心配   ぴかろん

ダダダダバタン☆

「大丈夫か?!」
「にゅ〜…」

にゅ〜は30分毎に部屋に走ってくる
僕が部屋にいないときは携帯に電話してくる
にゅ〜はあのソクって人の事が心配らしい

今のところ大丈夫だ
っていうか…

「大丈夫だよ、そんなにキスしてないし、ちょっと触れただけだし…」
「ばかっ!お前自分がどれだけ色っぽいかわかってないの?」
「え?そ…そう?俺にはにゅ〜の方が色っぽく見えるけどぉ〜」
「…ばか…」

はむはむはむあむあむあむ

「ほぉ…ここが貴方の部屋ですか」

ドタドタガッシャーン

「ソソソソ」
「ソクです。失礼、続けて」
「…貴方もどこかの将軍のように『観察』ですか?」
「観察?…観察といえばそうなるかな?…彼の口の…」

思わず口を隠す俺

「興味深い口だ。器用そうだし」
「お引取りください、ここはスタッフ以外立入禁止です!」
「おや、彼もスタッフ?」
「彼は…身内ですので」
「…ほぉ…キスすれば身内なら、僕も彼とキスしたから彼の身内すねぇ」
「いえ、キスしたからと言って身内とは言いません!とにかく!」
「それ以上?」
「…お引取りください!」
「キム・イナ君、また後でね」

バタン!

「いいかニャー!あいつと僕の声を間違えるな!いいな、もし僕を装ってあいつが来たらまずこのペンダントを見せてもらえ!
僕しか持ってないだろ?このハムちゃんは!なっいいな!」
「…ん…」
『ああこの『…ん…』って赤ちゃん返事がたまらないっ』「で、もしも、あいつが部屋に入ってきてお前を押さえつけたりしたら、構わず急所を得意の蹴りで蹴り上げる!いいな」
「…ん…」
『ああかわいい』「で、すぐにホールまで走ってくる」
「…ん…」
『うう、我慢できなくなりそう』「で、僕にハグ&ハムだ!」
「…」
「?ニャー『…ん…』は?」
「なんでハグ&ハムだよ」
「だって…いつもそうじゃぁん」
「…意味わかんねぇよ、とにかく気をつけるから大丈夫だって」
『あ…やさぐれた…つまんね』
「何?」
「いや…その…隙を見せるなよ」
「それはお前でしょ!いろんな客にハグされてさ!」
『あっ拗ねた…かわいっ』
「…なんだよ!何か文句あんのかよあっ…」
『やっぱ我慢できん!』
「…あ…ん…」

はむはむはむあむあむあむ


『ほぉ〜あの程度なら僕の技の方が…』

まるでセキュリティーの甘い総支配人室のドアの隙間から、ソクはこっそり覗いていたのだった


呪縛2  オリーさん

彼が笑って僕の方に歩いてくる
突然彼の白いシャツに点のような紅い染み
彼は困ったような顔して立ち止まる
その染みは胸の部分からどんどん大きくなる
また僕は動けない
彼は胸のあたりに手をやっている
手にも紅い染みはついてしまった
彼の体から力が抜けくずれるように膝をつく
そして力なく座りこむとそのまま横に倒れた
僕はやっと何かを叫びながら彼の方へ走る
彼のシャツはもう真っ赤だ
抱き上げると顔が透きとおるように白い
僕は彼の名前を呼ぶが彼は答えられない
誰か助けて、とまわり向かって叫んだ
彼の手が弱々しく僕の腕を掴む
顔を覗き込むと彼は小さい声でかすかに囁いた
「ミン、遅くなってすまない…」
目の前が真っ暗になった
僕の体も心も何かにからめとられて動く事はできない
目が覚めた
びっしょり寝汗をかいていて、体が小刻みに震えて止まらない
彼はちゃんと僕の隣にいた
でもだめだ
やっぱり僕は抜け出すことができない…
僕を縛っている目に見えない細い糸から

とうとう最悪の夢に行き当たったと思った
猟犬が潜在的に恐れていた夢
もうこれ以上大切な人を失いたくない
その思いが強くなればなるほど自分は悪夢に縛られる
毎晩死んでゆく彼の夢を見ながら彼と一緒にいる事ができるのか
静かな彼の寝息を肩に感じながら一睡もせずに考えた
思考は迷路に入り込み出口が見つからなかった
しかし部屋に朝陽が差し込むころ
ようやくある結論に達した


猟犬が荷造りをしている間、キツネは知らん顔して書類を読むふりをしていた
部屋を移りたいと言い出だした時、キツネは本当の訳を知りたいと思った
表向きの理由はいたって真っ当だ
チーフの自分と同室だと他の連中といつまで経っても馴染めないから
真っ当すぎて面白くないと感じた
でもしばらく様子を見ようとキツネは思った
けれども、好きにしたらいい、と言ったそばからキツネは後悔した
空高く舞い上がっていた凧の糸をはずみで離してしまった
間の抜けた子供のような気分になったから

「じゃあ行きます」
「ああ」
「時々泊まりに来ますから」
「好きにしたらいい」
また言ってしまった
「ジョギングは続けますよね」
もちろん、そのくらい二人になる時間を作ってもいいだろう
そう言いたかった
「いや、やめる」
どうして僕はこうなんだろう
「わかりました」
今なら引き止めて本当の理由を聞けるかもしれない
そう思って顔を上げた途端、僕を見ているミンと目が合った
その目があまりにも決然としていたので驚いた
僕が一歩踏み出せば、一歩しりぞく
そんな気がした
また僕は書類を読むふりをした
ほんとうに馬鹿な奴
ドアを開ける音がして、静かに締まる音が続いた
顔を上げるとそこにはただ空っぽな空間があるだけだった
僕はいつまでもミンの出て行ったドアをみつめていた

一人になってからみついた糸を断ち切ってみよう
決心したのにドアを閉めた途端後悔した
彼が何も聞かないでくれて助かった
僕のついた嘘はわかっているだろう
でも知らんふりをしていてくれた
また戻ってこれるといいけど
いや戻ってきたい
ドアのそばから動けない気がしたので
戻るために行くのだと言い聞かせて僕は新しい部屋へ向かった

こうして突然始まったふたりの同居生活は突然解消された


秘密部屋から  妄想省家政婦mayoさん

「お、お、mayoッシ!こっち来て!」
「ん?何…オ・オモッ@@」

「テソンッシ、これちょっと戻して…」
「うん…」

「…@@」
「…@@」

「ぐはっはっは…間違ったんだよ。イナ!」
「うわ!まだいたんだ…もう帰ったと思ってたのに…」
「馬鹿だなぁ…舌妙な飴技が…絶妙じゃないよなぁ」

「ちぇみ〜!!」
「ん〜何だ。闇夜ぉ」
「ソクって知ってるよね〜」
「特捜のユン・ソクか??」
「そう、ユン・ソク」
「ソクがどうした?」
「どんな人?」
「ん〜どんなと言われても…俺は悪人だったからな…」
「すんごく目つき鋭いよね…」
「あぁ..そうだ。何があったんだ?」
「観る?」
「観せろ…@@」

「耳元で息吹きかけてないか?こいつ…」
「うん…そうも見える」
「ドアの隙間から覗いてる…」

「奴はしつこいぞ…逃げても追われるな。イナは…」
「何かちぇみが言うとさ…すごく説得力あるよね」
「さすが追われてただけあるわ」
「お・おい!..って…な、テソン..」
「どうしたんです?ちぇみ…」
「イナの舌はすごいな…」
「ちぇみもやれば?テスと…舌妙な飴技…」
「おぅ…ちょっと戻せ…もう一回観る。テス喜ぶかなぁ」

「「…^^; ^^; …」」

「オモ…@@..テソンッシ…こっち..」
「ん?…@@..mayoッシ..行っちゃった..」
「おっと..@@…ギョンビンか?」

「近頃うなされてるみたいなんです」
「辛そうだよね…上手くいってるのに…」
「呪縛か…運命に翻弄されてるな。今のギョンビンは…」

「テソン、人生でつらいことは何だ…」
「愛する人を守れないこと」
「そうだ」

「『自信を持った自分』としてミンチョルを守りたいんだろう」
「ギョンビンは狡賢く生きられない奴だから…」
「真っ直ぐ過ぎるよね…」
「運命だからと諦められない。立ち向かっていく気持ちが強すぎる。奴は…」

「完璧な人間なんてどこにもいないよ?」
「そんなに頑張らなくてもいいのに…」
「そうだな…テソン、闇夜…戻ってくるさ。奴なら…」

「「…うん…」」

テソンは隣にいる闇夜の手を探り闇夜と手のひらを合わせ
手の指を広げ1本1本指を折りギュッと握った。
戸惑った闇夜もテソンと同じように1本1本指を折りテソンの手を握った…
目聡くそれを捉えたちぇみだったが、見て見ぬ振りでふっと笑った

「テソン、もっとないのか?映像は…見せろ…」
「「…ちぇみぃぃ〜^^; ^^; …」」


追跡  ぴかろん

「こらっ一人で出歩くんじゃないって言ったろ?」
「…」
「ニャー!」
「…」
「狙われてるって言ったろ?ニャー」
「もううるさい!大浴場に行くだけだってば!ついてくんな!」
「いいか、いっぱい人がいるし…」


