No.315〜No.334

打ち出し太鼓

落語会を迎えるたびに必ず血が滾る。
終えたあと、満足感、反省(?)、そして次への熱き思いがある。
そんな栄歌の独り言、裏話などをおもしろくお伝え出来たらエエなあと思います。


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 津島まちあそび 6時間耐久・マラソン落語会 5/3(祝)        
今年で2年目を迎える「津島まちあそび 6時間耐久・マラソン落語会」。
こんな名古屋から遠く離れた土地で、しかも6時間もぶっ通しで落語会をやっても誰もついてきてくれへんやろ…と思っていたが、去年は大いに盛り上がった。
それと言うのも此処の地元のスタッフがとても落語好き。日頃砂九さんの落語会で鍛えられモチベーションがとても高い。それに地元のお客さんも砂九さんの落語活動で落語に対する理解・認識も出来、結局は砂九さんが此処まで育ててきたというてもエエやろ。

予定の時間に到着。半分以上の連中が集まってガヤガヤとやっている。
例によって筋書きも何にもない。出たいものからネタのかぶらないように順々に出て行く。ワタシも適当なところで出させて頂いて後はゆっくり聞かせて貰おうかともくろんでたが、どんどん出番が後に下がって行き着物に着替えてからも「栄歌さん、前にこの人とこの人を出してあげて…」とさらに出番が遅れて、気が付いたらケツから2番目になってしもた。
もうお客さんは疲れてはるやろな〜と半ば諦めで出て行ったが、なんのなんの。盛大な拍手で迎えられて、大いに笑うて貰った。「栄歌さんを聞いてから帰る」と言う人も居てはって、おいどがむずがゆいこと。。。
出来栄えはその方達には申し訳ないけど60点くらい。この前の風庵や寝床の会の出来の方が遥かによかった。体調やらモチベーションやら色々左右されるから落語は不思議やねぇ。
無眠さんの「冷蔵庫哀詩」や猿やんの「遺言」が本日の最高級品やったように思う。

「煮売屋」浪漫亭砂九/「権助魚」若鯱亭夢輔/「寿限無」六番町うなぎ/「冷蔵庫哀詩」竜宮亭無眠/「お血脈」津島屋寿芸虫(今回の主催者)/「江戸の夢」お好み家喜楽/「へっつい盗人」隣乃玄張(三重・寝床の会)/「御神酒徳利」粗忽家勘々(福岡・内浜落語会)/「遺言」立の家猿之助(大阪・社会人落語天狗の会)/「転宅」鳩吹亭小寿慶/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/「仔猫」川の家河太郎/「つる」粗忽家勘々A/「秘伝書」隣乃玄張A/「猫の皿」六番町うなぎA/「くっしゃみ講釈」浪漫亭砂九A
No.334   2006年05月12日 (金) 15時34分


 アマ落語チャンピオン大会 in 風庵 4/29(祝)        
風庵・小川さんが風庵寄席を開いてからまる5年になる。何か記念のイベントをと1年前から相談を頂いていた。色々と迷った挙句、この伊賀の地で全日本社会人落語選手権:大阪本選の歴代チャンピオンを呼んで、チャンピオン大会をやろうと思いついた。小川さんも二つ返事で賛同して頂き企画。
残念ながら初代チャンピオンの夢屋我風さんが仕事で参加できず、千里家圓九氏以降の3人でやることにした。それを聞きつけた落語天狗の会の千里家やん愚氏が友情出演を快諾してくれて、彼の三味線があるのなら下座も我々でやってしまおうと味付亭紺染さんと千里家桜夢クンにも声をかけた。
紺染さんを除いて皆一度はこの風庵に訪れたコトのあるモノばかり。勝手もわかりお互い気心も知れてるからホンマに楽しいお泊りの落語会となった。
まず会場に着いてビックリしたのは、きーさんとはまた別にモンペ姿で廊下を拭いたり会場となる部屋を片付けたりしている女性がいらっしゃった。若干「黒木瞳」似のこの女性、誰やろ?恐々聞いてみたら、なんときーさんの娘さんとのこと。驚き!津に嫁がれたお嬢様以外にこんな美しい方が見えたンや。
しかも独身と聞いてはケダモノのやん愚氏が放っておくハズもない。終始セクハラ紛いの言葉攻撃が続いたのやが、その話はまた別の機会に。。。
さて、集まった連中はとにかく下座もやりたがりの人間ばかり。風庵について高座を作ってから皆が代わる代わる三味線・太鼓・笛のセッションを繰り広げる。これが至福のひととき。一通り今日の落語会の出囃子を交代で合わせたあと圓九氏の『景清』のハメモノの合わせ。我々の出来不出来で彼の落語の良し悪しが決まるのやからと綿密な打ち合わせ。緊張と快感。。。
全て終わってまだ時間もあるので…と、近くの「さるびの温泉」に出かけた。たっぷり浸かってたっぷり騒いでたっぷり遊んだ後、引き返してみるともう既にお客さんが数人入ってはった。慌てて荷物を楽屋に仕舞い込み一番太鼓を鳴らす。今回のお茶子さんは落語が初めてという京都美人、高座返しについて何度か打ち合わせをして、いよいよ開演。

やん愚氏の「天狗さし」、これまでの風庵と違って出だしから会場の空気はとても柔らかい。よく笑ってくれる。それもそのはず、開演の頃には大入り満員状態、これまでにない最高の入りやった。彼のマクラはなんやようワカラン、グズグズの運びやけどおもろい。楽屋でもメンバーが笑っている。ええ空気を作ってくれた。
さて栄歌の『ちりとてちん』、「選手権バージョン+おなじみの医者ネタ」でやった。これまでにない笑いを頂戴し、大変気持ちよく演らせて貰うた。やはり風庵のお客さんとの相性はバッチリや。
仲入りを挟んで、猿やんの『遺言』。彼は終わってからかなり不満そうやったが、面白いええ高座やったと思う。彼曰く「前半はダレ場があり後半は繰り返しネタ。客が離れると悲惨な噺」やそうな。猿やんの実力ならそんな心配いらんやろ。
トリは圓九氏の『景清』。迫力といい技術といい、ワタシは彼の持ちネタのラインナップ中ではこの『景清』がイチオシなのである。選手権で見せて貰うてから、津でのプロ・アマでもこれをリクエストしたし、今回もこのネタをせがんだ。ハメモノのところはワタシ達も固唾を飲んで迎え、手に汗して叩かして貰うたが、本当に素晴らしい『景清』やったと思う。お客さんも大絶賛!

全体にバランスと言い、レベルと言い、今回の落語会が風庵史上最高のモノやったと確信した。お客さんからもそのような評価を頂いた。
打ち上げも派手に盛り上がり、そして布団に入ってからもやん愚氏の子供じみたイタズラにみんな悲鳴をあげ、学生時代の修学旅行か合宿のような楽しさやった。
翌朝また「さるびの温泉」で汗をながし、「このメンバーでまたやりたいなあ」「出来たら定期的に公演会を開きたいなあ」などと言い合って別れた。
そう言うような声がメンバーからも席亭・小川さんからも、お客さんからも聞えた今回の企画、大成功やったンとちゃう?大満足の自画自賛!

