色々と紆余曲折があり最後にこの日このプログラムに決まったのは2週間前のこと。
「きくや寄席」とは大阪の「落語天狗の会」のメンバー「立の家恋々クン」が実家をなんと寄席小屋に造り変えてしまったという、なんとも道楽的なお食事処『楽』の大阪版のようなモノ。そこの家の屋号が「きくや」であることから「きくや寄席」の名前が付いた。
高座・下座スペースからカメラを設置し楽屋でモニター出来る装置など、その仕上がりは一人でノコギリやドライバーを握り締めて作ったとは思えないほどのシロモノ。
さて玉造に着くと席亭・恋々クンは駅まで迎えに来てくれた。
会場入りして間もなく下座合わせ。本番の進行どおりに演奏していく。此処に集まるメンバー(落語天狗の会の面々)の下座のレベルはかなり高い。三味線を弾く真心丸クンや太鼓の圓さん(←お馴染みですネ)、それを指導する茂八さん(現・遊丸さん)はプロ並み。その中に混じってワタシも笛を吹かせて貰うた。
砂切り・石段・片砂切りの三つやけど、落語よりこちらの方が充実していて勉強になった。
落語の方では、学生の特権・若さの喜衛門クン、爆笑王の猿やん、華麗で安定感のある茂やんで前半を固め、後半にいよいよ席亭登場、そしてゲストのワタシへとバトンタッチのプログラムである。
レベルはみな高い。なんせ大所帯「落語天狗の会」からの選りすぐりの精鋭達が相手やからワタシもフンドシを締めてかからな玉砕してしまう。
トリネタとして用意した『花筏』と迷いに迷って、やはり演り慣れた『餅屋問答』に逃げてしもた。弱気の選択。自分らしさを出せる安心したネタやからしょうがないかも知れへんか。。。
自分としては今日イチバンの大爆を取ったつもりが、帰りの電車の中で録音していたモノを聴き返したらそれほどのモンでもなく、しかも言い澱んだり微妙にハズしたりの反省点が山ほど見つかった。う〜ん、これだけ演って来てもまだまだっちゅうことか。
ホンマ、奥が深いなぁ、この世界は。。。
「初音の鼓」立の家喜衛門/「君よモーツアルトを聴け」立の家猿之助/「尻餅」関大亭茂八/〜仲入り〜/「寄り合い酒」立の家恋々/「餅屋問答」南遊亭栄歌
No.247 2004年12月21日 (火) 02時17分
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