◇感動のライブ・ビデオ「Down From the Mountain」◇
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2000年に製作された映画「オー・ブラザーズ!」のサントラ盤
(アマゾンのHP)
がアメリカでヒットしています。
そして、そのサントラ盤で演奏したアーティストたちが、
ナシュビルのライマン公会堂で2000年5月24日に演奏会を開きました。
その時の様子が
「Down From the Mountain」というビデオ
になって出ています。
リハーサルの様子、控室での様子なども含めて映されているのですが、
その1年後くらいに亡くなるジョン・ハートフォードの姿が痛ましい。
「非ホジキン性リンパ腫との21年に及ぶ闘病の末」(ムーンシャイナー誌2001年7月号)
63才で亡くなったといいますが、ビデオの映像では、相当やつれて見えます。
それがステージでは、司会を務めながら、実に美しくもリズミカルなフィドルを聞かせてくれるのですよ。
胸がジーーンと、思わず涙が…。
映画が1930年代を舞台にしている関係もあって、
このビデオで演奏されているのは、アメリカのいわゆるルーツ音楽。
出演者たちは、音楽を通して、
みずからのアイデンティティを表現しているようにみえます。
「オー・ブラザーズ!」のサントラ盤のヒットも、
アメリカ人が、音楽のなかにアイデンティティを感じているからではないでしょうか。
そして今年は、この手の音楽がレコードという商品になるうえで、
記念すべき年に当たります。
カーター・ファミリーとか、ジミー・ロジャースなど、
現在のカントリー・ミュージックのルーツになるアーティストの初録音が、
ブリストルという町で、行われてから75周年なのだそうです。
(ムーンシャイナー誌2002年6月号)
ブリストルという町は、アパラチアの山間部、
ヴァージニア州とテネシー州の境にあるそうです。
この辺りには、
300年くらい前のアイルランドやスコットランドの音楽が伝わっていて、
それら白人のルーツ音楽が、アフリカ音楽の影響を受けた独自の音楽が残っていた。
そして、その音楽が、日常生活のなかで、演奏されていたのです。
そのような音楽が、商品化できることが分かって、1927年、
ブリストルの町の仮設スタジオで歴史的な録音がされたのです。
ところで、カーター・ファミリーの「Keep On The Suuny Side (陽気に行こう)」
をお手本に、
ギター・ワークショップ、第5回
です。
この曲は、
「オー・ブラザーズ!」のサントラ盤でも、
「Down From the Mountain」でも、歌われています。
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NIMBY(ニンビ)という言葉を知っていますか。
Not In My Back Yard (私の裏庭は駄目よ)の頭文字をとったもので、
ゴミ処理工場など、いわゆる迷惑施設に対して、
作ることは必要かもしれないが、私の近隣地域に作ることには反対だ、
という住民感情をいうものだそうです。
「百年の愚行」という本(写真集)
(アマゾンのHP)
を見ると、
自分の裏庭だけはきれいにと考えている間に、
この地球は、見えないところで、すっかり汚れてしまった、
いやわれわれが汚してしまったことを、
いやというほど思い知らされます。
6月1日付け中日新聞のコラム「中日春秋」
を読んで買いました。
環境問題だけではありません。
戦争、難民、アパルトヘイト、
目を背けたくなる写真ばかり、
とても正視できないのですが、
それでもお薦めします。
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