れいめい塾広告|2001年

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「25時」


2001年2月25日号

 来年の4月から新指導要領がスタートする。俺達の世代にとってはお馴染みのユーミンこと松任谷由美が教科書初登場。春をテーマに「春よ来い」で教科書常連の谷川俊太郎「春に」に挑む。二編の詩の競演から生徒達にディベイトさせる狙いか。その心意気や良し。しかし理科では物理分野の計算問題がほとんど姿を消す。地理に至っては日本全県ではなく2〜3県をピックアップ(この地区で使用されている帝国書院だと山形県・福岡県・東京都)し、それらの県と三重県だけを履修する。世界地理も同様、アメリカ合衆国とドイツと中国の3ケ国だけの履修となる。円周率=3以上の地殻変動が起ころうとしている。今回の新指導要領、今までの標準(スタンダード)からミニマム・リクワイアメント(最低限の要求基準)へと大変革を遂げた。従来の達成目標から最低ノルマへの変更である。教師サイドとしては、これまで指導要領からの逸脱は御法度だったが、これからは逆に逸脱が要求されるという180度の変更。すなわち現場の教師達の力量が問われることになる。
 新指導要領とともに世間の衆目を集めたのが国際教育到達度評価学会(IEA)の調査。各国との比較において日本の成績は現状維持なれど、理科や数学嫌いの生徒が増えたとの報告。そんな枝葉末節なことより俺の興味を引いたこと、学校外での勉強時間が非常に少なく調査国中の最低レベルだという事実だ。「ゆとりの教育」が初登場した1976年度教育課程審議会答申の頃とは時代背景が激変している。20年もの長期にわたる「ゆとりの教育」のアナウンスが、子供達や大人達に「勉強しなくていい」という錯覚を与えたわけだ。つまりは「ゆとり」が「ゆるみ」に堕しちまった。勉強は嫌いだ、だからしない! この思考パターン、最近の少年犯罪に相通じるものがある。オマエなんか嫌いだ、だから殺す!ってな。
 「なぜ人を殺してはいけないの」という質問に戸惑う大人達と同様、「なぜ勉強しなくちゃならないの」という質問にも明確な回答が出せない大人達。「いい高校へ行って、いい大学から一流企業に入る。後は一生安泰」なんて、高度経済成長期の錆び付いたお題目を唱えていても説得力がない。エリートコースを歩んだはずの政府高官による汚職や一流企業の倒産など、テレビや新聞が日々喧伝している現実がそこにあるからだ。つまりは理想的な人生設計のモデルの喪失。しかし新しい時代の新しいモデルを子供達に提示できないままでいる。
  教育は投資、将来の自己に対する投資である。このシンプルなことが理解されていない。やもすれば手段、いい高校へ、いい大学へ入るための手段としか扱われていない。教育は戦略ではない。橋本が全統模試数学で高田U類でトップを取った。あげく物理・化学も好きという典型的な理系。当然2年時の選択は物理で決まりかと思いきや、「僕は小さい時から植物や動物が好きやから」と生物選択に心が傾く。俺は岡田節人京都大学名誉教授の「生物学個人授業」という本を貸してやり「この本読んで胸がワクワクしたら生物取れよ」とアドバイス。そして本嫌いの橋本は恋人に巡り会う。「オマエの物理の才能惜しいけど、好きな勉強することが最優先やろ」と生物を勧めることに。しかし急転直下、橋本は物理選択。理由を聞けば先生から「生物はオマエに向かん」と言われたとか。学問て向く向かへんでやるんか? 教育は戦略じゃねえ。橋本には塾で生物を教えるつもりだ。さらにやっかいなのは進学校の地学や地理の教師達。「地学はいいよ、覚えることが少ないから。受験に有利だ」「理系ならね、地理にしときなさい。日本史や世界史に比べて楽だから」馬鹿野郎である。地学の教師ならば地学を熱く語れよ。「地学は受験には不利だけど、病弊する地球を救うために絶対に地学を専攻しろ!」くらいの気迫を吐き散らせ。自分が地理という学問を一生の伴侶に選んだ青春期の熱さを語れよ。勉強するってことはどこかに埋もれているはずの自己の才能を磨き続けることだ。始めっから楽な道を教えるんじゃねえ! 教育現場には教育を熱く語れない馬鹿が多すぎる。これこそが子供達を不幸にしている元凶なのだ。

