ジュンホ in ラウンジ れいんさん

まつりがおわってからずいぶんたつとおもうのはきのせいでしょうか
ぱーていーやうちあげはまだまだつづいています
あしたのあさはいつくるのでしょうか

ぼくはらうんじのぼっくすせきで、てぷんさんのとなりにすわっています
てぷんさんは、よくたべてよくのんでよくしゃべって…
たのしいですけどちょっとめんどうです
えっちなはなしもすこししました
てぷんさんはうぶなところがあるので
ぼくがちゃんとできることもしらないみたいです
もちろん、ちゃんとおしえてあげました
あのあとにれいぞうこにのみものをとりにいくと
ぎりのおとうさんともなかよくなれるとあどばいすしておきました

ふろあにじゃずがながれたときは
みんなそれぞれがたいせつなひととおどっていました
すはせんせいまでおどっていました
びっくりしました

でもぼくは、そんなみんなをみてじーんとしました
だって、だいすきなみんながしあわせだと、ぼくもしあわせなきぶんになるから

すこしきになったのは、まどぎわのせきにすわっていた
ぎょんびんさんとどんじゅんさんです
なんだかさびしそうにみえました
たいせつなひとがこのばしょにいないのですね
ぼくもおなじですよ

じゃずがおわると、こんどはてきーらぼんばーがはじまりました
いなさん、らぶさん、ぎょんじんさん、みんぎくんの4にんが
かうんたーからじゅんばんにまわっています

あ、そんじぇさん…あたまぐるぐるされてますね
ほっぺたもゆれています
そだちのよさそうなかたなので、てあらなことはいやがるかも…
いえ、でも、あのかたはれーすもしているらしいから
Gがかかってほっぺたぶるぶる…にはなれているとおもいます

みにょんさんもやられています
ごっくんしたあとほほえみをたたえています
そのへんのぷろいしきはしっかりしています
かみのけみだれてのりのりみにょんさんだと
ごかぞくがきっとないてしまうのですね
ごかぞくのきたいにこたえるのもたいへんです

ようきがただよっているあのじょせいふたりは
なぜ、あのそふとくりーむをてをつかわずにぺろぺろしているのでしょうか
ぎょんじんさんがなにかささやいたとたん、すごいいきおいでぺろぺろしています
ぼくはしぜんととりはだがたってしまいました
じょうけんはんしゃでからだのぼうえいはんのうがはたらいたようです

いなさんたちはどんどんらうんじにいるひとたちのところにまわってぼんばーしています
ぼくはだんだんふあんになってきました
だって、ぼくはいなさんにときどきいじわるをしていたから…
だから、いなさん、おもいっきりぼくにぼんばーするつもりじゃないでしょうか
ぼくは、いなさんにもっとやさしくしてあげればよかったと、いまはじめてこうかいしました


闇夜..最後の仕事..three.. 妄想省mayoさん

「テソンさん..2人のこと..心配?」
「…ちょっと」
「大丈夫だよ..大事なとこは触ったりしないよ..たぶん..」
「あのねぇ..テスぅ」
「えへっ..ごめん(^^;)」

「僕..4人で暮らす前にもう一度..ふたりきりにしてあげたかったの..」
「テス..」
「もう一度..ちゃんとふたりの想い..整理してほしくてさ..」
「…」
「テソンさん..パーティーの時..ちぇみに何か言われたでしょ?」
「ぉ..うん..」
「何て?」
「…俺が出来ない分幸せにしてくれ..頼む..って..」
「くぅ〜オヤジ恰好つけちゃって」

「テス..お前にこんなこと言うのなんだけど…」
「何…」
「ちぇみの想いも深いってわかったんだ..」
「あは..そう..僕は..わかってるよ…」
「ふたりは想いをねじ伏せて…深く埋めてる…」
「テソンさん..だったらその上に幸せの花..一杯咲かせればいいじゃん…」
「テス…」
「埋まってる想いが見えないくらいにさ..いっぱい咲かせるの…」

「テソンさん..切ないことばっか考えないでさぁ..」
「お前..なんだか…急に大人になったな…あんなにメソメソしてたのに…」
「好きになって…苦しくて…心が泣いたり痛くなったりして人は成長するの」
「ぷっ..恋愛の法則か?」
「えへっ#僕のね..」
「僕に出来るかな..花咲かしてやれるかな」
「もう花は咲いてるじゃん.」
「そうかな..」
「ちょっとぉーせっかく咲いてるの..枯れないようにしてよ#」
「ぉぉん..」
「そっちが枯れるとこっちも枯れるの…アラッチ!」

僕はテスの頭をめいっぱいくしゃくしゃしてHUGした
~~~~~
「気が付いたか..」
「…ぁ…ちぇみか..」
「何だ..ご挨拶だな..俺で悪かったか..テソンのほうが良かったのか?ぉ?」

俺はちょっと拗ねたフリで闇夜の顔を覗き込み
置いたままの手のひらで闇夜の頬を軽くぱんぱん#と叩いた
闇夜はふっ...と笑った後..俺の手のひらにkissを落とす

「いつもの場所じゃなかったな..」
「ちぇみが来なかったら困るし..」
「はは..俺とお前しか知らんからな…あそこは..」
「ぅん..」

「何してたんだ..ひとりで..」
「最後の仕事」
「最後の仕事って..お前また逃げ出すつもりかっ」
「違うって…朝になる前に済ませる仕事があったんだ」
「そうか..だったらテソンと一緒にやればいいだろ」
「私の仕事だもん..打ち上げで盛り上がってるとこ邪魔したくなかったんだ」
「お前..そうやってな..」
「…?」
「..妙に遠慮するところがあるから..テソンが不安になるんだ..ん?」
「ぉん..」
「ったく..お前は説明が足らん#…いっつも!」
「ごめん..」
「これからは..俺が気がついてやれない時も出てくるかもしれん..」
「ぅん..」
「そんな時は..テソンを頼るんだ..」
「わかってる…」
「ん..」

闇夜は頬にある俺の手のひらに自分の手のひらを重ね..頷いた…

「旅..気をつけてよ..」
「ぉぉ..って..聞いてたか..ならば当然行き先もお前にはわかるな」
「ぷっ..ぅん」
「当ててみろ」
「南に下がって潭陽郡錦城..北に戻って..東の武陵…ってとこか..」
「ぷはっは#..見事だ..その通りだ」
「いいところだよ..2人らしい…」
「ん..」

「ちぇみ..起こして…」
俺は片手を闇夜の頭に当て..片手で腰に手を回し起こした
半身を起こした闇夜は幾度か頭を振ったあと..大きく深呼吸をした
髪を掻き上げ顔を覗く..顔に血の気が戻ってきたようだ

「大丈夫か?..ぉ?」
「ぅん..ラウンジ…どう?」
「テキーラボンバーで大騒ぎだ」
「くっはぁーボンバーか..戻るのやめよかな」
「ミンギが捜してたぞ..お前がいないから..テソンが代わりにでかい口開けて飲んでいた」
「ふふん..そう…」

闇夜は下を向いて口元に一瞬..ちょいと不気味な..意味深な笑みを浮かべた
その表情を見逃さなかった俺は闇夜の頬を両手で押さえ..
唇をこじ開け舌を捜した…

ビンゴ#だ…
俺は闇夜から例の”痺れ”をお見舞いされる前に唇を離した…

「下戸は..ウソだな..闇夜..」
「ぷっ..」
「しかもポン酒だ..」
「くっ..」
「それも..かなりいけるクチだ..俺も騙されたな.」
「あはは..ざまあみろぉ〜」
「んぐっ..」

言葉に詰まったちぇみを横目で見..豪快に笑うと..
ちぇみは私の腰に当てた腕に力を込め..ぐっ#っと懐に引き入れた
もう一方の片手で後ろから肩を包み込む様に抱かれ..うなじに唇が落とされる…
後ろから頬を合わせ…そのまま暫くの間..じっとしていた…
耳元に響くバリトン…
「闇夜…」
「ぅん?」
「最初で最後の..甘い夢見ないか...」

私は無言で頷いた…


ultimo sogno dolce..最後の甘い夢.. 妄想省mayoさん

ぐるりと腰を抱いた俺の右腕に闇夜は右手を添えた..
左の手のひらを合わせ..俺等の広げた指は絡まりながら握られた..

「何処がいい..」…俺が問うと..
「サハラ..」…闇夜が呟いた..

触れ合う頬を微かに動かし..返事の代わりにした..
俺等は目を閉じ..甘い夢を見た…

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
闇夜の顔を両手で包み..甘ったるく唇を捉える..
俺の背に手を回すのをためらう右手は俺の髪に差し入れられた..
砂漠で彷徨い..一滴の水を求める..
そんな切実さに似た思いに駆られ..
俺等は互いに唇を..舌を求める..
絡みが深くなる程に..
俺の肩を掴む闇夜の左手の指先が食い込んでいく..

髪を掻き上げ..瞳を覗き込む..
虚ろげな中にも灼けつくような熱を孕む瞳が俺の深く強いストロークを誘う..
触れ合う摩擦の熱が互いの全身をあぶり..
滑らかなグラインドは俺等に堪らない疼きと震えを呼び込む..
俺に纏い..何処までも俺に付いてくる撓りに俺の背も撓みはじめ..
俺等は"瞬間"を迎える…

 耳朶を甘噛みし..俺が囁く..
 『知ってるか?..火の鳥は..』
 ふっ..と笑みを浮かべ..掠れた声で闇夜が答える..
 『..自分で自分の身を燃やす..そして一瞬にして灰になる..』
   俺は瞬き頷き顔で答えた..
 『そうだ...』

火の鳥は砂漠に香木を積み..太陽光線で火を興し..
燃えさかる炎へ己を投じ..一瞬で灰になる..

 火の鳥に姿を変えた俺等は..
 互いの羽を広げ..互いをい抱き合う..
 炎(ほむら)は螺旋を描きながら天に昇った..

 螺旋の帯から降り注いだ灰は銀に輝きを替え..
 互いの埋み火を分厚く覆った....

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
俺の胸に闇夜の背がぴたりと合わさったまま..
互いに一瞬呼吸が止まった後..
俺等は呻きにも似た吐息を同時に漏らした..
強く握り合う手は震え続けている..
胸の鼓動が収まり..震えが静まると..
俺等は強く絡まる左手を緩めた..

夢の続きに..
細く..白い首筋に唇を這わせ..もう一度耳朶を軽く噛み..
耳元で囁いた..

「ちょぃと..すけべぇーな夢だったか?..」
「ふっ..かなりだ..」
「生肌はテソンに任せた..」
「莫迦..」

呟いた闇夜が合わせた頬をほんの少し俺に向ける..

「..どうした..」
「このまま..どっか行きたくなる..」
「そうさな..俺もそうしたいのはやまやまだが..」
「…」

「..駄目だっ..」

俺の語尾の強い声音に闇夜の小さな肩が泣き震えた..
シャツの間から掌を差し入れ..震える肩に触れ..
もう片方の腕で肩を大きく包み込み..闇夜の肩が泣き止むのを待った..

震えの治まりを確認した俺は滑り込ませた掌をすぅ~..っと外した...
闇夜の両肩をぽん#と叩き..闇夜の腰を支え..同時に立ち上がった..
肩を掴み..躰を回すと闇夜の瞳が俺を捉えて離さない..

「もう迷うな..俺のため..お前のためだ..」
「…」
「わかるな?..」
「ぅん..」
「ん...」

顎に手を添え...親指で唇をなぞり始めると..
闇夜は俺のうなじに両手を添えた...
顔を覗くとちょぃ悪戯な顔..

「来てみろ..負けんぞ..今度は..」

俺も悪戯な顔で返すと..闇夜はふふっ..と笑う..
ゆっくりと重なった闇夜の唇は丁寧に俺の唇をなぞる..
じれったくなった俺は唇をこじ開け..舌を捜した..

さわさわ~さわさわ~と痺れが俺の舌先に来た..
痺れの波が寄せ..引きを繰り返し…
また..俺の喉奥まで痺れがなだれ込み呼吸が出来なくなるだろう..
俺は舌先にちょいと軽く噛みつく..
闇夜の舌は動きが止まった..
目をぱちぱちさせた闇夜がおとなしくなってから..
俺は闇夜の唇を..舌を存分に弄び...唇を離した..
闇夜は肩で息をして唇を噛んだ..

「ぁん..負けた..」
「あたりまえだっ..俺を誰だと思ってる..」

鼻に皺を寄せた闇夜を引き寄せ..ふわりと抱いた..
黒髪を幾度も撫でつけ..躰をそっと離した..

「戻るぞ...いいな..」
「ぅん..」
「ん...」

俺は闇夜の好きな..俺の”瞬き頷き(デカイ)顔”をしながら..
頬を手のひらでゆっくりと撫でてやると..
闇夜の左目に1個の雫がじわっ#と現れ..ぷらぷらと揺らめいた..
頬に落ちる前に瞼にそっと唇を当て..雫を吸い取った..

闇夜は「ありがとう..」と呟く..

俺の瞳に映る闇夜がぼやけた....
闇夜は俺の両肩に手を添え..背伸びをし..
俺の両方の瞼に交互にそっと唇を当て..
ひとつ..ふたつ....俺の雫を吸い取った..

俺は喉奥から声を絞り出せぬまま..奥歯を噛んだ

互いにふっ..っと力無く声を漏らす..
最後に俺は闇夜を懐に引き寄せ..
闇夜の背が仰け反る程に..軋む程に..強く.強く抱いた…

~~~~~
ラウンジに戻る途中でテスに「今から戻る」と電話をかけた..
歩きながら闇夜はカーゴパンツのポケットからテソンのチョコを出して口に入れる...
2個..3個..4個..

