」も演りたかったンやけどね、砂九さんが代脈の方がエエて。…ヒトのせいにしてるけど。
で、トップバッターは席亭・砂九さん。マクラがよかった。おもろかった。本人はいつもと同じように演ったと云うてはったケド、いつものようなテンションだけで持っていくムダな喋りはなく、綺麗に刈り込んであったと思うよ、ホンマ。
ワタシはマクラから全開。使いまわした病院ネタやけど、やっぱり仕込んだのが実体験からやから、お客さんも身を乗り出して聴いてくれる。気がついたら余分なネタも振っていてまくらの予定オーバー。ネタに入ってからもみっちりやって、降りてきたら36分。いやぁ〜、30分程度で終わらすつもりやったんやけどネ。気持ちよかったからね、ついチカラが入ってしもてん。
仲入りをはさんで食い付きはソフィアン初登場のかね平さん。実はこのヒトの落語を聴くのは今回が初めて。どんな高座なんやろうと思うて聞いてたら、普段のテンションと変わりないの。圓蔵を彷彿とさせるリズム・喋り。マクラから結構おもろかった。また頼もしいメンバーの参入や。
無眠さんはなかなかの熱演。肝心なとこでチョコチョコと噛んだけど、迫力のある「景清」を聞かせてくれた。
終わってみると4人で2時間半の大熱演。4人とも濃いキャラでお客さんは疲れたんとちゃうやろか。心配を他所にお見送りで出会う皆さんの顔はどれも満足げ。マスターも反省会で「今日はコレまでの会で一番よかった」と満面の笑み。
ハネてから頂く夕飯の唐揚げ定食の美味しかったこと!
     
「あくびの稽古」浪漫亭砂九/「代脈」南遊亭栄歌/〜仲入り〜/「やかん」道落亭かね平/「景清」竜宮亭無眠
No.227   2004年10月18日 (月) 00時50分


 餅屋問答 in 「うるだの祭」         
ワタシに頂いた持ち時間は30〜40分。結構長い時間やけどお客さんの中には落語に不慣れな方や子供さんも見えるやろ。30分以上のネタはリスクも大きい。かと言うて小噺の連携ではマンネリ化するかも。進行状況から持ち時間の大幅な変更を余儀なくされるかも知れへんし。
というコトで、結局あいも変わらない『餅屋問答』と相成った。「またかよ」と言う声も聞こえて来そう。。。(汗)
ワタシの「餅屋問答」は全部で3バージョンある。フルでやると35分くらいになるやろか。前半省略バージョンで25分くらい。選手権用に作り変えたので16〜8分。
会場の空気を見ながら適当にマクラを振って残った時間とお客さんの疲れ具合・食いつき具合でネタの長さを決めようか…と結構アバウトな準備で臨んだ。

さて出囃子に乗って高座に上がると、既に会場の空気が一転していた。廊下に出ていた人たちも中に入り、入り口はちゃんと閉めてある。ステージ前が結構ガラーンと空いていたのに空席がそれ程目立たん様になっている。80人以上入っているにしては先ほどのようなざわつきもなく会場全体がシーンとなって落語モードになっている。
ためしに芸名をいじっての自己紹介をするとドカンと来た。手応えあり、や。その後は病院ネタ・医者ネタで「笑いの入れ食い」状態となった。調子に乗って用意していなかったネタまで入れてしもて、マクラの予定時間オーバー。(…ちょっとやり過ぎた。。。)
ここで本ネタをショートバージョンですれば完璧やったんやろけど、ちょっと色気を出してミドルバージョンでやってしもた。イントロから中盤までが中だるみ。クスグリでもシーンとしている。マクラでウケすぎたツケが回ってきた。(やっぱりショートにするべきやったな)演りながら後悔した。最後の「無言の行」のやり取りでまた盛り上がり、オチでは笑いと拍手でいっぱいとなった。さっそうと降りてくるつもりが、熱演の結果足が痺れて立てへんようになり失笑を買うというエンディング。
終わってみると40分ちょうど。コレくらいで痺れることは今までなかったんやけどなぁ、ホンマ格好悪かったワ。

世話人伊藤さんへの後の挨拶で、例年は地元の五尺坊申志さんが出てはると知らされた。ウチの寝床の会の会長・琢磨さんも1度出たとのこと。そういった先人の開拓のお陰で地元住民の落語を聴く姿勢が出来てたンやなぁ。改めて申志さんの偉大さにも気づいた。
ホンマ気持ちよかった。一人でもやれるモンやな。・・・・いや、一人やない。此処まで準備をしてくださった伊藤さんはじめ役員の皆さんと、そしてお客さんを育ててくれた先人たちのお陰や。
またひとつ新しい世界を勉強させて貰うた。湯ノ山街道の帰り道、「とんかつの綾」で自分にご褒美とお祝いをしてあげた。
No.226   2004年10月11日 (月) 13時25分


