嵐の行方 3 妄想省家政婦mayoさん
「@@…mayoッシ…」
「@@…テソンッシ…」
「何処行ったんだ…ミン・ギョンビン」
「なんてことを…」
「なぁ…行く当てはあるのか?これで問題解決するのか?」
「落ち着いて。テソンッシ…」
「1人ならいいさ。ドンジュン絡んでみろ…スヒョンさん絡んでみろよ…」
「んな…ワタシに言われても…ギョンビンさんは堅いから大丈夫よ…」
「あんなチーフ…見てられないな…いつも一緒だから隣にいなけりゃみんなにすぐバレる」
「うん…とにかく捜さないと…見つけたほうがいいのかな…」
「何よ。見つけないほうがいいみたいじゃん…」
「ギョンビンさん…それを望んでないのかも…だから綺麗さっぱり…消えた」
「それって…ギョンビンが自分に出会う前のチーフに戻してやりたかった…チーフのためにてこと?」
「うん…」
「何だよ。何だよぉ〜すごく哀しくない?…皆…逃げてるだけじゃんか…」
「テソンシ…@@」
『闇夜…』
『ネ…』
『ミンが消えたのか?』
『テックヒョンッシ…何かわかる?あ、また大学の講師でもやってるかな…』
『…ちょっとイヤは予感もするが…』
『縁起でもない…』
『あぁ…すまん…仕掛けは』
『かなり慎重にしてるから…周波数が合わないと…キャッチできない…』
『そうか…少し待ってみよう…闇夜、お前2日ぐらい寝てないんじゃないのか?』
『そうだっけ?忘れた…』
『少し休め』
『はは…無理』
『ったく…』
ガラスの目玉で ぴかろんさん
「スヒョン、話がある」
僕はミンチョルに呼び止められた
なんだかいつもと雰囲気が違う…
いや、こんな風だったかもしれない…
いや、でも。違う…
「なあに?」
「舞台でのパフォーマンスにお前の作ったマフラーを使いたい」
「えっ?!こ、光栄だな…どれを使うの?」
「メンバー全員のだ」
「…どんな演出になるの?」
「まだ言えん。だか一つ注文がある。大急ぎでやってくれ」
「…どんな注文?」
「ファスナーをつける」
「?ファスナー?」
「そう、マフラーの端と端にこう…」
「ちょっと!盗作だ!それは僕とチョンソの愛のコンセプト、『ただ一つの愛マフラー』をパクったものじゃないか!」
「なぜ貴様が出てくる!」
ミンチョルは氷のように冷たい目で、バカソンジュを睨みつけた
「こわいなぁ。もう。あれ?そういえば、あのかっこいい子は?風邪でもひいたの?いつもベタベタくっついてたじゃん」
「それでスヒョン、このマフラー同士をくっつけていき、一本のマフラーにするんだ」
「…そういえばギョンビンは?」
「聞いてるのか?だからここの端とここの端にファスナーをつけてくれ」
「ファスナーなんて無理だよ、ボタンならできるけど」
「チョンソならつけられるぞ、呼んでやろうか?」
「じゃあボタンでいい。至急つけてくれ。簡単に外れないようにしてくれ」
「外れないようにって…ループでもつけようか…」
「ねえ、あのストイックな男の子は?」
「そうだよ、ギョンビンは?」
「それから後で変更部分を確認するから舞台に来てくれ。じゃあ」
「おいって、ミンチョル」
僕はミンチョルの腕を掴んだ
…
そうか…
僕と同じように突然…戻ったのか…そしてあの子犬は…
そか…
「なんだ。何か用か?」
「ん、いや、後で舞台にいく」
「じゃあよろしく」
後ろ姿が痛々しい
だから目玉がガラスで…
ちょっとキュン…フフ
慰めなくちゃなぁ…フ…フフ…
っと…待てよ
ってことはギョンビンがどこかで…
泣いている?
ふ…
ふふふ…
血が騒ぐ…
さぁてと
何から食べちゃおうかなぁフフフ
来訪者 足バンさん
サンヒョク:どうしたの、ソンジェ君。ため息ばかりついて
ソンジェ:あ?あぁ…ごめん。どこまで合わせたっけ?
サン変だよ最近。ぼぉっとして
ソンなんか緊張してるのかな
サン:そうなの?
従業員:ソンジェ様ー!お客様です!
ソン:客?僕に?
従業員:はい。今ロビーに。ヨンス様とおっしゃる方です
ソン:ヨッッ!?
ガラガラガッシャーーン!
サン:だ、大丈夫かっ!おいっ!
従業員:お怪我はございませんかっ!?
ソン:だ、だ、いじょぶ…すみません…あう…ラウンジで待つように伝えてくれますか
従業員:はい、かしこまりました
サン:どうしたんだ?立てるか?
ソン:あ、あぁ…まずいな…なんで来たんだろう
サン:なんで?会いたくないのか?
ソン:あぁ…ま、まぁ、兄も僕も今いろいろあってさ…
サン:なんだよ、お兄さんから奪ってみせるって言ってたじゃないか
ソン:そうなんだけど…
サン:行ってこいよ。ミンチョルさんより先に会った方がいいぞ
ソン:あ…そう、そうだな…行って来るよ
ヨンス:ソンジェさん!
ソン:ヨンスさん…いったいどうしたの…こんなところまで…
ヨン:家でいろいろ考えてたらいたたまれなくなって…
ソン:ナレは?
ヨン:ナレが連れて来てくれたの。ホテルの前で待ってくれてるわ
ソン:でもどうして…
ヨン:私、どうしてももう一度ちゃんと話さなきゃいけないの
ソン:ちゃんとって、なにを?
ヨン:室長のことよ。あんな風に出て行ったままなんておかしいもの
ソン:だって兄さんは僕らに任せるって言ったんだよ
ヨン:記憶をなくしてるんだもの、ちゃんとした判断じゃないわ
ソン:それはそうだけど…
ヨン:今室長には会えないの?
ソン:あ…いや…仕事が…
ヨン:携帯にもつながらないの。お願い
ソン:で、でも…
ヨン:なにか会えないわけでもあるの?
ソン:あ、じゃ…待ってて。いい?ここで待っててよ
ウシク:ソンジェさん、慌ててどうしたんですか?
ソン:ヨンスさんが来ちゃったんです…テソンさんどこですか?
ラブ:どっかの秘密部屋だよ
ソン:あ…じゃ、イナさんは?
テプ:イナ?だめだめ!今あいつ使い物になんない!
ラブ:チーフどこ行ったかな
ソン:いや!だめなんだ。今兄さんと会わせるわけにはいかないんだ
テプ:あぁ〜なるほど!まぁ、そうかもね
ソン:頼みます。誰か兄さんのふりして電話してもらえませんか。なんとか帰ってもらいたいんです
テプ:あ、おもしろそっ!やるやる!
チョンマン:あ、俺やる!奥さん騙すんでしょっ?やりたいやりたい!
ウシ:イヌ先生とかいいんじゃない?
ラブ:発表年代的にはウシクさんがいいだろう?
テプ:だめだよ、こいつは〜、そういうことできないって
チョ:ドンジュンがいたら面白かったのになぁ
ラブ:スヒョンさんでもいいかもよ〜!うまそう!
ソン:あぁっ!あぁっ!もういいですっ!自分でなんとかしますから!