「ぉぃ〜..何個食うんだ...もうポン酒の匂いは消えてるぞ..」
「空きっ腹に近いんだ..もしもボンバー来たらいくら私でも..倒れるだろっ#...」
「くっ..ごもっとも..」

俺は妙に納得して...ぐはは...と笑った..

ラウンジの近くまでくると入り口で固まって中を覗いている奴がいる..
近づいていくと...BSHCの例の3人だ..

「ちぇみ..奴らだ..」
「ん..」

俺と闇夜は眉を上げ互いに頷いて合図をした..

「おいっ!!..覗いてないで入ったらどうだっ#..」

背後からのドスの効いた俺の声に3人が怯んだ...

「ぁ..ぉ..ぅ..これはこれは..ま..ま..まょアガッシ...」…カン
「ぅ..ぅ...ぅひょひょひょ..テヒョンさん..よょょ」…ペク
「む...む...むふぉ..ふぉ..た..と..ち..て..テヒョ...」…ムンソク

闇夜がカンの手首を逆手にぐいっ#と掴んだのを合図に
俺はペクとムンソクの首根っこをぐいっ#と掴んだ
不意を突かれた3人を連れズンズンとラウンジの中へ進む...
ラウンジに入るとテスとテソンが飛んできた..

心配そうな2人に俺は...ん#..と頷く..
闇夜はミンギの姿を目に捉えると..叫んだ..

「ミンギっ!!」


行商 テキーラ・ボンバーズ ラストステージ  ぴかろん

「ヌナ!どこ行ってたの!こっち来てよ!」
「…あんた、私にひどいことしたら承知しないよ!」
「…ひどいことって?」
「あまり振り回しすぎないように!」
「…ヌナ…その言葉そっくりそのままヌナにお返しします!あまりテソンさんを振り回しすぎないよぉにっ!逃げろっ!」

ギンちゃんと闇夜さんは仲良しなんだなぁ…
ぺしぺし叩かれてる…ギンちゃん…

俺達はやっとBHCのボックス席にたどり着いた
ここの全員ボンバーするのかなぁ…
ソンブレロを誰に被せるんだろう…

「まずてめぇらからいくか!」

イナさんはシチュンとメイさんにソンブレロを被せた
二人とも顔を見合わせて目をキラキラさせている
どーせ、どーせ多分どーせ…ごっくんのあとに濃厚なチューをするに決まってる…
そういう『キラキラ』だ…
おじさんが引き続きレモン絞り係をやってる
それもなんか挨拶しながら…

「よろしくお願いします。ホ○トって初めてなもんで…。はい〜はい〜そぉなんですよ…兄弟でお世話になります」

何似合わないことやってんの!
そんな事やってるから最近『テジュンさんに見える』とか言われるんだよっ!ばか!
おまけにメイさんの胸元チラチラ盗み見てるし…
えろみん!ばか!女の人がいいのならノーマル宣言しろよ!なんでもアリかよ!

…ああ…俺なに妬いてるんだろ…
おじさんが女性に近づくとなんか…なんかざわざわするんだもん…

「ラブちゃん!テキーラまだ?ギョンジンさんもうレモン絞っちゃったよ!二人の顔がしゅっぱすぎの顔になってる!」
「あ…ギンちゃんごめん…」

俺は大慌てで膝でタンしてメイさんの口に液体流し込んだ
シチュンさんにはギンちゃんが流し込んだ
シェイクするのはやっぱりテプンさんか…
メイさんのシェイクはどこからすっ飛んできたソクさんがやった
スヒョクも一緒にきたので俺は気になってた事をスヒョクに聞いた

「トイレ大丈夫だった?」
「…トイレはね…」
「えっどう言う事?!」
「…夜景がきれいだった…」

俺はスヒョクの顔を凝視した

「ソクさんの横顔も、長い指も…きれいだった…」

スヒョクはぽぉっとソクさんの顔を見つめている

「なななんかされたの?!」
「いや」
「…ほんとに?」
「されてない。したけど」
「…なんだって?!」
「…ちょっと苛めた」
「え…苛めるって…どう?」
「いや…焦らしただけ…」
「…」

スヒョクは平然とそう言った
何をどう?!何をいったい焦らしたんだよ!
すっごく気になる
またこのスヒョクがそんな事言うとすっごく気になるじゃんか!

そうこうしてるうちにシェイクが終わってごっくんして、案の定濃厚なチュウやりだしたもんで、ソクさんがメイさんの頭を叩いてる

メイさん、女の子なのに…平気みたい…

そしてこんどはチェリムさんとテプンさんのカップルにソンブレロが被せられた
またおじさんがレモン係だよ!女が絡むと自分がやんなきゃって思ってんの?!まったく!

「テプンさん、いろいろ教えてくださいね、ナンバーワンなんでしょ?…え?そのかわり…ああ…ああはい、その事でしたら任せてください…
今日?今日はまずいな…え?間に合わない?…じゃ、ボンバー終わったら手短に話します…え?詳しく?…いえ、要点さえ押さえればあとは応用ですから…
はい。じゃ、絞りますよ、レモン、あ〜ん。チェリムさんも…かわいい唇だな…あ、いえ…すみませんははは」

ばかっ!

今度はタイミングを合わせてタンして流し込んだぞ!
テプンさんをシェイクするのは…やっぱりシチュンか…
チョンマンも一緒になってきーきー騒いでる…
チニさんがいないから寂しいだろうな…

チェリムさんのシェイクは仲良くなったメイさんがやってる
でも遠慮なしだなぁこの人…
すっげぇ揺らしてるわ…テプンさんが揺らされながらもチェリムさんを気にしてる
なんか目を見開いて自分で勝手にゴックンしたかと思うとチェリムさんの膝をまたいで抱きしめるような格好をしてる

何やってんの?!
でも抱きしめてるわけでも、膝に乗ってるわけでもない

チェリムさんのごっくんが終わった

「きひ〜きくぅ…ん?ソ・テプン…なによ…何してんのよ!」
「いいから!ぐだぐだいってねぇで胸直せ!ずれてる!」
「え?」

チェリムさんは自分の胸元を見て慌てて手を突っ込んだ!

「ばかっ!そういう色気のない事すんな!」
「だってこっからしか直せないもん!」

二人のやりとりをニヤニヤして聞いてたおじさんがテプンさんに耳打ちする
テプンさんは真っ赤になりながらチェリムさんのソンブレロを取り、チェリムさんの胸元を隠してゴソゴソしてる…

「やっ…」

チェリムさんが短く言葉を発して真っ赤になった…
ようやくテプンさんがソンブレロをイナさんに返した
俯いて真っ赤になって…前かがみで自分の席に戻って黙り込んだ…
おじさんはクスクス笑ってる…

またろくでもない事教えたんだな…

「何言ったの?」
「テプンさんが直してあげればいいって言ったの。恋人なんだから当然だろ?」
「…」
「立っちゃったみたい…」

やっぱりろくでもない事だったか…
まぁチェリムさんの胸が立派に戻ってるから…相当弄ったな?…刺激強すぎるよテプンさんには…
チェリムさんは…ちょっと嬉しそう
女は強いな…

そしてチョンマンさんの番
ノリがいいからさっきから口開けて待ってるよ…

「おじさん、レモンは?挨拶は?」
「…ああ…そうか…挨拶な…ちっ…男相手はラブだけでいいのに…ちっ…」

おじさん…酔った?
キャラ、かなり変わってない?

「よろしくお願いしますね、モノマネ上手なんですってね。教えてくださいね」

軽くいなしてレモン汁を絞り込むおじさん…
あんたって世渡り上手だよ…

ギンちゃんがテキーラを注ぎ込み、シチュンさんひとりでシェイクしてる
だってテプンさん、まだ立てないみたいだし…

ごっくん

「チニさああんっすきだぁぁっ!」

チョンマンさん、大声で叫んだ…
ちょっとだけイナさんがマジな顔になった…

そうだったね
イナさんってチニさんと付き合ってたんだ
あの頃は頼りがいのあるカッコイイ人だったのに
テジュンさんに出会ってからこっち…こんなになっちゃってさ…信じられないよ…


その森へ 5 足バンさん

僕はスヒョンのその何事もなかったかのような顔に戸惑った

僕はといえば先ほどのくちづけのあまりに激しい余韻と
夢中になってしまった自分自身への動揺、
そしてミンへの苦しい言い訳じみた想い
そんな複雑な気持ちがせめぎ合い渦巻いていた

僕はなぜか少し腹立たしいような気持ちになり空を睨んだ

「スヒョン」
「ん?」
「…」
「なに?」
「さっき…なんでいきなりやめたんだ」
「…」
「僕は…」
「ちょっと調子に乗り過ぎたからな。悪かった」
「調子って…」

スヒョンを見ると彼はついと顔を向こうに向けてしまった
自分でも計りかねたが僕は妙に苛立った
肩を起こし片肘をついてスヒョンを覗き込む

「調子に乗っただけなのか?それで髪がどうのってふざけたのか?」
「そうじゃない」
「スヒョン…僕は…おまえの真剣な言葉を嬉しいと思った」
「…」
「ダンスだっておまえとだからできた」
「もういいよ」
「さっきだって僕は僕がそうしたかったから応えたんだ。同情じゃない」
「もういいって」
「スヒョン!」

思い余ってスヒョンの肩に手を掛けた
しかし僅かな明かりに浮かんだスヒョンの横顔に僕は言葉を飲み込んだ

苦しげに目を硬く閉じているスヒョン
唇を噛み、口元が小刻みに震えていた
僕は思わず掛けた手をはずした

「ごめん…」
「…スヒョン…」

かすれた声でごめんと言ったスヒョンは片手で目を覆った

僕は身体を起こし黙ってスヒョンを見つめた
混乱していた気持ちなど吹き飛び、
わずかでも利己的に言葉を吐いた自分を恥ずかしく思った
頭にはミンのことがよぎったがそこから動けない
地面を吹く風に彼の髪がさらさらとさらわれるのをただ見ていた

ずいぶんしてからスヒョンはゆっくり手をどけた
首を回し僕を見たその瞳は、叱られた子供のように赤い

僕は手を伸ばしその黒い髪を静かにすいた
耐えているスヒョンの気持ちをわかってはいたが
まだ伝えなくてはいけないことがあった

「…これだけは言わせて…僕は…
 僕はさっき本当に…あのままどうなってもいいと思ったんだ…」

僕を見つめていたその目が揺れ
ずっとこぼれずにいた涙が…ひとすじ落ちた

「スヒョン…」
「そんな言葉を聞けるなんて…夢にも思わなかったな…」

また目を覆おうとした彼の手を押さえ
僕はゆっくりと顔を近づけキスをした
スヒョンははじめて僕の唇の動きに任せてただ目を閉じていた

長いキスのあと彼は僕の頬に手を添え、そして優しく押し離した

わずかに震える指先で僕の眉やまぶたや鼻筋、唇を
羽根に触れるように優しくなぞる

「いっそのこと抱いたら楽になるかな」
「スヒョン…」
「でもそうじゃないことはとっくにわかってる」
「…」
「僕たちには帰る場所がある」
「…」
「おいで」

スヒョンは静かに微笑むと僕を右肩に抱き寄せた

「おまえを抱きしめているとね…ギョンビンへの想いがどんどん流れてくるんだ…」
「スヒョン僕は…」
「黙って聞いて」
「…」
「おまえは気づいていないだろうけど…僕と激しくキスしている時もそうなんだ…
 おまえの心の一番深いところに…もう形も無いほど自然に彼がいるんだよ…」

僕はゆっくり響いてくるスヒョンの声を聞いていた


【69♪クレイジーラブ byスヒョン】ロージーさん


スハの秘密 れいんさん

彼とフロアでダンスを踊った後、僕はカウンターの彼の隣に腰掛けた
イナさん達のテキーラボンバーの洗礼も受けた
彼のはしゃいだ顔を見るのが嬉しかった
ギョンジンさんと打解けられた事も僕の心を軽くした
イナさん達は他のテーブルを回っている

彼は他のテーブルの様子をちらりと見てくすっと笑い、カウンターの中に視線を戻しそして僕に言った
「…スハ…僕はおまえにまだ話していない事がある」
彼の横顔から笑顔は消え、翳りのある眼差しは遠くを見つめた
彼は片手にグラスの三分の一程のブランデーを持ち、言葉を一つ一つ選びながら話してくれた