「天狗さし」千里家やん愚/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/〜仲入り〜/「遺言」立の家猿之助/「景清」千里家圓九
(お茶子:山川涼子、唄:千里家やん愚、三味線:千里家やん愚・千里家圓九、太鼓:千里家桜夢・味付亭紺染・南遊亭栄歌・立の家猿之助、笛:千里家圓九・南遊亭栄歌)
No.333   2006年05月12日 (金) 15時26分


 第96回 寝床の会 4/15(土)        
前回、途中で意識(記憶)がなくなり、ワケの解らない高座を披露して降りてきた。その名誉挽回と言うか、リベンジというか、とにかく今回は「やってやろう!」という意気込みだけはあった。しかし今年に入ってからまともに練習していない。新しいネタをさがすことさえせぇへんかった。カラダと気持ちが両方ともついて来てないっちゅうんかな。このまましぼんでしまうのやないかと思うくらい退院後の自分はテンションが上がってこなかった。
ただ、今回の寝床だけは何とかせな…そう言う思いで臨んだ。ネタの持ち時間は自己申告で25分。でもトリということと、前回の経緯をちゃんと笑いも交えて説明するという条件で35分与えて貰った。まあそんなには必要ないでしょうとメンバーには言っていたが。。。
会場の準備をしてから楽屋で出囃子の打ち合わせ。会場作りはしんどかった。なんでやろ、いつもよりムチャクチャきついやん。やっぱりカラダも本調子とちゃうんかな…考えていたが原因が分かった。欠多利さんが仕事で開場前くらいにしか来られへんと言うこと。欠多利さんが居てないということはジュニアも居てないということ。この二人のパワーは凄かった。抜けて初めてわかるメンバーのありがたさ。
ヒィヒィ言いながら高座を組んで、その後お囃子の合わせ。久しぶりに笛を吹く。やはり少し鳴りが悪いか。その後大喜利の打ち合わせを軽くやったところでいつものように開場前にも拘わらずお客さんがゾロゾロとお詰めかけに。

出だしはいつもに比べると会場は少し堅いかな。。。会長のギャグにお客さんの食い付きが少し大人しめのような気がする。玄やんのマクラも同じような印象。気のせいかもわからへんケド。
欠多利さんの落語は着替えをしていたので聞けなかったケド後から聞いたところハメモノも入ってエエ雰囲気でした…とのことやった。
さていよいよワタシの「ちりとてちん」。ネタの前にワタシの闘病日記のマクラ。前回倒れたところから入院している様子をネタにした。サウスロード・『楽』で落語を聴く会、そして今日が3回目となる。今しか出来ひんマクラでしかも前回此処で倒れたンやから、此処でやって最後にしようと思ったマクラ。
でもその3回とも聞いてくれているお客さんが見える。2回目という方も。。。そのせいか少し気恥ずかしい。それでも仕込んできたネタを全部やった。ウケもまあまあで、そのまま病院食から食い物つながりで「ちりとてちん」に入った。まぁ少々強引な気もするけど…。
ネタは後半に入ってバカウケやった。もちろん前半もよく笑って貰ったけど、後半はドカンドカンと来て楽しくて仕方なかった。寝床の会としては半年振り。たまには休むのもエネルギーとなってエエのかも。
まあ今回は演り慣れたネタやったから良かったけど、貯金使い果たした時の事を考えて、ボチボチ新しいネタを仕込まな。。。 

「寄合酒」切磋亭琢磨/「へっつい盗人」隣乃玄張/「鼻ねじ」噴駄理亭欠多利/「ちりとてちん」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(珍・漢和辞典「目へん」、謎賭け「さくら」「インフルエンザ」「 」、得数え歌「花見の心」)
No.332   2006年04月24日 (月) 17時11分


 志の輔落語 vol.15 4/14(金)        
毎回、驚きの高座で楽しませてくれる「志の輔ワールド」。今回はナマの醍醐味を満喫した。
いつものような滑り出しのマクラのアト、ラスベガスに行った話に熱が入り、途中で躊躇しながらもお客さんの拍手に乗せられて、とうとう45分間もマクラを喋り倒した。
仕舞いには舞台袖に向かって「ハンドマイクはないか」と注文し、弟子に持ってこさせると、高座の前へ出て歩き回ってのトーク。ラスベガスショーのO(オー)とKA(カー)が如何に凄かったかを熱弁した。志の輔的な見事なオチもあって楽しく聞かせて貰うた。
そのアトの「天災」、上方では桂ざこば師で十分に聞いて知っているし、多くのアマチュアも真似しているからお馴染みの噺なんやけど、志の輔師が語るとまた違う楽しさもあり、疲れることも無く十分堪能した。終わってみてなんと志の輔師1席で1時間10分もの大作、本当にナマの凄さを実感。
仲入りを挟んで2席目は、志の輔師もマクラなしでいきなりネタに入ることが多く、今回もそうなのかと思っていたら、まだ喋り足りなかったのかまたまたしっかりとマクラを喋っている。PCのウィニーの話から現代の文明の利器は情報がダダ漏れとのネタで、これは「踊るファックス」かなんかかなぁと聞いていたら、しっかり古典やった。
ところがこの「崇徳院」と言う話の若旦那と熊さんのやり取りの一ヶ所でちょっとしくじった。そこの「ほつれ」からどんどんバタつきが広がり、熊さんが「瀬をはやみ…」のお嬢さんを探しに行くようになるクダリではグズグズになってしもた。どないなるのか…とハラハラしてみていたら、家のおかみさんとの会話あたりで取り直し、どうにか修復してしもた。そしてそのアトも、上方ではイヤと言うほど聴いているハズなのに、クスグリで見事に笑ってしもた。
江戸と上方と言う違いだけでなく、明らかに志の輔的解釈が加わったことによる新しい笑いが生み出されているのやと思う。
上方に逆輸入して果たしてそれが正解かどうかはわからんケド、とにかく参考にはなった。
そしてエエところも悪いところも、ナマでしか見るコトの出来へん、ナマであることの素晴らしさを120%堪能させられた1日であった。

「金明竹」立川めんそーれ/「天災」立川志の輔/〜仲入り〜/「崇徳院」立川志の輔
No.331   2006年04月15日 (土) 12時16分


 第7回 ソフィアン寄席 4/8(土)        
メンバーを募ったが、いつもの3バカ-トリオしか集まらへんかった。こんなコトは珍しい。
それでも砂九さんはいつも何かひねり出して来る。前回は今回と同じメンバーでトリネタ集をやった。1発目から50分以上も演って、最後の無眠さんのトリは1時間を越える大作。常識人では考え付かない変人・砂九の編み出した企画は「小ネタシリーズ!」。まあ、この前演った「かむくら寄席」の再現に近いケド、地元・愛知では初の試み。
各自20分くらいのネタを2席ずつ持ち寄って、ネタ調整は当日開演前に…とは、何ともエエかげんな企画ですコト。。。
心配やったので一応5席ほど持って現地に向かった。ちょっと遅刻してしもて(←ホンマ、毎度まいどスンマセン)、着いたら会場はすっかり出来上がっていた。
砂九さんは、「砂九-栄歌-無眠-(仲入り)-砂九-無眠-栄歌…で行きます」とネタを相談する前に出番を決めた。一見そうとうズボラなようやが、それだけ我々の感性を信頼してくれているからやと思う。
新作をひとつは演りたかったのやけど、無眠さん、砂九さんの出し物を聞いて結局無難な古典2席にネタを絞った。

出だしの客足は前回と比べるとはるかに少なく、やはり前回の大ネタシリーズで飽きさせたかなぁ…と心配したが、開演時にはそこそこ席が埋まって、しかもよく笑って頂いた。
我々も「各自20分前後」と聞いていたが、早速みんな時間超過。それだけお客さんとの波長が合い、いつもよりノッて話が膨らんでしまうのやと思う。
ワタシの「二人癖」もいつもより多い目にマクラを振ってしまい、2分ほど時間オーバー、「手水廻し」に至っては予定通りのネタ運びやったにもかかわらず5分も押してしもた。
しかし、お客さんは終始爆笑の渦。自分で云うのも何やけど、この3人が作り出すコラボの世界は本当に何とも云えへん味があると思う。3人3様、そして交わりの妙、今日もまた再確認の日でした。

「鉄砲勇助」浪漫亭砂九/「二人癖」南遊亭栄歌/「稲荷車」竜宮亭無眠」/〜仲入り〜/「大安売り」浪漫亭砂九/「冷蔵庫哀詩」竜宮亭無眠/「手水廻し」南遊亭栄歌
No.330   2006年04月11日 (火) 17時32分


 寝床の会 春の落語ツアー        
表題は、まあアトからつけたンやけどね。春に来た公演依頼、それを一気に2日間にまとめてみた。寝床の会も楽語の会もこの時期に定期公演が集まるので、調整に苦労した結果こうなったと云うワケ。

【第2回 百合苑寄席】 3/25(土)19:00〜

第2回を迎えるここ「百合苑」であるが、前回は色々と試行錯誤を繰り返しての会場作りやったが、今回はスタッフも増え要領も分かってきているので、割と手際よく会場が仕上がった。
客入りは前回の半分くらい。大体どこでもこうなる傾向にある。最初はもの珍しさもあってたくさん入るのやけど、落語を知らないでとにかく楽しいもんやと思うて来られた方は大抵次回は来て下さらなくなる。反対に裏を返して下さったお客さんはよく笑ってくれる落語理解者と云うワケ。
ワタシも横浜からの特別のお客さんもあってちょっとテンション高め。
出だしはやはり会場は硬い目やったが会長がうまく解してくれて控え室に居てても笑い声が聞こえてくるぐらいになった。玄やんの「ちしゃ医者」はマクラから順調の出だし。ワタシもこのネタを持っているのでとても興味があった。「ああ、ここはこうした方がエエのか」と参考になったり「ここはやはりワタシのやり方の方がおもろいな」と再確認出来たり、とにかく勉強になった。ケツの方は大分バタついていたようでちょっとおしかったネ。
ワタシの「手水廻し」は結構満足出来る仕上がりやった。この感触は久しぶり。自分でも楽しかったしお客さんとの周波数もバッチリ合うていた。満足!!

