ムラさん通信 第15号

2002年4月15日

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  ザ・サークルのギター弾き「ムラさん」から、 日頃お世話になっている「みなさん」へのお便りです。 ホーム・ページでは十分に伝えられないザ・サークルの近況や、 文化情報、私の雑感などを、随時お知らせします。
メイルでも配布していますので、必要な方はお知らせください。次回からお送りします。
ご意見、ご感想などは、 Eメール でどうぞ。

この通信は、日常の生活で、思ったこと、考えたなど、 そのつど書き留めて、たまったら整理して送っています。

それが、前号発送直前に、どんな操作をしたのか自覚がないのですが、 目の前で画面から忽然と消えてしまったのです。
コンピュータの中をいろいろ探しましたが、中身も消えていました。

気を取り直して、いくつかの話題を書き直しましたが、
1回書いたことは、なかなかもう1度書く気にならないものですね。
それにもめげずに、またまた送ります、第15号です。
またかと、めげずに読んでくださいね。

 ◇ムラさん通信のHP◇ 

ムラさん通信は、送付後、 私のHP「座・むら囃子」 に掲載しています。
メイルで送った後1週間くらいまでにはUPするよう心がけています。
このたび、HP版には写真をいれることにしました。
手始めに、最新の第14号と前号の第13号に、 合わせて4枚の写真をいれました。

最新号は、 http://www.ztv.ne.jp/mmura/news/new.html で、バックナンバーは http://www.ztv.ne.jp/mmura/news/ で索引が利用できます。
話題別の索引 も作ってみました。

というほど大層なものではないのですが、 メイルで来たのは放っておいて、 ゆっくりHP版でごらんいただくというのも、 私にとってはうれしいことです。

 ◇ギター・ワークショップ始めました◇ 

一部のご要望に応えて、ギターの弾き方を書いてみることにしました。

われながら無謀な挑戦にも思えるのですが、 ギターを弾く楽しみ、音楽をやることの楽しみを、 一人でも多くの人に味わってもらいたいという気持ちがあります。

音楽的な才能のない私がそれなりに音楽をやるようになって、 私の人生にささやかながらも花がそえらえたような気がしています。
学生時代など、若さ故でしょうか、 わけもなく「悲しくてやりきれない」という気持ちになったとき、 一人でギターを弾いているだけで、 なにか慰められるような気がしました。

クラシックのギターはメソッドがしっかりしていますが、 私の弾いているような、 「フォークギター」とでもいう分野では、 適当な教則本や、独習に適当なものが余り無いように思います。
私のワーク・ショップも参考に、音楽を楽しんでいただければ幸いです。

一挙に2回分の公開です。
ムラさんのギター・ワークショップ第1回「私を待つ人がいる」
ムラさんのギター・ワークショップ第2回「私を待つ人がいる その2」

 ◇「千と千尋」否定的な意見もありますが…◇ 

昨2001年12月25日付け毎日新聞夕刊で、 若手哲学者の東浩紀(あずま・ひろき;30歳)氏が、 宮崎アニメが好きで、「風の谷のナウシカ」以降の全作品を見ているが、 今回の「千と千尋」には、否定的だ、 千尋は、物語の中で迷いもしなければ悩みもせず、成長していない、 という意見を述べてみえました。

ちなみに、最近友人と「ハリー・ポッター」と「ロード・オブ・ザ・リング」の どちらが好きかという話をしたら、友人は、 ハリー・ポッターは成長していないから好きでない、 と同じようなことを言っていました。

千と千尋が金熊賞を受賞したので、 各紙にインタビュー記事が載りました。
先の毎日の記事を意識したのか、しないのか、 2002年2月28日付け毎日新聞では、宮崎駿監督はこう語っています。

「それと、安易に主人公の”成長”を言いたくないのです。 千尋の力は、はじめから千尋の中にあったもの。 それが湯屋での体験を通して引き出されていくんです。 大人たちは『今の子は』と言うけれど、子供たちの本質は変わっていない。 すてきなもんです。」

以前第3号でお知らせしたのと重なって恐縮ですが、 劇場売りのパンフレットで宮崎監督は、 「(今の10歳の子ども達が本当に必要としていることは) 『大丈夫、あなたはちゃんとやっていける』と本気で伝えることです。 この映画で千尋がやったことは、あなたたちにもできると、僕は信じて小さい友人たちに作りました。」 とも語っています。