以前に聞いていた奥さんとのいきさつはもちろんの事
お兄さんが亡くなった後の事…
奥さんとは戸籍上姉弟である事…
生まれてくる子供さんへの想いなど…
時々言葉に詰まったり、目を閉じて俯いたり…
彼は事実をありのまま僕に話してくれた

僕は…泣いた
彼の気持ちを思い、奥さんの気持ちを思い、生まれてくる子供さんの事を思い…
涙が溢れた

「僕のために泣いているの?」
彼は親指でそっと僕の涙を拭ってくれた
僕は涙が治まるのを待ってから彼にあの事を話そうと決心した
誰にも話した事がない僕の秘密…
その秘密は生涯僕の心の中に封印しようと思っていた

それは3年前のあの日の夜だった…
僕は教師達の集会の帰り、少しほろ酔い気分で歩いていた
田舎の教師を辞め、都会の一人暮らしの寂しさとも妥協しながら
赴任先の学校にも少しずつ慣れてきた…そんな頃だった
ふと見ると、時折点滅している外灯の灯りに照らされ、橋の欄干近くに佇み、足元に広がる河を見下ろしている一人の女性…
何かただならぬ気配を感じて僕は声をかけた
お酒のせいもあったのか…
思いつめた表情のその女性の後を通り過ぎる事ができなかったからなのか…

「お嬢さん、失礼ですが…どこかご気分でも?」
僕の声にはっと振り向いた彼女の顔には見覚えがあった
「…スハ先生…?」
彼女はかつての僕の教え子だった
山奥のこじんまりとした学校で、貧しい環境で勉学に励み、そして僕を慕ってくれていたあの子だった

その時、僕の記憶が蘇った
僕の下宿にこっそりと置いていってくれた摘みたてのウスラウメの赤い実…
彼女が毎日僕への想いを書き綴っていた可愛らしい日記…
そして僕が学校を去る日にもらった彼女の想いがたくさん詰まったプレゼント…

その頃の元気で初々しい彼女とは違い、そこには疲れ果てている彼女がいた
僕は彼女との再会を喜び、通りの喫茶店に誘い、思いつめていたその理由を聞いた

彼女は時折涙をこぼしながら僕に話してくれた
僕が学校を去った後もずっと僕を思い続けていた事
田舎の暮らしに嫌気がさし、都会に憧れ母親の反対を押し切り家を出た事
しばらく僕を探していたけど見つける事ができなかった事
そのうちに持って来ていたお金も底をつき、カフェでウエイトレスをしながらなんとかやっていた事
そして口の上手い都会の男に騙され、身篭り、その男と一緒に暮らしていた事
その後、幼子を抱えながら彼女の稼ぎで細々と暮らしていたが、ギャンブルと酒に溺れたその男とはケンカが絶えなかった事

そしてある日男は姿を消し、その後、彼女は二つめの命が宿っている事に気づき愕然とした事…
生きる希望を失い、気づいたら橋の上に佇んでいた事…

僕は彼女を助けたかった
燃えさかる火の中を教え子を救おうと飛び込んだあの時を思い出していた
僕を追い、僕を探してこの街に来た彼女
彼女の不幸の責任は僕にもあるような気がした
そして僕は数ヵ月後に彼女と結婚した
彼女は「そんな事はできない」と「自分の人生に先生を巻き込みたくない」と言い続けた
僕はそれをゆっくりと時間をかけて説き伏せた
こんなにいい子がほんのちょっとの歯車の違いで辛い人生を歩むべきではない
そう思った

そして僕はその事を他の誰にも話さなかった
彼女の子供は自分の子として育てた
妻は本当に献身的な良い妻だった
子供も僕によくなついてくれた
実際僕は温かい気持ちに包まれ幸せな日々を送っていた
何の疑問も持つ事なく…
他に何も望む事はなかった
彼と出会うまでは…

ここに来て彼と出会ってから僕は僕の現実を思い出さないようにしていた
彼と過ごす時のその瞬間だけを考えていた
本当に僕は身勝手な男だ
もし僕が「彼を愛してしまった」と妻に告げたら…
それを考えると僕は胸が痛くなる
僕になついてくれる子供達の事を思うと僕は胸が苦しくなる
でもそれ以上に、彼と離れる事を思うと、僕の心は張り裂けそうになる…
いずれ通らなければならないその険しい道…
僕は長いその物語を初めて彼に打ち明けた


行商テキーラ・ボンバーズ ラスト・ステージ2  ぴかろん

その次はイヌ先生とウシクさんだ

この二人をシェイクしてもいいものだろうか…
ちょっと雰囲気が違うような気がするんだけどな…

俺は恐る恐るソンブレロを差し出した
するとイヌ先生が柔らかく微笑んでソンブレロを手にとり、ウシクさんに優しく被らせた
そしてもう一つを自分の頭に乗せてクスッと笑った

ウシクさんはぎこちなく微笑んだ

イヌ先生はウシクさんの唇に触れて口を開けさせると自分の口も開けた
ギンちゃんがレモンを絞る
俺とイナさんがテキーラを流し込む

えっと…
誰がシェイクすんのよ…
みんな遠慮してる?

と思ったらテプンさんが…治まったのか立ち上がってウシクさんを…
mayoさんの傍にいたテソンさんがイヌ先生をシェイクしだした
イヌ先生は意外にも吹き出しそうな顔でシェイクに耐えていた

そしてごっくん

ウシクさんはテプンさんのゆすりがきつかったのか、ちょっと額を押さえてふらついている
イヌ先生が顔を覗き込むと、柔らかく笑って大丈夫と言っていた

イヌ先生が二人のソンブレロを渡してくれた
そのあとイヌ先生はウシクさんの頬を包みこんで、また、本当に大丈夫?と聞いていた
ウシクさんはコクンと頷いた
イヌ先生はウシクさんにそっとくちづけをおとした
俺はそのキスシーンがとても素敵に思えた
愛おしい人への優しいキスに見えて
とても羨ましかった…

次にジュンホ君がソンブレロを被った

「どうしてぼくをさけるんですか?ぼくもやってみたいです!」

イナさんがお前の頭のクモを怒らせるとヤバイから、お前は辞めた方がいいと説得したけどガンとしてやるといって聞かない

「いなさん、ぼくがいなさんにいろいろちゅういしたからそんなこといってぼくをなかまはずれにするのれすかぐしゅっ…」

ジュンホ君は涙ぐみ始めた

「違うって、あれはお前が怒って当然なんだ!あれはテジュンが…テジュンが…ぐしゅっ…てじゅがわりゅいんらからっ…
ぐしゅっあんなとこであんなことぐしゅっ…」

あーあ
仲間外れって言葉が嫌いで仲間思いってのはわかるけど、慰めながらテジュンさんのせいにして
その上ここにいないテジュンさんを思い出して泣き出すそのイナさんは…
あーあって言うしかないよね…

とにかくギンちゃんにたのんでごくごく薄目のテキーラを作ってもらった

おじさんがレモンを絞る
ジュンホ君は男なのに?
なんか嬉しそうに見えるな…なんで?
興味あるの?!

ギンちゃんがテキーラを流し込む
そして俺がジュンホ君の頭をあまりゆすらないように、誤魔化しながら体を揺すってあげた
ジュンホ君はごっくんしてとっても満足そうに笑った

「これでみんなといっしょです。ぼくにもできました。うれしい」
「よかったね」
「らぶさん、ありがとう」

ジュンホ君の笑顔を見ているとこっちまで嬉しくなっちゃうな…
ニコニコしながらワゴンの方を見ると、おじさんがスケベな顔で俺を見ている

なんだよ…
またなんか変なこと考えてる?

「ジュンホ君って…清純なイメージあるけどさ…奥さんと仲がいいんだろ?」
「…テプンさんに色々役に立つアドバイスしたみたいよ、おじさんと違って!」
「…いいなぁ…あの子さぁ、自分では気づいてないみたいだけど、色っぽいよね…いい体してるし…」
「!」
「それに…お前、あの子の体揺らしてただろう?」
「頭揺らすと命取りなんだよ!」
「…すっごぉくセクシーだったぁ〜」

ばっちぃいん☆

俺は両手でおじさんのほっぺたを叩いてやった
おじさんは両頬を押さえながらもニヤニヤしている…

酔ってんの?!まったく!じじい!すけべじじい!

「なあなあラブぅ…」

またなんかセクハラ発言する気だろ!

「あとで僕にもやって」
「何を!」
「体くっつけて揺らすの…」

そして小声でまた耳に唇をくっつけて囁く

僕の部屋のベッドでね…

睨んでやった…
どっから降りてきたのさ、そのキャラ…
それとも元々こういう人?!
なはずないよね!
こうだったらもっと楽しい人生送れたよね?!ちがう?ふんっ!


さて…
新顔軍団である

まずはジホ監督とソヌさん…
どっちも渋い
素敵な大人の男って感じ…
おじさんも最初はそうだったのにな…どうしてこうなったんだろう…

「うぉぉ監督、似合うじぉぉぉ」

ウォニさんがジホさんにソンブレロをぎゅうぎゅう被せている
その上なぜだろう…

「監督にはこれが!」

とか言ってピンク色の紐で体を縛っている…
ジホさん、文句も言わずにニヤニヤしてるけど…
まさかこの人…『えむ』?!

ソヌさんは苦笑してる
ギンちゃんがソンブレロを被せて

「先輩、吊るそうか?」

と言って頬をはたかれている

「じゃ、埋める?」
「ミンギ!」
「じゃ、刺す?」
「いい加減にしないと」
「電話する?」
「しまいに」
「服脱ぐ?」
「…」
「チョコレートケーキ食う?」
「食う」
「…」
「食う!」
「…あー…チョコパイでもいい?」
「チョコケーキ食う!スプーンで!エスプレッソも持って来い!」
「…先輩…」
「なんだ!」
「水、かける?」
「もう許さん」

ソヌさんがそう言って口を開けたところにギンちゃんは上手い事レモンを絞った
すぐさまイナさんと俺がテキーラを流し込む
ギンちゃんはソヌさんの口を閉じ、mayoさんと一緒にシェイク
嬉しそうなmayoさん
テソンさんの目玉がチーフ得意のガラス玉になりそうだ…

ジホさんの方はウォニさんが大声で騒ぎながらシェイクしている
どんなにヤられても平気な顔してる
やっぱり『えむ』?

ごっくん

「なんか物足りないなぁウォニ君…」
「いやらしいじぉぉぉっ」

ぜったい『えむ』だ…

「みんぎぃぃぃっ」
「先輩はこれぐらいの攻撃、へとも思わないでしょ?」
「くっそぉぉぉ…絶対チョコレートケーキ持って来いよ!」
「へへーん」


行商テキーラ・ボンバーズ ラスト・ステージ3  ぴかろん

その次は…チェミさんとmayoさんが拾ってきた三人組
人相が悪いけどヘラヘラしてる…

一番お年寄りは置いといて、比較的若いような二人にソンブレロを被せた


似合う
特にこの短髪の人
妙に似合う
ラテン系の顔でもないのに…

「ペクちゃん似合うじゃん」
「ソクちゃんだってロックスターみたいじゃん」
「「うふっ」」

ギンちゃんは後ろに来た

「どしたの?」
「あの人たちにはあんまり関わりたくない…でも…」

シェイクはする!
と目をギラギラさせている
しかたないので俺がレモンを持って前に出た
すると二人は俺を指さして叫んだ

「「あ〜っあのセクシーなストリッ○ーだぁぁぁっ」」

…俺は恥ずかしくなって俯いた

「いやぁん君がレモン絞ってくれるのぉぉ?」
「ペクちゃんうれしいっ」
「ソクちゃんもうれしいっ」

近くにいたスヒョクがいやあな顔してる…どしたんだろ…

ギンちゃんが俺に囁く

「レモンそのまんまほおりこんじゃえ!」

俺はクスッと笑った
おじさんが俺達を見てむっとした顔してる
妬いてる?へへっ

イナさんに合図して俺は、レモンをそのままほおりこんだ
イナさんはテキーラを割らずに流し込んだ…
ギンちゃんとmayoさんとテソンさんとチェミさんとテスさんとソヌさんが一斉に二人に飛び掛って
むっちゃくちゃに小突き回したり揺さぶったりしている
二人はそれでも嬉しそうだ…

ごっくん…できないよな…レモンの皮ごと口に入ってるもん…

二人はニイッと笑った
歯の部分にレモンの皮が仕込んである
お見事〜
俺は拍手してあげた
すると二人は照れくさそうに笑って同時に頭を掻いていた

スヒョクを手招きしてなんでさっきイヤそうな顔したのか聞いてみた

「だってあの変な人、ソクって名前なんだろ?…すっごくイヤ!」
「…」

スヒョク…お前も性格キツくなってない?…

次に三人組のお年寄りとウォニさん
このお年寄り、結構渋くてかわいいじゃん…
俺がニコっと笑うと照れくさそうに俯いた
ウォニさんはうぉーうぉーと叫んで気合を入れている
イナさんは彼がウォーと言った瞬間に、めんどくさそうにレモンを絞った
お年寄りにもピュッとひと絞り…
すっぱそうな顔してるよ…