テプ:あ〜、はにわになって行っちゃったよ
チョ:なら最初から自分でやればいいのに、ねぇ
ソン:どうしよう…
嵐の行方 4 妄想省家政婦mayoさん
「@o@#…mayoッシ…」
「@o@#…テソンッシ…」
「「やっぱ…狙ってるよ…絡んでくるよ…まずいよ…」」
「スヒョンさんより先に、ドンジュンは…あ、ドライブか…」
「とにかく2人より先に見つけないと…お手がついたら…」
「ギョンビンがドンジュンの二の舞になってみろっ!!…」
「車どころじゃない…戦闘機よ!?…マッハ3.98よ?」
「「怖ぇぇぇ〜〜ょ…>o<」」
ジジジ…ズズ…ピッピッピ…ズズ…ピッ・ピッ・ピッ・ピ……ジジジ…ピ・ッピ…
「あ、来た?」
「ちょ…ちょっと待って…あれ?…」
「何よ…画面が出ないじゃん…」
『闇夜!!?』
『テックヒョンッシ…受信の画面が…』
『受信機の製造番号を教えろ』
『っと…ch-62-05-01…あれ?この番号…』
『…!!…俺の?…右に青いボタンがあるはずだ。押してからダイヤルを回せ』
『…来た…右の画面に6桁の番号が4つ…』
『番号が随時変わる。発信器をPCにセットしておけ。テソン、わかるか?』
『大丈夫』
『ん…闇夜は?』
『mayoッシ?…あ、なんか…寝ちゃった…』
『少し寝かせろ。ほとんど寝てないはずだ』
『わかりました』
来訪者 3 足バンさん
突然、ヨンスが現れた
通りがかったラウンジの窓際に小さく座っている
胸の中にヨンスの懐かしい表情が渦巻く
濁流のようにもみくちゃになって
僕の足はすくみ
頭はなにか得体のしれないものに強く揺さぶられているようだ
動くことができない
思考できない
今は自分をごまかす力さえ残っていない
ましてや今彼女にかける言葉など持っていない
あの横顔を愛していた
あの不安そうな瞳を守ろうと思っていた
彼女を愛し続けることが
自分を愛せることだと思った
でも…
「兄さん…」
ソンジェが立っていた
「見える?兄さんに会いに来たんだ」
「ああ…」
「わかる?僕じゃない、兄さんに会いに来たんだ」
(わかってるよ)
「会える?」
「会ってなにを話すんだ」
「そんなこと僕に聞かないで」
「今は会えない」
「いつなら会えるの?」
(わからない)
「記憶が戻ったら会えるの?」
(戻ったんだよ)
「今の兄さんの状態を話したってヨンスさんをまた傷つけるだけだ」
「ああ…」
「でもこのままじゃ帰らないよ、ヨンスさん」
「ああ…」
「ちゃんと納得させてよ」
そう言ってソンジェは僕の胸に携帯を押し付けた
僕はソンジェに背を向け携帯を操作した
溢れそうになるものを見られたくなかった
「ソンジェさん?」
「すまない…」
「室長!」
「今は会えないんだ」
「仕事なの?終わるまで待ってるわ」
「いや、違うんだ。今は会えないんだ」
「室長…」
「すまない」
(すまない…ミン…)
「まだ整理できない」
(整理などしなくてもよかったのに)
「いずれ話す」
(ミン…君とはもう話すことすらできないのか)
「わかりました…突然ごめんなさい」
「いや」
「もし…治療が必要ならちゃんと相談しましょう」
「ああ…」
「今日は帰ります」
「ああ…」
「身体に気をつけてね」
「ああ…」
ソンジェは無造作に携帯を受け取ると
なにも言わずにラウンジの方に歩き出した
僕はもうヨンスの顔を見ていることもできなかった
立っていられないほどの激しい寂しさに支配された
心に…夏の雨のようにミンの笑顔が流れ込んできたから…
すまない。ヨンス。今溢れ出すのはミンとの短い時間だけなんだ
強くしがみついてきたあの切ない想いを
このままでいいと言っていたあの瞳を
僕の悲しみを包んでくれたあの腕を
僕はまだ求めているのか。春の陽射しを…
天使の奉仕 ぴかろん
まずは…そうだな、ミンチョルを少し味見して
手強そうだけどね…
それからギョンビンを捜し出して、癒してあげる
その後本格的にミンチョルを…いや待て、ギョンビンを堪能した後の方がいいな、うん、いい
あとはドンジュンのバカだ
調子にのって色んな奴とドライブしてるらしい
編み棒も毛糸も数が限られてるんだからこれ以上犠牲者を増やさないでほしいよ、全く…
ンフフ…
んなこと言ってもあの悪魔はまだ誰の手垢も着いてない…
そ
僕のキスだけ…
フフ
さあてと、ミンチョルにどうかましてやろうかな
カチャン
僕は部屋のドアを開けて怯んだ
こいつがいたんだ…
「ただーいまっ」
無反応
あのずぶ濡れになって僕の部屋に戻ってきた日
イナの震える体が氷のように冷たかったので、僕は風呂にいくか?と尋ねた
うんうんと首を縦に振ったかと思うと、僕にしがみついてきた
キスした後、テジュンさんはイナを突き飛ばして、迷惑だと叫んだんだ
他にも何事か罵られたようだが、イナはショックで覚えていない
テジュンさんの瞳が怒りに燃えていたらしい
ああ、勿論これは僕が読み取った事だ
イナは喋ることすらできないもん
だから僕が抱きしめてあげて、心を読んであげた
でもずぶ濡れのイナに抱きつかれたから、僕まで濡れちゃった
それで部屋のバスタブにお湯を張って、ぼんやりしているイナのシャツを脱がせて…フフ
でもな
つまんないの
されるがまま
あんまりつまんないからイナを湯船に浸からせて頭を撫でてやった
…
こんなヤツ、欲しくない
面白くない
けどやっぱりほっとけないんだ
一緒に入ろうかと思ったけどさ…
いや、入ってもよかったんだけどさ…
どうせ僕は奴の身代わりだろ?
それ
面白くない
僕はイナの体を…フフフ、これぐらいいいよね?…丁寧に拭いてあげて、そのまんま…フフフフ〜…ベッドに転がしてシーツをかけてやった
ああっ
色っぽいっ
苦悩するオトコって色っぽいっ!
そんな事があった
今も無反応
テジュンさんは仕事に燃えている
忘れようとしているんだろうな
コイツが引きずるから…
僕はデスクに座っているイナのところへ行ってイナの顔を見上げる角度にしゃがみこんだ
デスクに腕を乗せて、ちょっと可愛らしく頭乗せて、首をかしげてイナを見つめた
見えてないみたい…
ほんっと、つまんなーい
イナは手元の万年筆を弄くって、フッと笑ったり涙を滲ませたりしてる
病気だ
あーつまんないっ!
けどさぁ気になるんだな…
コイツの望むものはテジュンさん
僕の方なんて見向きもしない
ならば…
僕は万年筆を弄ぶイナの手にそっと触れてみた
ふうん
どんな風にかな…こうかな?
文字通りヤツの身代わりになってやろうじゃないの
お前の望むとおりのキスを
お前の望むとおりの抱擁を
僕が与えてあげる
僕はイナを抱きしめてみた
突っぱねる腕から『こんなじゃない』と聞こえる
ならばこうかな?
『違う』
『どんな風がいいの?』
『…』
テジュンさんの抱擁の記憶がイナの腕から僕に流れ込む
こうかな?
…
なんだ。こんな簡単だったのか。シンプルイズベスト…
イナから発される安堵と信頼とテジュンさんに対する深い気持ちが僕に伝わる
これは
テジュンさんへの想い
ここで間違えちゃいけない
ちょっと辛い作業かな?
けどつまんないよりいい
ご褒美だって貰えるし…
僕はイナにキスしてみた
少しの抵抗の後、イナは僕に身を任せた
なんて簡単…
やっぱりあんまりおもしろくない…
ミンのつぶやき オリーさん
あんなに早く彼に気づかれるとは思わなかった
ロビーを駆け回る彼に声をかけそうになる自分をやっと押さえた
いつも冷静な彼があんなに取り乱して
僕は胸が痛んだ
でも今終わりにしないとこの先もっと辛くなる
必死で自分にそう言い聞かせた
彼が元に戻ってくれたら踏みとどまれたかもしれない
僕は彼の背中だけ見ながらずっとそばにいられたかもしれない
でも彼は僕をまっすぐにみつめていた
彼にそんな選択をさせてはいけない
彼がロビーから外に出たのを確かめて僕は裏口へ向かった
思い出が少なくてよかった
でも決して忘れない
初めて会った日からあの瞳を見たときからわかっていた
いつかこうなることを
わかっていて踏み込んでしまった
後悔はしていないけれど胸が痛い
この先どうしようか
課長の所へ戻って新しい任務につこうか
自分も守れない今の僕に任務は無理か
大学で東洋思想の研究をやり直そうか
心の平穏が取り戻せるかも
とにかく少し眠ろう
夕べは一睡もしてないから
それにしてもここは洒落たホテルだ
ベランダにジャグジー付きの風呂があるなんて
後で入ってみよう
彼の夢を見られるだろうか…
ヨンスのつぶやき オリーさん
声を聞いただけでわかったわ
あの人また閉じこもった
さあ、私の出番
今度はどのくらいの壁の厚さかしら
ああ、腕が鳴る
仕事を変えて今の職場に行ってからあの人変わった
似たような境遇の人がいるせいか、少しづつ癒されてた
面白くなかった
だってあの人の魅力は誰も癒すことのできない孤独そして不幸
それを私が少しづつ壊すの、泣いたりすがったりして
あの快感がたまらない
私はかわいそうな人が好き
あんなに孤独が似合う人は他にいない
ライフワークだったセナが落ち着いて私に残されたのはあの人だけ
なのにあの人ったらどんどん幸せになっちゃって
もちろんそれは私のせいなんだけど
矛盾してるわね、でも仕方ない
洗濯させたり掃除させたりご飯作ってあげなかったり
色々してみたけどそんなじゃあの人不幸にならなかった
え?不幸ならソンジェさんでもいいじゃないかって?
