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断食日記

2005年6月 断食ニ週目



20日、絶食5日目を迎える。
今日は少々しんどい。身体が重い気がする。今日出すはずの燃えるゴミも先日、塾から家に持ち帰り奥さんにダッコの体制に入っている。
家から塾へ出向くと隼人も小林(ともに浪人)もいない。甚ちゃんだけが黙々と勉強している。確か昨日は試験だったはずだ。遂に来週の日曜日がオーラス・・・地方公務員上級試験・・・倍率80倍がやってくる。

まずは高校からの帰りに塾に寄ったゆかり(津高)が初歩レベル1〜800の試験に臨むものの、完成度はまだまだ。

この日の二番手は由子。古い塾への移動を賭け、801〜1500の試験を受ける。この試験は通常の試験とは違って、英単語がニューリアルで180個並んでいる。これを1単語3秒以内で日本語訳を言う試験、3秒なら180個で9分で終了する。これを10分以内で言えるようになると、昨今の膨大なセンター試験も時間内に解ける。事実、この形式の試験をクリアした愛と龍神はセンター試験まで1年を残して、今年のセンター試験で170点以上叩いている。試験終了後のコメントは揃いも揃って同じ、「予想していたよりも時間が余ってしまって」
さて、由子の試験結果は・・・まだまだ旅の途中。正答率は7割弱、しかし単語の意味が瞬間的に出てこない。

16日、絶食6日目。朝、壮司のお母さんから電話。塾を二日休んでいる壮司、何事かと思ったら風邪を引いているとか。昨夜、塾を休むという連絡があったときに、明日も学校を休むならば俺が教えに行くからと言ったわけだが、結局は壮司は今日も休むとかで俺が出張授業に出向くことに。
お母さんがブリーダーということもあるのだろうが、犬が室内にもいて庭で飼っている犬と連動しあって騒がしいことこの上ない。2階の壮司の部屋で教えるものの、なかなか鳴きやまない。「お客さんが来ると、いつだってこんなんか?」と尋ねると、壮司曰く「いつも鳴くには鳴くんですが、今日みたいなことは滅多にありませんね」 俺の何が悪いねん!
この話を冗談まがいに奥さんにすると、深刻に考えて「やっぱり匂いかな・・・頼むから、今日こそは風呂に入って!」

今夜の高3の試験希望者は、由子(残念ながら今一歩の出来)、あゆみ(やる気は買えるがお楽しみはこれからやな)、小林(浪人ゆえに当たり前なんやけど、今までの小林を知ってる奴なら歓喜の涙の出来)のたった三人だけ。ゆかりと荒井と沙耶加の津高三人組、来週実施の津高の実力試験のほうが大切なんやろね。岡田も期末試験あるしね。

だから、オマエらは揃いも揃って、いつまでたっても勉強、できへんねん!
斎藤を見ろ!
立命館・同志社・早稲田と落ちて、第一志望の北海道大学発表の前には、就職覚悟で親戚の大工屋さんで働いていた。
合格発表前日には祥宜と清原(8期生)がメッチャくらい斎藤連れて漆黒のなか、美杉の川上神社まで連れてったわい。
翌日、俺が斎藤を車に乗せて、北海道大学合格を津高に報告に行ったときはあの馬鹿、地下足袋履いて上から下まで大工姿やったわい!

大学に落ちても両親が浪人くらいはさせるだろ・・・だって、俺って津高生やもん、ってか?・・・きもい!ヘドが出る! そんな馬鹿相手に俺は断食やってんの! 俺はヒマないねん。ひたむきに第一志望の高校入試合格を目指して頑張ってる中3の面倒みやなアカンねん。アホの相手、してる暇ないねん。そこんとこ、分かってんのかな。