おじさんと俺がテキーラを流す
またギンちゃんとソヌさんとmayoさんとテソンさんとチェミさんとテスさんとが飛び掛って、お年寄りを一斉攻撃してる
ウォニさんはジホさんがむちゃくちゃに揺さぶってる
ああ…ウォニさん…白目むいてるし…

お年寄りは、カン社長って言うんだって
カン社長はヘラヘラ笑ってちょっと乱れた髪を気にしながらその場にへたり込んだ
大丈夫かなぁ…

ウォニさんも白目向いたままぶっ倒れた

怖いよ…


「さ!ヌナの番だ!」
「いええっ私は下戸だからっ」
「嘘つきっ!」
「ミンギ!」
「ばらすぞ…いろいろ…」
「だめだっ…」
「じゃ、あーんして」
「僕がかわりに…」
「テソンさんはさっき飲んだでしょ?あなたそんなに強くないのに、辞めた方がいいよ、後でキメられないよっ」
「「ミンギっ!」」
「へへっ」

そんな仲良し会話しながら、テソンさんがmayoさんの腕を後ろから羽交い絞めして…嬉しそうに…
テスさんがmayoさんの口をこじ開けて…イナさんがレモン絞って俺がテキーラ流し込んで
頭揺する時はギンちゃん、テソンさん、テスさんの三人がかり
チェミさんはちょっと後ろでニコニコしながら…でもちょっとだけ哀愁を漂わせながら…見てた

ごっくんさせた後テソンさんが心配そうにmayoさんの顔を見た
mayoさんの目がクルクル回ってる
大慌てでソファに寝かせるテソンさん…
がんばれ…

「大丈夫かな?mayoさん」
「大丈夫!ヌナは弱そうに見えて強いから!」
「…じゃ…今度は…ギンちゃん!」
「えっ俺さっきやったじゃんか!」
「もう一杯いこう!」

俺は無理矢理ギンちゃんの口にレモンを突っ込んだ
ギンちゃんは涙目で俺を睨む
イナさんが濃い目のテキーラを流し込み、シェイクはソヌさんと…目を回してたはずのmayoさんが思いっきりやっている

ごっくん

「ぜんばーい…ぬ゛な゛ああ…びどい゛〜」
「「あはははははあははははは」」

大笑いしているソヌさんとmayoさんをテソンさんがガラスの目玉で諦めたように見ている

テソンさん!がんばれっ!

「もう。ラブちゃんったらひどいよぉ」
「次はイナさん!」

またまたイナさんにソンブレロを被せてボンバーをお見舞いした

ごっくん

ごっくんしたあとイナさんはおじさんに狙いを定めて…
キスしに行った…

はあ…

「ごめんラブちゃん…イナさんはやめたほうがよかったね…」
「…いいよ…あのひと今さびしいみたいだし…」

イナさんはおじさんに濃厚なキスをお見舞いしたようだ
見てないからしらない…
見たくないし…

受けるなよ…ばか!
もう部屋に行ってやんないぞ…ばか!

イナさんがおじさんにソンブレロを被せたみたい…ギンちゃんがすっ飛んでってレモンを絞る

「ラブちゃんがテキーラ流し込んでシェイクだよっ。イナさんはハウス!」
「なんでぇ〜」

べつに…イナさんがやりたきゃやればいいじゃん…
ごっくんしてチュウだろ?

「ラブ! 早く行けよ!」

スヒョクがイナさんを羽交い絞めしてる
イナさんはジタバタ暴れてる

あ…ありがと…スヒョク…

俺はおじさんの口にテキーラを流し込んで思いっきりシェイクしてやった

ごっくん!

キスされるかなと思ってたら、即座にソンブレロを被らされて口をこじ開けられ、レモン汁を絞られて、素早くテキーラの原液を流し込まれた

きつっ!

それでシェイクすんの無しだぁぁぁあああっやめてええっ

ごっくん
はぁああむっ

おじさんがキスしてきた
そしておじさんは自分の口に溜めてたさっきのテキーラを…俺に流し込んだ…あ…

口の端からテキーラが滴り落ちる…

なんでそういう…そういうことばっかり思いつくのさ…えろみん…

おじさんは俺の舌を音を立てて吸う
みんなが見てるのに
唇をくっつけて好きだよって言う…
みんなが聞いてるのに…

俺の目の端に、窓際に座っているギョンビンの顔が映った
射る様なまなざしがズキンと痛かった…


【3♪僕が嘘をついた byミン&ドンジュン 】れいんさん


留守番の二人  ぴかろん

祭ってのの中継が終わったんでよ、俺はドンヒに寮に行こうって言ったんだ
あいつも賛成したんだよ
んで、行こうとしてたらさ
「衛星映画劇場」とか言うもんが始まったんだ

「何これ…『主な出演者、ホ○トクラブBHCのみなさん』だってよ…」
「へぇえ映画も撮ってるんだ…すごいじゃない…どうする?見る?」
「あのスヒョンって人、出るのかな」
「…出るさ!彼は最優秀ホ○トなんだもの!」
「じゃ、見てから寮に行って寝るか」
「ああ」
「腹減ったなぁ」
「ピザでも取る?」
「お前奢ってくれっか?」
「…ワリカンだろ?普通…」
「じゃ、いい。カップラーメンにする」
「…美味しいの?」
「食ったことねぇのか?」
「インスタントものは嫌いなんだ」
「嫌いって…食ったことねぇのに嫌いか好きかわかんねぇだろうが!そういうの食わず嫌いってんだぞ!覚えとけ」
「…知ってるよ」
「知ってんのか?!お前、頭いいんだな」
「…ああ…」
「食うか?カップラーメン。俺、作ってやるぞ」
「…手を洗ってくれるか?」
「洗ったぞ」
「いや、作る前にだ!」
「なんで、さっき便所行って洗ったばっかだ」
「…いいよ、僕が作る」
「なんだよ、こうるせぇジジイだなぁほんっとに…」

ドンヒはカップラーメンを作るのに、鍋を洗い、軽量カップとやらで水を量り、きっちりお湯を沸騰させ、『規定の線』とかまでお湯を入れ
きっちり蓋をし、三分間じっと時計を見つめていた

俺は自分の分は自分で作った
やかんで湯を沸かす
しゅんしゅんいってるから沸いてるんだろ?
適当なとこまでお湯を入れる
蓋を適当にしめる
店に持ってきて時計を見る
大体三分たったかな?ってとこで食う

ドンヒの方が早く取り掛かってたのにまだ食ってねぇ
どんくさい野郎だぜズルズル
おっ。今日の麺は硬めじゃん!いい具合ズルズル

「お前、三分計ったの?」
「お?適当ズルズル」
「よし!三分たった。いただきます」
「伸びてんじゃねえか?」
「そんな事ないさ…ツルッ…もぐもぐ…うー…あんまり美味しくない」
「どれ、ちょっとちょうだい」
「いやだよ!」
「俺の食ってみろよ、うまいぜ」
「えー、お前の唾液混ざってないか?」
「俺の甘い蜜のことか?」
「…」
「いいからちょっと食ってみろ」
「…ツルツルツル…ツルツルツル…つるっズルズルずるずるずるずる」
「ちょっと待て!俺はちょっとだけと言ったはずだ!」
「ずるずる…僕のあげるずるずるずる」
「…交換ってことか?」
「んずるずるずる」
「…ずるっ…う…なんだこれ…やっぱ麺が伸びてる!しかもスープが薄い…おめぇ、きっちりやりすぎなんだよ!
こーゆーのは適当につくりゃいいんだ!カンでつくりゃいいんだよっ!」
「ずるずるずる…ああ美味しかった。サンキュー」
「…これ…まずすぎるよ…。もう一個つくろ…」
「なんだよ!もったいないぞ」
「じゃ、お前食えよ」
「交換したんだ、それにもうお腹いっぱいだ!」
「…ずるっ…ずるずる…あー…まずいよぉ…」
「しっ!映画が始まったぞ」
「おお…ずるずる…」

最初の映画はビューティフル・ナイト〜です…です…ですてねーしょん?とかいうやつだ

映画なんかあんまし見てねぇから楽しみだ
かわい子ちゃんとか出てくるんかな…
色っぽいシーンとかあんのかな…たのしみぃ…ふふふっずるずる
まず〜…


その森へ 6 足バンさん

冷たい空気が支配するヴィラの前庭に聞こえるのは
柔らかい風に時折さざめく木の葉の音だけだった
枝の間を通る蒼い月のひかりが静けさを強調する

ふたりは芝の上に身体を横たえたまま
僕はスヒョンの肩にもたれて目を閉じている
抱き寄せるその腕は僕の頭を優しくつつみこみ
スヒョンは僕の髪に優しく頬ずりをくりかえす
また僕は暖かい海のような安堵感をおぼえていた

「海辺のコテージにおまえが飛び込んできたときのことは忘れられない」
「なに?急に」
「おまえもギョンビンも相手を守ることしか考えてなかった」
「ああ…」
「あのときおまえの彼への想いの深さを知ったんだ」
「…」

「ギョンビンは…おまえに会って変わったね」

そう…いいよ、僕が代わりに許すから大丈夫だよ…ミンはそう言ったんだ…
こんな自分勝手な僕にそう言ってくれたんだ…
そしてこんな僕を待ってくれている…

「僕はね…僕はギョンビン以外におまえを任せるつもりはない」

僕は意外な言葉を聞いたような気がしてスヒョンを見上げた
スヒョンはふと微笑むと額にキスをした

「彼だからおまえを手放すことができるんだ」
「スヒョン…」
「彼はきっと真っすぐおまえを支えていける」

真っすぐ強く根を張り枝を伸ばし
おまえのことを守っていってくれる
僕は少し離れたところからゆっくり見ていようか
もうひとつの大切な命といっしょに

抱きしめたミンチョルの身体から
僕への言葉にできない深い信頼の気持ちが流れ込む
まったくの無防備で心を開いてくれている
もう僕はそれ以上なにも望むことはないような気がした

スヒョンは僕の頭からそっと腕を抜き立ち上がると
ベンチからワインやグラスを持って戻って来た
僕たちは芝生に並んでうつ伏せになり肘をついてもう一度乾杯をした

なんとなく時間が過ぎるのが惜しかった
子供のようにぶらぶらさせた足をわざとぶつけたりした
スヒョンは無意識に腕の時計を見ようとした僕を意地悪く睨むと
僕の腕をくいと引っぱり片手で器用に時計を外した
そして涼しい顔で少し向こうの芝の上にそれをポイと放り投げた

「もう少し僕のために時間を忘れてろよ」
「ひどいやつ」

ミンチョルは笑って少し拗ねたように頬杖をついている
僕はその横顔を見ていた
ずっと手を伸ばせなかったその横顔
はじめて素直に伸ばすことができた今日
僕はあらためてその手を離す

「ん?」
「もう一度だけキスしていい?」

スヒョンは微笑んで何でもないようにそう言ったが
その瞳にはさきほどの涙の影が残っているように見えた

僕たちはそのままの姿勢で顔を近づけキスをした
スヒョンは何度も僕の唇を軽くつつみ
そのしっとりした唇が小刻みに上下の唇を噛んでいく

スヒョンがゆっくりと体勢を傾けると僕は押されて草の上に倒れた

慈しむようなスヒョンのくちづけ
僕の心は次第に涙でいっぱいになった
もう一度だけ…これが最後であることを確認するように
スヒョンは僕を強く抱きしめ優しくくちづける

「ばか…なんでおまえが泣くんだよ…」
「スヒョン…」
「ん?」
「これからもずっと側にいてくれるか?」
「ああ…ずっと見てる…」

スヒョンは僕を覗き込んで微笑んだ

「ありがとう…おまえに出会えただけで…僕は幸せだ」

その言葉を聞き僕はスヒョンの首に手を回し強く強く抱きしめた
感謝と暖かい安堵感で僕の心は満たされた


【70♪天使と狐】(勝手にロージーの愛の世界1) ロージーさん

【71♪煌く愛を】(勝手にロージーの愛の世界2) ロージーさん

【72♪ロングアゴー】(勝手にロージーの愛の世界3) ロージーさん


4人のまうむ..one  妄想省mayoさん

闇夜がちぇみと戻ってきた..それも大層な土産を持って..
僕とテスが飛んでいくとちぇみが『心配ない..』の『ん..』の合図をした..

大層な土産…BSHCの3人は僕らの近くのBOXに座らせられた..
時折送る闇夜とちぇみの「睨み」のおかげか危険な事にはならない様だ..
BHCのメンバーが次々とボンバーされていく様を見て
ソファから腰を浮かしながら..わくわくわくわく#と待っているようにも見える..

僕は戻ってから隣に座った闇夜に敢えて何も聞かなかった...聞けなかった..