だめなの
だってあの人は孤独になれない
いつも誰かそばにいるでしょ
ご飯作ってくれるから便利だけど
今日は帰ろう
しばらくほっておいてもっと閉じこもるのを待とう
今度はどんなガラス玉入れてるかしら
あの人の孤独と不幸は私にとって蜜の味
ああ、楽しみ
室長、私待ってます
嵐の行方5:闇夜の寝言 妄想省家政婦mayoさん
「ma…あ、寝てたんだった…」
テソンの背中に寄りかかり居眠りの闇夜…
==zzz…てそんはさいこー?…ぷっ…
「@_@?…起きてるの?お?ねぇ…」肩を揺らし話しかけるテソン
==zzz…あの人は孤独が似合うわ〜??さっさとフクスケとくっつけ〜
フクスケ!いつまでぐずぐずしてる。さっさと襲え!勇気がないのかぁ〜!
「ど、どうしちゃった?」
==zzzte ギョンビン!薔薇風呂シャンペンのコテージだとぉ?さっさと帰って来い!
「mayoッシ!しっかり!僕の…僕の癖がうつっちゃたの??ねぇ!ねぇってば!」振り向いて闇夜をゆさぶるテソン
『テソン!どうかしたのか?』
『闇夜が…闇夜の様子が変です…声も違う…言葉もいつもと違う』
『…心配するな。寝言だろう…』
『え?そうなの?』
『それより、闇夜がさっき言ってた薔薇風呂のコテージって何だ』
『あ、そこはスヒョンさんが常宿にしてる…そこにいる?もしかして…』
『ん、そうかもしれない…場所調べろ』
『わかりました』
「本音?[てそんはさいこー]うんうん…[プッ]って何よ…[プッ]って…」
蜘蛛の恋 part-5 妄想省家政婦mayoさん
『ミンが消えたか…心で泣いて仮面をつけてるかミンチョル…
テス…いずれお前の耳にも入る筈だな…俺の口から言うべきかな…』
「ここの倶楽部は、みんな背が高いなぁ〜上ばっかり向いてるから首疲れちゃう…えへっ」
「お前、リマリオ踊りも覚えたし、一緒に出る?」
「それは駄目。ピョートルさんとミンチョルさんとの仲悪くなっちゃうと僕…困っちゃうもん」
「そうか…」
「僕、皆と仲良ししたいし」
「わかった。ちょっと休憩しよう〜」
「「「オーケー」」」
『なぁ…闇夜…って…寝てるか…』
『蜘蛛!ちゃんと話した方がいい!!』
『ん?寝言か?闇夜…おい!…』
「蜘〜蛛さん!おやつもらった。食べよっ。…どうしたの?何か変だよ?」
「テス…お前に話がある……ギョンビンがいなくなった」
「えっ?」
「ミンチョルは記憶も戻って混乱している。ひとりで苦しいはずだ。お前が行って……」
「……蜘蛛さん…僕は遠くで見守る」
「無理するな…」
「正直、ミンチョルさんの傍にいたい…ッていう僕もいるよ。…でも必要なのは僕じゃない。彼だよ」
「いいのか?…BHCに送っていくぞ?」
「やだな…気使わないで。僕は今…蜘蛛さんと一緒にいたい…(^_^) 」
「テス…」
思わずテスを引き寄せ抱きしめてしまった蜘蛛…
『あ…しまった(>_<) みんないたんだ…って…ま、いいか(^_^;)…』
「「「@o@…@@…@_@」」」
蜘蛛とテスの抱擁を見て固まるピョートル&ヨンジュン&チッソク
「おっほぉぉぉ 〜〜(*^_^*) …実にいい光景だ。ほのぼのしているね〜彼らは…」
「リマリオ〜君は黒蜘蛛を知らないからぁ…」
「うわぁ…兄弟?…親子…って感じ?…」
「先輩〜アィゥ…よそでやんないでくださいよ〜」
……(*^_^*)v
編集室は楽し ぴかろん
「これをどうやってコメディに持っていく気?!」
「怒んないでよチェリム」
「なんなのよ展開遅いし!」
「(^^;;)だから…チェリム…編集すればさぁ」
「大体チニ!アンタが悪いわ」
「え?」
「アンタが今心を痛めてる状況作り出したのはアンタ自身!」
「…わかってるわよ…でも…演歌さんの気持ちもクリンちゃんの気持ちも…叶えてあげたくなっちゃって…」
「アンタの一番悪い癖よね。自分よりも他人優先。ほんっとイイコちゃんなんだからっ!」
「なによ。チェリムだって結局は…」
「アンタと私の場合は違うでしょ?アンタの場合はアンタとこいつが先にくっついてたんじゃん!そこにこのオジサンがしゃしゃりでてきたんじゃん!」
「…オジサンって…」
「オジサンじゃん!コイツもアンタを差し置いてよくこんなオッサン相手に欲情できたもんだわ」
「…チ…チェリム…」
「怖ぇぇっ怖ぇぇなぁチョンマン」
「何?静かにしてよ、カットするとこ考えてるんだから!」
「だってよぉ、チニさんの友達の女、イナさんの事ボロクソだぜ」
「ふーん、あっチニさん、この絡みのシーンどうします?」
「えっ?ああ、手から肩にかけての?」
「そう、かなりクドイしかなりカタツムリなやつ」
「…うーん、ナレーション被せるから活かしといて!」
「アイアイサー」
「チョンマン〜チニさん、なんだかさぁ」
「うるさいなシチュンさんは!」
「なんだか映画作りにイキイキしてない?」
「僕も真剣にやってんだけど!邪魔しないでよ!それより面白いセリフ考えといてよ!」
「…」
「チニ、アンタよくこんな映像の編集してるわね。自分の恋人なんでしょ?オッサンの唾だらけになってんだよ!」
「…それはそれ。映画は映画よ」
「…いくら映画好きだからってさぁ。あっちょっと待ってよ、今のもつれ込みはそのまんま活かした方がいいわ!」
「え?」
「オッサンつっかかって『おっとっと』ってカンジの!あれ。入れてよ!ねぇサル君、今の足元クローズアップできる?」
「できます!いやぁチェリムさん、ツボ解ってますねぇ」
「フフン、チ二と高校時代から自主映画製作クラブで色々やってたから…ねぇっ」
「ええ」
「へぇ〜そうだったんだぁ。で、これに絡めてmayoさんとテソンさんのオモオモっぷりのビデオを被せるんですね?」
「そーそー」
「ちょっと見せて。いやだっおっかしいっ特にこの、ソ・テプンを思いっきり暗くしたようなこの人の慌てっぷりったら…クククナイスナイス。よく撮れたわねぇ」
「mayoさんの協力でね。あ、でもmayoさんから自分の写ってる箇所はカット願いますって。カットしないとこのテープ、奪いますって」
「…了解。mayoさんを敵に回したらオシマイだもの…」
「あははは、おかしいっ。あ、ソ・テプン出てきた。何?子供と間違えてる?…本とだ!オッサンテジ君にそっくりぃヒーヒーヒー」
「チェリム…貴方絶対キャラが変わったわね」
「ヒーヒー…そう?」
「テプンさんとお似合いだわぁ〜」
「…やめてくれる?!あんな粗野な男!」
「…フフフ…」
「チニ!協力しないわよ!」
「私は協力してあげるわよ」
「僕も協力しますよ」
「…じゃあ、俺も…」
「…」
チンの帰還 オリーさん
「ただ今戻りましたぞ」
「チン、早かったな!でいかに?」
「何がでござる」
「編物などしたくなったか?」
「いや。ドンジュン殿はなかなか好青年でござる。いい話を聞かせてくれた」
「いい話?絵巻のことか?」
スパコーーンッ!!
「トヨタでござる」
「トヨタ?」
「いかにも。なぜトヨタが一人勝ちできるのか。そのノウハウを伝授していただいた」
「トヨタってあの車の?」
「さよう。将軍我らも早急に組織の見直しをせねば」
「そ、組織?」
「企業に大事なのは高いコストパフォーマンスと開発努力でござる。クラブも同様。日々進化せねばなりません」
「今度はエンジンの話じゃなかったみたいね」
「う、腕つかまれたりしなかった?」
「おお、ドンゴン殿はそちらにおられたか。腕は掴まれる、首に絡まれる、肩に抱きつかれるわで大変でござったが
何、人懐っこいドンジュン殿だと気にもなりませぬ。いやむしろ楽しい。ワハハ」
カラーーーンっ!!
