春・春・春
漢詩をよむ。これは割に解り易い詩です。 | ........「両人対酌山花開 ..........一盃一盃後一盃 ..........我酔欲眠卿且去 ..........明朝有意抱琴来」 | 李白( 701〜762)、杜甫と並ぶ盛唐の代表詩人。杜甫は詩聖と云われ、李白は飄々とした詩風から詩仙と称されています。 李白は生涯をかけて、中国の各地を実によく歩いており、それぞれの土地において、たくさんの詩をつくっています。また、酒を愛し、山を愛し、月を愛しました。伝説では、酔っ払って船に乗っている時に、水面に映る月を捕まえようとして溺死したと言われています。杜甫とは親しく親交し、阿倍仲麻呂とも親交があったようです。阿倍仲麻呂(698〜770)は奈良時代の遣唐留学生です。唐で科挙(官吏任官試験)に合格し、高官に登ったのですが、日本へは度々の遭難で、ついに帰国を果たせませんでした。中国名を朝衡といいます。 |
......... | その読み方は 「りょうじん たいしゃく して さんか(山花)ひらく いっぱい いっぱい また(後)いっぱい われようて ねむらんとほっす きみ(卿)しばらく(且)かえれ(去) みょうちょう い(意)あらば きん(琴)を いだいてきたれ」 |
その意味は 「花が一杯さいている山の中で、二人が酒をくみかわしている。気持ちよく酔いがまわって、うとうとと眠くなってきた。 君しばらく帰ってくれないか。そうだ、気が向いたら明日の朝、琴を持ってもう一度きてくれ。 又、飲もうじゃないか。」 細かくはわかりませんが、それに飲める方でもないので、でも「一盃一盃後一盃」この気分わかります。 とても好きな七言絶句です。実にさっぱりしたいい詩ですね。親友相手だからこそ、心おきなく酌み交わす酒、たまらない気がします。 |
新体詩をよむ | 「レモン哀歌」 そんなにもあなたはレモンを待つてゐた かなしく白くあかるい死の床《とこ》で わたしの手からとつた一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ トパアズいろの香気が立つ その数滴の天のものなるレモンの汁は ぱつとあなたの意識を正常にした あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ わたしの手を握るあなたの力の健康さよ あなたの咽喉に嵐はあるが かういふ命の瀬戸ぎはに 智恵子はもとの智恵子となり 生涯の愛を一瞬にかたむけた それからひと時 昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして あなたの機関はそれなり止まつた 写真の前に挿した桜の花かげに すずしく光るレモンを今日も置かう | 高村光太郎(1883明治16〜1956昭和31)は彫刻家、詩人です。 青森県の委託を受けて、十和田湖畔に智恵子像が完成した直後肺結核が発病し、まるで自分の命を代償にしたかのように、彼は生涯を終えました。 40年以上にわたり一人の女性を愛し、その愛をうたい続けた彼の人生は、美しく賞賛に価するといえましょう。 |
心の童謡 | 「春よ来い」 春よ来い 早く来い あるきはじめたみいちゃんが 赤い鼻緒のじょじょはいて おんもへ出たいと待っている 春よ来い 早く来い おうちの前の 桃の木の 蕾もみんな ふくらんで はよ咲きたいと待っている |
作詩・相馬御風(1883-1950) 作曲・弘田竜太郎(1892-1982) 1923年(大正12年)に発表。ほのぼののとした情景の中に、春の到来を切望する雪国の人々の心が描かれています。御風は新潟県糸魚川市出身です。 |
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