秋・秋・秋




秋の歌......それぞれ秋を代表すると思える歌をあげてみました。
漢詩をよむ「己亥歳」

憑君莫話封侯事 一将功成万骨枯(前二節省略)
曹松(そうしょう)(848?~901?)
唐末期の詩人。
......... その読み方「きがいのとし」

「きみによる はなすことなか

ほうこうのこと

いっしょう こうなりて ばんこつかる」
その意味
「己亥歳」とは干支で云う879年に当る

「水郷の山も川も、すべて戦場と化して

人々は、もはや日常の生活を楽しむすべを失った。

君にお願いしたい。

どうか、論功行賞などの話をしないでほしい。

一人の将軍の功績の陰には、

万人の兵士の死と無駄な犠牲があるのだから。」(省略分を含む)
短歌をよむ「それとなく
郷里のことなど語り出でて
秋の夜に焼くもちのにほひかな」
石川啄木(1886明治19年〜1912明治45年)
享年26歳1ヶ月、短い生涯でした。
この歌は明治43年秋の作で
当時一家が間借りしていた東京での
故郷をなつかしんでのものでしょう。
俳句をよむ「荒海や佐渡に横たふ天の川」松尾芭蕉...1644年(寛永21年)〜1694年(元禄7年)
秋の情景を写実的に詠んだ句です。
読むだけでその景色が容易に想像されます。
季語の「天の川」を用いて、秋の季感を感じさせ、力強い感じがします。
.........「半分は人のあぶらが稲の露」 小林一茶...1763年(宝暦13年)〜1828年(文政10年)
江戸時代を代表する俳諧師の一人。本名・小林弥太郎
風土と共に生き、平易で素朴な語の運びが特徴です。
石川啄木松尾芭蕉小林一茶


秋に咲く花.......アロエ、おみなえし、河原撫子、菊、きょうちくとう、きんもくせい、葛、コスモス(秋咲き)、コルチカム、ごま、山茶花、サフラン、さるすべり、生姜、睡蓮、せんにちこう、すすき、せいたかあわだちそう、段菊、茶、月見草、つわぶき、唐辛子、とうがん、とりかぶと、ねりね、萩、ばら、パンジー、ひいらぎ、彼岸花、びわ、ふうせんかずら、ふじばかま、ふよう、ほととぎす、まつむしそう、やつで、ラベンダーセージ、りんどう、ローズマリー(2年目)、われもこう、等々(この時期 開花する庭木、草花、山野草、ハーブ等の一部を表示)

秋、花のギャラリー.....画像の右端をclickしてください。

”写真は私宅の庭から”.....................
秋の七草
「春の七草」がお粥として健康食に、こちらは秋の観賞花の代表格として奈良の昔からあったようです。萩の花、尾花(すすき)、葛花、なでしこの花、女郎花(おみなえし)、藤袴、朝がほの花(世にいう朝顔は平安期に伝来し桔梗といわれています。現在の桔梗は6月の終わり頃から咲きはじめる夏の花ようですがねぇ)
秋に採集する薬草..そのほんの一部を。.....画像の右端をclickしてください。

”写真は私宅の庭から”.....................
秋、旬の食材....... 季節を楽しみ、季節を食べよう。
秋を彩る 栗(栗入りおこわ、栗蒸し、栗の甘露煮)、ナスのみそ風味煮、おはぎとぼたもち、ぎんなん、月見団子、きのこ(しいたけ、まいたけ、しめじ。きくらげ、ひらたけ、えのき、なめこ等雑炊、炒め、鍋、八宝菜、和え物、煮物等)、玉ねぎ、ちんげんさい、さつまいも、さといも、じゃがいも等々
海、川からの旬の食材 あいなめ、 なんといっても さんま(秋刀魚)、さけ(東京築地の魚市場では、ソースやタレで、濃いめの味をつけて食べるのが正解という)、いわし、いくら、真さば、するめいか、はぜ、ブリは、「焼き物」「鍋物」「刺身」が定番ですが、大きめに切っての「ステーキ」、皮をはずし、少し薄めに切っての「てんぷら」、また、もっと薄く切って「しゃぶしゃぶ」なども美味しいです。ひらめ、いか、しばえび、等の 重ね焼き、しぐれ煮塩焼き等々
デザートには
いちじく、 ぶどう、りんご、なし、栗 があるよ。
秋、旬の食材のギャラリー その代表格をあげてみます。.....画像の右端をclickしてください。


伝統的な祝祭行事.......先人が今に伝えた季節折々の節目の大要をあげてみます。
秋、折々の節目
長月(ながつき)9月 二百十日、重陽の節句、秋分の日、十五夜、お月見、敬老の日、彼岸明け.....花--りんどう 誕生石--サファイア
神無月(かんなずき)10月 衣替え、共同募金、体育の日、運動会、読書週間..... 花--もみじ 誕生石--オパール、トルマリン
霜月(しもつき)11月 文化の日、立冬、火災予防運動、七五三、勤労感謝の日.....花--ざくろ 誕生石--トバーズ、シトリン
* 和風月名について
 旧暦(陰暦)では、和風月名(わふうげつめい)と呼ばれる月の呼び名を使用。和風月名は旧暦の季節や行事に合わせたもので、現在の暦(陽暦)でも使用されることがありますが、現在の季節感とは1〜2ヶ月ほどのずれがあります。 また、その由来には、いろいろな説がありますが、以下が有力のようです。
長月 夜長月...夜長い月
神無月 水無月同様、無は「の」を意味します。神を祭る月
霜月 霜の降る月
歳時のギャラリー その一部をあげてみます。.....画像の右端をclickしてください。

秋を彩る言葉や時候の挨拶
9月長月 、夜長月、月見月|新秋、初秋、秋色、秋晴れ
 ・秋意ほのかに動き ・秋の気配は次第に濃く ・ひと雨ごとに秋も深まり ・野山もにわかに秋色をおび・秋の夜長を楽しむ頃となり・秋立つ風もさわやかなこの頃

10月 神無月、紅葉月|紅葉・仲秋・秋冷、秋雨
 ・日増しに秋も深まり・木々の梢も色ずき ・天高く馬肥ゆるの候 ・味覚の秋と申します・燈火親しむ候・虫の音もいつしか衰え・裏山の木々も色ずいて

11月 霜月、菊月、雪待月|晩秋、薄葉、立冬、向寒
 ・菊薫る今日この頃 ・夕空に赤とんぼ飛びかい ・落葉風に舞う頃 ・行く秋の寂しさ身にしみる頃 ・虫の音もいつしか消え・吐く息も白くなり・晩秋とも覚えぬ小春日和
伝えたい 思い
だれしも自分に言い聞かせているいろいろな思いがあります。そのことが、そのまま、あなたに、とは思われませんが、まぁ老いの戯言と、お許しください。
この季節に思う.....画像の右端をclickしてください。

ではまたおあいしましょう。..................