「兄さん、編み棒また落ちたよ」
「ア、アイスキャンディは?」
「甘いものは苦手での。代わりにアイスコーヒーなどを一つのストローで仲良く飲んできたわ。ワハハ」
カラーーーンっ!!
「兄さん!もう!」
「ひ、ひとつのストローというとその間接何チャラ…」
「そういうことになろうかの。ワハハ」
「あ、編み目が…」
「で、話を戻すとトヨタでござる。いいですか、将軍。我らMUSAもコストパフォーマンスの見直しをせねばなりません」
「こ、こすとぱふぉーまんず?」
「いかにも!」
「よくわからないんだけど…」
「うう、将軍にはちと難しいやも。ぶっちゃけわかりやすく説明するとでござるな、効率よく稼げるホストを至急確保・育成し
生み出した利益でさらに稼げるホストに変身させ店の設備を充実させるのでござる。これすなわちトヨタ方式」
「ほお」
「では早速、将軍の特技は?」
「は?」
「ホストとしての特技は?」
「えええっと、命令と武術」
スパコーーーンっ!!
「大将自らそのような有様だからウチは落ちぶれるのです。もっと建設的に考えられよ」
「だって僕それしかやったことないもん」
「ちぃ!これだから。よいか祭の間にホストとしての技を最低ひとつ身につけなされよ。よいな!」
「は、はい…で絵巻は?」
スパコーーーンっ!!
「あ、あのドンジュン君は?」
「さあ、確かめる事があるとか行って帰りましたぞ」
「ぼ、僕に会わないで…」
「ひどく急いでおられた」
「せっかく手袋編めたのに…マフラーはいらないっていうから…」
「兄さん、いいかげんにしてくれよ!」
「どうしてギョンビンがひとりであのホテルに?
何かあったみたい、僕の留守に。スヒョンさんにさぐり入れてみようっと。なあんか楽しそう!ふふっ」
報告 足バンさん
ミンチョルはホテル屋上近くの通用口にいた
遠く街が見下ろせる…誰も通らない場所
イナ:ミンチョル
ミン:あぁ
イナ:なんだ。こんなところで
ミン:おまえに話がある
イナ:なんだよ。また説教か
ミン:いや…
イナ:なんだよ
ミン:戻った
イナ:なにが……えっ?
ミン:おまえにはいろいろ心配かけたからな
イナ:おい…それで…大丈夫なのか、その…
ミン:行ってしまった…
イナ:そんな…
ミン:おまえの言う通りだったな。その時がきたら何も考える余裕などなかった
イナ:行かせていいのかよ!おまえ、あんなに大事にしてたのに!
ミン:もう終わった
イナ:勝手に終わりにすんな!
ミン:最初に戻っただけのことだ。なんでもない
イナ:そんなに簡単に戻れるのかよっ!
ミン:イナ…
イナ:頼むよ…そんな簡単に…終わらせないでくれよ…
イナは急に肩を落として泣き始めた。ミンチョルはそっと抱きしめた
羨ましい。こんなに感情を出せるイナが
ミン:なぁ、イナ。祭りが終わったらどこか行こうか
突然通用口が開き、そこに総支配人が立っていた
はじかれたようにイナがミンチョルから離れた
ミンチョルにはテジュンの目が意外なほど冷静に見えた
ハン:…失礼しました…ミンチョルさんがこちらに向かったと聞いて…
ミン:なにか?
ハン:はい。最終チェックをお願いします
ミン:わかりました。行きます
ハン:では
ドアは静かに閉まった。突然イナがそちらに走り出そうとした
ミンチョルがうしろから抱き止めた
ありたけの力で抱きしめ一歩も動かなかった
イナは力なく腕を落とした
イナ:ミンチョル…悪いけど…俺…はずしてくれないか、祭りから…
ミン:イナ…
嵐の行方 6&蜘蛛の恋part 6 妄想省家政婦mayoさん
『闇夜!寝てるか?』
『あ、いえ…』
『セット完了だ。周波数T731227でキャッチ。カメラC』
『了解。今…何処?』
『…ハナ・トゥル・セッ…<<<<<< パダダァ〜 !!! >>>>>>…(^_^)(^_^)』
『ハ・ハモッてるよ(^^;)…目隠しして…片手ハンドル〜スピン…で、ちぅ?』
『んなハイカラなマネが出来るのはイ・ビョンホンだけだ。俺には出来ない』
『ん〜〜そぅぉ〜?』
『俺がやると…どうしても【拉致】→【拷問】にしか見えないからな…』
『ぷっ…ぷはは…』
『笑うな…海見たいなと言われた。仕事もあった。だから一緒に来た。それだけだ』
『寒いのに?…風邪引いちゃうよ?』
『闇夜…俺はあったかいぞ?
「テス、寒くないか?」「ん?蜘蛛さん、大丈夫…あったかい」…だそうだ…はは…』
『…@@…また懐に入れてるのね…ちぅしちゃった?』
『…し・してない!…』
『何で』
『…お前が…まだ駄目だと言っただろ…』
『やだ…変なとこ素直…大事にしたいのね…』
『…そうだ…んなものは必要ない…』
『蜘蛛らしい…答えね…それから<ガラスの仮面>だけど…』
『闇夜、それは後で聞く…(蜘蛛をちょっとつつくテス) ん?どうした…』
「続けていいよ…蜘蛛さんが気使ったり…遠慮してるみたいで……僕、嫌だ」
「…!!……わかった」
『闇夜、続けろ…<仮面>の様子は?』
『仕事はいつもどおり。かなり無理してますね。教えた方がいいか否か…迷ってる」
『天使と悪魔は?天使はもう気づいてるだろう…常宿らしいな』
『ネ…今回は2人がかりかな…なにせ<戦闘機>ですから…』
『ははは…やっかいなことにならなきゃいいが…』
『ネ…とにか<仮面>の居場所も把握しておきます』
『そうだな。なんかあったらすぐ連絡しろ』
『了解…って…帰らないのか?おい!…って…切れちった…』
「僕ね……」
「ん〜何…」
「蜘蛛さんがミンチョルさんの記憶の事…「彼」が失踪した事…」
「ん…」
「僕にきちんと話してくれたの、嬉しかった…」
「当たり前のことしただけだ…お前の笑顔が必要になるかもしれないぞ?…どうする?」
「たぶん…傍にいても前みたいに執着しないと思うな…僕…」
「ん…」
「その時だけだ、ってわかるもん…」
「そうだな…」
「うん…」
ぎゅるるぅぅぅ〜〜ぎゅるるぅぅ〜〜(^^;)(^^;)
「お腹空いたね…蜘蛛さん…僕を食べる?」
「お、おい!」
「冗談だってば!蜘蛛さん…あったかいもの…食べに行こう!」
「よし!」
天使の計画 ぴかろん
屋上からテジュンさんが駆け下りてきた
恐ろしい形相だ…
僕は隠れてたよ
気づきもしなかった
しまったな、腕掴んで心読んじゃえばよかった
物凄いスピードだったんだもん
しばらく待っていると、イナはミンチョルに肩を抱かれてフラフラと歩いてきた
「スヒョン、イナを頼む」
「ん」
「僕は最終チェックに行ってくる。それからイナ。抜ける事は許さん」
「ミンチョル…」
「甘えるな。仕事だ」
「…」
冷た〜い
おーよしよし
可哀相なイナ
イナは顔を歪め、唇を噛み締めていた
「そんなにきつく噛むなよ、ちゅっ」
イナは顔を背けた
ミンチョルの代わりに肩を抱いて僕はイナをあの階段まで連れて行った
階段を見て、初めてイナは抵抗した
「帰る。部屋に帰る!」
「まあいいから。上まで登ってみなよ。一人で落ちてみろよ。なんか変わるかもしれないぞ」
「…」
イナは階段を見上げ、しばらく考え込んでいたが、やがてゆっくりと登り始めた
てっぺんまで行ってイナは下の方にいる僕を見た
怯えていると一目でわかる
しょうがないなぁ
一緒に落ちてやろっかな…あっ!ヤバっフラついてる!裏ッ側に落ちそう!
僕は慌てて階段の裏に回った
「危ないじゃないか!何してるんだ!」
イナの背中を支えているのはテジュンさんだった
「へぇ〜こうなってたんだ、裏っ側」
1mぐらい下が広い台のようになっている
中央には裏へ降りる階段もある
「僕はまた、切り立った断崖みたいになってるのかと…」
「手伝ってください!」
「ああ、ごめんなさい」
キリキリしたテジュンさんの声に急かされて僕はイナを支えた
イナの心は悲鳴を上げている
嫌だ…好きだ…助けて…俺を…見て…
イナを裏側に降ろして僕はテジュンさんに握手を求めた
「何ですか?僕は今準備に追われている。邪魔しないでくれませんか」
冷た〜い
それなら
僕はテジュンさんの腕を掴んだ
流れ込む彼の想い
イナ…イナ…大丈夫?怪我してない?