……闇夜の瞳の奥が..少し濡れていたから..

僕は何も言わずに笑って闇夜の肩を抱いた..闇夜は僕の肩に頭を寄せた..
===
隣に座って僕の髪をいつもの様にくしゃくしゃ#っとしたちぇみは頷くだけだった..
僕はちぇみとmayoシに何があったのか..聞けなかった..

……ちぇみの瞼に涙の後があったから..

ちぇみは僕の前では泣いたことがない..
僕は何も...聞かないことにした...僕も泣きたくなかったから..
僕はちぇみに2人がいない間のボンバーの様子を話してあげた..
ちぇみは僕を横抱きに抱いて「ぅんぅん」と聞きながら...横デコち◎うを落とした..
===
ソヌ&ジホのボンバーの時...闇夜はミンギと目が合うと走っていった..
ソヌをシェイクする闇夜の顔は..もぉぉぉぉぉっ#

BSHCの3人にボンバー隊がやってきた..
ソヌが走って行った..闇夜も側に寄る...きぃぃぃっ#

「テス!テソン!続けっ!」ちぇみが叫ぶ..

僕たちと..ちぇみテスと..ソヌミンギ..6人でむちゃくちゃシェイクした..
2回とも6人でむちゃくちゃシェイクした..

ソヌとミンギと..闇夜が一番楽しそうに見えた..当然?#
===
闇夜がミンギに捕まった..
テソンとテスは俺を促したが俺は口元で笑い瞬きをしながら首を横に振った..
2人にシェイクされごっくんした闇夜の目が泳ぎ.. 闇夜の背が弓のように撓った..
やっぱり来たか..

テソンは一瞬..鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした..
当然だろう...あれほど撓る奴は..そう滅多にいないんだ..
『..テソン..しっかり支えろっ』
すぐ正気に返ったテソンは闇夜の頭と腰を支えた..

俺は上目づかいでちょいと想像しちまった^^;;...2人の###を..
ぁ~~ったく..懲りないすっけべぇーなオヤジだな..俺は..

口元に手のひらを当て控えめにあくまでも控えめにだ#..ニヤケていると...
テスが俺の顔を覗き込み..デコペッチン##をした..
「..やらしいこと考えてたでしょ..」
「テスぅ..^^;;..」
そう言うテスもやらしい笑いをこらえている..
「ぉ..お前だって...」
「えっへへ..^o^....ちょっと...想像しちゃった..撓りが凄いんだもんっ!」
「ったく..」
テスのほっぺたを軽く叩いていると..テソンがアヒルの口になっていた..
闇夜がソヌとおもしろ可笑しくミンギのシェイクをしてやがる..
ソヌとの4回目のシェイクだ...ったく.. 闇夜めっ#

振り返ったテソンはガラス目になっていた..俺がテソンの頭を後ろから撫でる..

「ちぇみ..」
「何だ..テソン..」
「僕..ソヌにシェイクしたい#...ひとりでっ#...」
「ん..テソン..気持ちはわかる...耐えろ..」
「ぅん..(;_;)..」

俺は..テソンが気の毒で....
そんなにソヌがいいのかよっ!...っとさすがの俺もカチ〜ン#としちまうし..
闇夜が妙にお茶目に陽気に振る舞う様に胸がチクリチクリしちまうし..
俺もアヒルの口になりたい気分だぜ...テソンよ..

闇夜はミンギのシェイク終わり俺等3人の方に振り返る..
俺等3人のじぃぃぃー@@##っという視線が怖かったのか..

くるりと身体の向きを変え..ラウンジの隅で電話をかけたあと..
ヘロヘロになってるBSHC3人組の側へ向かった..


行商テキーラ・ボンバーズ ラスト・ステージ4 ぴかろん

イナさんが窓際に座っている二人に声をかけに行った

「お前らも参加しろよ!逃げんなよ!」
「なにがよ!」
「なにがぁ?…お前らにもばっちりご馳走してやっからな!」

ドンジュンの首根っこを掴んで揺さぶってる

「痛い痛い!もうっ。解ったって!…しょうがないなぁ…ギョンビン、行こうか」
「…」
「ギョンビン?」
「う…うん」

ギョンビンが俺を睨んでいる
睨んでいるような気がする…
お腹の方から鋭い痛みが走る
彼の刺すような視線は…やっぱり苦手だ…

ミンチョルさんがスヒョンさんと出て行ったから…
それでピリピリしてるのは解る
でも…
彼は俺に対してとても冷たい…
おじさん絡みの感情があるからなんだろう…

イナさんは仲間思いで仲間はずれって言葉が大嫌いだから、当然この二人にもボンバーするわけだ…

「ギンちゃん…こっち…頼む…」
「…ラブちゃんどうしたの?」
「ちょっとお腹痛い…」
「…ラブちゃん…」
「大丈夫…休んでたら治る」

っていうか…ギョンビンから離れたら治る…

イナさんはドンジュンとギョンビンにソンブレロを被せた

「ラーブ、レモンしぼってぇ」
「俺がやるやる!」
「ミンギが?ラブは?」
「ん。休憩」
「なんでラブ君来ないの?楽しみにしてたのに」

ギンちゃんが声の主をじっと見つめた

「俺じゃ不服?」

ギンちゃん…たてつくなよ…そいつ…今…危ないよ…

「ギョンビン…誰でもいいじゃん」

ドンジュンが慌ててギョンビンをなだめる

「ラブ君がいいな。ラブ君にレモン絞って貰って、テキーラ作って貰って、シェイクして貰ってぇ、ごっくん…だろ?」
「…ギョンビン…」
「そんで仕上げに濃厚なキス」
「ギョンビン」

息苦しい

「やってよ!兄さんにばっかキスしてないで僕にもやって見せてよ。どんなキスなのか知りたいな」
「ギョンビン!やめなよ。ヤケになんなよ」
「ヤケ?何がヤケ?」
「…ミンチョルさんがいないからって…ラブ君に当たるなよ…」
「当たってなんかいないぞぉ。楽しみたいんだもん。ラブ君、僕とあんまり喋ってくれないからさ、この機会に仲良くなりたいだけだよ。ねっラブ君、いいだろ?」

俺は大きく息を吸って、吐いた
そして立ち上がってレモンとショットグラスを用意した
おじさんが傍に来た
おじさんもレモンとショットグラスを持っている

「僕はドンジュン君担当する」

俺はおじさんを見た
おじさんの表情はさっきまでのデレデレと違ってとても精悍な顔つきだ

「傍にいるから…。大丈夫だから…」

おじさんが小声で呟いた
俺は唇を噛みしめてテキーラ・ソーダの準備をした

ラストなのにシィンとしている
だめじゃん、これじゃ…

ふぅっ

俺は細く息を吐いて頭を空っぽにした
楽しまなくちゃ
楽しませなくちゃ

笑顔を作った
作り笑いでもむっつりしてるよりマシだよ!

「よっしゃ!ご指名とあらばガンガン行くから覚悟してよね」

おじさんが俺を見た
そして小さく微笑んだ
ドンジュンも俺を見て口元に笑みを浮かべた
ただ一人だけ俺を凝視する奴がいる
構わない
嫌われてるのは解ってる
たとえギョンビンと俺が嫌な気分であっても、他のみんなを巻き添えにしたくない

俺はギョンビンの唇に、レモンを持った手で触れた
睨みつける鋭い瞳
開かない唇
俺の笑顔、引きつってる?

「口、開けてよ、レモン絞れない」
「こじ開ければ?キスでもして…」
「…あーんしてよ」
「いやだ」
「…やりたくないの?」
「君がこじ開けてよ」
「…」
「キスしてくれたら開けてやる」

体が震えた
おじさんと同じ顔で冷たく言い放つ
おじさんの方は既にドンジュンにレモンを絞ってテキーラを流し込んでいる
みんながドンジュンを小突き回してドンジュンも笑顔で揺らされてる

ごっくんしちゃったよ、もう…

「きくう〜…あれ…ギョンビン、まだやってなかったの?」
「僕の口を開けてくれないんだもん、ラブ君」
「自分で開けなきゃ、ね?ギョンジンさん」
「ギョンビン…」
「こじあけてたじゃんいろんな人の口、僕の口もこじ開けてよ!」
「ギョンビン!」
「おじさん…怒んないで…。ギョンビン…キスしてもいいの?俺が君に」
「してくれたら口開いてやる」

そんなにしてまでやんなきゃいけないの?
もういいよって言ってもいい?

俺の体が震える
なんでそんなに俺に突っかかるの?
ホントにキスしちゃうよ?いいの?

俺は意を決して、ギョンビンに顔を近づけた
キスぐらい…減るもんじゃなし…

あと少しで唇に触れるという時にギョンビンの呟きが聞こえた

「いやならはっきりそう言えば?」

俺はギョンビンの目を見つめた
何がしたいの?
俺を追い詰めたい?
なんでそんな意地が悪いの?
なんで俺だけにそんな…

俺はもう笑顔なんか作ってられなかった
もう言葉も出てこなかった

「君って言われたとおりの事しかやんない。いやだって言えないの?だから兄さんの言うがまんまにキスされたりキスしたり…
体触られても拒否もしない。何やってんの?ホントに兄さんが好きなの?ねえ!」

どうして…どうして君にそんな事を
どうして俺は君にそんな事を言われなきゃいけないの?
俺が君に何かした?
何が気に入らないの?
俺のどこが悪いの?

頭の中を駆け巡る攻撃的な言葉が、全部心に流れ込む
口に上ってこない
何も言えない…

ケンカはしたくない…

「ちょっとぉ…ラブちゃんになんか恨みでもあるわけ?」

ギンちゃんがギョンビンにガンを飛ばした

「ギンちゃん、やめて…」
「だってラブちゃん」

俺はギンちゃんを押し戻して小さな声で言った

「ケンカしたくない…」
「最低じゃんか!あいつ!」
「…彼は今…きっと寂しいんだ…。とても苦しんでるんだ…だから…」
「だからってなんでラブちゃんに当たるのさ!」
「…おじさんといるからだろ…」
「は?そんなの!」

ギンちゃんと話している間におじさんがギョンビンの前に立っていた

「なにさ兄さん」
「お前って要領わる〜い」
「…」
「僕にキスして欲しいの?」
「…兄さん酔ってる?」
「いい気分だよ…とっても楽しい。お前は?」
「…別に…」
「ミンチョルさんがいないからか?」
「…」
「わかりやす〜い」
「…酔ってるね。彼に骨抜きにされてんの?」
「みんなが楽しくやってるのになんでお前だけとんがってんの?」
「…は…兄さんにそんな事言われるとは思ってなかったな。兄さん昔、こんなんだったじゃないか」
「そうだよ。そんなだった。だからよくわかる。はやくやめなよ。くだらない」
「…」
「あーん」
「…」
「あーんって」
「…」
「頑固だな!」

おじさんはギョンビンの頬を両手で挟むと自分の顔をギョンビンにすいっと近づけた
ギョンビンはとっさに顔を背けた

「なにするのさ!」
「だから…僕にキスしてほしいんだろ?」
「してほしくなんかないよ!なんで兄さんに…」
「じゃああ〜、キスされたくなかったら口開けろ」
「…」
「ほら…あーんしなきゃキスしちゃうぞぉぉぉ」

キャラ…変わってる…
信じられない
イナさんも驚いた顔で見てる…

「解ったよもうっ!あー」
「最初っから素直にそうやれよな!」

おじさんはレモンを絞り込み、テキーラを流し込み、ギョンビンの口を閉じさせてシェイクしている
口元は笑ってるけど目が怒ってる…
おじさんがギョンビンに対して怒るなんて…

ごっくんと液体を喉に流し込んで終了…

おじさんはそのままギョンビンの唇にキスをした…
ギョンビンは目を白黒させている
弟なのに…かなり濃いキスしてる…

同じ顔の兄弟のキス…
こんな禁断の絵図を見ていてもいいのかな…

静まりかえったラウンジに、イナさんの拍手が鳴り響いた

「おおっよかったじゃねぇかある意味…ある意味ギョンジンったら『願いが叶った』じゃねえか」

明るく言い放つイナさんの表情は、どこか戸惑っていた
けど、次第に拍手の波が広がって

「兄弟でキスすんなよぉ」
とか
「やばい兄弟が入ってくるなぁ」
とか
「これ、売り物になるぞぉ」
とか

みんな一生懸命静まり返ったこの場を盛り立てようとしている
ようやくギョンビンから唇を離したおじさんはにっこり笑うと舌なめずりして言った

「美味しかったぁ〜。もう二度とできないな…」

ギョンビンは呆然としていた

「さ、これにてボンバーズ終了〜…」

おじさんがそう言うと、イナさんが

「待て!カウンターで難を逃れてるあの三人も餌食だ!来い、ミンギ!」

と、ギンちゃんを引っ張ってバーテンダー軍団のところに行った
おじさんはギョンビンに囁いた

「いい加減にしろ、あたるなら僕にあたれ。ラブは関係ないだろう」

厳しい表情だった…


「あれはギョンビンがいけないと思うよ」

ドンジュンがギョンビンに言っているのが聞こえた

「…ごめん…」
「どうだった?兄貴のキスって」
「…兄さん…あの子の事がホントに好きなんだ…」
「…」
「…それが解ったから…もう…いいよ…」
「ギョンビン…」
「馬鹿みたい…。馬鹿みたい僕…」
「…ギョンビン…」

