れいめい塾 2003年4月第五週 4月28日 今年、三重大学の医学部国家試験の結果はたった一人が落ちただけ。ウチの小田・黒田・高橋の面々は無事合格した。 黒田君が中塚(医学部3回)を従えて挨拶にやってくる。「先生、今日下宿を引き払いました。それで灯油が余ったんですが引き取ってもらえませんか」 それで中塚、灯油潅を持ってるんだ。「今から帰るの」「ええ、一応今から榛原の実家に帰って明日の朝イチで静岡の今度の下宿へ行って引越しの荷物を受け取らなくっちゃいけないんです」「ウチの生徒が今年、静岡学園に入学してさ」「サッカーの名門ですね」「そのサッカーのセレクションに合格して入ったんや」「そりゃすごい!」「でさ、様子見がてら近々静岡に行くつもりなんや。その時に連絡するよ」「そりゃ大歓迎ですよ」 記念写真を撮った。黒田君・紀平・斉藤・森下・中塚・あすかと俺。ウチで講師生活を送ったことが、これからの黒田君の人生の何かに役だってくれればと切に切に願う。 黒田君と入れ替わりで高橋君が登場。アフリカ日記のフロッピーを持っているのが高橋君らしい。さっそくマージャンの準備が始まる。 4月29日 朝起きるとバスマットの上。高橋君の医師国家試験合格祝いマージャン大会、つまりは最後まで介錯できなかったってやつ? また寝逃げやなんぞとヒンシュクを買ったに違いない。メンバーは高橋君のほかに森下、そういや今日面接があるって言ってたっけ。そして征希と斉藤。征希は社会人ゆえに今日は休み、しかし斉藤も森下同様に就職活動の最中。確か三重交通の面接があったはず。 机の上にマージャンの結果表があった。半荘8回。昨日は高橋君を潰すために極力酒を控えた。その結果もあって俺は半荘3回でトップ2回、プラス83、後は征希と斉藤が勝って、目論み通り高橋君の一人負けのマイナス118。ざまあ見ろだ。 折りたたみベッドでは征希、俺のベッドでは斉藤。下では高橋君が寝ていた。森下の車はなかった。昨夜、強行軍で京都の下宿にもどったんだろう。昨夜、マージャン開始早々に紀平が姿を消していた。 夜となり紀平が姿を見せる。甚ちゃんもまた姿を見せる。そうかい、開明さんはゴールデンウィークって奴があるんや、いいよな。そういや末娘のアイが言ったそうな。「私の理想のお父さんはゴールデンウィークに家族で旅行してくれるようなマイホームパパなの」 ついてないことはある。 母親の一周忌もあって帰省、それでも塾に二日にわたって顔を出すとは珍しい。疲れをおして紀平と飲んだ。といってもこ奴はウーロン。場所はこ奴がこよなく愛する焼肉屋きじま。 ある医師の話だ。 開業準備や引継ぎで追われていたある日、ここ最近風邪気味だったまん中の息子さんの様態が急変した。 「なんとか一人で食事ができるようになってくれればいいな」と父親は言ったという。 4月30日 斉藤太郎(北海道大学4年)がM−BANKに内定した。それにともない征希が動く。「先生、古い塾の1階少々借りていいですか。太郎のために就職内定祝いをしてやりたい」「ええよ。で、レベルは?」「プチ・ケーキ投げ大会ってな感じでかわいく・・・」 そして深夜10時、どこがかわいい! ホイップクリームの泡だて器を3台調達。フル稼働してつくっらホイップクリームを、50枚の紙皿にもりつけてスタンバイ! アメリカンムービーのパイ投げが復活。斉藤が見る見るうちに真っ白になっていく。オマエは月光仮面か。といってる俺も、皆が指を指し笑っているとこを見ると全身白づくめ。岐阜県やったらえらい騒ぎやで。古い塾で武器をつくって待っていたのは桑名から襲来の高橋(5月2日から山田日赤病院勤務予定)、名古屋から帰参の古西(名古屋大学2年)、仕掛け人の征希、そして花衣とあすかの新大学生コンビ。こヤツらはゴミ袋をテープで張り合わせてつくったレインコートまがいでクリームからディフェンスするものの、いつしか白まみれ・・・。それを心底楽しそうに眺めているのは横山(4期生・花王販売勤務)。「オマエもいっしょにどう」と俺。「やめてよ、先生。この背広が白く染まったらカミさん、家に入れてくれへんよ!」 雪をぶちまけたように一面白。ラストは取っておき?新しい塾から斉藤が持ってきた野菜ジュースが飛び交う壮絶さ。一面の雪景色に飛び散る血! そして社会人、満面の笑みの横山が「ハイ、チ〜ズ!」 札幌雪祭りの彫像さながらのスナップができあがる。 2週間に一度風呂に入るはずが、1週間予定を早めて入浴することに。何度も何度もシャンプーで髪の毛を洗うものの、なかなか油が取れない。今ごろ、斉藤や花衣やあすかもシャンプーと格闘していることだろう。斉藤はあまりのひどさに誰も車に乗せてやるとは言わない。自転車で深夜のストリートを疾走していった。征希と古西と高橋君は午前3時まで開いている風呂屋・オークランドへ。 れいとめいの話では午前0時を過ぎた頃に斉藤がすっきりした顔で新しい塾に帰還。マージャンのメンツが戻ってくるのを待っていたそうな・・・。 5月1日 甚ちゃんがやって来る。橋南校の教室長とウチの塾の中3の授業の進路状況について意見の交換。ウチの中3の進み具合が遅い。去年の山本愛と比べると酷だが、ほぼ全員が津高志望というわりには遅い、・・・遅い。「やはり自分の娘がいるから焦っているんかな」とつぶやく。甚ちゃんは答えてくれない。 |