なぁんだ。優しいじゃん、やっぱり
抱きしめたい?一緒にいたい?
いればいいじゃん!何我慢してんだろ!ば〜か
あまりにもストイックな彼らに僕は段々腹が立ってきた
そりゃチニさんの事を考えるとちょっと良心が痛むのは解る
けどな、彼女は今、身を引いてるんだぞ。ば〜か
「イナ、立てる?行こう」
僕はもう一度イナの肩を抱いて出口に向かった
テジュン…テジュン…テジュン…
テジュンさんの事しか考えてないじゃん…じゃあアイツの胸に飛び込めよ…っつってもなぁ、また跳ね返されるんだろうし
出口のドアを開けた時、イナはいきなり僕の唇を奪った
なあに?
見せ付けるつもり?
…無理しちゃって…
よしよし、付き合ってあげる
こういうの、だ〜いスキ…フフ
僕は僕のやり方で、イナに深く口付けした
あらっ?抵抗しない
ふぅん
じゃあもっと…
ウフフ
テジュンさんが顔を顰めてるよ、イナ
「…ん…ぁふっ…」
イナが吐息を漏らす
じゃあもっと感じさせてあげよう…
イナの口内を堪能しようとしていた時、僕達は両側に引き裂かれた
イナはテジュンさんに引っ張られ、僕は…誰に?
「イナ!何してるんだ!」
「テジュンには関係ないだろ!ほっといてよ」
「僕が君を離したのは君にチニ君と幸せになってほしかったからだ!こんな男と自堕落なキスをさせるためじゃない!」
「関係ないだろ!関係…」
「チニ君のところへ行け!でないと…」
「チニさんの事なんて考えられない!こんな気持ちで彼女のとこへいったって…彼女に申し訳ないだけだ…」
「…イ…」
「俺の気持ちを操ろうとしないでよ!」
「イナ…」
「俺は…テジュンが好きなんだよ!どうしようもないんだよ…頼むから…知らんぷりしないで…頼むから…」
テジュンさんはイナを抱きしめた
イナもしっかりとテジュンさんに腕を回してる
二人とも涙涙…
そうそうそれでいいいいいっいたっ
「なんでイナさんとキス?」
「ド・ドンジュン…いつ帰ってきた?…ん?」
なんだと?ギョンビンを見かけた?
「ん?って何?」
「誰とどこへ行った」
「絶対教えない!」
「…今の…妬けた?」
「フン!ばか」
「こらっばかとはなんだよ」
「なんか見返りあったの?代理恋人やってて」
「まあ、キスは…見てただろ?」
「フン」
「なんで怒るのさ」
「怒ってなんか…」
「フフ…可愛いじゃん、今日のお前…」
「…スヒョンさん、何かヤらしくなった…」
「そ?」
「もう一回編み物したら?!」
「逃げるなよ…な…ドンジュン…」
「あ!いやだ!や…だ…ん…」
僕は拗ねて可愛いドンジュンにキスをした
ただ可愛いからじゃなくてもっと詳しい情報を得るためにね…ウフフフ
「…ん…ふ…すごい…」
「そ?…もっと欲しい?」
「…ん…」
「じゃあ〜誰とどこへ行ったか言えよ」
「嫌だ!あ。ん…ん…んみ…のほ…チンっておぢさん…と…んん」
「…楽しかった?」
「…ぅん…たの…」
ふぅん、あそこかぁ。好都合
祭は三日後かな?
じゃあ今から車飛ばせば…ゆっくり彼を癒して解してキョウイクして…
「何か変なこと考えてない?」
「…何をさ…」
「今『癒して解して教育して』って言わなかった?」
「げ」
「言った?」
「い…言わない」
なんで?なんで解ったんだろう…やっぱコイツ悪魔だ…
「…ねぇ…続き…してよ…」
「続き?」
「キスの次はぁ…」
「あ、ごめん。今からちょっと資料集めに…」
「…」
「じゃ、ドンジュン」
「…」
僕はドンジュンに笑顔で手を振って大急ぎで車の手配をし、玄関で待っていた
車が来た
「ありがとう」
運転席に回ろうとすると助手席のドアが開いた
?
「乗って」
げ
ドンジュン
「乗って」
…おもしろくな〜い…一人で行こうと思ったのに…
「抜け駆けは許さないからね」
「お前さぁ」
「何?」
「ミンチョル、今、フリーだぞ」
「解ってる」
「じゃ、お前はミンチョルにしろよ、僕は」
「ダメ!行くよ」
「何でだよぉっおもしろくな〜い!」
急発進した車のタイヤの軋む音を残して僕達はギョンビンのいる場所に向かった
嵐の行方 7 妄想省家政婦mayoさん
僕はその部屋の前を何度も往復している…
ノブに手をかけノックをしようと何度も何度も思ってる…
ため息をついても何の解決にもならないのはわかってるんだ…
ノックをしようと思う度に妙な冷や汗が額に滲んでくる…
スヒョンもドンジュンも姿が見えない…
胸騒ぎがするんだ…
この部屋なら…確実にミンの居場所はわかる…
聞いてどうする?行ってどうする?今の僕がミンに何が出来る?
答えも見つからないのに、このドアを叩くわけにはいかない…
…ミンに逢いたい…
ドアの小窓から廊下を覗く2人…
「@_@…mayoッシ…」
「@_@…テソンッシ…」
「「どうする???」」
「なぁ…場所だけ教えようよ…」
「ぅ〜ん…」
「だってさ…知ってて黙ってたのか!って…怒るよ?」
「今回は…んなこと言える立場じゃない。だから迷ってるんだよ。入るの…」
「あ〜〜見てられない。駄目。もぉ〜〜駄目。限界!」
「テソンッシ…@@…最近我慢が足りないなぁ…」
ガチャリ#
「ミンチョルさん、僕たちに…話があるんでしょ?」
「て・テソン…あ・ぁぁ…いいか…ちょっと…」
「どうぞ…」
「すまない…」
ミンチョルさんはかなり大きく深呼吸をした
たぶん僕たちに動揺した姿を見せたくないんだろう…でも言葉はなかなか出てこなかった
「あ…ん……その…」
口火を切ったのは意外にも…mayoッシだった。いつもは苦手なミンチョルさんなのに…
そっか…今はミンチョルさんが弱気だからな…
「ミンチョルさん…テソンさんも私もギョンビンさんの居場所…わかります」
ミンチョルさんは俯いて『やはりな…』顔のあと聞いてきた
「ミンは何処?無事?ひとり?スヒョンは?ドンジュンは?どこにいるの?!答えてっ!!!」
ミンチョルさんはそう矢継ぎ早に言った後…手を額に当てて肩で息をした…
そんなミンチョルさんにもmayoッシは結構冷静だった
「黒蜘蛛が場所を知ってます。これ携帯番号です
行く行かない、逢う逢わない、ミンチョルさんが決めて下さい
ミンチョルさんがきちんと逢ってください」
ミンチョルさんはちょっとびっくりした目でmayoッシをじぃ〜〜っと見てる
なんか今日のmayoッシは強気だ……って…今日だけだな…
「…例の…2人は?もう向かってるの?」
「だから…僕たち…黙っていられなくて…」
「テソン……わかった…2人ともありがとう」
ミンチョルさんはそう言うと僕の肩をポンと叩いた…
ドアを開ける前にもう一度大きく深呼吸をして、僕たちにちょっとだけ笑って…部屋を出て行った
「大丈夫?mayoッシ…」
「ん…うん…@@」
どうするんだろ…ミンチョルさん…
追い込み 足バンさん
ミニョン:よし。決めよう!
キム次長:えぇ〜〜?本気っすか?
ミニ:男同士のお色気はどうしても気がすすまない
キム:だからって…
ミニ:僕は男の愛と勇気を表現したいんだ
キム:だからって…
ミニ:他の店と同じことをしていてはもうダメだ
キム:3日後ですよ〜?時間マジでないっすよ
ミニ:大丈夫。ここに参考ビデオがある
サンヒョク:僕は入らないよ
ミニ:大丈夫。5人いる。おまえはたれ目と歌ってろ
キム:で?タイトルは?
ミニ:「ポラリス戦隊スターレンジャー」だ
サン:やれやれ
ミニ:おまえは黙ってろ
キム:理事は赤レンジャーであたしが黄レンジャーで?
ヨン:俺が青レンジャー?お父さんたちは?