「犬の目」欠多利/子ほめ」琢磨/「ちしゃ医者」玄張/〜仲入り〜/「寿限無」衆朝/「手水廻し」栄歌/〜大喜利〜「やけど問答」「新婚旅行の数え歌」


【第2回 川口公民館・寿学級】 3/26(日)10:00〜

昨日は夜更かししたので朝はとても眠たい。でも10時開演やから9時には準備に取り掛かっていなアカン。朝8時過ぎに出発し8時40分に公民館に着いた時はすでに欠多利が駐車場に居てはった。おみそれしました。
今日の対象は川口公民館の「寿学級」の皆さん。そこに館長さんのご好意で来客はどなたでも‥とのお言葉を頂戴したので、昨日の横浜からのお客さんを招待した。
此処の皆さんはとても温かく迎えて下さって、1席目から笑い全開。「代脈」の羊羹を食べるトコロでは拍手も頂戴した。
5人5様に笑いを取り大喜利も大盛り上がりで、とても気持ちよく高座を降りた。
会が終わったら別室で地元のお米や作物を使った五目ご飯やサラダ、和え物をご馳走になった。大きなお釜で炊いたのですごく美味しくて、皆が4杯から5杯もおかわりをした。
また次回も是非‥とのお言葉を頂戴し、白山町を後にした。

「平林」衆朝/「代脈」栄歌/「延陽伯」玄張/〜仲入り〜/「動物園」欠多利/「子ほめ」琢磨/〜大喜利〜「珍・漢和辞典(目偏)」「謎かけ(WBC・腹減った)」「長生きの数え歌」


【第1回 瑞晃苑寄席】 3/26(日)15:30〜

今年津市と合併した旧・美里村に在宅介護支援センター『瑞晃苑』がある。
此処から今回初めて落語会のオファーがあった。対象は同施設に通うお年寄りや地域の老人たち約60人との話。
高座を組んで開演を待った。客席を見ると落語はちょっと苦しいかな・・・と言う雰囲気。車椅子に乗った方、せわしなく声を上げる方、じっとうつむいたまま動かない方、走り回る子供さんの姿も見える。
案の定トップバッターの衆朝さんのマクラが肩透かしを食らう。かなりゆっくり丁寧に喋ってはるが笑いはほとんど起こらない。会長は「桃太郎」の予定やったが直前で小咄に切り替えた。ワタシは所作も大きいからとそのまま予定通り「餅屋・・・」で行ってみた。・・・玉砕。。。笑ってくれたのはスタッフと客として見えたワタシの患者さん達ごく一部の方々。いつものマクラのくだり「名医っ!!」でシ〜ンとなったのは長い落語人生で初めてやった。
仲入りで認知症の方や子供さん達が帰られて、「聴こう」という姿勢の方達だけが残ったので、後半はガラッと雰囲気が変わって温かいムードとなった。玄やんは「阿弥陀池」の予定やったが念のため「延陽伯」に変更。これがよくヒットして、まことに結構なトリとなった。大喜利も急きょネタを変えたのがよかったのか、よく笑って頂いた。
また是非来年度も・・・というお言葉を頂戴し、我ら「寝床の会」の落語ツアーは終わりを告げた。

「平林」衆朝/「小咄・鶴の恩返し」琢磨/「餅屋問答」栄歌/〜仲入り〜/「犬の目」欠多利/「延陽伯」玄張/〜大喜利〜「やけど問答」「謎かけ(桜・マスク・WBC)」「相撲出世の数え歌」
No.329   2006年03月29日 (水) 09時57分


 第35回 『楽』で落語を聴く会 3/21(祝)        
実を云うと、大学病院を退院して来てから本格的に落語の練習をやっていない。やろうと思ったり実際に喋ってみたりもするのやケド、何故かすぐにやる気が失せて止めてしまうのである。
大きな後遺症はなかったものの、詰め将棋やパズル、そして落語の練習と、脳の同じ部分ばかりを使う作業はすぐに脳が疲れて長続きせんようになった。まあ、それが後遺症といやぁ後遺症か。。。

そんなワケで今回この『楽』でも新しいネタをエントリーする事が出来なかった。
H11年の8月に初めて『楽』の高座に上げて貰うてから6年と7ヶ月、回数にして出演27回目にして、初めて過去ネタを再エントリーした。(言い訳になるけど、大ネタならまだいくつか持ってるのやけど、今回のトリ・仲トリは既に決まっていたから、仕方ないの。。。)
『餅屋問答』は第7回の初高座の時にフル・バージョンで演らして貰うた。35分モノ。今回は皆さんお馴染みになった選手権バージョン。ネタだけで15分、「無言の行」を入れても17〜8分とお手ごろサイズ。それに今回闘病記を加えて25分にした。(3分超過したケド。。。)
マクラは自分的には結構おもろかったかも知れへんけど、完全にネタとマクラとが分離してしもていた。これはワタシのいつも云うている美学には大いに反するトコロ。それに面白いと言うても『栄歌』のコトをよく知っていてくれている常連さんには笑える話ではあっても、今回『楽』が始めてのお客さんが数人いてはって、その方達にはたぶん「ようワカラン」かったと思う。
それにやはり練習不足は露呈していた。もう少し滑舌とテンポを磨くべきやった。前回の「あかね寄席」の砂九さんやないけど、この『楽』ではワタシもそこそこプレッシャーを潜在的に感じているのかも知れへん。
夢さんも今回は再エントリーネタ。喋りのテンポが速すぎていつもの切れるようなマクラがちと上滑り気味やったかも知れへん。ネタに入ってからはいつものペースで仕上がりもさすがでした。
無眠さんの「鶴満寺」もこのネタ自身が冗長なだけに(ワタシ的には)ぼんやりしたイメージやった。ハメモノが入りアクセントにはなったが。
河太朗さんの「持参金」も今やお馴染みの話。常連さんにはちょっと物足りなかったかも。(栄歌的主観がかなり入っているケド…)
今回、なんと言うても喜楽さんの「中村仲蔵」が目玉やったと思う。『楽』への出演経験は少なく、お客さんもご本人も最初は少し緊張気味やったが、ネタの中ほどからはそれも感じさせない素晴らしい出来栄え。喜楽さんも地元で随分と高座を踏んで、5年前とはまったく別人のように大きくなってはった。今回この『楽』という大きな舞台で立派にトリの大役を果たしたと思う。
会がハネて、お客さんにお酌をして回る楽しいひととき、そのアトメンバーと常連さんとで打ち上げを兼ねて食事をさせて貰うた。喜楽さんを囲んで落語の絶、芸の妙、テクニックや解釈など熱く語り合った。普段3バカトリオで集まっている時はたわいない話で終わる我々も、気楽さん・河太朗さんを交えると妙に熱くなる。それもまた楽し。
ハイレベルの会にハイレベルのメンバーの集まりは、時間までが止まってしまう。

「ストレスの海」若鯱亭夢輔/「鶴満寺」竜宮亭無眠/「持参金」川の家河太朗/〜仲入り〜/「餅屋問答」南遊亭栄歌/「中村仲蔵」お好味家喜楽
No.328   2006年03月29日 (水) 09時40分