 去年からウチの塾が始めた実験・・・大人達が自分の仕事を熱く語る授業。最初のゲストは大学時代の飲み友達のノッチン(大阪工業大学工学部教授)。熱かった。大学の大教室ではなく、狭いウチの教室、オーディエンスは高校生を中心に20名ほど。そんな中で絶品のライブを見せてくれた。「安心の社会から信頼の社会へ日本が激変してるねん。会社の名前に安心してたらアカン。Y印の製品買いたいか? M菱の車に乗りたいか? これからは会社やなくて個人を信頼する社会になるんや。会社は守ってくれへんで。土木の分野でも斬新な建築物を造ったのは今までやったら〜建設や、〜組て言うてたけど今じゃ〜さんの設計となる。設計の注文は会社じゃなくて設計者個人にいくんや。じゃあ、人から信頼を勝ち取るためにはどうする? 自分の仕事の技術を磨かなアカンよな。大学は自分の技術を磨くとこなんや。困ったことに何をするとこか分からんままに大学に入ってくる生徒が多すぎるんやな」 
 熱い気持ちで仕事をやってる大人達はテレビや新聞で扱われないだけで、たくさんいる。普通に生活していながらも熱い大人の存在、それを高校生達は知らない。ほとんどの高校生達が大人になりたくないという・・・今のままが楽だから、今のままが居心地いいから。最悪である。なんで大人になりたくないんや。魅力ある仕事を見つける努力をするべきやん。自分にしかできへん仕事、やりがいのある仕事って絶対にある。その指針として、生き生きと仕事してる大人達を見るべきなんや。魅力ある大人って、よおけおるねんで! 
 俺達大人が子供に果たすべき義務・・・世間にはいろんな仕事があること、いろんな魅力ある大人がいること、大人になるってことはそう捨てたもんじゃないってことを教えてやることだ。これは義務であるのと同時に愛やと思う。つまりやな、クサイ台詞やけど、子供達に愛を伝えたいんや。
 この企画はその一環、これからも続々と俺の好きな大人達、魅力ある仕事師が登場してくれる予定。ノッチンの求道的な教育理想論に続き、次に登場するのは高校現場で現実路線を疾走する欣一郎(鈴鹿高校教諭)。あえて対極に位置する二人に登場願うことで、高校生達に多角的な面から教育の本質を考えてほしいと切に願う。なぜ勉強するのか? 親が言うから、ガッコの先生が言うから、塾先が言うから勉強する? 甘えるんじゃねえ! 自分のために、将来の何かに熱くなれる自分になるために勉強するんだ!
 それに加えて今年の冒険、1年間「国会をウオッチングする」。高校時代の同級生、参議院議員の高橋千秋の協力を得て、1年生議員の初々しい視線を通して語られる国会リポートを題材に俺が生徒に政治を熱く語る。今、何が問題で日本はどこへ行こうとしているのか? さしあたっては農地法改正法案に見られる日本の農業の現状。高齢化社会や年金制度への不安が取りざたされてはいるが、農業の方が遙かにリスキーなんじゃないか。
 教育であれ政治であれ、俺は子供達に等身大の大人の世界を伝えたい。マスコミが伝える異端で歪な大人の世界ではなく、どこにでもある等身大の大人の世界を。大人もまだまだ捨てたもんじゃないな!そう思わせる機会を与えることで、今の自分と将来の自分が太い一本のベクトルで繋がっていることを伝えたい。旧通産省がアントレプレナー(起業家教育)を大学で押し進めようとしていたが、自分の偏差値との馴れ合いで大学入学を果たした学生にはどだい無理な話。夢を育まない奴に何が期待できる! 

大人達よ、仕事を語れ! 夢を語れ! 
そして子供達よ、夢を育め! 大志を抱け!

追伸
 「大人達が自分の仕事を熱く語る」のこれからのゲストとしてはギタリスト・ネット系企業社長・医師・新聞記者などを予定している。でも俺の貧困な人脈ではすぐに尽きちまう。だからSOS! 仕事を熱く語る大人を大募集! ギャラは貧乏な塾ゆえに多くは出されへん。講義の後の飲み代で勘弁していただければありがたい。聴講希望者も塾外生OK。この企画、俺が末席をけがすNPO・教育支援教会の活動の一環としてもやっているので一般参加は大歓迎。「塾に入れよ」なんてセコイこと一切なし、俺の美意識が許さんわい! これからの予定はウチの塾のホームページ
http://www.ztv.ne.jp/reimei に掲示する。
 また、去年の広告で書いたバリアフリーは徐々にだが浸透してきている。中1の山本・岡・五端はこの春より中3数学に。小学生の悠志は50文もの自己紹介スピーチを英語で話せるようになった。中2で英検準2級を受ける真歩は高校生との授業に突入する。こんないろんな実験をする俺を、ハラハラしながらも腕白な末っ子のように暖かく見守ってくれているご父兄の方々。中1&2の中間期末の塾生平均はなんとか420点をキープしました。余勢を駆って今年は430点叩いて、他にもいろいろやらかします。冷や汗かかせます。覚悟していてください。

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