「もうにゅ〜は!俺の事ぜんっぜん信用してないんだから!」
「どーしたの?イナ」
「はっ!…なんだスヒョンか…びっくりしたよ」
「どーした?」
「ん…これこれこうでさぁ!信用しないんだ!俺の事」
「…」
「何!」
「そりゃそうだよぉイナァ〜いくら似てるからってそんなキスまで〜」
「…だってそっくりでさぁ…で…かっこよかったんだよちょっと…」
「言ってやろ」
「フン」
「およ?これ、何?!」
「うるとらまんたろうっての、いいだろ」
『…こいつ…なんか随分ガキになったような気がする…』
「テジンに作って貰った。ペアだよ」
「ペア?!」
「お前も作ってもらえよ、今流行りだぞ」
「…もっとかっこいいのがいいなぁ」
「なんでよ!かっこいいだろ?ヒーローなんだぞ!」
「…ふーん」

スヒョンとイナは風呂場に行った

「あれ、人、少ないなぁ」
「そうだな」

ダダダダダダガシャンバタンズドガシャうわわわごめんガキっバン☆

「騒がしいな?誰だろ」
「…」
「ね、イナ、イナ?」
「…ばかだ…」
「え?」

「はひはひはひいなぶじか?あっこのくそてんしっいなになにするっはひはひはひ」
「テジュンさん(^^;;)何もしてないっすよ…」
「はひはひはひ〜はふ〜無事か?」
「…」
「ひーひーいなぁ」
「おい、イナ、答えてやれよ」
「…っさいなぁもう!」
「ひーはーだって心配なんだもんひーひー」

『ぷぷっお邪魔しちゃ悪いかねフフ』

湯船から出て遠くの洗い場に行くスヒョン

「ひーひー天使気ィきかしてくりた」
「フン」
「あっこら!せっかく休憩とって来たのに!待て」
「あんっ怖いじゃんか!」
「いいから…」
「…く…」
「僕は誰だ?」
「ばかテジュン…」
「ホントに?確かめて」
「…ん…ハムちゃんつけてる…」
「偽物かもしれないぞぉ」
「ばか…もぉっ…こんな事…するの…テジュンしかいないじゃんか…」
「そぉかぁ?」
「すけべじじい…」

はむはむはむはむ

「んーほらやっぱり本物だ…」
「…ん…よし…イイコイイコ洗ってあげるよ」
「…ん…」
先に髪を洗い出すテジュン
イナはぽーっとしたまんま、テジュンの横のシャワーを出す
顔にシャワーの飛沫を浴びているといつものように唇が奪われる

「…ばか…人がいっぱ…うっううっ」
「なに?ニャー呼んだ?今僕シャンプー中で目が開けられない」
「それは好都合」
「ううっ」
「ほぉ…こんな構造…」
「…!」
「…続きはまた、キム・イナ君」

「ニャー、タオル貸してタオル」
「…」
「ニャー?どした?…どしたの涙目になって」

イナは口の中をテジュンに見せる

「ん?飴玉…なんだよぉこんなとこで飴玉ちうかぁへへっ…待て…お前飴なんか食べてた?!」

首を横に振る涙目イナ

「…え…」
「…そっくりさん…」
「なに!また間違えたのか?!」

涙目で首を横にぶんぶん振るイナ

「…襲われた?」

涙目で首を縦にブンブン降るイナ
周囲を睨みながら見回すテジュン

「ばかっ!あれほど隙を見せるなって…いや…お前が悪いんじゃない…僕が…ごめんイナ…油断してた…」
「ぐすぐす」
「ごめんよ…」
「…ぐすぐす…」『でもあの人テジュンよりキスうまいかも…』


投げキス  足バンさん

よくわかんないんだけど、
ホテルに戻ってからスヒョンは僕にちょっと冷たい
部屋にお泊まりしたいって言っても
ひとり部屋じゃないんだから我慢しろ。と、こうだ
優しい顔でぎゅっと抱きしめてくれてキスはしてくれるけど
釣った魚に餌はやらないってやつ?

自分の部屋に戻ると僕はどうしても大人しくなっちゃう
ジュンホ君と一緒だから
ジュンホ君にはどうも弱い

「なに書いてんの?」
「てがみです」
「奥さんに?」
「はい。まいにちおこったことをみんなかきます」
「ふぅん…ジュンホ君ってまめね」
「まめはだいすきです。りょうしつのたんぱくしつです」

そんな会話が毎日続いてる
でもジュンホ君といると落ち着く
くるくると回り続ける目まぐるしい自分がひと息つける
僕はデスクのジュンホ君を後からそっと抱きしめた

「どうしたんですか?さむいですか?」
「ううん、ちょっとこうしていたいだけ」
「さみしいですか?」
「ちょっとね」
「げんきだしてください。ぼくはいつでもどんじゅんさんがすきです」
「ありがと」

ジュンホ君のおかげですっきりした気持ちになって部屋を出た
廊下の向こうからスヒョンが慌てたように走ってくる

「どうしたのスヒョン…お風呂あがり?」
「おまえ、僕と誰かを間違えることあるか?」
「え?なに?」
「だから!BHCはみんな似てるだろう。だから」
「さぁ、今のとこ大丈夫だけど。いったいなに?」
「いや、ならいいんだ」
「変なの。スヒョンこそギョンビンと僕わかんなかったくせに」
「今はわかる!絶対わかる!」
「どうだか」

スヒョンはいきなり抱きしめてキスをした
ホテルの長い廊下での長い長いキス

「もぉ、やっとしてくれたんだからっ」
「この感触はもうおまえしかいない」
「んー…もっとぉ」
「ギョンビンっていえば、ミンチョルと別室になったって言ってた」
「えっ?ほんと?」
「なに目を輝かせてるんだよ」
「違うよそんなんじゃないよ」
「庭でギョンビンにキスしただろう」
「…うん…」

ギョンビンどうしちゃったんだろう…
あんなにミンチョルさんを大事にしてたのに…
あんなに楽しそうにミンチョルさんの話してたのに…

「……」
「……」
「おい!ドンジュン!一緒の部屋にしてもらおうっ!」
「えぇっ?なによ急に」
「やっぱりだめだ。おまえひとりにしておけない!」
「なによ、ほったらかしだったくせに」
「それは…」

「やだっ!」
「え?」
「僕ジュンホ君と一緒がいいのっ!」
「ドンジュン…」
「じゃ、僕ちょっと用があるから」
「ドンジュン!」

僕はスヒョンに投げキスをした
大好きだよ!大事な僕のスヒョン!
でもギョンビンのことが気にかかる
友人としてね


秘密部屋2  妄想省家政婦mayoさん

テソンは闇夜に向かってボタンを押す仕草をする
闇夜はちょっと考えて 夕闇〜夜BGMをテソンセレクトに変える
『♪♪ ???』
『(^_^)!!』

会話のない2人を見ていたコモはテソンに聞いた

「お前たち…いつもこうなのか?」
「皆が知らないだけですよ…変ですか?」
「ん…いや…お前達だけの空気がある感じだ」
「…空気ねぇ…だから掴みようがないのかな..人は不気味とも言うね(^^;)」

「ぷっ…テソン…」
「はい?」
「お前…これだけいろんな###..xxxx見て…平気なのか?」
「どういうこと?」
「あ、お…ん…つまり…その…あ、あれだ…んっと…ほらっ!」

「やりたくならないか。ってことですか?」
「あぅ…はっきり言うな、お前」
「だって、それ聞きたいんでしょ?」
「うぅぅん…」
「ちぇみ…」
「何だ」
「ずぅ〜と、ひとりで見てたらそりゃおかしくなるよ。馬鹿馬鹿しいよ」
「ん…」
「一緒だから覗けるんだよ。確かに皆、###やxxxxしてるけど…思いのたけを吐き出してるのがわかる」
「ん…」
「ひとりで見るのは苦しいよ。そういうの。でも…」
「闇夜がお前のバランスとって見られるようにしてるか…」
「僕はそう思ってる。違うかな…」
「いや..お前の言う通りかもしれないな…」
「覗きのおかげで..って言ったら変だけど、メンバーのことわかってきたし…」
「ん…」
「何もしなかったらタダの暗い料理人だったかもしれないよね」
「ぷっ…」

「なぁ…テソン…」
「ん?何…」
「これらを見ておいて損はないよな。ぅん?…いつか…お前も…」
「ちょっとぉぉ〜!!僕は絶対しないって!」
「ふぅぅぅ~~ん~~~??」
「ちぇみぃ(>_<)」

「もしかして…俺らの部屋を…」
「前はしてたじゃない…」
「おぉ…い。今はどうなんだ?」
「はは…してませんよ。もう2人のは見ないから安心して(^_^) 」
「そ・そうか..ほっ…」
「闇夜が止めろって…」
「闇夜が??」
「海辺のホテルから2人が戻ってきてから、察したんでしょう」
「何を」
「テスだけが知ってればいいって…僕らが見る必要ないって…」
「あ!..あぁぁ…ぅ…」

「ちぇみ…この間のペアの蜘蛛…石の位置は意味があったんですよ」
「どうりで…最初見たときに俺は凍り付いたぞ」
「テスのは背側でしたけど、裏返せばテスの腹と同じ位置でしょ?」
「おぉぉん…」
「闇夜ですよ?傷の経緯を知らないはずはない。でしょ?」
「あいつめ…またいっぱいくわせやがって!」
「ぷっ…あ、そろそろテス戻ってきますね」
「お、お、そうだな(^_^)」