 第9回 あかね寄席 3/19(日)        
毎度書いているけど、砂九さんのプロデュースする落語会はすごい!
構成も客入りも演者やお客さんの満足度も、すべてにおいて…。コトに年1回春に行われるこの『あかね寄席』は一番の盛り上がりをみせる。
まず入場料が2,500円。(←お寿司の弁当と茜屋さんのコーヒー付き) 食事・コーヒーが付いても、アマチュアの落語会としては破格の木戸銭やと思う。それでも2ヶ月前には予約券を完売してしまう。まだ次の日程などはっきりしたコトが決まってないウチから20枚くらい予約が入ってしまう。
それ程人気のある落語会であり、しかも終わった時から来年の予約が入るのやから、お客さんの満足度は120%と言うても過言ではない。

今回は安定したメンバーの砂九・無眠・栄歌の3バカ-トリオに加えて、裏技的なキャラ「かもめさん」のエントリー。ちょっとしたハプニングが期待できるかも。。。
当日、強風のため近鉄が停電で止まり、JRもビニールが高架に巻き付いたとかで30分以上の遅れ。大幅に遅刻して開演1時間前に到着。去年と同じや。もうほとんど席が埋まってしもて、既に会場は熱気でムンムン。ワタシが入っていくと途端に黄色い声が飛んでくる。…ああ、うれしい、この雰囲気が懐かしい。

ネタ並びを聞いてまたビックリ。仲入り後、無眠さんが「らくだ」でトリとのこと。此処のお客さんが「らくだ」の長丁場にどないな反応を見せてくれるか、もう自分のネタのことよりそっちの方がワクワクや。
例によって砂九さんが一番手。出番前の砂九さんはムチャクチャ緊張してるのが手に取るようにわかる。ワタシが無眠さんとギャグを云い合いながら笑っているのにちっとも絡んで来ない。顔がすこし青ざめているようにも見える。
その緊張のまま高座にあがり、出だしもやはり少し硬いか…。それでもしっかり笑いを取るところは流石。ネタに入っても少し段取りがバタついて、それでもポイントではしっかり間をとって笑いを誘っている。途中から自分のリズムを取り戻したのがわかった。ようやく肩の力がスッと抜けたような語り口になり、まことにエエ雰囲気に会場を作り上げてくれた。しかし、『楽』と此処だけは別人になったような砂九さんが見れてこれもまた楽し♪
お次はかもめさん。やはり会場の熱気に押されて出だしは無茶苦茶硬い。いきなりトイレの下ネタで、それも「ジョンジョロリン、ジョンジョロリン」と指で恰好までしているから、お客さんも最初の方は思いっきり退いてるのが伝わってくる。ネタに入る頃から彼女の芸風がお客さんに伝わったのか盛り上がって来て、ネタのサビのあたりではもう笑いも最高潮。「あかね寄席」のお客さんも、かもめさんの良さを生で味わうコトが出来てよかったね。
ワタシは最近「こればっか」と云われそうなくらい、このネタを演り倒している。時間は20分足らずでマクラもあっさり目の作品なので、取って置きのネタ(マクラ)を用意してきた。「あかね寄席」のお客さんなら絶対喜んで下さるやろうと思って作ってきたマクラなのである。それを高座ですっかり飛ばしてしもた。それと言うのも、かもめさんの特異なキャラ・奇抜なマクラを聞いて即興で仕上げた「かもめイジリ」のマクラを振ったため。決してアガっていたワケではない。余計なことをしてしもた。かもめショックはお客さんだけやなかったワケや。
気が付いたのは、「手水廻し」の導入のマクラを始めた時。今さら後戻りは出来へん。残念で仕方なかったけど、即興のマクラが結構ウケたのでまあ良しとするか。本ネタは…、やはり思うた通り、此処のお客さんにはピッタンコかんかんやった。とても気持ちよく演らして頂きました。
仲入りを挟んで大トリの無眠さん。マクラも短い目ながらよく掴み、お客さんが途中離れることなく最後までしっかり笑いを取ったところはホンマに圧巻やった。ここ5年間このヒトを見てきて、エエ意味で芸風が大きく変わったなぁ…と思った。まあこないして毎度毎度一緒に高座を共にして刺激しあってんねやから、お互い影響して、されてもごく当たり前のコトなんやけどネ。

打ち上げはいつものごとく向かいの「湯楽」というスーパー銭湯で、汗を流しビールで乾杯してみんなで歓談した。落語のすぐアトでの銭湯・ビールは最高!
お客さんの熱気に酔い、サウナの後のアルコールに酔い、帰りの電車に酔い(←コイツは余計)、またひとつ至福のひとときを過ごせた。落語をやっていて本当に良かったね。
砂九さん、また来年も誘ってや!
  
「延陽伯」浪漫亭砂九/「勘定板」若井家かもめ/「手水廻し」南遊亭栄歌/〜仲入り〜/「らくだ」竜宮亭無眠
No.327   2006年03月29日 (水) 09時37分


 かむくら寄席 3/12(日)        
広島へ着いてからずっと無眠さんと二人でてい朝さんにくっついて行動した。
何遍も書いたかも知れへんけど、このてい朝さんは本当にすごい人やと思う。初めて福岡で会った日は、最初の瞬間から圧倒された。風貌・物腰・風格とどれをとってもプロみたいやった。落語を聴く以前から既にオーラを感じていた。
今回広島を去る最後の瞬間まで、このてい朝さんと行動を共にした。今回の広島訪問はこの事だけで充分に意義があったと思う。移動中の車の中で彼の落語の活動について色々と聞かせて貰うた。落語に対する想い、プロとアマに対する考え方、落語会に対するスタンス、どれをとっても共感させられた。ワタシの最初に感じたオーラは間違いなかったんやと思った。落語のスタイル・志向性・芸風はワタシとは大きく違うけど、返ってそれゆえにこの人と一緒に演らせて貰うたら楽しいやろなぁ…と、そんなコトを想い馳せながら会場へと向かった。

さて、かむくら寄席であるが、温泉観光地(湯治宿)の中の神楽資料館の一角にある「かむくら座劇場」で演らせて貰っている。客席は桟敷で90人のキャパ、その後ろにパイプ椅子で20脚くらい。トータル110〜120人のハコ。高座はステージの真ん中にこしらえてあって、見た目も結構本格的。
観光・湯治にきた客を呼び込んでの公演のため、集客数も読めずネタや持ち時間も直前にならなければ決まらないという半ば綱渡り的公演。
事実昨日の夜席は結構きびしい会となった。客数も15人くらいで、出番の無いワタシと無眠さんも客席に回ったが昼間の熱演と移動の疲れでぐっすりと眠ってしもた。他の客の笑いもクスクス程度でそんなコトもあり演者は爆笑ネタを捨てて大ネタや人情モノをかけたりしていた。
かむくらの宿に1泊させて貰い、「くれしん爆笑寄席」に出演の一行を見送るとワタシ・無眠さんとてい朝さんの3人は昼過ぎまで長い休憩時間。
その間に神楽門前湯治村を見物して回り、喫茶店に入り今日の昼席の打ち合わせをした。予定の「六ツ家千艘」さんが家の事情で帰ってしもて、今日の演者は無眠・栄歌・てい朝(敬称略)の3人だけ。客入りも分かれへん上で1時間半をどない使うかを相談した。
てい朝さんは「栄歌さんと無眠さんでしっかりやって下さい。私は最初にチョコチョコっと演りますから。」とあんまり熱意がなさそうな感じ。それとも、もしかしたらワタシ達ゲスト組みに気ぃを使ってくれてはるのかも。逆にワタシ達は初めての場所で客質も空気も全然分からへんから、てい朝さんに頼りたいところ。1人30分をどない使おうかとあれこれ相談しているウチに、軽めのネタをいくつかジャブ程度に並べて最後にドカンと1席やろうか…というアイデアが出た。結局これが良かったのやと思う。
蓋を開けるとなんと40人近くのお客さんが入ってくれた。まず掴みに経験の豊富なてい朝さんが「手紙無筆」でご挨拶。広い会場に散っている空気を一気にひとつにまとめてくれた。重いネタからこういう軽いモノまで本当に自在に演れる人なんやねぇ。予定時間ピッタリに降りて来はった。
短い時間でみごと暖めて頂いた後を、ワタシは無難なトコで広い年齢層に受け入れられる「お忘れ物…」。細かいところでのしくじりもあって練習不足が露呈したが、それでもよく笑って貰ったと思う。
そして3席目もてい朝さん。我々のリクエストに答えての「動物園」。上方とはまた違う味やったが実に面白かった。
4席目はもう最近はこればっかとなった「手水廻し」。やはり噛んだり間違えたりして選手権の時からは数段に劣化した出来栄えとなってしもたが、これまた本当によく笑って頂いた。5分ほど持ち時間をオーバーしたのは皆さんに申し訳なかったが…。
ワタシとてい朝さんで十分に暖めさせて頂いたところで無眠さんの登場!こういうところでのこの人は強い。風貌ネタから入っていつものマクラ・導入からネタへ。無眠流のギャグも見事にはまり、酔っ払う様も喜んで貰って、楽しい「親子酒」に仕上がった。
会場の広さとこの客数で言うたら十分大成功やったと思うよ。当初の通り30分ずつをそれぞれ一人ずつで汗をかいてやったら、こんなにはいかなかったと思う。作戦勝ちやね。帰りの車の中は本当に清々しい雰囲気やった。
  