ミニ:ユジンのお父さんはグレレンジャー、お父さんは茶レンジャーだ
サン:ぷっ!チャレンジャーってなにそれ
ミニ:うるさい。ドドメレンジャーの方がいいって言うのか?
サン:誰がドドメって言ったよっ!
ミニ:じゃぁ何色ならいいって言うんだ!
サン:色の問題じゃないだろ!
キム:あぁ!もう喧嘩しないでっ!
ヨン:これも無理がないか?やっぱ
ミニ:そうか?
サン:ユジンが知ったら絶対嫌がると思うよ
ミニ:そうか?
キム:落ち着いて下さいよ、理事
ミニ:しかしこのままではうちは捨てキャラになるぞ
キム:だから当初の「理事のファッションショー」でいいじゃないっすか
ミニ:芸がないな
ウォンビン:そうだっ!そこで4列に分かれて!そう!
ジョン将軍:精が出るな
ウォ:なにのんびりしてるんです
将軍:大丈夫だ。配下のものには重々言い聞かせてある
ウォ:で、なに?そのファッション
将軍:似合わぬか?漆黒のスーツに蝶々のタイぞ
ウォ:いや、すんごく似合うんだけどね、場違いなのよ
将軍:チンからホストにふさわしい技を習得しろと言われたのでな
ウォ:ストレートだよね
将軍:コルトパフォーマというものを研究する
ウォ:なに?
将軍:トヨタの車の名だ
ウォ:チンさんそんなこと言ってたっけ?
将軍:ドンジュン殿直伝だ
ドンゴン:今、ドンジュン君って言った?
ウォ:いいよ、出てこなくて
将軍:おお、この大きなものはなんぞ?
ドン:太極旗編んでるんだ。おまえにこれを振ってもらおうと思って
ウォ:あのね、そのまま編んでったら何十キロの旗になると思ってんのよ!
ドン:鍛えてるだろう?
ウォ:こんなもの振り回すためじゃないよっ!
ドン:ほら、裏はハートで「D」って…
ウォ:今すぐやめないと塹壕に埋めるぞ!
ドン:おまえ、最近性格変わってない?
ウォ:にい、さん、に、言われたくナイっ!
将軍:ところでホストの技とやらを磨くにはどこに行けばよいかな
ウォ:やっぱBHCじゃない?売り上げ1位だし
ドン:BHC?♪
将軍:しかしあそこには…キョロ……裏男子相関図なる…
パチコーーン!
将軍:いっ!いってぇじゃんっ!ウォンビン殿!
ウォ:その手の発言があったら思い切りデコピンしろって言われてるの
将軍:うぬれチンの手先になりおったか!
ウォ:いいから、早く研修に行ってらっしゃい。もう時間ないよ
将軍:あ、そうであったな。では
ドン:え…と…
ウォ:兄さんはいいんだよっ!行かなくてっ!
説き伏せる… ぴかろん
「テジュン…テジュン…」
泣きじゃくるイナを、僕はまた抱きしめてしまった
僕はチニ君に君を託したつもりだったのに、君は何故スヒョンさんの元へ行くんだ?
あんな悲しそうなキスをさせるために君の手を離したんじゃないんだイナ…
「チニ君のところへ行くんだ!彼女は待ってる」
「できない。そんな事できない…テジュンならできるの?」
「僕なら…両方諦めるさ…」
「…」
「イナ、君は僕が仕事している姿が好きだと言ってくれたね。僕が君に出来る事は仕事している姿を見せてあげる事だけだよ」
「違う!仕事してる姿『も』好きだっていう意味だ!」
「…ダダこねるんじゃない。…イナ…君にとってこの祭はただのイベントなのかもしれないけど
僕にとっては僕が一から企画したホテルの将来を賭けた大事な物なんだ。解るね?
僕はやり遂げたい。だから、君の想いに振り回されたくないんだ…」
「…」
「部屋まで送るよ」
「…自分で行ける」
「イナ…」
「…お願いがある」
「…何?」
「…もう一度だけ…キスして…」
「…」
「お願い…お願いだからテジュン」
「…」
震えながらそう言うイナを僕はどれほど抱きしめたかったろう
あんな男よりもずっともっと心を込めて口付けしたかった…
けれど…僕は…イナを出口の方に向かせて背中を押した
イナは一瞬崩れ落ちそうになったが、やがて覚悟したように廊下を歩いて行った
イナ…
もしも祭が終わった後にもその気持ちが続いているのなら…僕は…きっと…
衝動 ぴかろん
部屋までの距離が果てしなく思えた
祭
そうだったねテジュン
君が企画したんだこれは…
こんな事になるのなら…来なければよかった…
スヒョンの部屋に戻った
スヒョンはいない
ウシクも全然戻ってこない
俺はベッドに入ると無理やり目を瞑った
もう…どうだっていい…無責任だとなじられようが、全てを失おうがもう…どうだって構わない
眠ろう…忘れてしまおう…忘れてしまいたい…何もかも…
ミンの事が頭から離れない
祭は三日後だ
スヒョンとドンジュンがミンのところへ向かっているという…
どうしたらいい?
僕は現場を離れるわけにはいかない…
イナはあんな状態だし…
ミン…ミン…僕の子犬…
無事でよかった…逢いたい…
誰よりも何よりも君が大切だ…
僕の傍にいて…お願いだから…
僕は携帯を手にした
『スヒョンです』
「どこにいる」
『ドンジュンと気晴らしのドライブ』
「何を企んでる」
『…ちょっと遊んでからお土産持って帰るよ』
「…いいかスヒョン…ミンに何かあったら、貴様を殺す」
『ミン?なんのこと?』
「しらばっくれても無駄だ。僕は知っている」
『ふーん。僕が何をしようと勝手だろ?それに、彼が僕に何かを望むかもしれないよ、イナのようにね』
「…貴様…」
『ミン君の心を癒して、綺麗にして返してやる』
「貴様!」
『殺したいなら君もくればいいじゃん!』ピッ
「スヒョ…」パンっ☆
手が宙を舞う
落ち着け、座れ…
今行ったら…祭は?
どうすれば…
僕は上着を持って部屋を飛び出した
「テジュンさん、明日の夕方まで僕は戻らない。何かあったら…悪いがイナに相談してくれないか?すまない」
僕はミンの元へ車を飛ばした
急げ!ミンチョル オリーさん
僕はベンツSLK230に乗り込んだ
よかった、まだ手の届く所にいてくれて
絶対に逃がさない
もう一度掴んだら二度と放さない、ミンの手を
運転は得意なんだ
無理矢理3車線変更なんか泣いてたってできる
ドンジュンの運転に追いつけるだろうか
いや今はそんなことを考える時じゃない
とにかくぶっ飛ばす
今日一日君がいないだけで、僕は死んでいた
君がそばにいないとだめだ。思い知ったよ
ヨンスが会いに来てくれても何も変わらなかった
もちろん彼女にはすまないと思う
でも僕はもう戻れない
君さえよければソンジェと幸せになってくれ
でも携帯ごしに彼女が舌なめずりしたような気がしたのは気のせい?
どうでもいい。とにかく急がなくては
スヒョンもドンジュンもどういうつもりだ…
わかってるあいつらの魂胆は
間に合うだろうか
でもそんな事はどうでもいい
とにかく君さえいてくれれば
もう一度顔を見られれば
ブロロロローーーーーン!!!
夢 ぴかろん
『『不思議な夢を見た』』
俺は何年振りかに大好きだった先輩と再会した
抱き合う俺達
胸が高鳴る
先輩は俺を居酒屋に誘う
とても嬉しくて、楽しい時間を過ごした
「彼女とかいるのか?」
「いたけど別れた」
「…お前に紹介したい人がいるんだ。ああ、来たここだよ」
戸口を見ると女が立っていた
何かが音を立てて崩れ落ちた
あれは俺の元カノだ…
彼女も俺を見て驚いている
「今度結婚するんだ。お前に一番に知らせたくて」
…お似合いだよ先輩
俺は痛む心を隠して二人につきあった
何度か二人のデートに付き合わされた
ある日、一人でいる彼女と偶然出会った
俺は…それから彼女と二人で何度か会った
渡したくない…深まる気持ちが俺に行動を起こさせた
彼女の部屋で彼女にキスを…
開いたドアの外に先輩がいた…
先輩は彼女と別れ、別の女との結婚を決めた
俺は彼女に電話を入れた
彼女は出なかった
突然流れ出す鼻血…
止まらない
病院へ急ぐ俺
「危険な状態です」
どういう事だ?何故?