壮司のお母さんから貰ったボスの缶コーヒー1本とウーロン茶、深夜になりチーズ2きれ、ついつい酒を過ごす。

23日、絶食7日目である。昨日の日付が16日となっている。文章にも乱れが見える。そろそろ第一期症候群のおでましかな。
6年前も1週間目あたりに一つ目の山が来た。身体はだるく、頭がまわらなかった。今回は翌日がきつかったが、2日目以降平穏無事な日々が続いた。ここまでは出来すぎ・・・そろそろ来よるな。
ところが今夜は鳥羽の先生プロデュースのライブが伊勢である。これには前々からの約束でどうしても出席しなければならない。ここ数ヶ月、苦労をかけた奥さんへのねぎらいの意味もあり、塾を留守にして二人して伊勢へ。

午後5時に伊勢市駅に到着、奥さんと御園にある『柚子』を目指して歩く。小1時間ほどで到着、店の中ではセッティングが始まっている。今夜は和風料亭で舌鼓を打ちながら二胡の演奏を楽しむという集い。そしてこれをプロデュースしたのが鳥羽の先生、開催決定とともに参加者第一号になった次第。
鳥羽の先生、ギターを武器に二胡を演奏する大塚さんと『風雲』というユニットを結成。二胡奏者として名高い剣山啓介氏の前座を努める。

店に入ると同時に酢の匂いが俺の鼻を刺激する。寿司か・・・。絶食中とはいえ、このような状況では絶食は今夜だけは中止。指定された席に座りビールを注文する。そこへかつおの叩きと巻き寿司とサバ寿司が運ばれてきた。

座席も工夫がこらしてあり、俺の前には鵜方の音楽シーンの名所でもある飲み屋『うらら』のママが座った。「先生、久しぶり。れいちゃんとめいちゃんは元気ですか」「ええ、生意気ではありますけど」
かつて『うらら』主催でキャンプ場『エヴァ・グリーン』でライブが開催されたとき、俺の双子の娘たちは飛び入り参加、双子デュオで熱唱しては喝さいを受けていた。

午後7時30分、鳥羽の先生、地元のみんなからはシンちゃんと呼ばれている。シンちゃんが柄にもなく上ずった声で開会を宣言する。みかねたか、代わって挨拶した『柚子』のマスターのほうがしっかりしとるわ。
シンちゃんと女性の二胡奏者の大塚さん、2曲演奏して終了。こと選曲に関しては大塚さん主導とは言え、まさかシンちゃんがかぐや姫の「僕の胸でお休み」を弾くとは思わんかったね。これだけでも久居から来た甲斐があった。
続いてトリの剣山啓介さんの登場。さすが噂に聞いていただけはある、二胡や胡弓などが奏でるうえで向いている曲というのがあると思うが、それを見事に裏切ってくれる選曲だった。当然にして泣かせる異国情緒たっぷりの曲も交え、アップテンポの映画音楽で冒険してみせる。さすがに志摩地区の音楽シーンの第一人者だけのことはある。
シンちゃんの冒頭の挨拶にもあったが、ギターを始めとして楽器のオールラウンドプレイヤーだった剣山さんが二胡に出会い、その魅力に惚れこんだのは三年前。それ以来、ずっと二胡に魅入られっぱなして研鑚の日々を過ごしてきたという。そんな剣山さんの切なる願い・・・志摩地方を二胡の名所にすることだとか。

読売新聞に勤務いているコウキ君も大阪から襲来。豊の葬式の時以来だ。通夜の夜、俺はサンケイスポーツに勤務する6期生の智博を紹介した。記者に憧れながらもレイアウトを担当、そろそろ心が倦み始めてきているように感じたからだ。
「前に会った生徒さん、サンスポの・・・」「ああ、智博です」「元気でやってますかね、また連絡でもあるかなと思ってたけどなかったから」「すんません、俺の教育が悪かったな」「いやいや、元気やったいいんですよ」「またご厄介かけるかもしれへんけど、よろしく頼みます」