「手紙無筆」秋風亭てい朝/「お忘れ物承り所」南遊亭栄歌/「動物園」秋風亭てい朝/「手水廻し」南遊亭栄歌/「親子酒」竜宮亭無眠
No.326   2006年03月29日 (水) 09時35分


 アマ落語競演会 in ひろしま 3/11(土)        
前日の病棟のバタバタもあって、朝の出発が少し遅れた。鶴橋駅の窓口で近鉄−JRの乗り換え切符を買うのに15分並ばされた。大阪駅からの乗り換えで新大阪駅に向かう列車が10分遅れた。そんなこんなで予定より3本後の新幹線に飛び乗って(自由席)岡山までずっと立たされた。広島から在来線に乗り換えたが、天神川駅を過ぎた所で信号機のトラブルかなんかでそのまま5分くらい停車。
予定より大幅に遅れて会場入りした時は既にみんな集まっていた。懐かしい仲間や初めてお目にかかる人もいてみなテンションは既に高め。会場も153人のキャパに188人も入り立ち見の満員御礼!パイプ椅子を全部出しても追いつかず、我々楽屋の椅子も全部客席に回すハメに。熱気ムンムンの中を各演者がハイ・テンションで次々と高座に上がる。みんな当たり前なんやけど凄く上手い。
その中にいてどうも自分だけが少し冷めた状態にいた。退院後の体調も完全100%というワケではなく、やはり「途中で真っ白にならないか…!?」という不安との戦い。1月の入院直前の高座がトラウマになっている。オマケに最後の高座からここ1ヶ月半、まともに練習もしていない。マクラもネタもコレまでの貯金を持ち出して来た今回は、どうもモチベーションも上がらへん。
コレだけの会をセッティングして下さった笑福さんには申し訳ないが、いまだに病気の傷跡をひきずっているみたい。お陰で出番前は本来はブツブツとやっているのハズやけど、今回はみんなの落語をしっかりと聞かせて貰うた。
八光さんは雀三郎さんの口調・声にどことなく似ている。そしてゆっくりと噛んで含めるような語り。本当にお上手やと思った。ただマクラとネタが完全に分離しているのはもったいなかった。
笑福さんの「川柳は…」は東京の「るぱんさん」のそれとはリズムも口調も違っていて新鮮やった。お客さんとの波長も合うていてとても盛り上がっていた。その上、こんな凄い会をセッティングから集客、受付から我々の接客まですべてこなすそのパワーにも脱帽。
てい朝さんの「幾代餅」、もう素晴らしいのひとこと。夢さんの「幾代餅」も絶品やと思うてたが、この人の味もまた格別。一昨年福岡で初めてお会いした時からこの人には敵わないと思うてたが、今回もやはり思い知らされた。
仲入りを挟んで我々ゲスト勢の登場。
無眠さんは飛び道具「マキシム・ド・ゼンザイ」を引っ提げて訪広。この人の「マキシム・ド…」もワタシは太鼓判を押す。何遍も聴いているのに、また不覚にも舞台の袖で笑ってしもた。ワタシもずっと以前からこのネタを手がけたいと思っていたが、無眠さんのネタを聴いてしまって今は二の足を踏んでいる。とにかく今回もウケまくった。
虎や志さんはまたエグイ「紙屑屋」を演りはった。コレでもかっちゅうくらいに美空ひばりを登場させ高座の上で歌いまくる。オマケにイナバウアーもやって狂喜乱舞、場内を爆笑と拍手喝采で引っ掻き回して満足気に降りてきた。
…そら何をするネンっちゅうやっちゃ。ワタシのトリがかすんでしまうやんけ!その後のやり難いことやり難いこと。
いつものマクラといつもの導入、そして「餅屋ショートバージョン」へと型通りやった。もちろんワタシの今一番の爆笑ネタではあったが、ネタに入ってちょっと中だるみしたように思う。降りてきてからみんなは「やりたい放題やったやないの」と言われたが、ワタシとしてはちと不満。「やはり無眠さんと虎や志さんがアレだけ笑わしたンやから、お客さんも笑い疲れたんやな」と自分に都合のエエように言い聞かせた。
練習不足と出番直前のモチベーションは完全に棚に上げて。。。

コント「会社倒産」ジャンボ&来太郎/「道具屋」信金亭八光/「川柳は心の憂さの吹きだまり」柱 笑福/「幾代餅」秋風亭てい朝/〜仲入り〜/「マキシム・ド・ゼンザイ」竜宮亭無眠/「紙屑屋」芸乃虎や志/「餅屋問答」南遊亭栄歌
No.325   2006年03月29日 (水) 09時33分


 第5回 高麗広落語会 2/26(日)        
この時期は毎年花粉真っ盛り!まして高麗広と言うトコロは伊勢神宮内宮の裏をさらに山の中に踏み入れた奥地。回りを見れば杉の木だらけ。
たしか去年の花粉情報では例年の20倍。ワタシと欠多利さんは鼻と目がグジュグジュになりながらの高座やったと記憶している。会が終わる頃には車から持ち出したティッシュボックスをほとんどカラになってしまっていた。

さて今年は花粉も少し控えめとのこと、オマケに天気予報では生憎の雨、今回は随分楽に演らせて貰えるなあと思っていた。
ところが当日の朝を迎えると、なんとすごい豪雨。伊勢市は大雨洪水警報が出る始末。衆朝さんからは予定通り集合・予定通りの開演やから…という念押しの連絡も来るくらい。こら鼻の穴はスカスカやけど、客席もスカスカとちゃうかな。

独楽酢さんと乗り合いで衆朝さん宅経由で現地へ。スタッフの方々が雨に濡れながらの高座や機材の搬入。本当にいつもいつも申し訳ない次第。
蓋を開けると何とこの豪雨にもかかわらず40名近くものお客様がお運び下さって、熱気ある高座となった。
会長の暖機運転は得意の「鶴の恩返し」。お客さんとキャッチボールをしながら暖めていく。衆朝さんは子供さんが何人か見えて演り難かったと云っていたが、バレ噺で結構笑いを取ってはった。
仲入りの後は毎度お馴染みで申し訳ないが得意の「手水廻し」。マクラがちょっと不完全燃焼でワタシとしては悔いの残る出来具合い。ネタに入ってはまあまあでした。
トリの欠多利さんは今回の「鹿政談」、真に結構でした。やはり本チャン(定期公演)と違う場ではどうしても練習不足の跡が見え隠れするが、それでも今回はお奉行さんの名裁きに会場から拍手も沸きあがった。
  
「桃太郎」切磋亭琢磨/「目薬」にうぎに家衆朝/〜仲入り〜/「手水廻し」南遊亭栄歌/「鹿政談」噴駄理亭欠多利/〜大喜利〜(カウンターアタック、謎掛け「豆腐」「トリノオリンピック or 金メダル」)
No.324   2006年02月27日 (月) 17時27分


 第107回 サウスロード落語ライブ 開演!        
落語会では鬼門のニッパチ。つまり2月と8月は時節柄お客さんの足が遠のく季節。
ところが今回は補助席をつけても大入り満員の27人。中にはメンバーが会場作りを始める前からお越しになって待って下さっている方も見えた。職場関係や津・寝床の会関連、さらにはネット上で情報を得たお客さん達がワタシのカラダを心配して下さって本当にもったいない話や。今日は絶対にエエ落語を披露して安心して頂かねば。