 「うるだの祭」 10/10(日)        
菰野の一集落「潤田」と言うところからの落語の依頼が入った。
何でもそこの地域のお祭りがありそのイベントに落語をして貰いたい、との内容であった。落語は一席だけで他に歌や踊りがあるという。正直云うと最初はあまり乗り気ではなかった。
恥ずかしながらこの年まで一人で落語の依頼を受けたコトがないこと、地域のお祭りとなれば子供がぎょうさん集まって走り回っていそうなこと、歌・踊りに混じっての落語はむしろ色物扱いで結果スベってしまう場合がほとんどであること、等々が理由である。
ところが先方さんは、ある方の紹介でワタシを指名して下さったらしい。条件を聞くと屋内(集落センター)でもちろんそのイベントの間は飲食禁止、公演中は入り口を閉め窓にはカーテン、高座用の台を用意して下さるとのコト。お受けしようか、と云うことになった。
当日会場に着くと、下見をしなかった所為もあり案の定問題点がいくつかあった。まず用意してくださった高座が小さすぎる!ちゃんと大きさを電話でお伝えしたはずなのに!?高さこそ8〜90cmはあるけど、オフィスの事務用デスクくらいの大きさ(たたみ0.6畳くらいか…)しかない。これに座布団乗せて座れって…仏壇に飾る「りん」やないねんから。。。左右どっちかに手をつこうモンならそのまま床まで転落しそう。ステージが結構広いので和室に置いてあった座卓、それに少し大きな台でかさ上げして急造の高座とした。周りを見渡すと案の定子供たちが走り回っている。飛んだり側転したり奇声をあげたり…。さながら昼休みの保育園の様。部屋の外に置いてある祭り太鼓も叩き放題。ドンドンドン…と、のべつ鳴り響いている。こらぁ、落語やる雰囲気やないでぇ。。。少々気が重くなってきた。
いよいよイベントの始まり!日本舞踊・詩舞・歌、そして民話語り…次々とプログラムが進んでいく。着物に着替えて廊下から見ていると、始まる前の騒がしさは何処へ行ってしまったのか子供たちもきちんと正座して聴いてはる。携帯が鳴ったり途中に出入りが多かったり、そこだけは気になったけどこれなら出来るかも。
飛び入りのカラオケもあり時間がかなり押した。担当の伊藤さんは気を揉んで何遍も控え室に足を運んで下さった。「すみません。かなり進行が遅れて…。」「いえいえそれは構いませんが、何なら少し持ち時間を短くしましょうか」「いいえ、当初の予定通り30分から40分でお願いします。最低でも30分はお願いします。」…エライ落語にチカラを入れて下さったもんや。本日のトリはプロのシンガーでワタシはそのひとつ前。来てみてから気がついたケド、その好待遇には恐縮。ひとつ気合を入れて演るか。さあ民話語りが終わっていよいよワタシの出番!
No.224   2004年10月11日 (月) 09時57分


 第63回 はやかぶの会【六・三のはやかぶまつり】 10/4(月)        
桂文華さんとの出会いは、1年程前大阪の「船場・上方噺の会」に衆朝さんと見に行った時のこと。春団治・文枝・福笑のビッグネームに紛れて一番手で出て来はった彼の『八五郎坊主』に衝撃を受けた。その後愛知県の津島で梅団治さんの会で見た文華さんも梅團冶・春團冶両巨匠の狭間で負けず劣らずの爆発力を感じた。
その文華さんのつくる「はやかぶの会」:昭和63年入門の同期(笑福亭瓶太・笑福亭銀瓶・桂文華・桂宗助・桂わかば)達で構成される落語会。博打用語「六・三のはやかぶ」の言葉に因んで「はやかぶの会」と命名された。同じキャリア・同じ情熱を持つ同年代同士はライバル心で研磨し合い、気合いの入ったエエ落語会が出来ると見た。
この日は『第63回』。ダブルはやかぶで【六・三のはやかぶまつり】と銘打ち、そこに笑福亭鶴瓶が特別出演とあれば、たとえ平日であっても、その日が手術日で忙しいとしても、たまたま当直にぶち当たっていたとしても(←全部本当!)見にいかへん理由はあれへん。
親戚の二人も殺して(←ンなワケはないけど)なんとか都合をつけて(ま、この場合『出張』と、こうなるわなぁ)仕事を早幕で抜け出して電車に飛び乗った。

開演ギリギリに着いたにしては前から8列目と結構エエ席に滑り込めた。最初にメンバー全員で挨拶。みんな出たがりの喋りたがりやから、ドガチャガしててまとまりはないけど、結構楽しめた。
落語の方は、出てくる演者それぞれが記念すべき会とあって皆気合いが入りまくり、枕もネタも聴き応えあった。
中でもやはり文華さんと宗助さんの噺は面白く、実力も感じられた。
仲トリの鶴瓶さんは迫力の高座。会場を暗くして高座をスポットで浮き上がらせ空気を変えて演ってはった。照明を落として人情モンでもするのかなと思うたケド、ネタは「厩火事」。江戸では聴いたコトがあっても上方のンは初めてや。マクラもネタもおもろかった。これなら照明を落とさん方のがよかったのとちゃうやろか?真意は解れへんかった。(単なる好みかな?)
最近になって古典落語をやりだしたにしては、鶴瓶さんは名前だけの看板や無うてホンマに実力あんねんなぁと改めて感心した。

延々3時間の落語会は本当に久しぶり。終電の時間に乗り遅れそうで、最後の銀瓶さんの「どうらんの幸助」の途中で抜け出して来なアカンかったのが何とも残念。行って聴いて途中で帰っただけで9千円近くかかった今回の落語会、それでも『むっちゃ安いっ!!』と感じたエエ会やった。
     
「近日息子」桂文華/「持参金」笑福亭瓶太/「禍は下」桂宗助/「厩家事」笑福亭鶴瓶/〜仲入り〜/「かけとり」桂わかば/「どうらんの幸助」笑福亭銀瓶
No.223   2004年10月06日 (水) 12時58分