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Gazing At " Promised Land "

2004年度 1月第2週


1月5日

前田(早稲田大学院ドクターコース)がこれから東京に帰るとのことで挨拶に来る。「昨日は面子が集まんなかったよ」と俺。「えっ、古西はデートだったんでしょ」「いや、夜に高1の試験の様子を見に来たけど暇そうやったで。そこへ克典がやって来てさ、男3人で世間話しておとなしくしてたよ」 そこへ古西が登場、前田猛然と食ってかかる。「オマエ、昨日はデートやでアカンて言うとったやろ。面子が足らんかったら俺に電話せえよ!」 ブツブツ言いながら前田は東京の地、日常へと戻っていった。

昨夜、9期生の克典(東京学芸大学)と12期生の古西(名古屋大学)が初の合体。俺の預かり知らぬところで今夜もマージャンをやる謀議が企てられていた。4人目の男は古西を師匠と仰ぐ?13期生の村瀬(横浜市立大学)。克典も古西も、あげく村瀬もこのマージャンのために下宿へ戻るのを一日遅らせた。つまりは12月29日の深夜から延々と繰り広げられてきた饗宴のファイナル。起家の古西がハナっから親ッパネをつもる、今回のこ奴の好調を象徴する和了! 中間牌を河に吐き散らかしてのリータンツモ3発! クソッ!あいも変わらず贅沢なツモをしやがって、そして俺の方といえばいつものように一瞬の切りミスが致命傷を呼ぶ貧弱なツモ。今夜も古西徹底マークで闇の中を進むしか術はないようだ。

半荘4回やって古西と俺が2回ずつトップ。点数では古西が上。いっぽう克典が2着が多く、ラスを食らったのは村瀬。終了後にマージャン牌を片付けながら古西がつぶやく。「今までずっと出しっぱなしやったのに、ついにこれを片付ける日が来たな」 そうなのだ、「こんなにマージャンやったことは記憶にない」と前田に言わしめた、長い長い1週間が終わったのだ。

1月6日

私立大学申し込みがほぼ一斉に始まる。響平がオーソドックスに社会学部4大学(関西学院・龍谷・立命館・仏教)で攻める。一転、大森や拓也や寺沢は関関同立を本命にしながら2ケタで勝負する。ことに大森の1月31日から続く8連荘、龍谷・立命館・同志社は圧巻! しかしウチの塾には13連荘やった竹中がいるから、今イチ感動も薄れちまう。

1月7日

デンちゃん、2週間の間隙で再び襲来。前回ズタズタにやられた中3のリベンジなるか! ところがフタを開ければ見事に返り討ちを食らう。まだまだ仕上がりには程遠い出来。問題の質からしてデンちゃん、ウチの生徒になんとか自信を付けさせてやろうとの親心見え見えの問題。そんな軟弱な問題にウチの中3、なす術なしの惨状。

デンちゃんの日本史も15期生最後の授業となる。最後に大森に投げかけたセリフ、「大森!もしオマエが全敗食ろたら俺はもうここには来んぞ!」 責任重大な大森如何に?

デンちゃん、中川駅に送る車中でつぶやく。「今年の中3はまだまだやな。オマエも大変やろけど、もうちょっとシゴかなあかんな」

1月8日

中学生は今日から3学期。人並みに安堵したのか、俺は久しぶりに帰った自宅の炬燵から起き上がれない。何度か携帯が鳴る。里恵だ! 「今、マッツンが来てるよ」 身体がだるい、奥さんの風邪がうつったのか? 「奥さん、風邪がうつるほどいっしょにいないでしょ」

里恵は今夜、小林の現代文の授業があり、小林の緊急課題・・・語彙の不足・・・を少しでも補うためにオリジナルの漢字&語句のプリントを打っている。そこへ大阪を引き払ったマッツンが姿を見せたわけだ。

「先生、ボクさ、ここの1階を借りようと思うんやけど」 マッツンは1階の空き店舗で美容室を開業する決心をしたらしい。

夜になって中3に言う。「明日はかすみのセントヨゼフの入試や。今までアンタらは高校生の先輩たちからいろいろとしてもらってきた。今回は後輩の入試や。中3で何かかすみの心に残るものをしてあげてや」

今年ウチから私立中学受験に臨むのはかすみ一人。小5から面倒を見てきたこともあり夏休みまでは順調に過ぎてきた。しかし夏休み明けから調子が崩れる。ウチの私立中学受験生、いつもならほぼ毎日をウチの塾で過ごす。狙いは勉強もさることながら、中3の受験生の雰囲気を肌で感じておいてほしいのだ。私立中学に合格すると6年後の大学受験まで空洞化が続く。合格した当初のテンションは高いだろうが、中3や高1(6年制だから3年と4年)の時期のたるみが一番のネック。この時期をどう乗り切るかで大学受験が決まると言っても過言ではない。そんな私立中学受験生に、受験生の風景を目に焼き付けておいてほしいのだ。中3とともに過ごした1年、受験生の日常を風化させたくないのだ。ところがかすみ、夏期講習を終えると9月からは以前のように週に2回のペースに戻ってしまう。本人の自発的な意思を尊重する俺としては強制することなく毎日塾に来るような展開に持っていきたい。ゆえに過去の受験生の話をすることになる。「先輩たちはな、毎晩中3が帰るような時間まで勉強してたんや」とか「先輩たちはこの時期毎日塾に来てたな」とように婉曲的な表現で言うものの、かすみの日常は変わらない。