まずは皮切りに独楽酢さんの「転失気」。緊張は手に取るように伝わってくるが、会長宅での練習会で直したとおり器用に演じ切るところにはビックリ。お客さんもとても暖かく受け止めて下さって、まずは無事大役を果たしたというてエエやろ。でも今日の初高座はお客さんあっての出来やからね。これからもっと精進して何処へ出しても笑いの取れるモノに仕上げてネ。

衆朝さんの久しぶりのバレ噺。いつものような柔らかい雰囲気を作りあげてくれて、後から出るモノとしては感謝!それに今回のマクラの切れ味は最高!最近短いネタばかり手がけている衆朝さん、マクラの真髄に開眼したか!?「羽根つき丁稚」は考えてみたら「しょうもない噺」なんやけど、これだけ真面目に演りきれるのはこの人は五郎さんくらいのモンやろ。あ、褒めてんねんで。

本来ならワタシがトリをとるはずやったのやけど、どれだけ演れるかメンバーもワタシ自身も不安やったため、会長にトリを任せて3番手で出さして貰う事にした。
先月末の寝床の会でラリった事態から今回の入院騒動までをマクラにした。これがばかウケ!今回だけの旬のネタやけど、我ながらおもろいモノが出来たと思う。転んでもタダでは起きん、そんなハングリー精神が大切やね。
本ネタの八五郎坊主の方は、まあ概ねよろしかったンやないかな…と思う。反省すべき点…なんかそれともまだ充分回復してないからか、最後の方で少しネタがぶっ飛んだ。具体的に言うと『法春』の「春」の字を「かす」と読ますか「法」の字を「のり」と読ますか、順番がどっちやったか一瞬分からなくなった。これまで落語をやっていて、途中で「あれ?」とネタが飛びそうになることはしょっちゅうあったけど、大抵は登場人物になりきったまま上手いこと処理出来ていた。お客さんには気づかれずに演りきることもあった。第一、こんなネタは学生時代から死ぬほど演って来たンやから、こんなトコでぶっ飛ぶハズはなかった。
ところが今回はここまで来て「あれ?どっちやったかな?」と一瞬だけ戸惑っい、そして登場人物が消えて栄歌個人が「ちょっと待ってくださいネ」と云うた。…1秒ほど落語が崩壊した。
こんなことは学生時代ならいざ知らず、卒後の落語人生では一度もなかったハズ。少なくとも記憶にはない。今回は会場から笑いも出て空気は壊れへんかったけど、辛辣にとらえるべきと猛反省した。
「ずくねん寺」のお住持さんのキャラは『楽』の時と比べて今回の方が完成型に近いかな…これが今回の良かったトコ。

会長の「桃太郎」、本人は終わってから不満の様子やったけど、お客さんは喜んで下さったと思うよ。笑いも大きかったし。。。でもまあ、結構ポピュラーな噺であちこちで聞くネタやから新鮮味には欠けたかなぁとは思う。

欠多利・玄張の主力メンバーを欠いての落語会ではあったが、今回はそこそこ密度のあるエエ落語会が出来たと思う。ウチのような弱小団体ではあってもそれなりに懐が深くなったと言うことか。今後が楽しみやね♪

「転失気」越後亭独楽酢/「羽根つき丁稚」にうぎに家衆朝/「八五郎坊主」南遊亭栄歌/「桃太郎」切磋亭琢磨/〜大喜利〜(現代いろはカルタ、謎掛け「トリノ・オリンピック」他)
No.323   2006年02月27日 (月) 17時22分


 第107回 サウスロード落語ライブ 2/18(土)        
1ヶ月ぶりの落語会。この間3回の高座を休ませて貰った。そして復帰第1戦。

今回は色々と問題が勃発した。
まず、玄やんが大阪で用事があり今回のサウスには出られへんこと。ま、もともとサウスは2時間を越えないことでプログラムを組んでいるワケで4人4席はなんら問題ない。ところが直前に欠多利さん家の親族でご不幸があった。欠多利さんも抜ける。3人3〜4席、…まあ、やってやれへんことはない。
ところがワタシ、ちゃんと最後まで喋れるやろか。この前の寝床の会が結構トラウマになっている。それに練習していても途中で結構あちこちで詰まるし。
いつものワタシなら、「大丈夫!2席でも3席でも任しといて!!」と豪語するトコやけど、今回だけはワタシの担当の1席すら自信がない。

抜ける髪…いや、捨てる神あれば拾う神あり、とはよく云うたもの。
1週間前に新しいメンバーが寝床の会に入会した。玄やんより2つほど年上やけど、今回の彼は年相応の風体をしている。落研時代の活動はあんまり本格的というワケでもなく、現在8年のブランクがあるという。せやからすぐの高座はキビシイかも知れへんけどゆっくり練習して数回は高座に上がりたいとのコト。久しぶりの江戸落語である!

ワタシは正直リスクを背負うのは反対やった。せやけど、自分自身ですら既にリスクなんやから今回は意見を述べる資格はない。衆朝さんと会長に任せて静観した。
衆朝さんと会長は彼を今回高座にあげると言う方向で話がまとまった。当日早い目に会長宅に集合して練習してから高座に上がって貰おう…と云うことになった。…直前に直すなんて、ムチャな話や〜。。。

ワタシも参加せよとのコトで会長宅にお邪魔した。既に練習会が始まっていた。彼の落語、声はとてもよろしい。ところが話がちょっと冗長でオリジナルの転失気とは随分違っているように思えた。聞けば、あらすじを読んで自分で色々と脚色した…とのこと。音源は聴いてないらしい。
いくつか問題があったので会長と二人で徹底的にダメだしをした。←それこそムチャな話や。。。
彼はイチイチ我々の言うことを器用に吸収して2回目に演る時にはちゃんと直っている。ここらはスゴイ才能や。時間をかけたらコイツはモノになるでぇ!そないに直感した。

1時間があっと言う間に過ぎて、サウスロードへ集合の時間が迫った。不安は満載ではあったけど練習を切り上げ、彼を高座に上げるコトとして、会長の車に便乗してサウスロードに向かった。
No.322   2006年02月27日 (月) 15時23分


 第3回 榊原温泉病院 出張落語会 1/21(土)        
ワタシが日頃から大変お世話になっているN先生からの3度目の落語依頼。
客席は脳梗塞でリハビリをしている方や高齢者が対象なので、笑いのリアクションは極めて鈍い。その代わりに介助についている看護師やPTの先生、そしてN先生がよく笑って下さる。
むしろ「そっち向け」に演りに行っているようなモンやけど、あくまで入院患者さんに対する福利厚生やメンタル面からの治療目的であるから、やはりお客さんを笑わせてナンボのモンやと思う。せやからなるべく動作が大きくて理屈抜きで面白いネタ選びを心がけているつもり。

今回、当日を向かえて体調はすこぶる悪かった。朝から身体中が痛い。いつもは寝不足とストレスでの持病の筋緊張性頭痛やから、背部や肩の僧帽筋や首スジ、後頚部が痛いのやけど、今回ばかりは違う。広背筋という肩甲骨の外側下部の筋肉が痛い。それに腰や関節も…。あまりの痛さに体の置き場所がない。
マッサージをしたが効果なく、仕方が無いのでロキソニンという消炎鎮痛剤を飲んで仕事に行った。昼を過ぎても身体中の痛みは一向にひかず、更にもう1錠ロキソニンを服用して温泉病院に向かう。
会場つくりを終えて、メンバーと打ち合わせをしているうちに悪寒・戦慄(つまり寒気とガタガタと震え)が来たので、「はは〜ん、こらインフルエンザやな」と悟った。
自分の出番が近くなった時には熱は38.7℃まで上がっていた。
体幹のふらつきとボ〜っとした感覚はあったが、マクラもしっかり思い出せたのでそのまま高座に上がった。
他のメンバーは皆、やはり笑いはキビシイ…と云いながら降りてきたので、体調が万全でない今回はアカンかな…と思ったが、やはりこのネタの持っている面白さと動作の滑稽さのお陰で、思っていたより笑って貰えたと思う。
出来たらみんなの落語についてもレポートしたいところやけど、何せほとんど控え室で寝てたから、何にも書くことがない。。。