ギョンビンがすすり泣いている
ミンチョルさんの事、想ってるんだね、きっと…

いつか…ちゃんと話ができるようになりたいな…
おじさんの事も、君の事も、俺の事も…いっぱい話がしたいな…

おじさんが優しい顔をして俺の頭を包み込む
俺はおじさんの背中に腕を回しておじさんを抱きしめた

おじさんが好きだよ…大好きだよ…

「ラブ…」
「なあに?」
「見直した?」
「ちょっとね。でもしたかったんでしょ、ギョンビンにキス」
「へへ…酔っ払ってないとできない」
「ほんとに酔ってるの?あんまり変わんないけどナ…見た目」
「エヘヘヘ…」

でもキャラが変わってるし…やっぱ酔ってるんだね、きっと…

「こんな楽しいの、初めて…」
「そうなの?」
「お前がいるからかな…」
「…」
「ねぇラブ…」
「なんだよ」
「まだ部屋行かないの?我慢できないよぉ」

…じじい…ばか!
いいムードだったのに

俺はトンとおじさんの肩を押して、カウンターに向かった


風のファイター オリーさん

僕は泣いているギョンビンを元のボックス席に連れて行った
ギョンビンは目を閉じたまま一言「ごめん。」と呟いた
「謝るなら、ラブだよ」
「そうだね、わかってるんだけど」
ギョンビンは目を閉じたまま、シートに沈み込んだ

振り向くと兄貴とラブはカウンターに向かっている
ちょっと一言、言いたい気分になった
シートに沈んでいるギョンビンを確認してから席を離れた
そしてカウンターに腰掛けた兄貴の肩を叩いた
ギョンビンとそっくりの兄貴が驚いたように振り返った
顎をしゃくってちょっと脇に誘った
ラブには聞かれたくない

「さっき、当たるなら僕に当たれって言ってたよね、ギョンビンに」
「ああ」
「そんな簡単な事じゃないだろ。それができないからあいつ困ってるんだろ
あんたがギョンビンにした事は当たって済まされるような事かな
あんたはすべて解決でハッピーだろうけど、弟の方はそうじゃない」」
僕は兄貴の目を見つめながらゆっくりと話した
「今日はあんたのせいでギョンビンは死ぬほど苦しんだ
ジェットコースターに乗ってるみたい。恋人に突き放されて、あんたに翻弄されて
僕達も巻き込まれて散々さ。ま、今はそれだけじゃないけど…」
兄貴の顔色が変わった

「もうあんたの中ではすべて過ぎて終わったこと
それはそれでいいけど、もうちょっと別のやり方もあるんじゃないの?」
兄貴の目が最初険しく光り、その後激しく揺れた
「誰が許しても、自分が許しちゃだめなんじゃない?」
とどめを刺しちゃった
僕も変だ、半分正しいけど、半分八つ当りだ
ここまで言うつもりはなかったんだけど…

兄貴が俯いて僕が顔をそらした時、後ろから声がした
「兄さん」
ギョンビンが白い顔をしてすぐ後ろに立っていた
「ギョンビン…」
答えた兄貴の声が少し上ずっていた
それにはかまわず、ギョンビンは抑揚のない声で言った
「つきあってよ」
「え?」
「勝負しよう」
「勝負?」
「兄さんはテコンドーだよね。昔から兄さんには勝った事ないけど、
僕も軍で格闘技を一通り習った。もう子供のころの僕じゃない」
「勝負って…まさか…」
「僕がどれくらい強くなったか知りたくない?」

僕と兄貴とギョンビンはしばらくそのまま突っ立っていた
後ろでラブが心配そうに見ている
兄貴がおもむろに口を開いた
「ここでやるのか?」
「あそこのダンスフロアで十分でしょ。どう?」
「今お前とやり合う必要はないだろ」
「だからつきあってって言ったでしょ。たまには僕のお願い聞いてよ」
言い終わるか終わらないうちに、ギョンビンは兄貴の胸ぐらを掴むと
兄貴をダンスフロアの方へ投げ飛ばした
兄貴は投げられながら受身をとってダンスフロアの真中にタンと立った

「ギョンビン!」
僕が声をかけた時には
あいつはもう風のように兄貴の後を追って行ってしまっていた。

ギョンビンが兄貴を追ってフロアの中央に立つと、
ざわついていたラウンジが水を打ったように静かになった
ラブがスツールを降り、僕の隣まで来ていた
「とめないの?」
「とめた方がいいのかな、僕にもわからない」
「僕のせい?」
ラブは目を潤ませて僕を見つめた
僕はラブの髪の毛を掴んで言ってやった
「ラブは悪くない。あの二人の問題だよ」
「きっかけは僕じゃないの?」
「違う。きっかけは…別にある。それにあの二人はいつかこうなってたよ」
ラブに話しながら僕はとめるのをやめようと決めた
どんな風でも、気が済むようにやればいい
そうしたら、ギョンビンも前に進めるし、兄貴もラブにちゃんと向き合える
僕はそう自分に言い聞かせ、ラブの頭を抱いてやった

二人は見詰め合ったまま、身動きひとつしなかった
突然チュニルさんがカウンターを飛び越え、
フロアに飛び出ていた丸テーブルをひっつかむと隅の方へ片付けた
それを目の隅で確認したギョンビンがいきなり飛び上がって回転した
顔の横すれすれで兄貴がそれをかわす
それをきっかけに二人は動き出した
兄貴が入れた蹴りをギョンビンが片手で払うと、
今度はギョンビンが腕を突き出す
それをかわした兄貴がギョンビンの腕を取って投げる
投げられながら、ギョンビンは回転して兄貴の後ろに回る

二人の動きは格闘というより、舞踏のようだった
蹴りを入れる動き、腕をくりだす動き、回転する動き、蹴りをはらう動き、突きをはらう動き、
それら一連の動作がまるで振付けられてるように流れていった
「何だか綺麗だね」
ラブが僕より先に口にした
「ああ」
「でも、怪我しないかな」
「心配ない。あいつら、止めてるから」
いつ来たのか、いきなり横にいたイナさんが言った
「止めてるって何?」
「蹴りも突きも、相手に入る一瞬手前で止めてるんだ」
「そうなの?」
「へへん、俺はプロだぞ」
その隣のチュニルさんもにっこりうなづいた
そう言えば、みな喧嘩を見ているという感じじゃなくて、
なにか鑑賞しているっていう顔になってる
イナさんは続けた
「だからかすった程度で、まだどっちも無傷だろ」
「それって本気じゃないってこと?」
「いや、本気だろ」
「わけわかんない」
僕とラブは口を尖らせた
「ふふふん、お前らにはわからんだろ」
イナさんは思わせぶりに笑った
チュニルさんも笑った
ちぇっ、何だよ、二人とも
僕は平和主義のカーデザイナーなんだからね

他の席からも少しづつ会話が漏れてきた
「お前らもあのくらい腕が立ったらなあ、俺は苦労しないんだ」
カン社長が水割りを飲みながらボックス席で呟いた
「ひゃひゃひゃひゃひゃっ」
「そりゃ無理っす。俺はせいぜい卑怯な突きしかできましぇん」

「おい、誰かとめないのか、やっぱ俺が行くか?」
「テプンさん、やめときなよ。怪我するよ」
「シチュン、俺は喧嘩にゃ慣れてる、身内にヤクザがいるくらいだから。な、チェリム」
「変なこと自慢しないで!パパには内緒にしといてよ」
「ぐうう!そうか…」
「テプンさんがとめにはいったらぎゃくにボコボコにされるだけです。やめてください」
「ジュンホまで何だよ」
「ほんとにあぶなくなったらぼくがいきますから」
「ほんとにって?あいつらマジじゃねえのか?」
「マジです。でもまだだいじょうぶです。ぼくにまかせてください」
「ま、チャンプがそういうなら仕方ねえな」
「内心ほっとしたでしょ」
「チェリムっ!」
「まあまあ…」
相変わらずのあの人たち…

動いているうちに僕らは自然と心で会話していた
『兄さん、止めないで打ってきなよ』
『最初の蹴りを止めたのはお前だ』
『よけたのは兄さんだろ』
『テコンドーに合わせることないだろ』
『合わせるかどうかは僕の勝手だ』
『大した自信だな』

兄さんの動きはとても速くて正確だ
それでも兄さんの動きが手にとるようにわかる
次に来る蹴り、次に来る突き、すべてわかる

強くなった
僕の蹴りと突きをすべてかわし、止める
まるで型の練習をしているようだ
だから次に来る動きがみんなわかる

すべて予測できるけど、
でも一瞬でも気を抜いたらやられる
緊張の連続の中で感じるこの高揚、
一種の快感だね、兄さんもそう?

ちょっとでも気を抜くと流れにやられる
テコンドーのてほどきしたのは僕だよ
それにしては、遠慮がないな
お前、こんな状態を楽しんでるのか?

弟の蹴りが来るとわかった瞬間、なぜか僕は半端によけた
弟はあっという顔をした
その時すでにあいつの蹴りは僕の耳元まで届いていた
僕はもんどりうって倒れた
ラウンジがまた静かになった
僕は大の字になってフロアに倒れたままでいた
まあ、これでいいか

静かな足音がして、弟が近づいてきた
屈みこんで手を差し出しながら言った
「何でよけなかったの?」
僕はその手を握って立ち上がりながら言った
「どっちか集中力を欠いた方の負けだ」
弟はその手に力を入れると僕を完全に立たせた

僕は兄さんを起こしながら言った
「そんな言い訳通じると思ってるの?」
兄さんが僕に譲るなんて、初めてだ、それが兄さんの答
「お前の勝ちさ」
「譲ってもらってまで勝ちたくない」
「意地っ張り」

僕を立たせた弟が突然言った
「これで終わりにしよう」
「ギョンビン…」
「僕の蹴りをわざと受けた。それで片をつけたかったんでしょ」
「嫌な言い方するな」
「僕も同じだ。どっちでもよかった、勝っても負けても」
「お前とのことは、その…勝ち負けとかじゃすまないだろう」
「でもいつかは片をつけないと。そう思った時兄さんが初めて僕に譲った」
「ギョンビン…」
弟はわざと僕の顔を見ずに言った
「やっぱり、兄さんだね。最後は譲ってくれた」
僕は思わず手を伸ばした
迷いながら弟の肩に手を回した
「終わりにしてくれるのか」
弟も僕の肩に手を回して言った
「今日のところはね」
「こいつっ!」
一瞬体に風が吹く抜け、僕は子供の頃に戻ったような気分になった
弟もそう感じているだろうか

兄さんと肩を組んでカウンターの方へ戻った
ドンジュンさんとラブさんが並んで立っていた
「ごめん」
また僕はドンジュンさんに謝った
ドンジュンさんが笑ってラブ君の方を指差したので
隣で心配そうに立ってるラブさんに言った
「さっきはごめん」
ラブ君がちょっとこわばった笑顔を作った
「でも、兄さんとはやめた方がいいよ」
ラブ君とドンジュンさんが一瞬でかたまった
「この人、エロミンって言われるほどスケベなんだ。やめた方がいい
弟が言うんだから間違いないよ」

兄さんが後ろから思い切り僕の頭をぶった


4人のまうむ.. ..two..  妄想省mayoさん

BSHCの奴等の席に向かう闇夜を俺ら3人は目で追っていた..
闇夜が奴等と話を始めた..
じっと闇夜の横顔を見ているテソンは動じない..
「テソン...あいつ..またコマシにいってんじゃないのか?」
「あれは..仕事の顔.大丈夫..大方アドバイス契約でもしてんじゃない?」
「あっちこっちと繋ぎを付けてるわけか...」
「ぅん..プランニングしたり..アドバイスしたりもする..
 闇夜は口も堅いしね..僕にも口を割らない情報もある..でも表には絶対出ない..」
「闇夜らしいな..」
「ぅん..」
「さすがだな..仕事の顔を見分けるとは..」
「僕も最近やっとわかってきたんだ..」
「ぷっ..そうか..」

「でもぉー..ウソ下戸は見抜けなかったなぁ..僕..」
「えへっ#..僕も..」
テソンは目配せしたテスと一緒に俺の顔を覗き込んだ
「何だ#..俺も知らんかったぞっ!」
「「僕達よりは先にわかったんでしょぉぉ??」」
「ぉ..ぉ..知らんっ#..コホンケホン..」

俺はテソンとテスを無視して知らぬ存ぜぬを通した..