バタン★
「ちぇみぃぃぃぃぃ~~ごめんね(^o^)」
「て・テスぅぅ~~」

ちぇみがテスに駆け寄ったのは言うまでもない…


すれ違い  オリーさん

彼はいつもと変わらない
きびきびと指示を出し、仕事を片付ける
あの立ち姿が好きだ
あの声が好きだ。でも、
僕の方を振り返ることもなければ、目を合わせることもない
昨日までずっとそばで過ごしてきたことが嘘のよう
もしかして僕の思い違いだったのだろうか
昨日までのあの時間は
あれがすべて幻だったような、そんな気もする
距離をおいて自分を見直そうと思ったのは僕の方なのに
でも遠くから見ているだけでいい
今の僕にはそれが精一杯
まだ糸がからみついたままだから
馬鹿だな、僕は

どうして僕はこうなのだろう
さっきから見られていることはわかっているのに
話しかけるどころか、目を合わせることもできない
仕事は好きだ
でも本当は今それどころじゃない
わかってはいる
でも仕事をするふりをしている
誰のために何のために我慢してるのか
ちょっと休んでそばに行って話しかければいいじゃないか
新しい部屋はどう?
さみしくない?僕がいなくて
簡単なことじゃないか
どうしてそれができない
本当に馬鹿だな、僕は


おせっかい  足バンさん

会場で遠くからミンチョルさんとギョンビンを見ていた
ミンチョルさんは一見そつなく仕事をこなしてる
ギョンビンも一見なにごともなかったように振る舞ってる

でもね
ギョンビンは隙あらばミンチョルさんのこと
ちらちらちらちら見てるし、
ミンチョルさんはもうすぐにでも振り返りたいの我慢してるし
もう。全然だめじゃん
なにやってんのっ!あの2人!

「お、ドンジュン、どうしたの、こんな隅っこで」
「テソンさん…ね、ギョンビンたちどうしちゃったの?」
「うん…まぁ…真っすぐなやつの苦悩ってとこかな」
「なによそれ」
「時間が必要ってことじゃない?」
「ふぅん…」
「放っておけよ」
「そう言えば…チョコあげた?」
「えっ!?」
「すんごく好きなんだってよ」
「えっ!?えっ!?」
「チョコがだよっ!」
「あ…チョ…チョコね…」
「まぁ、こっちも時間が必要ってことねっ」
「おい!こらドンジュン!」

僕はギョンビンに近づいて、こっちこいと目で合図した
ギョンビンは躊躇して、たっぷりミンチョルさんを気にして
それからホールの外までついてきた

「なにか?」
「なにかじゃないよ、なんで部屋出たの」
「あなたに関係ないことです」
「わかってるよ」
「じゃ、聞かないでください」
「あんなに大事にしてたじゃない」
「話したくありません」
「話さなくてもいいけどさ。また逃げてるような気がしたの」
「またって…」
「前科持ちだからさ」
「そんなことないです。合意の上ですから」
「ふぅん…じゃぁ僕がミンチョルさんに近づいてもいいのね」
「……」

「いいのね」
「……」
「もういいや。じゃそういうことで」
「ドンジュンさん!」

うしろでギョンビンがうろたえた声を出していたけど
僕はさっさと離れた

なんだかむしょうに腹が立ってきた
別にいじめたいわけじゃない
でも…スヒョンが苦しんで諦めたあのミンチョルさんを…
そんなに簡単に手放してほしくない
きっとあいつのことだから事情があるんだろうけど
あんなにお互いを必要としてるくせに

僕って変わったかな
変わったかも
あ、変えた張本人がまた走ってきた

「ドンジュン…はぁはぁ…」
「どうしたの?なんか落ち着かないね」
「言い忘れたけど、ギョンビンたちにおせっかいはやくなよ」
「どうかな」
「おまえの出る幕じゃない」
「心配?」
「人には離れてわかることも…」
「ねぇ!心配?」
「ん?…うん」
「あははっちゃんと言えたね!」

僕は素直なスヒョンの首に巻き付いてたっぷりキスしてあげた

ホールのドアの前でギョンビンがこちらを見ている
さて、どんなおせっかいをやこうかな


秘密部屋3  妄想省家政婦mayoさん

秘密部屋の朝は常にテソンのほうが先に起きて♪♪のスイッチを入れる
その朝いつものようにソファで寝ていた闇夜は違う空気を感じ目を開けた
♪♪も聞こえない部屋からは無機質は機材の音だけが響いていた

闇夜はソファから起きあがり部屋を見渡した
潔癖症のテソンとの秘密部屋は紙くずひとつ落ちていない

そして神経質なテソンは朝からいつもきちんとシャツを着ている

 もぅぉ〜ダサイよ。格好悪いから2つくらい開けたら?
 いいよ…僕には似合わないし…落ち着かない。スースーして

始め渋っていたテソンも闇夜がしつこく言い続けたのか
最近は2つボタンを開けるようになっていた
そんなテソンもリビングに確認できない

 めずらしいな…寝坊するなんて…出掛けたのか?

闇夜は♪♪のスイッチを入れて機材の確認をしてふと考えた
部屋から出るときはいつものようにメモを残す筈
メモはテーブルにもデスク近辺にも見あたらない

闇夜は寝室のドアをノックした…返事はない
ドアを少し開け、テソンが寝ているのを確認して閉めかけ時
テソンの小さな呻き声が聞こえた
近づいた闇夜に苦しそうなテソンの顔が見えた。額を触って闇夜はびっくりした

 おいおい…医食同源が風邪かよ…

顔から首にかけての汗を拭いやっとの思いで上半身を少し起こして
無理くり薬を口に押し込んで飲ませた闇夜だったが背中は汗でぐっしょりだった

 オモっ…どうしよう…着替え…あぅ..できないよぉ(>_<)

迷った闇夜は通信マイクのスイッチを入れた

「ちぇみ…」
「お、闇夜か!?何かあったのか?」
「あ..ぅん..テソンッシが…」
「すぐ行く!」

ちぇみとテスは秘密部屋に走ってきた
「どうした?」
「熱がひどいの。薬は飲ませたけど..汗がひどくて…背中が冷えてて..それで..あの…」
「ふっ……わかった。テス、バスローブとタオル持ってこい」
「うん!」

「mayoさん、終わったよ」
「あ、ありがとう..」
「ぷはは…お前らしくないな…着替えぐらいしてやれるだろうに…」
「あぅ…できないよぉ…無理無理。そういうのは無理」
「闇夜…」
「ん?」
「あいつが熱出すようなことしたのか?ん?」
「あ・あ・何!何もしていってばっ!!」
「ぐはは…まぁいい…また何かあったら呼べっ」
「遠慮しないでね!ねっ、ちぇみ(^o^)」
「ん〜〜テスぅぅ(*^_^*)」
「あ、そうね..^^;; 」

闇夜は何度か寝室にテソンの様子を見に行き、熱が下がったのを確認した時、
眠っているテソンの両手が泳いだ。必死に何かを掴むように両手が泳ぐ

 またか…

常に朝方まで起きている闇夜は時々寝室から聞こえてくる呻き声と同時に
同じ事をしているテソンを何度か見ている
一度だけ聞いたことがある。テソンは言いにくそうに答えた

 空を飛んでる..いや…落ちてるんだ……
 ずぅぅ〜とずぅぅ〜と落ちていくんだ..落ち続けてるんだ..ずぅぅ〜っと……
  
闇夜はいつものように両手をそっと降ろし、軽く手を握った

夕方近く寝室に行くとテソンは目を覚ましていた

「どう?医食同源君…」
「ふっ..ちょっとだるい…あ、着替えは誰が?」
「ん?ちぇみとテスシ」
「なんだ…mayoッシじゃなかったの…つまんないな…」
「ったく…もう少し寝るといいよ」
「そうする…少しだけ..側にいてくれるかな…」
「わかった」

テソンの寝息が聞こえたのを確認し、闇夜は寝室を出た


浮気の虫   ぴかろん

『一人でフラフラするんじゃない!』『絶対携帯持って行けよ!』『いいか、ハムちゃんの確認忘れるな、油断するな、隙を見せるな!わかったか!』
『…ん…』
へにゃぁ〜

はぁ…テジュンの心配症にはため息が出る
っつっても…俺が悪いんだよな…
スヒョンにも怒られたし…でもスヒョン、俺に怒った後ドンジュンの事が心配になってすっ飛んでったみたいだけど…へへ

あーあ、やだな。束縛されんのって…
ちょっと窮屈だな…
だから俺、フラフラしてるの
携帯持たずに…
後で怒られるかなぁ…。フフ
ま、そんなしょっちゅうあのそっくりさんに出くわすことないだろ。フンフン♪

俺は舞台のためにストレッチとちょっと、型の練習でもしようかなと思ってホールに向かった
ホールには人がたくさんいる
あっちには男組チアーボーイズ、こっちには階段落ちMUSA、そっちではデラルス…あれ?一人増えてないか?
あ…ウシクとイヌ先生だ…何してんだろ…