「片付けはもうエエから帰れ」と皆が言うてくれた。「まだ、伊勢で夜席(がんばろう会)が残っているから」とワタシは出たい旨を伝えたが聞き入れて貰えず、来週の寝床の会のために養生して帰れと強く言われた。皆は片付けをして伊勢へ、ワタシはそのまま自宅へ直行した。
メンバーと言うものはありがたい。ワタシのカラダのコトを心配してこない云うてくれてる。直前に1人抜けるのは大喜利も演っている我らにとっては結構バタつくモンである。それにもかかわらず「帰れ」と言うてくれた。ありがたいモノやなぁ。
嬉し泣きに家路についたが、帰ってからふと思った。『みんな、うつされるのがイヤなだけやったンとちゃうかな。。。』

「酒の粕」にうぎに家衆朝/「動物園」噴駄理亭欠多利/「秘伝書」隣乃玄張/「寄合酒」切磋亭琢磨/「手水廻し」南遊亭栄歌/〜大喜利〜
No.321   2006年02月27日 (月) 14時53分


 お待たせしました。『楽』で落語を聴く会、開演です。        
書いているウチに長くなり、2部構成になってしもた。
全体を見据える力不足…、そこらが、まだまだブランクから完全復調してない証拠やなぁ。

さて、雪の積もる中をいよいよ開演です。
今回の目玉は笑天さんの大ネタ「ねずみ」と、仲トリの特別ゲストである玄やんの新作「源太と兄貴」。
今回上方勢は全て見台あり。開口の夢さんと大トリの笑天さんが江戸で両側からサンドイッチ。
ところが夢さんは見台を置いたままでの出演。流れや空気を変えたくないという夢さんの思い入れやろか。勘朝さんが見えたときの「幾代餅」での夢さん、体調優れず見台を置いての高座となったが、それをふと思い出した。
今の社会情勢を見据えた上での夢さんのマクラ、切れ味も構成もさすが。毎度毎度感心させられてしまう。
砂九さんはそれをうけて貫禄の高座。どこかで聴いたことあるな〜と聴いていたら、「上燗屋」を以前『楽』で(顔見世公演で)演ってんねやな。
歌いながら枝豆やおからを食べるところは何遍聴いても笑ってしまう。砂九さんのオリジナルというからスゴイ!今回の『楽』は序盤からハイレベルの出だし。
さて、我らが玄やんの登場。ワタシはマクラ作りを中止して暫し固唾を呑む。固い。玄やんも会場の空気も…。玄やんはたしか此処での上演は3回目やったと思うけど、やはり『楽』での仲トリのポジションにちと緊張してんのか…。
出てきていつもの大爆笑がなかった。ネタ「源太と兄貴」は玄やんの十八番。やはり何度聴いてもオモロイ。楽屋もワタシも大爆笑。しかし会場の笑いは心なしかトーンダウン。いやウケたんやで、ウケたんやけど玄やんのポテンシャルはこんなモンやないネン。ちょっと空回り気味やったかな。
さあ、もうじたばたしても始まらへん。腹を括って高座へ。
結局マクラは以前何処かで演ったことあるやつもミックスして、でも空気は作れたかな。さて問題の本ネタ。お住持さんがちょっと臭くなって冗長になってしもたかな…という感がある。今回は笑って貰うたけど最初にお客さんを乗せられなければきっと悲惨な高座になっていたことやろう。。。でも、学生の時と全く違う「八五郎坊主」が出来て良かったヨカッタ♪ あとは手直しや。
大トリの笑天さんは、出ていってすぐワタシの作った空気とは違うモノに変えて見せた。ここらは彼の貫禄のワザ。ワタシがマクラから最後まで31分も演ってしまい(←「食い付きモタレ」失格やな。。。)申し訳無かったが、その後を長いと感じさせへん見事な高座やった。
高座を降りて来た時と帰り際に夢さんが「今回の栄歌さんはよかった」と誉めてくれた。特に帰り際なんかは、「今の栄歌さんには僕はとても敵わない」とまで云うてくれた。勿体ない言葉や。
自分的には決して満足のいく高座ではなかったケド、枝雀師の完コピもんをあそこまで壊して新しいモノを作り上げたコトへの賛辞やと思う。志の輔師の落語を一緒に見に行った後、「八五郎坊主」のサゲへの解釈を夢さんと話し合った。それも含めてちゃんと作れたからやろう。
来年春には寝床の会で披露する。それまでには自分で納得のいくモノを作り上げなアカン。夢さんの言葉はそれへの原動力となった。

「長短」若鯱亭夢輔/「首提灯」浪漫亭砂九/「源太と兄貴」隣乃玄張/〜仲入り〜/「八五郎坊主」南遊亭栄歌/「ねずみ」若鯱亭笑天
No.320   2005年12月28日 (水) 12時12分


 第34回 『楽』で落語を聴く会 12/23(祝・金)        
ワタシ個人に取っても、楽語の会メンバーに取っても、そしてお越し下さるお客様の大半に取っても、今年最後となる落語会。気合い充分で臨みたいと思っていたが、いくつかくじけそうなファクターがあった。

まずはこの時を狙ったかのような大寒波、そして積雪。名古屋は58年ぶり(…と聞いたが、)のそれも25cmにも及ぶ12月の積雪。近鉄は動いているのやろかと心配しながら家を出発。客足も心配やけど、それ以前に演者がみんなキッチリ集まれるかどうかも不安。
『楽』に着いて見ると、みなメンバーが勢ぞろいでまず第一の不安解消。開場とともにお客さんが詰め掛けて下さって、仲入り後は39人もの入りとなった。この季節・この天候にこの交通状況なら、ホンマ上出来でしょ。

それとワタシ個人の問題。今回エントリーの『八五郎坊主』は学生の時に覚えた、しかもワタシの落語界デビューの第1号のネタなの。桂枝雀師の完コピもんで当時は百回以上聴いて何十回と試行錯誤を繰り返して仕上げた作品なため、演れと云われたら何時でも出来るネタやけど作風はまったく枝雀師そのもの。当時はムチャクチャおもろかったけど(事実この枝雀ワールドに惚れ込んで落語をやろうと思ったのがキッカケやから…)、卒後は枝雀臭さが鼻についてほとんど披露していない噺。今回はそれをぶち壊して新しい『八五郎坊主』を作り上げなければならない。これはまったく何もないところから作り上げるより難しい作業。それをあえて選んでエントリーしたワケ。
さらに個人的な話で恐縮やけど、秋からオヤジとお袋が代わる代わる入退院を繰り返し実家と職場との度重なる往復に加えて、職場の方も今重症の患者さんがワンサと居てはって、緊急の電話がプライベートの時間にもガンガン入り込んで来るありさま。とても落語モードどころやあれへん。
ホンマ言い訳がましくなってしもたケド、そんなこんなで『八五郎坊主』のお住持さんのキャラが固まったのは『楽』の前日。マクラも準備しないままで会場へ向かった次第。

受付をしていると、なんと『火災亭珍歌さん』というアマ天狗連の仲間が陣中見舞いに来て下さった。
珍歌さんは、栃木で活躍されている方で、去年の国民文化祭でも、今年の夏の新居浜大落語祭でも、そして秋の全国社会人落語選手権東京大会でもご一緒させて頂いた方。その方がなんと栃木からこの「『楽』で落語を聴く会」を聴くためだけにわざわざ駆けつけて下さった。(…アホや。。。)
こいつは結構プレッシャーになった。下手な落語は聞かせられへん。

玄やんの特別ゲストとしての参加も油断できへん存在。
彼は何処へ行ってもお客さんを魅了する不思議な落語を披露する。寝床の会のメンバーからの参戦でもあり、ワタシにとっては見劣りする落語は出来へん。