闇夜が俺等に軽く手を振ったとき..フロントの従業員がラウンジに来た..
従業員は手にしたトレイを闇夜の指すカウンターへ置き.闇夜に笑って帰った...
トレイはジホが引き寄せ..ソヌの前に置かれた..

テスが俺を突っつき..テソンを顎で指す..
テソンがまたアヒル口になってブツブツ小さく呟いている..
俺とテスが耳を近づけて聞くと..

「チョコレートケーキだ..ソヌの..ケーキ..」

俺とテスがカウンターを見るとソヌが嬉しそうに..
スプーンでケーキをひと口..口に運び..スプーンを弄んでいた..

ったぐぅぅぅー闇夜ぉぉ##
いい加減にしろぉぉぉ###

アヒル口のテソンと眉間にシワの寄った俺の間に座ったテスは
「しょうがないなぁ..もぉー」
っと..ぽちゃぽちゃで片方づつ..俺とテソンの頬をなでる..
「「だよな#..テス..しょうがない奴だよなっ..闇夜はっ#..」」
「あのねぇー..しょうがないのはあんたたちっ」
「「テスぅ..」」
「mayoシはね..スカ対店に入ったらもう心配ないよ..」

「テソンは?」
「テソンさんは..自分から手つけたでしょっ#」
「ぉ..そうだ# そうだ#テソン!」
「うぐぐぐ…テスぅぅぅ…」

テソンがテスを羽交い絞めにし..俺が2人を小突いていると..
「何やってんのっ#..」

「「「へっ?..@_@..@o@..@_@」」」
俺等の前に闇夜が俺等3人を凝視して立っていた..


ため息 れいんさん

お酒の力を借りて僕は妻との事をスハに話した
スハと過ごすここでの最後の夜に、すべてを話しておきたかった
胸のつかえがおりたような気がした
スハは僕のために泣いてくれた

そして3年前のスハの真実を聞いた
考えてみれば僕はスハの事をあまり知らない
誰かの心に深く踏み込むのをためらっていたのかもしれない
現実に引き戻されるのが怖かったからなのかもしれない
話し終えたスハは深々と溜息をついて俯いた

「僕はそんなスハが好きなんだ」

何か言わなければと思ったのに、僕の口から出たのはそんなありきたりの言葉だった
それでもスハは俯いていた顔を上げ僕を見た

僕はもう一度スハの瞳を見つめて言った

「スハのそんなところが好きだよ」

「…どうして?…僕は酷い男でしょう。あなたを愛してしまったから…妻や子供を捨てようとしている。結局あの時した事はただの偽善に過ぎなかった…
妻に裏切りの苦しみをもう一度与えようとしているんです」

「そんな風に自分を責めるな。今までずっと彼女に愛と安らぎを与えてきたんだろ?
子供の事も慈しんできたんだろう?」

「…確かに愛しています…でも本当にそうだったのか…もうわからない
あなたへの気持ちが…こんな気持ちになったのは初めてだから…
切なくて…苦しくて…息もできない程の…」

僕はスハの唇に指を添えてそれ以上の言葉を制した

「わかっているよ。…ありがとう。…僕を愛してくれて」
「テジンさん…」
「ねえ、スハ。前にも言ったろ?焦らずにゆっくり進もうって…
僕はね、結果的にどうなったとしてもそれでいいと思っている
ただ…スハが辛いと僕も辛い。スハが笑っていたら僕も嬉しい
だから…ありのままの自分でいてくれ。…な?」

スハは僕の肩にゆっくりともたれかかった
スハの肩はわずかに震えていた
僕はその肩を抱き寄せスハの額にそっとキスした

おまえが過去に選択してきた事
誰にもそれを話さなかったおまえの強さ
なぜおまえにこんなにも惹かれたのかが今わかった
おまえを離したくないよ…
息もできない程に愛しているのはきっと僕の方なんだ

先の事をあれこれ悩むのはもうよそう
今夜だけはおまえの顔を見つめながら、おやすみって言えるだろ?
明日の朝はおまえの寝顔を見ながら、おはようって言えるだろ?
今夜はただおまえの温もりを感じていたい
ただ…それだけでいい
スハの柔らかい髪を撫でながら僕はそんな事を考えていた


映画鑑賞  ぴかろん

俺とドンヒは画面に映る怖ろしい物語を固唾を呑んで見つめていた
こんな恐怖があるか!
なんだこれ!
出てくんの男ばっかし!
それもなんかしらねえけんどお互いがお互いを狙ってるような…

スヒョンの奴が悪役やってる
でも鷹に騙された?ん?
ああっわかんねぇっ
なんでこんなもんに出たんだスヒョン!
俺の尊敬するスヒョンがっこんなっ!
それにしてもこれがチーフか…
こええっ…頭でかい!
それに、あんな張り紙してあるから気になってチェックしたけど、たしかにわき腹が甘い!
…でもこのチーフの目は、真正面から見ちゃいかんな…妖術遣いとかいうヤツだ、きっと…
やたらと「紫」が似合いそうだし…あのすだれた前髪の後ろから眼光発したら俺、きっと固まるな…
あいつと目をあわしちゃいけねぇんだな…よし


あああああっ

……

うそだ…

あの若いおとこ…

うわ…



やっぱり妖術に嵌ったんだ!
馬鹿なヤツだ!まともに目を見るからこんな事に…

でもどこに?
おんなはああだけどおとこは…どこに?
ドンヒのヤツ、解ってんのかな?
ああ…口開けてるわ…

ったく、こんな「妖怪肉弾争奪戦」のどこがびゅーちふるなんだ!なにが「ですてねーしょん」だ!
意味がわからん!

次の映画はなんだ?

「すごいな…素晴らしい愛だ…」
「へ?」
「性別をも越えた愛…素晴らしい…」
「…この妖怪大戦がすごいのか?」
「…妖怪大戦?」
「鷹だの狐だの犬だの親鳥だの…あと蜘蛛とかいろいろ変な怪物でてきたじゃん…」
「…どういう見方をしている…」
「見たまんまの感想だけど…」
「…はあっ…」
「次の蜘蛛の恋とかいうのは、かわい子ちゃん出てくるかな?」
「…」

なんで女が出てこないのか不思議だぜ…
次に期待しようっと…


4人のまうむ..three   妄想省家政婦mayoさん

俺等3人を凝視していた闇夜は大きなワインクーラーを抱えて立っている

..ったぐ#…とぶつぶつ言いながら闇夜はテスの隣に割って座った
.闇夜が抱えていたワインクーラーをでん#っとテーブルに置くと
テスが闇夜に横から抱きついた..

「mayoシ〜2人が僕を苛めたぁ…」
「ん…」

闇夜は俺の真似をしてテスに頷き..俺にぐぅー#と出したが..
俺は手のひらでぴしっ#っと止めた..

「お前が..ソヌに余計なことするからだっ#..見ろ..テソンを..」

(俺はテソンのせいにして…)ちょいとムキになって言った..
闇夜はまだアヒル口のテソン耳元で..こしょこしょこしょと何か囁いた…
俯いていたテソンが…ふふふ..と笑ってすぅ〜ぐ..機嫌がなおった..すぅ〜ぐだっ..
俺は..マイクを外したので..聞こえんっ#..

闇夜がテーブルに置いたワインクーラー中は..たっぷりの氷とショットグラス4個
それに細身のグリーンのボトル2本とvolvicの中ボトル1本..
何切れかのライムも入っていた..

細身のグリーンのボトルは.. ..TANQUERAY NO.10..英のドライジンだ..
普通のタンカレーはゴロッとした消火栓の形の太いボトルだが
このTANQUERAY NO.10は細身のボトルだ..

もともとすっきりとして穏やかな香味とほんのり甘いタンカレーだが
NO.10の方は10年寝かせてあるためにしつこさのない芳醇な香りが漂い..
フルーティーさも加わってバランスの取れた味わいがある
冷やさなくても充分香りを楽しんで飲めるジンだ..
これはカクテルに使うにはもったいなく..冷やしてストレートで飲むのが旨い..
但し..アルコール度数が高い..

「ったく..どこに隠してたんだ..飲んべぇめ#」
「キンキン冷えて丁度いいよ..飲みましょぉ〜..」

闇夜はカラカラカラとクーラーの中で右に寄せてあるボトルを取って
俺とテス..テソンのグラスに注いだ..

闇夜が持っているボトルから自分のグラスへ注ごうとした時..
俺は闇夜の手からボトルを取り上げ..闇夜のグラスに注いだ..

「手酌をすると..嫁に行けなくなる..」
「ちぇみぃ〜そうなの?」
「ん..」
「へぇぇ〜」
「知らなかった..」

テソンはびっくりした顔で言った..
闇夜は下を向いて笑いをこらえている..
注ぎ終わったボトルを俺から受け取った闇夜はクーラーに戻し右に寄せる..
4人でグラスを持つ..
「「「「コンベ!!#」」」」

カツン##っと4つのグラスがぶつかり..
俺達は一気にグラスをカラにした..

テソン「ぶっはぁ..効っくぅぅー」
闇夜「ぷふふ..たぁまんないねっ#..」
テス「はっふぅはふはふ…ちぇみちぇみちぇみ..」
俺...「ぐはは…旨いっ!!..」

クーラーの中にあるライムをテスに噛じらせる..
闇夜もテソンのにライムを噛じらせた..

闇夜はクーラーの中で左に寄せてあるボトルを取って
俺とテスのグラスに注いだ..
入れ違いに右に寄せたさっきのボトルからテソンのグラスへ注いだ..
今度はテスが闇夜からボトルを取り上げ闇夜のグラスに注ぐ..

俺達はまた4人で「コンベ##」の後一気にグラスを開けた..
闇夜はvolvicのボトルを開けテソンのグラスに注いだ..
テソンは2杯の一気の後ミネラルを飲んで少し落ち着いたようだ..
闇夜は..普通だ..

俺とテスは一気に飲んでゴックンして顔を見合わせた..
…??.....俺たちのグラスの中身は…水だ#

俺とテスが何か言おうとしたとき闇夜はちょっと首を振った..


大切な場所  足バンさん

ずいぶん長い間スヒョンとミンチョルは芝生に寝転び空を見ていた
スヒョンの肩に頭をあずけているミンチョルも
ミンチョルの肩を抱き寄せているスヒョンも
もうなにも言わずただそうしていた

ミンチョルは満ちたりた想いに身を任せていた
スヒョンとの我を忘れるようなひととき
自分たちはあのとき交わったのかもしれないと思った
スヒョンの心からの言葉はすべてが愛撫だった
…天使の愛に手をひかれ甘い夢に堕ちたんだ

スヒョンも穏やかに満ちたりていた
長い間霧にかかっていた自分の姿が見えていた
これまでのすべての想いをこめて抱きしめた
あの瞬間お互いの愛を確信し登りつめ果てたのだと思った
…すべてを忘れおまえに溺れ、ただの男になった

たった幾時間かの甘い時間
それは心の中だけでの初めての夜の思い出となった

突然吹いた風に木々がざわざわと揺れたのを合図に
ふたりはどちらからともなく身体を起こした

スヒョンがミンチョルに手を貸し引き上げる
お互いの身体についた小さな草を払い
スヒョンは先ほど投げ捨てたミンチョルの時計を拾い
彼の腕に元通りにつけてやった

向かい合ったミンチョルの髪を整えてやりながらスヒョンは言った

もどろう…僕たちの大切な場所に

空いたワインボトルと籠に入れたグラスを持って
ふたりは帰り道をゆっくり歩いた

夜の木立は月の明かりを美しく反射して
手をつなぎ歩いていく美しいふたりを見送っていた

スカイラウンジの手前で僕は足を止めた

「ミンチョル…忘れてた」
「ん?」
「富貴鶏の話…ちゃんとしてやれよ」

ミンチョルは驚いて僕の顔を見つめたが、恥ずかしそうに笑って頷いた

ラウンジの入口に立つとなにやら店内のムードが緊張していることに気づいた
店の中央でふたりの男が対峙していた

「ミンっ!」

僕は飛び出そうとしたミンチョルを制した
相手はギョンジンだ
今日一日のことを思えば何かあったのかもしれないが
回りの連中のどこか楽しんでいるようなムードを見る限り
止めに入るような場ではないと思った
あのチュニルさんやイナも側にいる
僕は心配そうに見ているミンチョルの腕を押さえていた

しなやかなふたりの対峙は美しいショウのようにも見えた
兄弟だけに通じる呼吸なのかもしれない

みんなが見とれている中ショウは突然終った
勝負はどうもギョンジンが譲った形になったようだ
店内は緊張が解けて和やかな空気につつまれた
カウンターでなにごとか話しているふたりとラブとドンジュン…
話がついたように見えたところで僕たちは店に入った

一斉に店内の連中がこちらを振り返る
テプンたちは賑やかに手をふっている

ラブと笑っていたドンジュンが僕たちに気づき顔色を変えた
そしてその表情を見て振り返ったギョンビンの表情が凍りついた

僕たちはカウンターの隅にボトルやグラスを返し
真っすぐギョンビンたちのところに向かった
ミンチョルは真っ先にギョンジンに怪我はないかと尋ねた

「大丈夫です…あの…」
「無茶はしないでくれ。打ち上げとはいえ明日までは仕事だ」
「すみません」
「ミンおまえもだぞ」

まだ固まったままのギョンビンはミンチョルを見ながら小さく何度も頷いた
僕はカウンターに肘をついてドンジュンの顔をのぞいた
なんで帰ってきたのって顔をしてる
僕はカウンター内のスングクさんにウイスキーのダブルを頼んだ

「ミンチョル、おまえは?」
「僕も同じものを」

僕とミンチョルは顔を見合わせている双子の前を通り
先ほどまでふたりが座っていたボックス席に向かい合って座る
テーブルの上のバーボンのボトルはほとんど無くなっていた

何も言わずにふたりでグラスを傾けていると
ラブたちに後押しされてギョンビンとドンジュンはのろのろと近づいてきた
それぞれ僕たちの横に腰を下ろしても黙っている

「おまえたちこんなに飲んだの?」
「ん…」
「どうせワインはジジイの飲み物とか言ってイッキしてたんだろう」

手元の水を口にしようとしていたドンジュンが咳き込んだ
ギョンビンは空のグラスをいじっている

僕は頬づえをつきドンジュンを暫く見ていたが
一度深呼吸してから言った

「ただいま」

ドンジュンが驚いて振り返り
ギョンビンははっと顔を上げ僕を見て、そしてミンチョルを見た

「ただいま」

ミンチョルもギョンビンに微笑んでそう言った

直後にイナたちがソンブレロを持って襲ってくるまで
ドンジュンもギョンビンも何も言えずに僕たちを見つめていた


4人のまうむ..four..  妄想省mayoさん

僕は2杯目のジンでかなり目が回った..
闇夜がすぐライムを噛じらせてくれて..volvicを飲んだら少し落ち着いた..
こんな強い酒..よくもクィッ#クィッ#飲むよなぁ..