「やぁイナさん」
「何やってんの?」
「薔薇投げの打ち合わせ、ね」
「ええ。イナさんは?」
「…なんか…仲よさそうだね…」
「え?へへ、そう?」
「ウシクの笑顔がますます明るくなったカンジ」
「…そう?」
「イヌ先生もなんか…憑き物が落ちたような…」
「…わかりますか?」
「…なんか…あったんだ…」
「フフ。内緒。行こ。イヌセンセ」
「ああ」

「…なんだよ…なんかほんわかしてていい感じじゃんフフ」

俺はホールのはじっこでストレッチを始めた
みんな一生懸命だな…
いいな、こういうの…

俺はストレッチに夢中になっていた
だいぶサボってたから硬いや、体

前屈してたら背中に重力を感じた

「こんなとこにいたのかこら!」

…テジュン…

「うっさいなぁ、なによ、ストレッチ手伝ってくれんの?!」
「ああ、お前からだ硬くなったんじゃない?」
「そーだよ、誰かさんのおかげで全然からだほぐす時間とれないもん!」
「そう?」
「そぉだよ!」

テジュンは背中にのしかかってきた

「おもっ重いよ、やめろよもぅっ!」

テジュンは俺の体を引き起こすと背中から抱きしめた

「ばか…みんなに見られる…」
「見られたいだろ?」
「え?」
「見せてやろうよ」
「ばか!オ支配人が来るぞ」
「構わないさ」

テジュンの手が後ろから俺の顎を掴んだ
そして俺の首を捻って熱いキスを…



ソク…

「…!…!」

必死で抵抗したけどソクさんの力は強い
いや、強いというより、固め方を知ってるってのか…
俺は身動きできなくなってしまった
ううん…自由を奪われてるという事よりも…彼のキスが…俺の体を固めてる…
俺は…薄く目を開けて、それが本当にテジュンじゃないのか確かめた

目の前にあるのは、テジュンそっくりの顔
さっき俺に話しかけてたその言葉は、その声は、テジュンそっくりだった…
でも

違う

キスが違う…

テジュンの顔してるのに、テジュンの声なのに…どうしてこんな…凄いキス…ああ…

ダメだ…離れなくちゃだめだ…

そう思ってるのに離れられない
だってテジュンの顔でテジュンの声で、テジュンだろ?テジュンだよね?そうだって言って…

「ん。極上だな」
「…は…」
「キム・イナ氏。ミン・スヨンと結婚していた。そして離婚。その後ソ・チニと付き合っていたにも拘わらずハン・テジュンと恋人関係になる…。そして僕とこうして…」

なにを…

「君は相当…」
「やめっ…」
「…僕のキスが好きか?」
「…はぁはぁ…なにを…言って…」
「ハン・テジュンに一人で出歩くなと止められているというのに無防備な…。それは僕と出会う事を望んでいるという事?」
「ちが…」

…そうかも…しれない…

「僕のキスが気に入った?」
「ちがう…」
「違う?ほぉ…そうかな?」

ソクさんは俺にもう一度、さっきよりも凄いキスをした
舌が絡め取られ、脳天まで痺れるような、稲妻のような…そんな感覚…

俺はテジュンの顔と声を持つ男にテジュンと違うキスをされて混乱している…

ばきいいっ

突如風が起こった
ソクは後ろに飛びのいた

「はあはあはあ。イナに何しやがる!」
「テジュ…」
「貴様…よくも…」

殴りかかるテジュン
だが簡単にかわされる
テジュンとテジュンの殴りあい?
いや、殴り合いにもなってない…

「ふふ。甘いよテジュン君。それに、僕は客なんだがな…客に暴力をふるってもいいのかい?」
「イナも客だ!お客様に危害を与える奴は許さん!」
「客?身内じゃないの?君がそう言っただろう?」
「うるさい!なぜイナに手出しする!」
「それは…彼が僕を求めるからだ」
「…」
「君でなく僕を…」
「…お引取りください…部屋へ…」
「嫌だと言ったら?」
「…今すぐに帰れ!」
「…今日のところは…君の言うとおりにしよう。じゃあまた、キム・イナ」

テジュンは肩で息をしていた
きっと仁王のような顔してるんだろう…

「…ごめん…にゅ〜そっくりの喋り方で…」
「確かめたのか!言ってるだろう!気をつけろって!なんで携帯持たずに出歩く!なんで僕の言う事を聞かない!」
「…」
「イナ!」
「…」
「イナ…」
「…っさい…」
「イナ!僕はお前がしんぱ」
「っさいんだよ!テジュンのばか!俺は縛られるのいやだかんな!」
「…イナ…」
「俺が…俺が誰とキスしようと俺の勝手だろ?!」
「…イナ…」
「…テジュンだと思ったんだ…話し方もそっくりだったんだ…」
「…」
「…ごめ…」
「…」
「ごめん…」
「ほんとにアイツを求めてたのか?」
「…」
「何で!」
「…テジュンより…キス…うまい…」
「イナ!」
「…ちょっと…興味あった…」
「…」

テジュンは怖い顔をして立ち上がり、ホールの出口に向かった
まずい事を言ってしまった…
俺は慌ててテジュンを追った

「ごめん、ごめんって…けど…」
「もういいよ、僕と同じ顔で同じ声のアイツにタップリ可愛がってもらえ!僕は忙しい!」
「テジュン!」



テジュンは俺に激しく口付けた
キスされながら、俺は後悔した
だって…
あまりにも冷たいキスだったから…
怒らせてしまった…

ごめん…ごめんなさい…

テジュンは唇を離すと、俺に背を向けて歩き出した

「テジュン!ごめん!ごめんなさい…テジュン…」

俺はなりふり構わずテジュンに抱きついた
失いたくないから…テジュンが大事だから…
ただちょっとだけ、テジュンと同じ顔と声の、テジュンより少しかっこいいあの人のキスに興味があっただけなんだ…ごめんなさい…

「お前なぁ…そういうこと言うなよ…傷つくだろ…」
「にゅ〜…」
「はぁ〜…イナ…僕はお前がいないと…もう…ダメなんだ…」
「…にゅ…」

優しいキス
テジュン
ごめん、やっぱ、テジュンでなきゃ…俺もダメ…テジュン

「頼むよ…イナ…傍にいてくれ…」
「…ん…」

俺が頷くとテジュンはやっとにっこり笑って、そしてこう言った

「その『…ん…』は僕の前だけでだぞ!いいな!」
「…ん…」


秘密部屋4  妄想省家政婦mayoさん

 また僕は暗闇に落ちた
 そうさ下に見える横たわった僕の所まで落ちればいい…
 でも落ち行くまでの間に下にいるはずの僕の姿が消えるんだ

 じゃぁ僕は落ちるところは何処?何処に落ちていけばいいの??
 見えないんだ暗くて…目を開けてるのに見えないんだ…
 手を広げても何も触れない、掴めないんだ

 いつもずぅぅ〜っと落ち行く僕の手が暗みからすぅっと掴まれる…
 すると落ちていく僕の姿も暗闇から消える


夜中に資料を作っていた闇夜はかすかな声が聞こえるとすぐ寝室へ入った

  今日はどうしたんだろう…まただ…

   テソンの両手がまた泳いでいた…いつになく苦しそうな顔で

  地の果てまで続くような暗闇のなかをただ落ちていくだけの僕
  いつもの暗闇から今度は声が聞こえる…僕を呼んでる
  誰?どこにいるの?

闇夜はテソンの泳いでいる手をそっと掴みその手を自分の背中に回した

  暗闇の中にぼぁっ☆っと明るいところが見える
  ぼんやりしてるけど手を広げてるんだ
  僕はそこに降りてもいいの?
  僕は引きつけられる様にそこへ降りていった

闇夜はテソンの顔が穏やかになったのを確認すると背中の手を下ろした
そしてテソンの手をそっと握ったまましばらくの間ベットの端に座っていた

仮眠を取っていた闇夜は♪♪に気がつき目を覚ました
朝もやの中テソンが窓際にいた

「駄目だよ..寝てないと…」
「大丈夫…熱も下がったみたいだし…それに妙にすっきりしてる..」
「そぅ..」
「mayoッシ…」
「ん?」
「僕…またあの夢を見た…」
「ぅん…」
「いつも…手を掴んでくれてたのは…mayoッシ..だよね?」
「…」
「でもさっきのはちょっと..違ってた…」
「そぅ?」
「ぅん……抱かせてもらっていいかな..」
「…」

返事のない闇夜をテソンはそっと抱き、闇夜の背中に手を回した

「……やっぱり…そうだったんだね…」
「テソンッシ……」
「僕を呼んでたよね…僕に手を差しのべてたよね…」
「ぅん………」
「もう大丈夫…もう見ないと思う…mayoッシが側にいれば..」
「ぅん………」
「ありがとう…」

テソンは闇夜の向きを変え後ろから肩に包んだ

「あのぉ…」
「何……」
「調子に乗ってませんか?これ…」
「あはは…いいじゃん…今日ぐらい」
「今日だけ、今日ぐらいとか多くない?」
「もぅぉ〜〜黙ってるといいのにな」
「お腹空いてない?…ろくに食べてないし…」
「すごく空いてる…あ、食べ…」
「アンドゥエ!!」
「何でわかんの?」
「そういうキケンなコトはすぐわかるの!」
「あっそ..」