2週間に一度は話し合うものの、依然変化の兆しは見えない。こういう場合、かすみの親御さんに言うのがてっとり早いわけだがそれだけはしたくない。結局、俺の説得もそれほどの効果を上げずに12月にもつれ込んだ。かすみには小4の弟がいて高田中学受験を志している。冬休みまで数日に迫った頃、ついに俺の堪忍袋の尾が切れる。「オマエのような受験を弟に見せたら弟が落ちるわい! オマエは落ちろ! それが弟のためや、落ちて勝負の厳しさを弟に残してやれ!」 戦略ではなかった、心底そう思った。これで何かが変わるなんて期待すらしていなかった。自分の指導者としての器量のなさだけが悔やまれた。

ところがかすみ、毎日塾に姿を見せるようになった。塾から帰る時刻も11時近くとなった。しかし受験までひと月を切っていた。焼け石に水・・・セントの過去問は到底合格できる点数ではなかった。夏休みにできていた問題も今ではできなくなっていた。夏期講習では毎日解いていたこともあり、決して秀でているとは言えないかすみの理解の磨耗を防げてはいたが、9月以降の週2回の登板のためにせっかく貯め込んだ知識は霧散していた。ゼロからのスタートと言えた。それでも毎日塾に来るようになり、少しずつでも以前持っていたはずの知識を取り戻すようにはなっていた。あとはセントの問題のヤマが当たるかどうかだった。

大西講師、浪虎会ご用達のタイガースジャンパーをまとって姿を見せる。「やっぱ、センター試験直前ですから採集のチェックなりともやっておきたい。病院の先生からもOKが出たんで」「奥さんの節ちゃんのOKは?」「はは、節ちゃん実家(坂口苑)の手伝いに戻っているんで、ご機嫌伺いの意味合いもあって」

大西講師、すぐさま授業スタンバイ!といきたいところが高3は生憎横田のセンター英語の授業が入っている。そこで今ウチの塾で一番ホットな現代文の講師・里恵と初遭遇。

1月9日

中3が昼過ぎから来て千羽鶴を折っている。かすみの送り出しのエールだろう。しかし昨日の今日とあっては到底千羽鶴とは言えず、どうにか50羽ほどの鶴が折られている。かすみの迎えは午後6時30分、今夜は明日に備えて家でゆっくりと過ごす。中3全速力で鶴を折り続けている。その横でかすみが理科の最後のチュックに取り組んでいる。

午後6時30分、かすみの迎えが来た。中3がざわつく。れいがかすみを本棚の陰に呼んで鶴を渡した。かすみと何か言葉を交わして離れた。まったくもって感動もない送り出しだった。しかしやらないよりはましだった。

古西の授業、今日は高2の慎太郎が参戦する。宿題になっていたのは河合塾のセンター対策第一回の2番Aと5番。これは慎太郎がトップ、失点はA問題ミス2だけ。そして全員で6番を30分で解く。ここでA問題ミス1、B問題ミス1。高2だけならそこそことも思えるが、なにしろ高1の愛が満点ときている。ここは先輩の威厳を見せつけてほしかった。

1月10日

午前7時に目覚めた。かすみのセントヨゼフ中学の入試が2時間後に始まる。俺にできることは祈るしかなかった・・・。

そして中3はかすみの入試時間割に沿い全県模試を実施する。締め切りはとうに過ぎていたが、ここはかすみの受験に合わせて実施することで受験生としての自覚を奮い立たせてほしかった。

午前9時、セントヨゼフ中学とウチの塾で1時間目の国語が始まった・・・。

中井が成人式のために帰省。今年取れたてという『かぼす餅』を渡しながら「古西先輩に残しておいて。前に来た時はみんなが食べてしもて『俺のはないんか!』って怒られたから」

大西君が高3の私立文系相手にセンター試験の最終チェックをするという。大西君からなんとか里恵に来てくれるように頼まれる。里恵に連絡すると快諾、深夜11時に姿を見せる。大西君、どうやら里恵に自分の授業を見せておきたかったようだ。大西君の心積もりとしては、月に一度か二度の授業では補えない部分を里恵に担当してほしいのだろう。その場合、教えるうえでのメソッドが違っては生徒たちが悩むことになる。そこで里恵に国語の教授法の基本を理解してほしかったのだろう。里恵は本質的な読書家、自分の感性にまかせてエイヤーと解くタイプ。そこに理路整然と解答までのアプローチを辿るメソッドを身に付けたら鬼に金棒。深夜11時30分、3年間教え続けた大森と拓也相手に授業が始まった。不意に急襲した紀平(10期生)が授業内容を一瞥、俺にささやいた。「大西さんの授業を今まで聞いてきて、今ごろこんな基本中の基本の授業をやってるようじゃ今年の3年、何をやってきてるんや」 確かにゆっくりと時を刻むような口調、しつこく繰り返す今まで耳にタコができるほど聞いたはずの内容・・・しかし授業の相手は大森や拓也ではなかった。この授業はたった一人、場違いなスーツに身を包んで聞いている里恵に対して行われている授業だった。

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