2004年12月05日

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  ザ・サークルのギター弾き「ムラさん」から、 日頃お世話になっている「みなさん」へのお便りです。 ホーム・ページでは十分に伝えられないザ・サークルの近況や、 文化情報、私の雑感などを、随時お知らせします。
メイルでも配布していますので、必要な方はお知らせください。次回からお送りします。
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 米国の大統領選挙は、 丁度祝日に当たっていて、 NHKでは終日開票速報をやっていたのにはびっくり。

ブッシュが再選されましたが、 宗教や道徳が決め手になったようです。 前号「同性婚と鉄腕アトム」で、 マサチューセッツ州で同性婚が認められたことを取り上げましたが、 同性婚に反対する人が、ブッシュを支持したとも伝えられます。

世界の行方を決める大統領選挙でしたが、 当の米国人は、 米国がこんなに世界に影響を及ぼしていることを それほど意識していないようにも思われます。

米国に旅行した時、 ホテルで「USA Today」という新聞がサービスされました。 何と国際欄がないのですね。
同紙は、ウェッブサイトも提供 していて、 ここには、国際欄 もちゃんとあります。

ニュースソースがあるのに印刷しないということは、 新聞紙として購入する米国人は、 国際情勢に関心がないということなのでしょうね。

今回は、これから年末・年始にかけての 注目映画の情報です。

 ◇年末・年始にかけて、見てみたい映画◇ 

 特に映画ファンというわけでもないのですが、 近所にシネコンができたおかげで、 ここ数年、映画を見る機会は増えています。

最近見た映画、これから見たい映画をご紹介しましょう。

 今上映中の映画で、一番のお薦めは、 「隠し剣 鬼の爪」(公式サイト) ですね。

日本アカデミー賞で12部門の最優秀賞を受賞した 「たそがれ清兵衛」(2002)に続く、山田洋次の時代劇第2作です。 原作は藤沢周平、舞台は幕末の海坂藩、 まじめに生きる下級武士のひたむきな恋物語を背景に死闘が…、 と、ほとんど第1作と同様の設定。

早速見に行きましたが、新しい感動がありました。 「たそがれ」の真田広之と宮沢りえも良かったけど、 永瀬正敏と松たか子も良かったよ。 前作に比べて、ストーリーも画面も少し明るい印象です。

柳の下にどうじょうはいた、ということで、 是非ご覧になることをお薦めします。 暗闇に乗じて瞼をぬぐうためのハンカチの用意も忘れずに、…。

 「笑いの大学」(公式サイト)は、 三谷幸喜の代表作。 舞台では、西村雅彦と近藤芳正が演じていました。

02年9月16日号「三谷幸喜の新作『龍馬の妻とその夫と愛人』」で、 録画中継を見たのがきっかけで三谷幸喜ファンになったことをお話ししましたが、 それがこの二人の演じる「笑いの大学」でした。 1996年10月25日が初演だったそうで、 その前に、1994年11月のラジオ版もあるそうです。

登場人物は二人だけ、 幕が変わっても舞台は同じ、取調室のような部屋、 検閲を受けにきた劇団の脚本書きと、特高の検閲官との会話が延々と続くだけ、 という全く舞台向けとしか思えない作品が どのように映画になるのだろうか、 と興味津々で見に行きました。

検閲官は役所広司、座付作家はなんとSMAPの稲垣吾郎、 映画ですので、浅草や劇場の様子も映されますが、 この二人の会話によってストーリーが展開されるのは同じ、 役者さんのキャラの違いが 登場人物の性格を舞台とは少し違ったものにしているように感じました。 舞台をご存知の方、舞台とは違う魅力がありますよ。 舞台をご存じない方、 三谷幸喜の代表作を見るチャンスですよ。

笑いと涙の感動巨編?、是非楽しんでください。

 宮崎アニメからは、目を離す訳にはいきませんね。 最新作「ハウルの動く城」(公式サイト) も見に行きました。
実写以上に美しいと感じさせる街や風景、 精巧な空飛ぶ機械の魅力、 などなど、宮崎アニメの魅力満載ですが、 映画全体として語りかけてくるものに不足しているように感じました。 シーン間のつながりの緊密さに欠けているのではないでしょうか。

とは言っても宮崎アニメ、是非見ておくことをお薦めします。

以上は見に行った映画、 これから出来れば見に行きたい映画。
 「Mr.インクレディブル」(公式サイト)は、 「モンスター・インク」(2001)や 「ファインディング・ニモ」(2003)の系統につながるもの、 アニメ映画としては、 手描きの良さを追求する宮崎アニメとは対照的に、 コンピュータ・グラフィックスの可能性を追求するもの。 のっぺりしたような独特の質感になってしまいますが、 前作を見ても、それを生かした魅力的なアニメに仕上がっていましたね。

スーパー・ヒーローが 普通の人間として暮らさなければならないという設定、 予告編を見ましたが、面白そうです。

 「ゴジラ ファイナル・ウォーズ」(公式サイト)は、 シリーズ50年の集大成だそうです。 これが最後のゴジラ映画と銘打たれては、 あまり期待できないと分かっていても、 一応見に行く必要があるのではないでしょうか。

 NHKの衛星劇場では、 50周年を記念して歴代のゴジラを放映していました。 子どものころ父母に連れられて見てから50年ぶり、 怖くて椅子に隠れながら見たという記憶をたどりながら、 初代の「ゴジラ」(1954年)を見ました。

テレビでは、細部が見えなかったのは残念ですが、 ゴジラの襲来の跡は、丁度東京大空襲の焼け跡と同じような映像、 ゴジラに襲われて観念する親子、母は子ども抱きしめながら「お父さんのところ へ…」、 水爆実験で生まれたという設定、 などを考えあわせると、 当時の日本人にとってゴジラは、 巨大な力をもって日本に迫った「米国」を象徴するもののに映ったのではないか、 などと感じたりしました。

以上、私見的映画情報でした。

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