朝方ひと眠りしたテソンが起きた後、2人は朝食と昼食を兼ねて摂っていた

「大丈夫?いきなり一気に食べたら…」
「大丈夫。まだチーフにはほど遠いからさ。あ、それ…ぁ..^o^」
「…^^; 」
「ぁ..^o^…」

デザートの苺を口を開けて待ってるテソン
あきれた顔でテソンの口に苺を入れる闇夜

バタン★
「テソン、mayoッシ…」
「お、テジン…」
「@@…あ・お、じゃ..邪魔した?」
「ぅん?全然」
『…テソンッシ… ^^; 』

「何か…ラブラブ?」
「ぅん。そう!」
『…テソンッシ… ^^; 』

「テジンさん、ベーカリーの家具の件でしょ?」
「お、お、そうそう…デザイン画書いたから検討して。mayoッシ」
「ありがとう」
「テソン、ちょっと」
「あ、ぅん」

 『こんな感じでいい?』
 『うん。それから..あれはここらへん』
 『OK!!』

「じゃね、mayoッシ…お邪魔しましたぁ〜」バタン★
「何?テジンさんと…」
「ん?何でもない…ほらっ…ぁ..して..^o^ぁ!」
「おぃ〜…^^; 」
「いいから…ほらっ…^o^ぁ!」

デザートの苺を闇夜の口に運ぶテソン..
あきれた顔の闇夜の口にでテソンの運んだ苺が押し込まれる…

バタン★
「テソンさん… わ!見ぃ~~ちゃった!」
「お、ドンジュン」
「うひひ…邪魔した?」
「ぅん?全然」
『おぃ〜…^^; 』

「テソンさん、チョコ余ってる?」
「ん?あるよ。…っと…ほら、持って行きな」
「うん。ありがとう…mayoさん、チョコも食べさせてもらったら?」
「ドンジュンさん!!.. >_< 」

「ふふ..じぇね、おっ邪魔しましたぁ〜」バタン★
「チョコって…何よ」
「ん?待って……はい…^o^ぁ!」

闇夜の口にチョコを運ぶテソン…
素直に口を開ける闇夜

「はは…チョコ大好きってほんとなんだ。ふふ..」
「変なこと考えるな!いい。自分で食べるから。こっちよこして」
「あぁ..わかった。わかった。ほら…^o^ぁ!」

闇夜の口にまたチョコを運ぶテソン…
素直に口を開ける闇夜…

バタン★
「テソン、闇…よ?…@@」
「テソンさん、具合ど?…@@」
「あ、ちぇみ..テス」

「おい…テソン、邪魔か?」
「ぅん?…全然…」
『…ぁふぁふ… ^^; 』

今日は出入りの多い秘密部屋…


気になる朝  足バンさん

レストラン
僕はひとり朝食を食べているミンチョルを目立たない席から見ていた
ドンジュンに手を出すなと言ったもののやはり気になる

なぜ目立たない席かといえば男組の隊長に見つからないためでもある
隊長にはすっかり尊敬されているらしい
見つかると”スヒョン殿!”と言いながら敬礼されるのが面倒で

お、総支配人のお出ましだ
イナの人違い騒動はどうなったのかな
ふふ。ああしてきびきび仕事をしているとイナの前でのあの人とはまるで別人だな

「ミンチョルさん」
「はい?あ、テジュンさん」
「いよいよ明日ですね」
「そうですね。よろしくお願いします」
「ところで…同室の…」
「ミンですか。すみません急に部屋を変えたりして」
「いえ…その…映画の上映は予定通りでよろしいんですね」
「もちろんです」
「すみません…立ち入ったことでしたね」
「いえ」
「ではまたのちほど」

テジュンさんが行ったあと、ミンチョルは食事の手を止めた
磨き上げられた窓から外の花壇を見ている
なんて寂しそうな横顔
そんな横顔をこの間までの僕なら冷静には見ていられなかっただろう

ドンジュン…あいつのおかげですっかり僕らしくなくなった
あいつのおかげでバランスを欠いている
誰をも同じように愛せる自分だったのに

ドンジュンおまえが……おまっ!あぁーーっ!!

あいつったら!いつの間にかミンチョルのテーブルにっ!

「おはようございます」
「おはよう」

「いい天気ですね」
「そうだな」
「あまり食欲ないの?」
「なにか用か?」
「たまには僕との時間をつくってほしいなと思って」
「そんな暇はない」
「だって今休憩中とか暇でしょ?」
「なにが言いたいっ!」

あぁっ…あのばかっ…放っておけって言ったのに…ミンチョルのやつ怒らせて…

「なんか苛々してますね」
「……」
「あのね、苛々してる時は…はいこれ!」
「んぁ!」

あぁーーっ!? な、なに入れたんだミンチョルの口の中にっ!

「チョコだよ。甘いもの食べると落ち着くからね」
「ばか、いきなり突っ込むな!ドレッシングの味と混ざるだろう!」
「ふふふ…そういう顔の方が素敵なんだけどな」
「まったく…おかしなやつだな」

あぅ…チョ…チョコ……ドンジュンおまえ…ミンチョルにも?

「ねぇ、ギョンビンのことなんだけど」
「なんだ」
「もうちょっとちゃんと話してみた方がいいと思うんだけど」
「おまえらしくないセリフだな」
「だって僕癒し系になったんだもん」
「ふっふっふ…」

なんだなんだ!なに和んでるんだ!
ったく!ミンチョルもミンチョルだ!にこにこして!
あ?わっ!外に!
花壇の向こうからギョンビンが見て…あぁ〜…なんでこんな時に!

「自分で決めた法則に縛られないでね」
「……」
「あ、またちょっと苛々しかけてる?はいもう一個」
「ふふ」

あぁぁぁーーっ!ミンチョルのやつなに口開けてんだっっ!
ギョンビンが見てるってのに!
…あ…はぁ…ギョンビン行っちゃった…思い切り無表情で

「じゃね、ミンチョルさんまたね」
「ごちそうさま」

なにがごちそうさまだっ!

僕は店を出たドンジュンを追いかけた
あ?なに?あ、伝票にサイン?はいはい

どこ行った?ドンジュンどこに…

「なに監視してんのよ」
「あぅ…ドンジュ…」
「ずっと見てたでしょ、あんなわかりやすい場所で」
「おまえ、ミンチョルにも…」
「チョコ?」
「…うん」
「ばっか!あれはテソンさんが作ったやつだよ!涙入りじゃないよ」
「ほんと?」
「ばっか」

ドンジュンは僕のシャツを引っ張って柱の陰に引き入れた
いきなり首に手をまわしキスをしてくる
あぁ…言いたいことがいっぱいあったのに…
まずい…けっこうやられてる…


隊長!  オリーさん

彼がチョコを食べていた
いや正確に言うとチョコを食べさせてもらっていた
何で彼がドンジュンと
ジョギングやめてるのに
過剰なカロリー摂取はだめなのに
でも見なかったことにする
そんなことでいちいち動揺してちゃだめじゃないか
いきなり肩をつかまれ振り向きざまに唇に暖かい空気を感じた
反射的に掴まれている手を振り払った
防御の体勢完了

「なかなかですなあ、ふふっ」
「総支配人?いや違うでしょう。誰?」
「ほお、観察眼もなかなかですね。私はソク隊長」
「無礼じゃないですか。見ず知らずの人にその、あの、キスしようとするなんて」
「失礼した。イナ君には喜んでもらえたので、つい」
「は?イナさんにも…」
「君はミン・ギョンビン君だね」
「なぜそれを?」
「父親と婚約者を目の前で殺され、その上親友も失って心に傷を負ってる」
「何…あなた、本当に無礼な人ですね。人の過去をペラペラと」
「ヒマだったもので色々調べてみたんですよ」
「あまりいい趣味じゃないですね。これ以上話したくありませんので失礼」
「あっともう一つ」
「え?」
「一番新しい情報。新しい恋人と別居してちょっとさみしいでしょ、今」
「失礼します」
「イナ君は僕のキス、たいそう気に入ってくれてね。今度じっくりどうですか」
「興味ありませんから」

ふうん、なかなか守りが固そうだけど…いいかも。イナ君とちょっと似てるな。いやBHCは基本的に基本が同じだ
あれ?これどういう意味?まっいいだろう。とにかくこれから色々忙しくなりそうだ。ふふっ


花粉の季節   ぴかろん

いろんなくしゃみ

いっフィヒャン!…やだわ、鼻水出ちゃった…
マイキーマイコービョンセっ!…くぅッ…私としたことが…
イ〜ドックァットッファン…なんじゃ、風邪かの?
スン・ドン・オギョモオギョモ…体重減らさんとのぉ〜
チソンチソンチョンッウォン…誰?僕の噂してるのは?
チャ〜ソンジュッ!…ンフ…はだびずたらしたまんまでいよっと
テファッシンヒョンジュ〜ン、ピョートル…ああ、マフラーで鼻水拭いちゃお
ペヨンジュン、チュンサン、ミニョン、ドンヒョ〜ック!…くそっまだ風邪が治らんか
ウォンビ〜ン…ああ、勢いよく鼻かみすぎちったぁ…
チャン!ドン!ゴン…くしゃみしすぎて目が飛び出そうだ…
…。…。チョン・ウソン…。ヨソルヨソルドンソクッ…。…。…!(なぜ鼻をすする音が大きいのかわからん)

独り者はこんなくしゃみ…

カップルになるとこう…

ギョンビン!…ずるずる…あれ?涙が鼻から…(;_;)
イ〜ミンチョル!…ミンチョルさんのバカ(;_;)

スヒョンスヒョンスヒョン…ずるずる…誰か鼻水吸ってくんないかな
カンドンジュンッ…僕が吸ってあげ…ずるずる…僕のも吸ってよドンジュン「スパコォォン」

きみな〜きみな〜…イナのバカ
ハンテジュン!ソクソク…あっ聞こえた?(^^;;)
「聞こえた…なんで最後にソクってつく?!」
「お前だって『きみな〜』って漫才のツッコミじゃあるまいし!」
「キム・イナを早く言ってみろよ!僕はお前の事しか頭にないんだ」
「…テジュン…」
「イナ」
はむはむは…ぶちん☆

ウシクウシク…イヌ先生、風邪?
せんっせいっ!…ウシクこそ風邪?