彼女が待っている
俺はふらつく足取りで目的地を目指す
先輩は今日結婚するという
朦朧とする意識
ふらつく足元
彼女は待っているのだろう
先輩は教会で式をあげる…
めまい…俺は雪降る道に倒れこんだ
もう少し…もう少しなのに…辿り着けない…
薄れゆく意識
ごめんよ、行けなくて
俺は君とは生きてはいけないんだ…
頭の中で彼女の顔が悲しく微笑んだ
もう、目を閉じてしまおう…
最後の最後に俺の前に懐かしい顔が浮かぶ
「イナ!イナ!」
結婚式を中止した先輩が俺を抱きかかえる
「テジュン…シャツが…青く…染まって…」
暗転
大好きだった後輩と再会した
久しぶりの抱擁
どきどきした…
いけない
僕は結婚するんだ
奴にそれとなく聞いてみた、彼女はいるのかと
「別れた」
「そう…」
何故だろう、ほっとしたのは…
僕の彼女を紹介した時、奴の顔が少し歪んだ
何度か三人で会った
奴の顔がいつも苦しそうだった
それは
もしかすると
僕への想い?
暫くして彼女の部屋で、奴と彼女が楽しげに写っている写真を見つけた
…そういう事か…
僕は、もう一人の女のところへ入り浸った
僕じゃない…彼女なんだ…
僕は彼女に全てを打ち明けようと、彼女の家に出向いた
そこで見たものは…決定的瞬間…
奴は彼女にキスしていた…
僕じゃない…彼女なんだ…
僕は、もう一人の女と結婚する事にした
だが、気持ちは晴れない…
僕がいなくなって彼らはきっと幸せだろう…
そうさ、僕は僕の歪んだ愛を、この女と一緒になる事で封じ込めるんだ…
けれど出来なかった…
僕は結婚指輪を握り締め、教会を後にした
雪降る街を彷徨い歩いた
胸が冷たい…
彼との『友情の証』の万年筆から青いインクが漏れていた
…何かあったのか?…
僕はどこへ向かうでもなく足早に歩いた
!…何故…
「イナ!イナ!どうしたんだイナ!」
「テジュン…シャツが…青く…染まって…」
そこまで途切れ途切れに言うとイナは…息絶えた
「イナッ!はあはあはあ…イ…イナっ!イナッ」
びっしょりと寝汗をかいた僕はそこで飛び起きた
あ…ああ…イナが…イナが…
夢だというのに僕は混乱した
足が震えていた…
イナの所へ…イナの所へ行かなくちゃ…
ドアを開けると…イナがいた…
舞台の隅で 足バンさん
トファン:なにか…近頃…閑散としておらんか?
マイケル:皆さんお忙しいようです
トフ:ミミさんも白夜に探りを入れると言って帰ってこんな
マイ:ミミさんは自由を愛する方です
トフ:あのソンジェくんは昨日から狂ったように歌っておるな。なにかあったか?
マイ:さぁ…衣装もずいぶん派手になっています。なにか吹っ切れたものがあるのでしょう
トフ:BHCの連中はいったい何をやっておるんだ?さっぱりここで見かけなくなったが
マイ:ちらりと耳に入ったのは、なにやら映画を撮っているということですが
トフ:そうか。若い者は次々と考えるのぅ。さてまた練習でもするかな
マイ:腰、大丈夫ですか?
トフ:わっはっは、なに、晴れ舞台じゃ、骨が砕けてもやり通すわい
マイ:会長…美しいお言葉です
トフ:あそこで毎日何百回も階段から転がっておる若者を見習わねばな
マイ:はい。今では絵のような階段落ちになっています
トフ:邁進という言葉を思い出すな
マイ:はい
トフ:オールインの奴らは非公開練習だな?
マイ:はい。覗いてみましたが…かなり強烈ではありますが…まぁ、一生に一度くらいはよろしいのではないかと…
トフ:そうか…この祭りは皆の素晴らしい思い出となるんじゃな
マイ:はい
トフ:マイキー、わしは嬉しいんじゃ
マイ:はい?
トフ:こうして何かに思い切りぶつかる時間を与えられた
マイ:はい
トフ:いろいろあったがこんな余生を過ごせるということは…
過去のおまえの全てが間違っていたわけではないと…神様が思ってくれておるのかのぅ
マイ:会長…
トフ:どれ、わしも思いきりはじけるとするかな
マイ:お供いたします
奪還 オリーさん
「どうしてここが…」
「わかったかって?いいじゃないか、そんなこと。迎えに来たんだ」
「…」
「僕じゃ不満?ミンチョルの方がよかった?」
「僕のことはほっておいてください」
「何するの?」
「荷造りです。もう行かないと。あなたに見つかったということは…僕が甘かった」
「ミンチョルが悲しむよ」
「手を離してください」
「随分無理してるじゃないか。素直になれよ」
「あなたに僕の気持ちなんかわからない」
「わかるよ。だから楽にしてあげる」
「え?」
「別に身を引かなくたっていいじゃないか。共存すれば?奥さんと」
「そんなことじゃない」
「じゃあどういうことなの?こういうこと?」
「あ!」
「ね、君はミンチョルにこうして欲しいんだろ」
「…」
「今のキス、ミンチョルみたいだったでしょ。君が望んでたから…してあげた」
「あなたは何者?」
「僕は天使だよ。だから君を救える。次はこうかな?」
「やめてください!」
「どうして?キスの後はボタンはずさなきゃ。あいつみたいにすばやく、片手でね」
「僕が欲しいの?」
「君が望んでる事をしてるだけだよ。ほら僕も片手ボタンはずしは得意なんだ」
「僕を抱きたいならそうすればいい」
「覚悟を決めたね。いい子だ」
「ドンジュン、どけよ」
「ミンチョルさん、早かったね」
「いいからどくんだ」
「その前に僕とちょっと遊んで」
「腕を離せよ」
「いやだよ。行かせない。このあいだのつづきをしてよ」
「殴られたいのか」
「彼もきっと今ごろスヒョンさんといい事してるよ。だから…」
「だから?」
「僕とも…ね?」
「こうか?」
「あ…」
「気が済んだか」
「やっぱり上手だね。ミンチョルさんて。ね、知ってた?僕にキスしたのスヒョンさんとミンチョルさんだけだよ」
「それがなんの意味がある」
「え?」
「僕がお前にキスしたからって何の意味があるんだ」
「あなたが僕を抱いたって何の意味もない。それでもいいなら好きにすればいいでしょう」
「何言ってるんだ」
「寝室に行きますか。それともここでいい?」
「君が望むんだ。僕じゃない」
「正直に言ったらどうですか、僕が欲しいって」
「成長したね。学習能力が高い」
「僕が望むものが何だかわかるんですか」
「わかるさ。ミンチョルが欲しい。でも手に入らない。だから僕が助けてあげる」
「やっぱりわかってない」
「君は体中でミンチョルって叫んでるんだぞ」
「でもあなたは彼じゃない。いくら彼と似たキスをしてもね」
「痛いところをつくね。さすがに理論派だ。でも僕とうまくやれば君は癒されるよ」
「僕は別に癒されたいとは思わない」
「僕が君を癒してあげたら君はあいつのことを忘れられる。そうしたら楽になれるさ」
「僕がお前にキスしたからって何がどうなるっていうんだ」
「だって…」
「何も変わらないさ。わからないか?ミンのことで頭が一杯な僕が何回お前にキスしたからってどうなるんだ
僕の頭の中を消せるっていうのか」
「ミンチョルさん…」
「手を離せ。いくら僕の腕をつかんでもお前は僕には触れない」
「あなたにはやっぱりわからない」
「何を」
「僕が本当に望むものが」
「そんなことはないよ。君を助けに来たんだ」
「あなたにはできない」
「どうして?」
「僕の望むものは彼の幸せだから。彼が不幸なら僕も不幸。彼が幸せなら僕も幸せになれる。どこにいても…離れていてもね」
「ギョンビン…」
「わかったら離してください、その手を。だから僕は行くんです。ここから離れるんです」
「ミン、だったら行くな」
「ミンチョルさん…」
「僕を幸せにしたいなら行くな。帰って来い…」
「でも僕は…」
「何も言うな」
「すみません…」
「何で謝るの?悪いのは僕じゃないか。今日ヨンスに会ったよ」
「え?」
「でも君の心配ばかりしてた。悪いのは僕だ。すまない」
「やめてください」
「君じゃないとだめなんだ。一緒に帰ろう。いいだろ?」
「僕は…」
「泣くなよ。早く支度して」
「はい…」
「スヒョン、まだいたのか?」
「それはないだろう。人を無視してくれて」