ミン兄弟の話し合いが終わってからスヒョンとミンチョルがラウンジに戻るのが見えた..
隣の闇夜はスヒョン・ミンチョルが戻ってから..カウンターから目を離さなかった..
横顔は仕事の顔だ..ミンギが直ぐさまカウンターに入り..すぐ出て来る..

僕らの席の近くまで来ると..ミンギは闇夜に何かを投げた..
闇夜はそれを片手でキャッチ##..ミンギと互いに親指を立て..OK!..の合図だ..
闇夜は受け取った小さなブツをすぐヒップバックにしまい込んだ..
3秒もかからない早業に僕もちぇみテスも呆気にとられた

闇夜がカラカラとクーラーからボトルを取り出したので僕が闇夜のグラスに注いだ..
僕のグラスには闇夜が注ぎ..ふたりでカチン#とグラスを合わせまた一気に飲んだ..
僕の口にライムを入れた闇夜は僕の顔を覗き込む..

「大丈夫?」
「ぅん..なんとか....ねぇ...」
「ん?」
「質問1...バックにしまったの何..」
「...テープ..」
「...マイクロマイクで?」
「...ぅん..」
「...何処に仕込んだ」
「...底...」
「はっ..ふぅ...恐れ入った...」
「いえ..仕事ですから...」
「「ぷっ....」」
「オーナー達様へのいい手土産になるか...」
「そう...絵も一緒にね...」
「もしかして...さっきひとりで仕事してた?」
「ぅん...ごめん...何も言わないで...」
「...これからは...ちゃんと言ってよ..」
「わかった..」
「ね...mayo..提案1...」
「なに...」
「明日...帰ったらさ...」
「ぅん...」
「普通のデートしない?」

テソンはとろりんとした顔で私の顔を見て言った..
ゆっくり首をかしげて答えを待ってる..

「ぅん..いいよ..行こう..(*^_^*)」

「わぁーい」(>▽<)←テソン..

「テソン..何処行くの?」
「んっとねぇ..映画観るでしょぉーあ、ソぉヌは駄目っ...れれったい..らめ..」
「ぷっ..ぅん..わかった...あとは?」
「んっとぉー...一緒にCD選ぶの..いろんなの聴くんだぁ〜..いっしょにぃ〜」
「ぅん..いいね...あとは?」
「あっとぉー..本屋も行くの..絵も見にいくの..まよしゅきれしょ?絵みりゅの..」
「ぅんそうしよう..あとは?」
「ほんれー...あっと..なに..しゅる?」
「ごはん食べなきゃ..テソン...」
「しょっか...ごはん..ごはん...僕がちゅくる...」
「テソンはいつも作ってるもん..たまに外で食べようよ..ぉ?」
「ぅん^o^...なぁに食べよっかなぁ...」

テソンの頭が肩に落ちてきた...ぼわわんとした顔になっていた
ちぇみテスが私を突っついた...

「おいっ!大丈夫か?テソン...」
「mayoシ..かなり強いもんね..これ...」
「闇夜..お前...テソンにわざと飲ませたなっ!」
「^^;;.」
「ったぐ...何考えてんだっ..」
「今日しないの?mayoシ..」
「テスシ..^^;;」
「テソンに何故飲ませた..闇夜..」
「今日はテソンに甘えさせてやりたいんだ..」

「「@_@闇夜...mayoシ...@o@」」

「そっか...わかった...」
「ねぇ..僕たち何で水なの?mayoシ..」
「ふたりに二日酔いで運転させられないでしょ...」
「俺は大丈夫だぞ...」
「らめっ##れったい..らめ..」←私..闇夜..
  「「ぷはは....^o^ ^o^」」

テソンはむくっ#っと起きたがまたぼわわぁ〜んと私の肩に頭を乗せた..


4人のまうむ..five   妄想省mayoさん

mayoシの肩に頭を置いていたテソンさんがmayoシの両手を取って
左右にぶ〜らぶ〜ら振ってにこにこ〜っとている..

「テソン..映画観て..CD買いに行って..本屋行って..画廊覗くのね?」
「ぅんっ!しょーれぇすぅっ」
「じゃぁ..ごはんは?..何食べるか決めた?」
「ぅんっ!すっごぉーく..食べたいのがありゅのら…」
「何だろ..美味しいもの?」
「わかりましぇん..>_<」
「食べたことないの?..テソン..」
「ぅん..にゃにゃかたべられないのら...」
「変な食べ物なの?..それ..」
「しゅんっごく..変なのら...」
「食材が高いの?テソン..」
「お金でかえないのら...」
「不味かったらいやだなぁ..」

テソンさんは首を横に振り..ふにゃぁーっとした顔になった..

「とってもおいひいとおもうのら.. .らからぼくは..れったい#たべたいのら」
「んー..じゃ..一緒に食べよっ..」
「ぅんっぅんっ^o^// 」
「で..どんなご馳走なの?テソン..」
「ゆってもおこらないでしゅか?」
「ぅん.怒らないから言って..」
「デコペチン★しにゃい?」
「しないしない..」
「れったいしにゃい?」
「ん〜..ほら..」

テソンさんのデコにmayoシの軽いchu# が落ちる..
テソンさんは..“にんまぁ〜^o^“と笑い

「ぼっくのぉー..いっ...ちばん!!たっべたいのはぁー.」
「ぅん?」

「mayoっ!!どぅ~~~ぉぇ~~ぇす##」

「テ..テソン..^^;;」

「へへぇぇ〜^o^」

テソンさんはまたmayoシの肩に頭を乗せた..
mayoは肩にあるテソンさんの頭をよしよし〃と何度も撫でていた..

こんなテソンさん僕は始めて見た..
僕が板前やってた時もこんな顔なんかしなかった..
隣のちぇみは顎下に親指を充てて残りの手のひらを口に当て..
時折目を細めて..笑いをこらえたり.. ..ふっ#っと小さくため息つく..
「ちぇみ..テソンさん..壊れた..」
「ん...可愛いじゃないか..」
「ぅん..僕..今までこんなテソンさん見たことない..」
「ぷはは..そうか…」

しょうがないなぁ..っと笑ってmayoシは僕とちぇみに振り返った
mayoシがワインクーラーからまたボトルと取り出す..
僕はそれを手から取り上げてmayoシのグラスに注いだ..
そして.. ..mayoシの耳元でこそこそ…とお願い事をした..
「mayoシ..」
「ん?なに..テスシ..」
「これ..あと何本ある?」
「あと..2本..冷えてるよ.. ..何で?」
「mayoシ..どのくらい飲める?」
「ふふ..底なしだよ..」
「くっはぁー..そっか..」
「…わかった!..テスシ..ちぇみの…らりるれろ…聞きたいのね#」
「ぅんっ#.. mayoシも..聞きたい..観たい..笑いたい..でしょ?」
「ぷっ..ぅん...」
「ちぇみに勝てる?」
「んー五分五分かな..」
「頑張って.. mayoシ」
「OK!」
「「ふぁいてぃん!!」」

テスが手にしていたボトルから俺のグラスにタンカレーを注いだ..
「テス..??」
「明日は僕が運転するから..ちぇみは飲んで#」
「おぃっ..」
「mayoシだけ飲んでちゃ可哀相だも〜ん..ねっ^_^..」
「明日はかなりの距離走るぞ..大丈夫か..」
「若いもん#平気平気..」
「テスぅ..^^;; 」

闇夜がグラスを寄せてくる..
カチン#と2つのグラスが音を立て..キン#と冷えたジンが喉を過ぎるまで..
俺と闇夜は互いに視線を外さなかった..

テスが間髪入れず俺のグラスにだけ..ジンを注ぐ..
「テス..お前..」
「ちぇみは1杯少ないから..それでmayoシと同じ..飲んで#」

闇夜は「ふふん#」と小悪魔のノリで挑発しやがる..
「闇夜..お前..俺と勝負するつもりかっ#」
「^_^..負けるの嫌か?」
「勝てると思ってんのかっ#..」
「勝ちたいねぇ〜」
「..手加減しないぞ..」
「いいよっ#」
「倒れても知らんぞ..」
「酒で倒れたことはないっ#」
「ったぐぅー..小癪な奴めっ#」

俺はグラスを空けた..
テスは俺と闇夜のグラスにジンを注いだ..

未だかつて..俺は酒で誰にも負けたことはないっ#
小悪魔の挑発に乗ってやろうじゃないか..

またカチン#とグラスが音を立て..4杯目のジンが喉下を過ぎた..
俺と闇夜はまた..互いに視線を外せないでいた


留守の過ごし方   れいんさん

退屈だ…。ほんとに退屈だ
祭の中継も終わり、官能的な映画も終わり、今は打ち上げの様子が画面に映っている
なんだって誰かが食べたり飲んだりキスしたりなんかしてるのを指を加えて見てなきゃいけないんだ?
いや…TVを消せば済む事だけど…
それだと何にもする事なくなるだろ
それにしても…あのホテル…どこにあるんだろ…
僕も行きたいなあ…
この男と二人でいるよりずっといいよ

この男…ホンピョ…また寝てる…
食べて飲んで映画観て好きな事ほざいて…
ある意味うらやましい奴…
しかし、ホンピョの奴、美しい愛を描いたあの映画にかなりショックを受けてたな…
性を超越した美などとは無縁の奴だ…しかたがないか
僕には、あの映画に込められたメッセージがわかる
あれこそ究極の愛だ
誰でもいいってわけじゃないが…スヒョンさんの様な人になら…僕…あげてもいいかも…
はっ!なに考えてんだっ!だんだんおかしくなってきてるぞ!しっかりしろっ!

と、突然
「すみませーん!誰かいませんかー!」
表の方から声がした

こんな時間に誰だろう…
表に出ると大きなボトルを肩に担いだ男が立っていた

「…どなたでしょうか?」
「あ、すみません。ミネラルウォーターの配達です。こちらの担当のキム・ヨンナムです
今日中に配達ご希望と伺っております。一番最後になってしまいましたが、お届けに上がりました」

その人の笑顔は人なつこくて爽やかで好感がもてた
僕はお店の中に彼を通した

ふうん…ミネラルウォーターね…
明日からお店通常営業だからね…
彼は何やらテキパキとボトルをセットしていた

「セット終わりました。伝票…ここに置いておきます。…じゃ、僕はこれで。お疲れさ…」
「待って!」
「え?」
「最後の配達って事は…もうこれで今日の仕事は終了?」
「ええ…まあ」
「じゃあ…ちょっとつきあってくれませんか?」
「…?」
「僕ここの新人ホ○トのドンヒです。店の留守番してるんですけど、退屈で…
よければこの業界のお話でも聞かせてくれませんか?」
「少しなら時間あるけど…僕は参考になるお話ができる程詳しくはないですよ。ただの配達ですから」
「いえいえ、いろんなお店に出入りされてるあなたのご意見をぜひ聞かせて下さい。…さ、こちらにどうぞ」

とにかくホンピョと二人だけでいるよりは絶対ましだ(コホン、失礼)
僕はホンピョのまわりに散らばっていた空き缶やゴミをさっと片付けてヨンナムさんにソファを勧めた


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