ぺ〜ったんこちぇりむぅ〜くそ…何よそれ!
ソテプ〜ン…お前こそなんで呼び捨てだよ!オッパって言えよぉ〜

パ〜クチョンマンッ…あらっ嫌だ、派手なくしゃみしちゃった…
ソチニソチニ…地味なくしゃみしちゃった(^^;;)

テスッテスッ…はぁ〜クールな俺の鼻から汗が…
テックヒョン、チェミィ〜…あーあ、ティッシュなくなっちゃう〜買ってこないと夜大変だよぉ
「テ…テス…そんな…夜だぬぅあんて…(*^^*)」
「何考えてんの?蜘蛛さんったら!(-_-)」

マヨッシィ〜…はぁぁ…ぐすぐす鼻効かないと味わかんないよぉ(;_;)
テッソォォォォン…はぁぁ…上に同じく…(^^;;)

ちぇ…いいよな、みんなあつあつで…
俺は幸い花粉症じゃね…はぁっはぁっはぁっしちゅ〜ん…。…

ばか!なんで俺は自分の名前のくしゃみをすんのよぉ!泣いちゃうぞ!(;_;)


秘密部屋5  妄想省家政婦mayoさん

「ね…テスさん…」
「なぁに?mayoさん」
「ん…あのさ…ちょっと調べたんだけど…」
「ん?何を?」
「家の方なんだけど…」
「あ〜ぁ…チョンエのこと?」
「そう…ほんとなの?」
「うん。みんなは済州島にいるよ…」
「それって…仕事?」
「うん。日本人の観光客が多くなったから。パゥイに誘われて向こうで仕事してるよ」
「じゃ…あの家は例の4人組が使ってるの?」
「いまのところはね」
「それじゃ…チョンエさんは?」
「最近僕よりいろいろ忙しいみたい..チョンエのほうが売れっ子みたいだよ……」
「そうか…」
「mayoさん、僕チョンエとはケッコンはしてないんだよ?」
「へっ??@@」
「式は挙げたけど、届けは出してないまんまだもん…」
「うへっ???…そうだったっけ…そのあと刺されちゃったしね…」
「えへっ…そうだね…」

「そのこと、ちぇみは知ってるの?」
「まだ言ってない…僕この事まだ誰にも言ってないもん…」
「ごめんね…やなコト聞いちゃって…」
「大丈夫。mayoさん口堅いの知ってるから。あ、テソンさんも知ってるね(^_^)」
「あ、うん..(^^;)…」

「僕、今はちぇみと一緒にいたいんだ。僕のこと大事にしてくれて守ってくれる。でもね…」
「…何?」
「僕もちぇみのことを守ってあげたい…ほんとはすごく寂しがりやだもん…」
「あぅ…泣かせるねぇ(>_<)…テスさん」
「ちぇみが僕に聞くに聞けないのはわかってる…たまに哀しい顔するのも知ってる…」
「早く話した方がいいよ」
「うん(^_^)そうする…」


「体調はどうだ?」
「もう大丈夫…あ、着替えすいませんでした」
「んいや、いいんだ。ほんとは闇夜にして欲しかったんだろ?」
「まぁ…でもまた気使っちゃいますから…いいんです」
「そうか…急に熱が出るようなことしたのか?ん?」
「あはは…あれがそうかなぁ?」
「お、お、そうか…うまくいったか」
「何勘違いしてるんですかぁ…ちぇみテスと一緒にしないでくださいよぉ…」
「あ、あぅ(>_<)…すまん..」

「ここ何日かで自分に嘘つけなくなったのかな」
「ソヌの件があったからだろう…あの後の2人は見てられなかったからな」
「ふっ…そうですか?」
「お互いに腫れ物に触るみたいだったぞ」
「ははは..ほんとだね…」

「今日はやけにすっきりしたように見えるが?」
「自分の中にずぅぅっとあったモヤモヤが..だいぶ抜けた感じ。暗闇から抜けた感じ..かな」
「手をひいてくれたか…」
「はい…」
「そうか…でも要塞は頑丈だろう…」
「いいんです。僕たち..のろまなカメで…」

「んまぁ..お前達らしくていいかな…んでもどこまで?教えてっ?!」
「言えません…闇夜に嫌われます」
「テソンのケチっ!」
「ちぇみ〜」
「冗談だっ。…何話してるんだ?あっちは…」
「(例の話だな..)映画の話じゃないですか?あおくとれす..まだ見てないんでしょう?」
「あ、ひ…テソン見たのか?」
「僕もまだです。僕はあれ、ひとりで見ます。すごぉ〜ぃんでしょう?闇夜と一緒になんか見れません…キケンだから…」
「あ、あぅ(>_<)」


コミエサラン6  妄想省家政婦mayoさん

『mayoさん、これ観ておくといいよ…って言ってたっけ』

「ちぇみ〜今日はこれでいい?」
「ん..」

#アッチ・アッパ# 鑑賞中(邦題:サランヘヨ)

「ちぇみ〜犯人逃がしてるよ..渋い!格好いい!ユンチョル君と大違いだ」
「ぁぅ…^^;」
「あれ?これ…ジュンホさんの奥さんにそっくりだ..うわぁ…不良だねこのユリって子」
「そうだな。ガムクチャクチャだし、万引きはするし…」
「ぷっ!『おじさん、童貞?』ってちぇみに聞いてる…んなわけないじゃん!!」
「ぉぅ…^^;」
「帰るところがないから連れ込んだの?ユリのこと…もうこういうことはしないでよっ!」
「はい…^^;」

「寝てる間に両足手錠されてるぅ〜顔にいたずら書き パボ☆だって!やるなぁユリ!」
「ひん…^^;」
「ぷひひ…ゆで卵の中に生卵◎→顔ベチャ☆……普通用心しない?デカなのにさぁ〜お間抜けちぇみ!」
「テスぅぅ…^^;」
「うっ!このハゲオヤジ!!ユリを開放しろ!悪事に巻き込むな!!ハゲ!悪党!」
「こいつが最後までユリを苦しめた…」
「ユリはやっぱり…お嬢様だったんだ…」
「ん..」
「どうして家に戻したの?最後にお洒落して。食事して…」
「一緒にいるとユリの為にならないだろう…」
「…そんなの…ユリが決めることなのに…」
「決めるにはユリが若すぎた…」
「ちぇみ..」

「あぁぁ〜〜ん(;_;)…;酷いよハゲ!どうしてちぇみがこんな目に遭うの」
「お、お、泣くなテス…」

「ちぇみ..」
「ん?..何だ?」
「僕も…僕のこともあんな風に…」
「??どうした…テス??」
「僕のことも…本当は..あんな風に家に返すつもりでいる?…今..そう思ってるの?」
「…そうだ…」

「僕が…嫌だって言ったら?帰らないっていったら?」
「駄目だ。テス..それは駄目だ…」
「ちぇみは…祭りの間だけ僕の傍にいるつもりだったの? どうせ短い期間だから…」
「テス……」
「どうせすぐ終わるから…だからすごく優しいの?ねぇそうなの?」
「違う..テス…」

「僕は…ちぇみとずっと一緒にいる」
「お前は…ちゃんと..家に戻らなくちゃ駄目だ」
「僕のこと勝手に決めないで」
「テスっ!!…わがまま言うな…」
「ちぇみ…祭りの間だけって思ってるなら今も同じでしょ..嘘の優しさは嫌だ。僕出て行く」
「テス!おい!待てっ!」


お約束   ぴかろん

『いい?ニャー。僕の部屋から出る時はまず携帯電話を持つこと』
『…ん…』
『(へにゃぁ)そりからぁ、えっと、僕達の証のぉこの青い万年筆を胸ポッケに装着』
『…ん…』
『(ぐふふふ)で、もし敵がお前を後ろから抱きしめたりしたらぁ、この万年筆で手を突き刺す!』
『…ん…』
『(くは〜ったまらん)…そりからぁ…んと、動きやすい服装で行動する事!スーツは祭の時でいいから、今はリハだからね、きったないジャージでいい
したらば、もし敵が前から抱きつきに来てもぉお前の得意の飛び蹴りおよび回し蹴りで対応できるだろぉ?』
『…ん…』
『(ああ抱きしめたい!)…んでっと…いきなり顎を掴まれたらぁ、この「うるとらまんたろう」で顎にパンチ!』
『…ん…』
『くーっ!もう我慢できないっイナあああっ』