子どもがダメなのは、周りがダメにしているのだ、 子ども達に、 勇気を出して、自分の力を信じて生きなさい、 と言っているのですね。

成長しなければならないと思うとしんどいですが、 大丈夫、自分らしく生きて行きなさいと言われると気持ちがとても楽になります。
それが、結局成長につながるのではないでしょうか。
本来もっている力を発揮したのか、新しい力を身につけたのかは、 これはもともと判然としないものではないでしょうか。

これは、「エンパワーメント」という考え方ですね。
エンパワーメント(empowerment)とは、内なる力を発揮するという意味です。
力を分け与えることを言うのではなく、本来もっているはずの力を信じて、 その力を抑制しているものを取り除くことによって、もっている力を発揮しようということです。
それが自分らしく生きる上で不可欠なのです。
この言葉は、これからの時代をひらくキーワードになるのではないでしょうか。

「千と千尋の神隠し」既報
◇千と千尋が金熊賞受賞
◇「千と千尋の神隠し」が興行収入日本一に
◇「千と千尋の神隠し」が観客動員数新記録
◇映画「A.I.」と「千と千尋の神隠し」 

 ◇「三鷹の森ジブリ美術館」とインターネット・ダフ◇ 

「三鷹の森ジブリ美術館」は、完全予約制で、チケットがなかなか入手できないことは、 第6号で、 インターネットのオークションで、高額で転売されているとのことは、 第7号で、 それぞれお知らせしました。

平日はともかく、チケットの入手はいまでも困難で、 チケット販売カレンダー によると、 現在発売中の6月までは、連休はもちろん、土日はすべて完売になっています。

一方で、既に旧聞に属しますが、 ジブリ美術館のチケットを、 インターネットで転売した主婦が、「ダフ行為」で逮捕されたと伝えられています。
(東京新聞のHP)
(京都新聞のHP)

ところで、 ダフ行為とは、何でしょうか。

処罰の根拠は、東京都迷惑防止条例です。
この条例では、 入場券や乗車券を不特定の者に転売する目的で入手したりする行為を禁止していて、 その違反には、罰則があります。
この禁止行為を称して、「ダフ屋行為」というのですが、 「札」をひっくり返した隠語的な表現になっていることは、 説明するまでもありません。

ジャズの人たちが、「ターギ」やら「ズージャ」やら言うのと同じことですね。
ちなみに、心きよらかな(?)フォーク・カントリーのファンの間では、この手の言葉は余り聞きません。

条例の効力は、自治体の「区域」に及びますので、 「住民」でなくても、東京都でダフ屋行為をやれば、東京都の条例で罰せられます。
また、同様の条例が他の道府県でも制定されているようです。
条例であっても、犯罪であることでは、刑法に違反するのと全く同じです。
この通信の読者の方には無縁のことでしょうが、 せこいことをやって、「前科者」になるようなことは、全くばかげたことです。
もちろん、買わないことも大事。
「ジブリ」に「ダフ」は似合わない。

参考
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
(乗車券等の不当な売買行為(ダフヤ行為)の禁止)
第二条 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関 を利用し得る権利を証する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽 施設を利用し得る権利を証する物(以下「乗車券等」という。)を 不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に 交付するため、乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、 興行場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。 以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、 航空機その他の公共の乗物(以下「公共の乗物」という。)において、 買い、又はうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラその他の 文書図画を配り、若しくは公衆の列に加わつて買おうとしてはならな い。
2 何人も、転売する目的で得た乗車券等を、公共の場所又は公共の 乗物において、不特定の者に、売り、又はうろつき、人につきまとい、 人に呼び掛け、ビラその他の文書図画を配り、若しくは乗車券等を展 示して売ろうとしてはならない。

 ◇第74回米アカデミー賞◇ 

去る3月24日(日本時間25日)に、アメリカのアカデミー賞の授賞式が行われました。
主演男優賞と女優賞をともに、史上初めて黒人が獲得したことが話題になりましたが、 今でも、黒人、白人という区別があるということでしょうか。
アメリカはさまざまな人種、民族が同居しているので、 いちがいに差別ということではなくて、 アイデンティティ、違いを認めるということかもしれませんが、
同時多発テロが起こるとアラブ系米国人が迫害されるとか、 脳天気に「単一民族」だなどと言える日本と比べて、 難しい問題を抱えていることは確かなようにも思います。

作品賞は、「ビューティフル・マインド」。現在上映中ですが、見ていません。
「ロード・オブ・ザ・リング」も、撮影賞、作曲賞など4部門を獲得しました。
以前ご紹介した「シュレック」は、新設の長編アニメ賞の第1回受賞です。

お便り、ご意見は、 Eメールでどうぞ

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