古西伸崇の『ずおっっ!!』

東京日記 一日目 二日目 三日目



 17日午後、前田先輩は図書館に本を返しに行くため、森下先輩はウィークリーマンションの解約手続きに行くため共に早起き。ただ一人予定のない俺は悠々と爆睡し続ける。

 6時30分、「ゼミの飲み会に行ってくる。9時ぐらいに戻ってくるわ。」と前田先輩に起こされる。森下先輩はまだ帰っていない。一人スラムダンクを読み漁っていると、その森下先輩から電話が。帰りに池袋に寄り、今日の深夜発の夜行バスのチケット3人分を買ってきてくれるという。正直池袋まで電車を乗り継いで行くのが面倒だったので好意に甘えてしまう。

 それから前田家のパソコンで「東京日記パート1」を打ち、急いでシャワーを浴びる。そうこうしているうちに、森下先輩がえらく帰って来る。
 「おかえりなさいまし。」
 「おう。」
 えらく不満そうな様子だ。俺は池袋まで出て行かなかったことにキレているのかと思い、目線を合わさないようにする。9時を過ぎるが前田先輩は帰ってこない。

 「前田先輩遅いっすね〜。」
 「…まあチケット取れやんだから遅くても大丈夫やけどな。」
 「???」 
話によると、池袋の西部バスチケット売り場は8時までで、先輩は8時を30秒ほど過ぎた時に行ったとのこと。すでに売り場の定員たちは片付けに入っており、先輩が、今日発の夜行バスのチケットの有無を尋ねると、「あ〜もう全部埋まったよ。」と、ろくに確認する様子もなくあしらわれたらしい。さらに、先輩が三重交通の売り場はないかどうか尋ねると、奥にいた女定員が、「え〜聞いたことな〜い。」というふざけたセリフ。先輩は殺意すら覚えたという。どうやら怒りの原因はこの売り場にあったらしい。安心安心。

 9時半をちょっと過ぎ、酒臭さとともに前田先輩が帰ってくる。バスのチケットが取れなかったことを伝え、始発で帰るという結論に至る。俺たち3人は遅くても18日の午前9時半には三重にいなければならない。10時から公立高校の発表があるからだ。地下鉄の始発は5時22分、これに乗って行こうとなる。そして、それまで暇になるので当然麻雀でも、という流れに。昨日のことがあるのでアキちゃんは避け、村瀬に電話する。……出ない。危険予測か!?そこで前田先輩は早稲田の友達に電話するが、皆忙しいらしく断られ続ける。業を煮やした前田先輩は、「まったくどいつもこいつも!おい古西、アキちゃんに電話や!!」との命令を下す。「今すぐに!!」とアキちゃんの番号に発信するが、電波届かず。彼女に携帯を折られたのかもしれない。どうしても面子の欲しい俺も、東京にいる友達に片っ端から電話をかける。しかしさすがに3年ともなると、就職活動が忙しいらしく皆撃沈。しぶしぶカラオケに行くことに。

 ちりめん亭でラーメンや餃子を食べ、早稲田駅近くにある「歌広場」へ。しかし、学生らしき小童どもで満室。「俺らぐらいすることなくなってからカラオケ来いっちゅーの。」などとぼやきながら高田馬場にある「BIG ECHO」に向かう。ここではなんとか部屋を確保し、2時間ほど熱唱する。

 その後前田家に戻り、くつろぎながら荷物をまとめ、5時に出発する。当初は早稲田から大手町まで地下鉄に乗り、そこから東京駅まで歩くという予定。しかし、3人とも重い荷物を持っているので、歩く距離の少なそうな『早稲田→高田馬場(地下鉄からJRに乗換)→東京』というルートに変更する。ネックは高田馬場での乗換で、2分くらいしか空き時間がない。地下鉄に乗っているときからすでに、JRの切符を買うための小銭を握りしめる。高田馬場に到着し、ドアが開くとともに猛ダッシュ。しかし改札をくぐる直前に3人がほぼ同時に気付く。『小銭握りしめとるけど地下鉄の切符は出してない!!』俺と森下先輩はすかさずポケットから切符を取り出し改札に滑りこませる。『よし!』と思い、後ろを振り返ると、改札の向こうで前田先輩が切符をどこにしまったか忘れ、慌てふためいている。これが致命傷となり、10秒差くらいで山手線に逃げられる。へとへとになりながら、再びルートを検索すると恐ろしい事実が。なんと6時の新幹線に乗らずとも、その次の新幹線で十分間に合うとのこと。つまり、俺たちの汗が無駄であったことが判明する。鬱々としながら新宿に出て乗り換え、中央線に。余裕で新幹線のチケットを確保し、自由席(喫煙)に乗り込む。

 新幹線では疲れが押し寄せ、3人とも爆睡。あっという間に名古屋に到着し、津までのJR特急に乗り換える。席に座り時計を見ると、まだ出発まで4分ほどあるので、キオスクに朝食を買いに行く。俺がおにぎりにしようかサンドイッチにしようか悩んでいると、前田先輩が来て、一瞬でえび天巻き&サラダ巻きをつかんでレジの方へ。おれは結局おにぎり2個を買い、電車に戻る。前田先輩曰く、
 「俺ぐらいになると、あんなにすぐこんなうまそうなものを選べ るでな〜。しかも360円、ローリスクハイリターンやな!」
 「どうせ俺はローリスクローリターンですよ。」
とおにぎりを取り出し、かじりついたその時、前田先輩が笑い出す。ついに壊れたのかと思い、心配しながら理由を聞くと、先輩は笑いを必死でこらえながら、
 「こ、古西ぃ、これ…醤油付いてない……。」
 これには吹き出してしまった。あんなに勝ち誇っていたサラダ巻きも、醤油なしではレタスの味しかしないらしく、なかなか減らない。これではローリターンはおろか、ノーリターンである。笑いが収まってもどちらかが思い出し笑いをするので5分くらい俺たちの席からは笑い声が聞こえ、周りにはいい迷惑だった。

 そんな馬鹿なことをしながら津駅に到着。近鉄に乗り換え、津新町に向かう。こうして5日間に及ぶ東京旅行は幕を閉じた。いや〜楽しかった。

 俺の道楽に協力してくれた多くの人々に感謝いたします。 終


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