魚拓ミニミニ図鑑


魚拓入門 ..(2)..もう一つの方法 「間接法魚拓」1/2について

岩 田 康 一..............
1.間接法魚拓とは
 みなさんが大物を釣り上げた時に記録を残しておくためにとる魚拓と違い、まず魚体に拓紙を貼りつけたあと絵の具や墨とかをタンポを使い紙に拓していきます。特長として、きめこまかくて女性的な感じに仕上がります。
ただし、一匹の魚拓を拓すのに慣れても30分以上かかるため根気のいる作業となります。(面倒くさがりの方、忙しい方には不向きかもしれません)

2.用具と材料について

@  (なんでもOKですので、家にあるものを使ってください)
A  (茶墨、青墨等いろいろありますが、私はどこにでもある安物の墨と青墨を魚の色により使い分けています)
B  (硬すぎない程度の平筆が使う色の数だけ必要ですから最低5本は用意してください)
C 絵の具皿(大が使いやすいでしょう)
D 絵の具(日本画用の絵の具を使います)
画材屋さんに行くと数種類おいてあり、メーカーにより微妙に色が違いますから好みのものを選ん でください。ちなみに私は老蘭のものを使っています。
最初は12色入りのものを買われるか、胡粉、黄、黄土、濃緑、群青、岱赭(たいしゃ)、赤くらいをそろえてください。
E 和紙(拓紙)
使いやすいものなら画仙紙、美濃和紙等なんでもよいのですが、基本的には薄手のもの、にじみの少ないもの、濡れても破れにくいものであることが条件です。ちなみに私は白雪という画仙紙を使っています。
あと、これは魚拓をとったあとのことですが、拓紙が薄いため裏打ちという作業をします。この裏打ち用の和紙も必要です。私は安物の美濃和紙を使っています。
F タンポ
これは売ってないので手作りです。
材料は輪ゴム、綿(青梅綿がベスト、脱脂綿とかはダメ)、布(シルク製で着物の裏地のモミがあれば最高)
作り方は前述のモミを正方形に切って、てるてる坊主を作る要領で綿を詰め輪ゴムでとめるだけです。大きさは直径5@〜3Bくらいまでを各種そろえてください。
G へら(際をとるときに絵の具がはみださないようにするために使います)
H 発泡スチロールの板
魚をしっかりと固定できればなんでもいいのですが、私はこれを魚の形にくりぬいて使用しています。
I 小物類(ピンセット、ドライヤー、霧吹き、スポンジ、タオル、ハサミ、カッター等)

3.実践
それでは実践に移りますが、間接法魚拓は、鱗がはっきりして、ひらぺったい魚が、初心者の方にはむいていると思われますので、今回はマダイを例にとってすすめていきます。
@ 魚の前処理
これは直接法(クリックいただくと直接法のページに飛びます)とかわりありませんから省略させていただきます。
ただし、魚を保存するのにホルマリン液に漬けておきますが、鱗のしっかりしていないようなもの(アマゴ、アユ、カレイ等)は、古くなると皮に皺がよってしまいます。わずかな皺でも間接法でとると、それがくっきりと浮きでてしまいますので、新鮮なうちに使用することをおすすめします。
またタイのように鱗がしっかりしている魚種でも、鮮度が悪くなると、それがはがれてきます。間接法でははがれた鱗の跡がそのまま出てしまい、厳に注意したいところです。
A 魚の置き方
間接法では紙の上から色をつけていきますから、出来上がりはそのままです。ですから直接法とは違い、魚を置いた向きで作品が出来上がりますから、わかりやすいですよね。
魚は直接法のときよりも、ぐらつかないようにしっかりと固定してください。そのため私は、発泡スチロールに魚の下半分を埋めるようにくりぬいています。
余分な水はしっかりと取ってください。これも直接法の場合よりもしっかりとです。特にエラ、口の中、鼻の穴、肛門は要注意です。エラの中にはティッシュを詰めておきます。

---ちょっと一休みして間接法魚拓の作品をご覧いただきましょう。---

画像をクリックいただくと鮮明になります。

B 拓紙を貼る
イルカをクリックしてください。間接法魚拓2/2へ進みます。



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