春に採集する薬草



あまどころ


若芽3〜5月、花は5〜6月、地下茎は1年中採取、いずれも甘みがあり、おひたし、あえ物、天ぷらで、また、あまどころ酒として根茎をよく水洗いして刻み、乾燥して焼酎につけ込んで飲用、滋養強壮、老化防止に効、また根茎の粉末を酢でかためて患部に厚く張れば、打撲傷に効果ありといいます。


あんず


今はもっぱら果実加工品として重宝がられていますが、かっては薬用として栽培されていました。果実の中の種子(漢方薬名..杏仁)を他の生薬と配合して、煎じて服用します。解熱、鎮咳に。また果実でアンズ酒を作れば、疲労回復に効果があります。


いかりそう



写真はトキワイカリソウです。これは日本海側に多いとか、でも家にありました。花の形が錨に似ているので名付けられたようです。花の色には白、クリーム、淡紫色など。薬用部分は地上部の葉茎、日干しにして、細かく刻んで、イカリソウ酒を作ります。強壮・強精に効ありといいます。


かたくり


4月頃若い葉、茎、花のつぼみを採取しおひたし、和え物、天ぷらに可、鱗茎は5〜6月に採取、煮物ですね。この粉が《かたくり粉》で溶いて飲むと胃腸や下痢に効、また粉または練ったものは湿疹に効果あるようです。
「かたくりの 若芽摘まむとはだら雪 片岡野辺に けふ児等ぞ見ゆ」 若山牧水(歌人、1885年明治18年〜 1928年昭和3年、43歳の若さで亡くなりました) はだら雪とは斑雪(はだれゆき)ともいい、まばらに降った雪(淡雪、春雪、牡丹雪と同意語)、降るそばから消える雪をいいます。


つくし


つくしが3月頃、すぎなが4月頃見られます。昭和60年、銚子を舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説に《澪つくし》がありましたが、この意味は"船が港へ入る通路を示した杭"をいいます。つまり、棒のようなものから、すぎなの胞子茎(筆状で淡褐色、節にはかまとよぶ葉がつく)を《つくし》といいました。つくしは、おひたし、卵とじ、あえ物に、すぎなは、油いため、佃煮に、お茶にも。緑濃く成長したすぎな(夏が最盛期)を水洗いし、日干しにしたものを煎じて飲めば、扁桃炎、咳に、また亜鉛を含み味覚障害にも効ありといいます。
「土筆煮て飯食う夜の台所」 正岡子規(歌人、1867年慶応3年〜1902年明治35年、この方も35歳で亡くなられました)


たんぽぽ


葉や茎は3〜4月の開花前に、根は1年中採取できます。葉、茎はゆでて、サラダ、おひたし、あえ物に、花は酢の物に、根は煮物、きんぴらに、葉、茎、根にに薬効、便秘、解熱、いぼ、ぜんそくに、母乳の出をよくする効果も。それにいろいろなグループ等のなまえに使用され、役(薬)にたってますね。たんぽぽの会とか、ペンション、カフェ、エンターテイメントサイト、劇団等々限りなく使われています。なんとなく可憐で、その上、自己主張もあって、でしょうか。


ではまたおあいしましょう。......................................