どすっばきいっ

『あ…ごめん…今頭の中でシュミレーションしてたから…にゅ〜大丈夫?』
『…だいじょおぶだ…じょうできだにゃー…げほっ』
『にゅ〜も腹筋鍛えた方がいいよ、あの人の腹筋硬かった気がする…あ…ごめん…』
『…だめ!許さない』
『…ちゅ…』
『(くふへへへぇっ)それと?』
『…ん…』
『ああもうだめだっはぐ』ばきっ☆『うっ…はむっ』グサッ☆
『…ご…ごめん…つい…』
『痛いよぉ…』
『いきなり飛び掛るからじゃねぇか…(ヘンタイオヤジだよな、最近のにゅ〜って…)しょうがねぇな』

はむはむはむっと

『ぐへへへへぇ…じゃあ、気をつけるんだよ』
『ああ…じゃなくて…ん…(はああ…どうしようもねぇなこのオヤジ)』


そういうことで俺はテジュンの部屋から出る時はいつもこの三つを身につけていく事になった…

今から部屋を出る
携帯よし
万年筆よし(役に立ちそうもないんだけど…)
うるとらまんたろうよし(これはいつも身につけてるし…)

ドアを開けてもすぐ廊下に出ないで、様子を窺ってから部屋を出る
ドアを背にして後ろ手に閉め、そのまま壁伝いに背中をつけて進む
途中携帯でテジュンを呼び出す…と
んでぇ…歩きながらうるとらまんたろうに口付けしつつ、万年筆にも口付けしつつ…こんな事してたら隙だらけじゃねぇのか?
…『襲われませんように』と祈りながら歩く

はあっ

「ニャーか?!」
「お前の言うとおりにしてるんだけどさぁ…なんか俺バカっぽくないか?」
「いいんだ。可愛いから」
「…で?話しながら人のたくさんいるとこまで行く…だったな?」
「そうだ!気をつけろよ、敵は人ごみにまぎれてるかもしれん」
「…あーい」
「違う!」
「…ん…」
「(へにゃら〜)そーそー」
「切るぞ」
「何かあったらまた電話しろよ」
「…ん…」

俺は電話を切り、テジュンの言うとおり壁伝いに歩いていた
なのに…なんでこうなるんだろう…

俺は今またソク隊長にキスされている…
脳天が痺れている

ここは?

「君の好きな非常階段だ…」
「…ふ…」
「僕の前では返事は『…ふ…』にしてくれたまえ」
「…ふ…」
「君は隙が多いぞ、ギョンビン君を見習いなさい」
「…ふ…」

痺れた頭でバカな返事をしてしまった…
非常階段のドアに来た時にソク隊長に捕まっちゃった…
…にゅ〜には内緒にしておこう…
…怒るかな…でも気をつけてたんだもん…


鷹と猟犬その2  足バンさん

僕は男組の隊長に出くわさないように細心の注意を払ってさぼっていた
ホールの控え室を通り過ぎようとした時
中から聞き覚えのある音がした

覗くとギョンビンとラブがなにごとか熱中している
やっぱりラブの指タンタンだ
ギョンビンの指の間にナイフの矢が走っている
僕に気づくとラブはその手を止めた
ギョンビンは僕をちらりと見て目をそらした

「おぅ、ドンジュンまたさぼりか」
「人のこと言えないでしょ。またやってんの?」
「こいつが興味もったんだよ」
「ギョンビンの経歴知ってるでしょ?今にラブの方がやられるよ」
「こいつったらこれを銃でやったら怖いですね、なんて言うのよ」
「ほら見ろ」

「じゃ、僕はこれで。ありがとうございますラブさん」
「礼なんて言うなよ、ずっとこの調子だもんな変なやつ」

僕の前を通り過ぎて出て行くギョンビン

「おい、ドンジュン、あいつなんかあったのか?」
「なんで?」
「ナイフ見ながらなんか思いつめちゃってる目してさ、俺どうしようかと思っちゃった」
「ふぅん…ありがと」
「なんでおまえが礼言うんだよ」
「まぁ、あの通りの性格だからあまりそっちの世界に引きずんないでね」
「なんだよそっちの世界って!」
「あはは、みんな似たようなもんだね」

僕はラブのほっぺにちゅっをしてギョンビンを追いかけた
うしろで「ほっぺだけかよーっ」と笑い声がした
ラブってちょっと変わってるけどいいやつ

ギョンビンは通用路を曲がったところに立ってたんで僕の方が驚いた

「僕になにか用ですか?」

「朝レストランをのぞいてたでしょ」
「ミンチョルさんにあまり甘いもの食べさせないで下さいね」
「なによそれ、君に指図されることじゃないでしょ」
「それもそうですね」

また腹が立ってきた

「なんでそんなに自分にこもってんのさ」
「あなたみたいに思ったことを出せない性分です」
「そ、じゃぁ」

僕はふいをついてギョンビンに腕を伸ばし抱きしめた
つもりだった
ギョンビンは身をかわして僕の腹に肘鉄をくらわしていた
こめかみに血管が浮くような衝撃だった

「す、すみません!大丈夫ですかっ!」
「なにすんのさ!ばか」
「つい手が出ちゃって」

ギョンビンは僕を抱きかかえ廊下に座らせて、心配そうな顔で覗きこんでいる
僕は(かなり大げさに)苦しがってやつに寄りかかった
仕方なく僕を抱えこんだギョンビンは困ったような顔で座っている

「これで僕が死んだらスヒョンに呪い殺されるよ」
「ばか言わないでください」

この時とばかりに僕はギョンビンに強く抱きついた
ギョンビンの心が少しずつ入ってくる
どろどろとした底なしの渦
冷たい雪に閉ざされた暗いトンネル

このまま読み続けていいものか迷いはじめたとき突然ー

シャツに赤い血を滲ませたミンチョルさんの姿が流れ込んできた

僕はあまりの驚きに反射的にギョンビンを押し離した

「どうしたんですか?」
「ギョンビン…」
「ドンジュンさん?」
「きみ…そんな不安を持ってんのっ?」
「え?」
「それでミンチョルさんから離れなきゃって思ってんの?」
「ドンジュンさん…」

僕は急にひどく哀しくなって涙が出てきた
ギョンビンから視線をはずせない
驚いて見つめてるギョンビンを見るとますます涙が溢れる

「ドンジュンさん…なんで…」
「ごめん…なんかわかっちゃって…ごめんなさい…」

ギョンビンはすっと柔らかい表情になって僕の肩を抱きしめた
僕の中に流れる彼の想いが強くなる
愛する人を守りたい気持ちと守りきれなかったらという不安
側にいたい気持ちといてはいけないという自戒
そしてその混乱から抜け出せずにいる自分への焦燥

僕は海辺でみた砂漠の薔薇の夢を思い出した
あの時はスヒョンがいてくれた
でもギョンビンは今ひとりで耐えてるの?

「なおさらだめじゃん…離れちゃ…」

ギョンビンの返事を聞く前に、廊下の向こうから話し声が聞こえて彼は立ち上がった
ちょっとほほえんで僕の髪をくしゃっとするとそのまま行ってしまった

僕は腹を押さえてギョンビンのうしろ姿をぼんやり見ていた


コミエサラン7 妄想省家政婦mayoさん

テスがドアを開き出て行こうとする瞬間
ちぇみはテスの腕を掴みぐいっ!と引っ張り自分の胸に引き戻した
テスは今にもこぼれそうなほどいっぱいの涙をためていた
テスの嗚咽が収まるまでちぇみは優しく抱いていた

「どうしたんだ..テス..ん?」
「ちぇみはいつも僕を大事にしてくれる。でも心のどこかでためらってる」
「それは…お前の…テス?」
「ん?」
「俺はな…お前がもし帰っても..ずっと待ってるつもりだったんだ…」
「ちぇみ…」
「無理に奪うことも出来る。でもお前も傷つく…周りも傷つく…」

「ちぇみ..」
「ん?」
「僕はもうひとり…遠慮なんかいらないんだ」
「???テス……今…何て……言った…?」

「家に帰っても..僕を待ってる人なんかいないんだ…今はちぇみしかいない…」
「何故黙ってたんだ…」
「一緒にいるのに家のこといいたくなかった…」
「……お前に言わせなかった俺の責任だな」
「ちぇみ..」
「もういい..もう泣くな..俺はいつもお前の傍にいる。いつも一緒だ。離さない」
「ぅん」
「お前も俺を離さないでくれるか?ん?」
「ぅん、ぅんぅん…」

ベットに横たえたテスの蜘蛛に合図のkissをし..ちぇみの首にテスは巻き付いて甘えた

  俺はもう迷わないぞ………
  ぅん……僕………
  わかってる……何も言うな…
  ぅん…………

いつものように最初のkissで閃光を見せたちぇみは
涼やかな竹林へテスを呼び込み..竹の枝をゆったりと舞い飛ぶように愛撫を続ける
強靱でしなやかな竹の枝を浮遊するたびに2人の身体が撓る..
緩やかな浮遊を何度か続けた後..ちぇみは1つの枝を掴みテスを抱え枝のしなりで
一気に下へ沈み..一気に舞い上がり他の枝へ移り飛ぶ..
幾度となく聞こえるテスの吐息を遮る様にkissを浴びせ2度3度と閃光を見せる
緑に光る稲妻がテスの頭の先からつま先まで体中を走ったとき吐息は小さな叫び声に変わった
テスの身体が大きく撓り静かになるとテスはちぇみの肩に顔を埋めた