そんなこんなの逆風の中、いよいよ『楽』で落語を聴く会の開演とあいなった。
No.319   2005年12月26日 (月) 16時44分


 第2回 米之庄公民館・高齢者学級 12/11(日)        
寝床の会今年最後の落語会は、裏の返った「米之庄公民館」の「高齢者学級」。
ここの責任者小林さんは、昨年もたった一人で準備して下さって素晴らしい会場を作って下さった。今年は一志郡三雲町が松阪市と合併したがキッチリ裏を返して下さった。
会長が所用で欠席、衆朝さんも仕事との掛け持ちで大幅に遅れ、残り3人で会を切り盛り出来るかハラハラしたが、なんとか衆朝さんも出番に間に合ってくれて、玄やんの頑張り・小林さんの奮闘で素晴らしい会とあいなった。
お客さんは昨年の70数名を遙かに下回る40人足らず。会場の大きさからするとちょっと物足りないが、とにかく良く笑って下さる。少々噛もうが持って行きようがバタつこうが、とにかくウケる。
トップバッターの欠多利さんから全開で暖まって、玄やんのキャラがとてもハマった。衆朝さんが高座に上がる頃には去年を上回るほどの熱気。
ワタシの「おごろもち盗人」は酔書さんとの二人会以来ほとんどネタ繰りをしてない状態での高座。内心はハラハラの出来映えではあったが、お客さんの笑いに後押しされて気持ちよく高座を降りることが出来た。
大喜利では、謎掛けで解答が不思議なほど出てこず、冷や汗モノではあったが、玄やんの開き直りキャラがお客様にもとても評価され、新しいウチの新兵器を再確認出来た会やったように思う。
会がハネてから、担当者の小林さんから「来年も是非!」と嬉しいオファーを頂き、寝床の会の締めくくりは記念すべき大成功となった。
 
「犬の目」噴駄理亭欠多利/「延陽伯」隣乃玄張/「酒の粕」にうぎに家衆朝/「おごろもち盗人」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(やりくり川柳「しわす」、謎賭け「犬」「知恵袋」「高齢者」「 」、数え歌「すき焼き」)
No.318   2005年12月12日 (月) 13時00分


 町屋寄席 12/10(土)        
失礼ながら全く存在も活動も知らなかった団体からの出演のオファーはドキドキするものである。
10月の寝床の会の会場へ向かう道中の車中で玄やんから打診があった。玄やんの知り合いの「らくてん会」と云う天狗連で年に2回、住まいのミュージアム内の大阪暮らしの今昔館で落語会をやっている団体がある。そこからワタシへの出演依頼とのコト。HPもなく大阪の落語仲間からも情報のないこの団体の活動に妙に興味が沸いてきて、とりあえずOKの返事をさせて貰った。

当日会場へ行ってみると、江戸時代の大阪の街並みを見事に再現したミュージアムがある。その中に一歩足を踏み入れると、さながら江戸時代の大阪にトリップしたような気分になれる。風呂屋あり、小間物屋あり、呉服屋や本屋あり、そして火の見櫓や裏長屋まで作ってある。その奥の薬屋まで進み入ると二階の小部屋から三味線の音。全く情緒たっぷりの落語会場ではあるまいか。
薬屋の奥の部屋から裏庭の方に向かって落語をするような格好。小さい中の間が下座でそこには旭区の所有の立派な太鼓が用意されていた。
「らくてん会」のメンバーさんの中には三味線や太鼓を専門にやってらっしゃる方もみえて、本格的な落語会を開けるポテンシャルを持ってみえる。
残念なコトは皆さん社会人になられてから始められた方達ばかりで、下座の本格的なリーダー的立場の方が不在。カバンの中に能管を忍ばせてお邪魔したが吹かせて貰えるチャンスはなかった。

さて開場すると、なんとお客さんは会場狭しと集まって下さって、熱気ムンムン。たまらず、篠笛を出してきて「石段」と「赤猫」を勉強させて貰うた。
らくてん会代表(?)の楽太郎さんはとても落ち着きのある喋りで発声も滑舌も素晴らしい。とても50歳を過ぎてからこの世界に入ってきた方とは思えへん。英語落語でお馴染みの笑都さんの古典落語も初めて聞かせて頂いたが、さすが落語大学出身の大先輩。前の2席の空気を一度に変えてしまう実力・話術には脱帽した。
ワタシは落語大学現役生の不良雲くんがカメラを構えて聞いてくれている中、ちょっと緊張気味の高座ではあったが、初対面のお客さんとも楽しくキャッチボールが出来て、とりあえずトリの大役を果たせたのやろか。。。

打ち上げはらくてん会さんの招待で近くのお店に連れて行って貰い、鍋料理をたらふくゴチになった。みなさんワタシと同年代以上の方達ばかりなので、他の天狗連との交流会のようなハジけた雰囲気ではなく、ゆっくりじんわりとした味のあるトークで、いつもよりお酒が進んだ。
今度は下座好き仲間を引き連れてまた遊びに来たいなぁ…と、そんな気分になった一日やった。

「短命」一山亭南坊/「次の御用日」らくてん亭楽太郎/「時うどん」千里家笑都/「餅屋問答」南遊亭栄歌
No.317   2005年12月12日 (月) 12時56分


 第18回 ぱんとまいむ寄席 12/3(土)        
何度かお邪魔する砂九さんのしきっているこのぱんとまいむ寄席。今回は仕事が押して電車に乗り遅れ、開演ギリギリの到着となった。
入ると立錐の余地もない。カウンターの下にゴザを敷いて急遽桟敷まで作ってある。かねさんと砂九さんの落語を聴きながら着替えた。
かねさんはパワーの落語。グイグイと会場を引っ張っていく。降りてくる頃にはしっかり会場が暖まってエエ雰囲気になっていた。
砂九さんの「ひとり酒盛り」、不思議な話や。米朝系ではなく、松鶴系でなく、日常会話的表現があったり、とにかく聴いたことのない噺やった。それも含めて「砂九ワールド」。砂九さんの武器の目線とリアルな仕草は、残念ながら着替え室の中なので確認することが出来へんかったが、お客さんの満足そうな顔でそれはうかがえた。
ワタシの「手水廻し」。KARA(選手権)に掛けたネタは、以降しっかり脳溝に刻み込まれるらしく、ノー・リハーサルで演れる。仕事で忙しい後の高座でも大きく外すことはない(…と思う)。
6月のKARAから何度か演っているため、まあまあの高座やったように思うケド。
無眠さんは凄いと思う。本当にたくさんのネタを手がけている。それもワタシみたいに偏りがなく。ワタシは得意ネタとそうでないネタ、勝負ネタと軽く遊ぶネタが結構混在するが、無眠さんはそのどれをやっても一定のレベル以上をキープしてはる。
今回の「蔵丁稚」もきっちりコピーしてはって、喫茶店でもこんなネタで沸かせんねやなぁと大変勉強になった。
マスター、ママ、近所のネイルアートのお姉さん達と最後に打ち上げをして今回の「ぱんとまいむ」も楽しい1日となった。
 
「強情灸」道楽亭かね平/「ひとり酒盛り」浪漫亭砂九/「手水廻し」南遊亭栄歌/「蔵丁稚」竜宮亭無眠
No.316   2005年12月12日 (月) 12時55分


 第106回 サウスロード落語ライブ 11/26(土)        
玄やんが当会に参戦してくれるようになって、もうすぐ1年。このサウスロードも毎回泊まり込みで来てくれている。(その接客役をしてくれているのは衆朝さん。本当にスンマセン。)
サウスロードは何せ開演が午後8時と遅いため、なるべく10時までに終演するよう、みんな時間に気を配っている。5席+大喜利は時間的に難しいため、今年から交替で1人ずつ抜け4席+大喜利の構成でやってきていた。(みんなで話し合って決めた事ではなく、何となく流れでそうなってきた。)今回その順番から行くとワタシか会長の抜けの番ハズなんやけど、今回ワタシのお客さんから「お忘れ物承り所」のリクエストを頂いた。そんなワケで厚かましくもこのネタでエントリー、今回は無理して5席+大喜利構成となった。
名古屋の楽語の会で各演者のCDを作っていて、その中にワタシのこの「お忘れ物…」も入っている。リクエスト頂いた方もこのCDをお持ちのため、今回は「カメラ」のバージョンを入れて演った。しかしマクラも調子に乗って演ったため、持ち時間は申告を遙かにオーバーしてしまった。良く笑って頂いたからホンマに調子に乗ってたんやなぁ。
敢えて抜けずに出さして頂いて、しかも時間オーバー。落語会はチームプレーやからこの点は大いに反省すべき。ワタシのいつもの悪い癖である。
 
「道具屋」噴駄理亭欠多利/「千早振る」にうぎに家衆朝/「勘定板」隣乃玄張/「狸賽」切磋亭琢磨/「お忘れ物承り所」南遊亭栄歌/〜大喜利〜(一〜十「今年一年」、謎賭け)
No.315   2005年12月12日 (月) 12時53分