智博!お礼の連絡なり、近況報告なり、全方位外交で人間関係に対処しとかんかい。

絶食8日目、というか昨日の夜に食ったからな。
由子が一挙にまくし立てるように試験に臨んでくる。そろそろ合格させてもいいか・・・しかしこ奴の志望大学は関西外語、英語と国語の二教科入試で偏差値は60を越える。国語が苦手な以上、生半可な英語では勝負できない。荒井や沙耶加などは三重大学あたりで落ち着くだろうから、そこそこのレベルで合格させてもいい。しかし由子の場合は厳しくしすぎても厳しすぎるということはあるまい。
あゆみが毎晩試験に臨むものの、依然として合格にはほど遠い。しかし少しずつではあるが英単語の守備範囲を広げている。果たして粘れ切れることができるのか・・・俺が救急車に乗せられるまでには合格していただけるのだろうか。

そして絶食9日目にして初の合格者だ出た。
いったん勢いがつくと英単語はみるみる記憶していくことができる。遂に由子、合格! 始めた頃は高校中心の勉強がたたり、高1レベルの英単語すらおぼつかなかった由子だったが、この2週間ほどは全てを英単語に捧げてきた。一足早く合格して古い塾に移っていた千紗と同じ試験で、由子はミス27、千紗は43。古い塾に移った千紗は、合格したことをいいことに日々のフットワークを怠っていたことは明白。由子の古い塾への移動とは反対に千紗は新しい塾へカンバック。
岡田も一挙に3枚の試験に臨みテンションは上がってきたようだ。だが受験勉強に入ったばかりの岡田、シビアに言えばまだまだバケツに入った水をマッチ棒でかきまわすレベルなのだ。

ついに絶食後二桁、10日目を迎える。
この日、あゆみ・ゆかり・沙耶加と連続して初歩レベルの全く同じ試験。3人とも合格するレベルではなかったものの、この試験でとうとうあゆみが沙耶加を抜かした。四月以降の黙々と英単語を眺める日々の辛さ、多少は癒されたかな。一方、沙耶加は去年以降『今度こそ英単語を覚えますから』と古西や俺に何度も公言してきてはいたものの、クラブ活動を始めとする言い訳の前に公約を果たせないでいた。そんな沙耶加、今回の俺の身体をかけたイベントを持ってしても状況にさしたる変化を感じられない。こりゃ長丁場や・・・。

夜には大西君が奈良から来訪、寝過ごしてしまったとかで午後8時に久居到着。「すいませんでした」と言いながら車に乗り込んでくる大西君、今週は調子が良いようだ。薬を多用しているため、日によっては60歳のお年寄りかと見まがうばかりの動作で助手席に座るときもある。
「先生、今週は何かありましたか」「ああ、絶食がまだ続いている。ついに60kgを切っちまったよ」「そりゃ大変や、どのくらいで食べれるようになるんですか」「それは俺が聞きたいよ」

俺が高3の英単語の試験で追われているのに気をきかしてくれたのか、中3にバブル経済について説明してくれている。各種試験で経済学の勉強していた甚ちゃん、俺なんかより詳しく教えてる。問題はそれを聞く生徒側やな。そんな甚ちゃん、午後11時過ぎに帰っていった。明日の日曜日、津高で三重県地方公務員上級試験が行われる。先月の裁判官事務官に始まり、防衛庁二種・国家公務員二種と続いて、ついに明日の試験が一次試験のオーラス。採用人員6名、倍率は80倍。

