魚拓ミニミニ図鑑


(2) 間接法魚拓2/2


B 拓紙を貼る
魚に直接拓紙を貼ります。特に丸っこいのや大きな魚の時は皺になりやすいので気をつけてください。水だけではしっかりと貼れないので、普通の糊を水で薄めて魚に塗りその上から紙を置き霧吹きで紙を濡らせて密着させます。
間接法ではこの紙の置き方で作品の出来が大きく左右されますので、気をつけてください。
きれいに貼れたらドライヤーで乾かします。この時の乾かせ具合もポイントです。完全に乾かすとかたいイメージの魚拓になってしまいます。例えばアジの開きのような干物とか固形物を拓すときには、わざとそうします。一般的な魚の魚拓をとるときには、若干しめった状態を保つようにしてください。べたべたの状態では絵の具がにじんでしまいますので念のため。
C 絵の具の準備
拓す魚によって使用する絵の具の準備をします。絵の具を菊皿(菊の花のような形をした皿、いくつもの絵の具を置くことが出来る)にとって、これを水で薄めて絵の具皿いっぱいに薄くのばします。絵の具は基本的には原色を塗り重ねて作品にしますので最低でも5皿くらいは必要になります。これは皿の上で色を作ってから紙に乗せていくと深い味わいのある感じが出せないからです。
今回はマダイを例にとって話しを進めていきますので、次ぎの皿を作ります。
実際にはこの順番で色を乗せていきます。
1) 胡粉+群青少々(多くの魚の下地になるもので、ほとんどの場合使います)
2) 黄土
3) 朱
4) 胡粉+群青
5) 紫
6) 赤
7) 墨(絵の具の黒ではなく墨を使います)

画像をクリックいただくと鮮明になります。今回は、D着色についての参考にしてください。


D 着色
タンポに準備した1)の絵の具をしみ込ませたあと別の紙に空打ちし安定したら拓紙に打っていきます。基本は頭から尾へ連続していきます。間隔があくとむらになるので注意してください。これは下地になりますので魚全体に打ちますが、魚拓の基本である背中は濃く腹部にいくにしたがって薄くを守ってください。
次に新しいタンポに換えて2)の絵の具をつけ、頭から側線の少し下あたりまで打っていきます。これも背中ほど濃くしていきます。
3)の絵の具はマダイを見て赤い色のところを打っていきます。
4)の絵の具は目の後ろおよび体側のコバルトブルーの斑点です。斑点は紙に穴をあけ紙の上からタンポで押さえていきます。
5)の絵の具は頭部および背鰭など強調するとこるに打ちます。
6)の絵の具は胸鰭、尾鰭などに打ちます。
7)の絵の具は全体、特に頭部、背部に打って全体をしめます。
目は色をつけないように気をつけてください。
E 紙をはがす
ここで紙が破れてしまっては今までの苦労が・・・・気をつけてください。
糊が薄ければそのままはがせますが、無理な時には霧吹きで紙を濡らしてからはがします。ただこの時、絵の具がしっかりと乾いていないと、せっかくの作品がにじんでしまいますので、ドライヤーで完全に乾かしたあとで霧を吹いてください。
F 目を入れる
魚拓で筆を使うのはここだけです。
間接法はきめこまかいので目もしっかりと細かく書いたほうが合うみたいです。
筆は各自好みのものを使っていただければいいのですが、私は面相筆を使っています。また目は基本的に墨で書きますが、ポイントとして魚拓に使った色を加えると自然な感じに仕上がると思います。
G 裏打ち
完成後数日して完全に乾いてから行います。

だいたいこんな感じで出来上がりですね。
使用する色は魚によって当然違います。今回のマダイにしても 私がやっている方法を述べさせていただきましたが、これがすべてではありません。色使いは個人個人で違うものですので、みなさんが試行錯誤していただければと思います。
 

 

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