 ちぇみ……
 ん…………
 ごめんね…
 いいんだ…
 ちぇみ……
 なんだ……
 よかった…
 そうか……
 うん………
 おれもだ…
 ほんと……
 ん………。.:*・°☆


ブリザード   オリーさん
 
ドンジュンにチョコレートをもらった
甘い感触がまだ口の中に残っている
食べ過ぎですよ、というミンの声が聞こえたような気がした
そうだね、ジョギングしないと
でもいやだ、ひとりでなんか
芝生に寝転んでそんなことを考えていた
陽射しがまぶしく思わず目を閉じた
心は寒いのに太陽はおかまいなしに僕を温める
と、唇に暖かい感覚が…
ミン?
いや、違う。誰?
驚いて体を起こすとテジュンさんがいた
何するんですか
相手はふふっと笑った
いや、テジュンさんじゃない
あなた、誰?
私はソク、イ・ミンチョル君ですね
相手はそう言って僕を押し倒した
テジュンさんにそっくりだが、彼のようにソフトではない
力がとても強く僕は組み敷かれたままだった
ソクと名乗るその男は僕を上から見下ろすとペラペラと話し出した
音楽会社の企画室長、父親が人殺しというスキャンダルで会社は倒産、すべて失う
何を言ってるんだ、この男は
紆余曲折を経て白血病の恋人と結婚、そして今離婚協議中
何なんだ、この男は
離してください、失礼だ
男はかまわず続けた
最新の情報は現在最近知り合った恋人と別居中
何を言ってるんだ…
一瞬躊躇した瞬間唇が塞がれた
脳天に衝撃が走った
この男は一体…
もがいてもとても力が強くて離れない

突然、ドンッと音がして体が自由になった
男が僕のわきで腹を押さえて九の字に倒れこんでいた
その向こうにミンがいた
隙だらけですよ
ミンは無表情で僕に言った
気をつけてください
そう言うと踵をかえして行ってしまった
待って。だったら側にいればいいじゃないか
僕はふりしぼるように声を出した
ミンは一瞬足を止めたがまたそのまま歩き出した
駆け寄って後ろから肩を抱いた
だったら側にいればいいじゃないか
もう一度言った
ミンは何も答えない
振り向かせてキスをしようとすると、すっと体を離した
とにかく気をつけて
そう言うと行ってしまった
僕はそれ以上動く事ができずいつまでもその場に立ちすくんでいた
暖かい陽射しの中なのになぜか冷たい嵐に放り込まれたようだ
彼の蹴りは強烈だったな、今のが別居中の恋人でしょ
その声で我にかえった
ソクという男が僕のすぐ後ろに立っていた
ほんとに失敬な人だな
僕はそういい残すと仕事に戻った
仕事…ね

メモ、イナ君とはやや違った感触。だがこちらも極上。要追跡調査、と


秘密部屋6  妄想省家政婦mayoさん

近頃、闇夜は昼間秘密部屋にいないことが多い
チョット寂しい。チョコレートを用意して待ってる僕。でれっ

闇夜はコモと一緒にソク退治に出かけている
BHCのメンバーがあのソクに狙われているからだ

顔はテジュンさんなんだけど、目の周りはいつもクマができたように青黒い
だから余計に目つきが鋭くみえる。暗闇でも光りそうな眼光だ

あの敏捷なギョンビンもやられた。そしてミンチョルさんも
まぁこの2人は今ちょっと弱くなってるからね…そこを突かれたんだろうな…

未遂でソクの唇を阻止したのは身のこなしの早いチョンマン
すばやく逃げたって。チニさんがいるからね…
近くにいた掃除のおばちゃんのモップで退治したって。モップ使いは慣れてるからね

テプンは俺はいつもガム噛んでるからさ、
振り替えざまに目いっぱい膨らましてやるよ。とかなんとか言ってた
効くかなぁ…あ、でもチェリムがソクの急所を蹴りそうだね

ラブはいつもナイフ持ってるし、奴もあんまり部屋から出ないからな…
大丈夫そう…

イヌ先生とウシクは大きな棘のついた薔薇を何本か用意したみたい
2人がかりで唇にくわえさせてやるとか…

イナ?いいよ…ソクのち◎う、待ってるみたいだし…

うちのメンバーより男組とかMUSAとかのメンバー狙えばいいのに…
男組の隊長とかさ、はまりそうじゃん?ソクに

ドン&ソク隊長…2人で@@丸くしてたら…ちょっと恐っ
ヨソルとソク…怖いな…^^;
将軍とソク…ぅん、いいかも
ピョートルとソク…顔はピョートルの勝ち…ちゅうはいい勝負
ヨンジュンとソク…ヨンジュンのスルリとかわす様を見てみたい。結構うまいよね、ヨンジュン
あ、ミミさんとソク…無理だな…でも怖いもの見たさで見てみたい…

廊下でゴトンと音がした。ドアを開けてみると
戻ってきたちぇみがソクを廊下の壁際に押し付けて、闇夜が傍に立っていた
「ゴ・ゴ・リアト…」
「久しぶりだな、ソク…」
「な・何故…ここに…」
「お前には関係ない…」
  
うわっ…

「ちぇみ!かっくいい〜〜!!」僕と闇夜は思わず小さい拍手をしていた
「ん..#」ちぇみはちょっと満足そうに返事をした

「ソク、ずい分と派手に吸って回ってるみたいだな…」
「ちょ・調査だ…」
「程々にしないと…俺らが黙ってない…気をつけるんだな..」
「く・くそっ…」

くそっ…ゴリアトがBHCと繋がっている…調査不足その1
忌々しい奴め…ん?メンバーが増えてるのか?いや違う..謎の男…?女?…調査不足2
ふん!こんなおいしい調査をやめられるか…

「ちょっとぉ〜逃がしていいの?」
「あのしつこさだ。どうせまたやる。機会を狙うんだ
「おぉ~~~…」


ソク   足バンさん

ゴリアトとBHCの繋がりを調べた。ふん、そういうことか

調査は順調だ。おまえに邪魔されてはかなわん
イ・ミンチョルは難しいと思ったが今は隙だらけで幸いした
しかし連中思ったより手強いな。ふふ…これからだ。やりがいがある

俺はひとりで外に出たゴリアトの背後に回った

「ゴリアト…いや黒蜘蛛か?」
「なんだ謝りにでも来たのか」
「邪魔するな」
「放っておけるか」
「自分の調査対象はBHCの連中だけだ、と言えばわかるだろう」
「……」
「ゴリアトのおまえなら興味あるはずだ」
「それはBHCが全員…」
「わかったら邪魔するな」
「他にやり方があるだろう」
「キム・イナがきっかけをつくってくれた」
「それだけか?」
「趣味を兼ねている」
「そういう趣味があったのか」
「ふっふっふ…人生を楽しむことにした」
「確かにおまえも苦労したな」
「おまえは新しい人生に落ち着きそうだな」
「もう調べたのか」
「おまえには幸せになってもらわないとな」
「余計なお世話だ」
「あのおとこおんなはいったいなんだ?手下か?」
「知らなくていい」
「おまえも守るものが多くなったな」
「言っておくが、俺のものには手を出すな」
「猫ちゃんか?どうかな。サンプル対象外だが興味はある」
「殺されたいか」
「ふふ…じゃまたな」

「ふぅ…ソク…あいつもまだ救われないな」


秘密部屋7  妄想省家政婦mayoさん

俺はソクと話した後すぐテスの占い相談ブースへ行った
胸騒ぎがした。幸い今日は<アタシ>がいない
テスの姿を確認するとテスの前にはソクが座っているのが見えた

『あの野郎…』
俺はすぐテスに近寄った

「あ、ちぇみ〜迎えに来てくれたの?」
「お、ぉお…ソク、余計なちょっかいかけるなっ」
「ちぇみ、知ってるの?この人…」
「かわいい猫ちゃんなのにな…ね、テス君」
「はい。ソクさんっ」
「テス…こいつと喋るな」
「ふふふ…テス君、君の恋人は怖いね〜」
「全然怖くないよ。とっても優しいよ?」
「ふふ…お前の猫は実に興味深い…」
「ソク!今すぐここから立ち去れ!」
「ふっふっふ…失礼する..じゃまた、テス君」
「はい、ソクさんっ」

「テス…帰ろう」
「ぅん…」
「テス…ここは辞めろ。俺はお前を1人にすると心配だ」
「大丈夫。あのソクさんだって目つきが怖いけど悪い人じゃないよ?」
「テス…」
「でも、ちぇみが心配なら辞める」
「テスぅぅ〜」
「ちぇみ..」
「お?何だ...」
「お腹すいた。おやつ食べに行こう!」
「ん〜行こう行こう」

テスを懐に抱き込むちぇみ…
柱の陰から覗くソク…
『ゴリアト…あの猫ではお前が幸せなのがわかる気がする…ふっ..』


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