絶食を始めて以来初めて便が出なかった。ここいらから第2ステージに入っていく。便通がないのが一番辛い。経験則としては酒を普段より多く飲む、これに限る。コンビニで氷を買い込み、森下にはビールを買い込み塾に戻って酒盛りの開始だ。明日試験があるのは甚ちゃんだけではなく、斎藤もまた銀行業務の試験勉強、朝から塾に陣取ってはしている。「斎藤も飲むか?」と声をかけると、瞬時ためらい「アイスコーヒーで宜しく」 身体が疲れているはずの大西君もウーロン茶で付き合ってくれる。「今日やった問題は東海大学なんですけどね、文章が読みやすくて怖い問題。読みやすさで問題をなめてかかって先入観で解く輩は落とすんですよ、な!隼人」「はいはい、申し訳ありませんでした」と隼人。「となると愛も・・・」と俺。「そうそう、愛も撃沈。難しい問題になると繊細に解くくせに、易しい問題になると愛特有の先入観が出てくる」 森下が「あ、思い出した」と言いつつバッグからビデオを取り出す。これを観とくように教授から言われてたんや」 ホワイトボードを動かしテレビとビデオデッキの電源を入れる。「観ていい?」事後承諾である。「何の映画?」「知らん、タイトルは『エレファント』やって」「『エレファント』?『エレファントマン』やったら知ってるよ」「僕も知ってるよ、それじゃない。だけど聞いた話ではムーア監督の高校乱射事件の・・・」「コロンバス高校か」「そうそう、あれのドキュメンタリー的な映画らしいよ」
甚ちゃんが去った後、ムービシアターに様変わり。生徒は隼人とれい(高田U類)だけ。「おまえもついでに観ときなよ」と勉強しているれいを誘う。「だって期末の勉強が・・・」 れいは週明けの月曜日から期末試験だ、今もその勉強だろう。「いいよいいよ、期末の勉強なんて。今は映画でも観て国語力を上げる努力をすべきやろ。こんな時は話の分かる父親さ」 れいがテレビの前に座った。斎藤が「じゃあ、俺は向こうで寝るから」と、折りたたみのベッドを持って隣りの教室へ。その手にはマンガ本が数冊・・・「おまえ、明日試験なんやろ」と俺。「これは枕代わりや」と斎藤。
大西君も身体が悲鳴を上げ始めたんだろう、スラム街のベッドに這いずりこむ。残されたれいと隼人と森下と俺、コロンバス高校でライフル銃乱射事件を演じた二人の高校生の軌跡に目を注ぐ。

11日目は日曜日である。
中3のお母さん、息子を塾に迎えに来られて「先生、少し痩せましたよね。うらやましいわ。でも中3もいますから身体のほう、くれぐれも気をつけてくださいよ」とコーション・・・まだイエローカードまではいかないようだ。教室に入ると中3の一人が袋を差し出す。「先生、これお母さんが先生に渡せって」 中にはポカリスエット6本。

日曜日は午前10時から森下が英作文の授業。高2中心だが、東大志望の愛が加わる。森下の授業は昨夜の映画を受けての授業。アメリカの銃規制から始まり、テレビが子供達に与える影響など・・・あるテーマを与えられるや10分間で自分の所見をひたすら英文で書く。極力ペンを止めてはいけない。頭に浮かんだフレーズを瞬時に英語に翻訳する、究極的には浮かぶフレーズそのものが英文で浮かぶように、・・・ただひたすら書く。

試験が翌日の月曜日から始まることもあり塾の中は喧騒、最近入った生徒が要領を得ずに「私はどこに座ったらいいんですか」 午前9時あたりから生徒が姿を見せ席が埋まっていく。そりゃ午後から来たアンタがとろいよ。
ベッドで寝ていた大西君、多分熟睡できなかったのか。午後3時から始まった現代文読解、これまた大西君のお気に入り、成城大学の問題を生徒が解く間、机に顔を埋めて眠りこけている。

奥さんが大阪から戻る。奥さんのお母さん、少々体調を崩したこともあり金曜日から大阪の実家に帰っていたのだ。おみやげは『会津屋』のたこやき・・・、甘いタレがかかっていなくとも、冷めても味は落ちない。この『会津屋』の魅力の前に俺は屈服・・・ついつい6個口に入れちまう。

 第三週へ続く

2005年1月 1章
2005年1月 2章
2005年1月 3章

2005年6月1週
2005年6月断食2週
2005年6月断食3週
2005年7月断食4週
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