「無視したわけじゃない。目に入らなかっただけだ」
「無視より悪いじゃないか」
「お前も少し考えろ。人の心ばっかり読んでると足元すくわれるぞ」
「あのー、キスしちゃったけど…」
「気にするな。僕もドンジュンにしてきたから」
「!」
「じゃあな。ミン、行こう」
嵐の終焉 妄想省家政婦mayoさん
「mayoッシ…」
「テソンッシ…」
「さすが。<戦闘機>ガード、固かったな」
「あとは熱い夜を勝手にやってくれ〜〜って感じ…」
「もおぉ〜〜教えてよかったよ…mayoッシ、鼻血出そうだったね…」
「あんなのは二度とごめんです」
「蜘蛛さん…」
「ん〜〜」
「ミンチョルさんは『彼』を見つけた?」
「…」
「見つけた?」
「…」
答えない蜘蛛の方へ振り返り、蜘蛛の頬っぺたをギュッとつまみ、顔を覗き、テスはもう一度聞いた
「見つけたの?って聞いてるの!気使わないでって…言ってるのに…」
優しい目で笑った蜘蛛は観念したようにゆっくりと瞬きをしながら2回、3回と頷いてから答えた
「ん…大丈夫だ」
「そう…よかった…ごめんね。痛かった?」
つまんだ頬っぺたを撫でるテス…
「ん?心が…ちょっと痛いかなぁ〜ぬわぁ〜んちゃって」
「蜘蛛さん…変…」
「…^^;;…さ、戻るぞ」
「うん」
つぶやき大会 オリーさん
やはり組織はトップだ。あの将軍を何とかせねば
ドンジュン殿はヨソルの兄者と聞いておる。いっそウチにきていただこうか
ではあのオバカはどうする?トレードは成立せんだろう。放出か
だがBHCは特別な資格がいると聞いた。あやつでは無理だ
どうしたものか…頭の痛いことよ
またドンジュン殿とドライブに行って相談してみるのもよいな
打てる手は打たないと
ヨンスさんが来た時はあせったよ。時々あの人は突飛なことをするんだ
おとなしそうに見えて、やるときはやる。うん、そこも魅力なんだけど
いつになく兄さんが弱気で助かった。ちょっと目も泳いでたし。眼力も落ちてた
やっぱり僕の口撃で相当まいっているんだな。ふふ、勝利の日は近い
あの秘密もヨンスさんにもばれなかったし
よし、祭が終わったらプロポーズだ。絶対ヨンスさんを幸せにする
長い間の苦労がやっと報われるよ
あの馬鹿兄貴にはうんざりだ。憑かれたように編物三昧しやがって
大体男組のくくりに入ったのがまずかった
ソンホンさえいてくれたら別のシリーズに逃げられたのに
兵役につく前にせっかくCMでいいとこ見せてたのに、台無しだ
早くこのほこり臭い連中とおさらばしてスターの階段を登らなければ
こんなところでくすぶってちゃいられない
祭が終わったらとっとと退散だ
最近弟が生意気だ。ここへ来てから弟は生意気だという噂を聞いたがやはり本当だった
俺がどれだけあいつのために頑張ったのか全然わかってない
一人で何でもやれるような顔をして。許せん
あ、また編み目が飛んだ。いけない。集中しなくちゃ
それにしてもあれきり全然顔を見せてくれないなんて
明日は弟の目を盗んで絶対ドライブに行ってやる
チン殿ばかりにいい思いをさせてなるものか
ソンジェ君が思ったより歌が下手なんでがっかり
せっかく衣裳貸してあげたのに、衣裳が泣くわ
あんなにデカイ図体してるのに何でもっと声が出ないのかしら
こうみえても私は日本の芸能界をずっと生き残ってきたツワモノよ
それはこの美貌だけじゃない。ちゃんとした芸を身に付けていたから
あの子にはまだわかってないわ。そのへんの厳しさが
よし、ここは一発しめてやろう
芸の厳しさ教えたる!
もう階段落ちは完璧だ。これ以上練習する必要はない
でもやる。だって他にすることがない
あのボンボンを持って脚を上げたりする練習になぜ呼ばれない
最近チンも通訳をしてくれない。自分でしゃべれということか
しゃべるのは面倒くさい
兄貴はいつからあんな軽薄な男になった
優等生だったのに。わからん
わからんからもう一度落ちてこよう
どうも調子が悪い
サンヒョクのあの反抗的な態度
コンサートしてるからってやけに偉そうに
キム次長も色々やってるがどうもピントがずれてる
そのくせ僕のレンジャー企画をボツにしやがって
やはり大御所の僕が何かやらなくては
だが何を?
考えてみたらできることがない。笑う以外に
わーい!ミンが帰ってきた
もうどうしようかと思ったけど、よかった!
さっさとガラス玉取ってお面はずそうっと
後はヨンスと別れるだけだ。悪いけど仕方ないよね
ヨンスもきっとわかってくれる
あとはソンジェにうまくバトンタッチできればいいけど
あいつイマイチ詰めが甘いから心配だ
フォローが必要かな…
不滅の愛 ぴかろん
「イナ…」
「ううっううっ」
「…また泣いてる…大丈夫か?」
僕は心臓が飛び出そうな程驚いていたにもかかわらず、冷静にイナの肩に手をかけた
生きててよかった…夢で…よかった…
「夢…夢見たんだ…」
「…ゆ…め?」
「…俺が…死んじゃう夢…」
なん…だって?
「…ずっと前に…ミンチョルが落下して入院した時、テジュンとミンチョルが妙な夢の話してただろ?」
「…あ…」
あの夢だ…でも
「そっくりだけど、少し違うんだ…」
「…どう…違うの?」
「…ん…ごめん…関係なかったよ…ね…また邪魔しに来ちゃって俺…へ…部屋に一人だったから…怖くって…死んじゃうんじゃないかって俺…ごめ」
「イナ!」
僕の理性はふっとんだ
放っておけるものか!
自分が死んでしまう夢をみたんだ、怖いに決まってる…
僕はイナを抱きしめた
「テ…ジュン」
「イナ…イナ…」
「テ…ん…」
夢中で口を吸った
本物のイナだと、生きているイナだと確かめたくて夢中で…僕は…
「ん…テジュ…んんっ…やめ…てよ…ん」
「…」
「ん…こんな事して…また俺を突き放すのなら…やめてくれよ…」
「イナ!僕も同じ夢を見ていたんだ!」
「え?」
「今君のところへ行こうとしてたんだ!怖くて…」
「…テジュン」
「イナ…イナ…」
僕はそれ以上何も言えず、ただイナを抱きしめて唇を求め続けた
悲しくて、申し訳なくて、そして幸せだった…
そうなんだ…夢の中で俺は、テジュンを奪われたくなくて…
ちゃんと気持ちを伝えていれば、夢の中で死なずに済んだのかもしれない…
テジュン…好きだよ…
イナ…僕も君が好きだ…
もうどうなっても構わない
チニさんに恨まれても…
だめだ
…またそんな事
ちゃんと話そう
祭が終わったら僕達の事彼女に…
うん…
俺は彼の胸に顔を埋めて呟いた
ふ、くすぐったいよイナ…
そ?
…俺は身勝手だな…ごめん…
泣いてるの?
ごめ…
後悔しないって言ったろ?
ん…
僕達の選択が正しいのかどうか解らない
ただ、あの夢のような結末はゴメンだ…
今、精一杯愛したい
ベッドの中でイナは吐息をつく
僕の接吻の嵐は止む事がない
もう離したくない
誰にも渡したくない
イナが好きだ好きだ好きだ…
荒れ狂う嵐
俺は木の葉のように舞い散らされる
あの18時間とは全然違う…
誰にも止められない
テジュンに愛されている
テジュンを愛している
テジュンが欲しかった…
テジュン…俺は…テジュン…
テジュンの印が俺の体中に刻み込まれていく…
彼が触れる度に俺の胸は少しだけ痛み、そして喜びに浸される
何度も繰り返す接吻
肌をなぞる彼の指
何もかも俺の感覚を研ぎ澄ましていく
イナがのけぞる
体が波打つ
その波に僕は乗る
その波を僕は鎮める
そしてまた波を起こす
彼の目に涙が光る
やめて欲しいの?
そう言うと切なそうな顔をして僕に接吻を求める……
可愛い…愛おしい…僕のイナ…誰も見たことのない僕だけのイナ…
欲しかった所へ欲しかった接吻をくれる彼
もう…何も…怖くない…
彼が居てくれるなら何もいらない…テジュン
深く熱い接吻を合図に俺たちは溶け合った…
砂浜 足バンさん
「ほらっ!帰るぞ」
「スヒョンのばーか!」
「なんだ。なに怒ってるんだ」
「詰めが甘いんだもんっ!」
「なんだよ、おまえだってさっさとミンチョルに片付けられたろう」
「だってすごい迫力だったんだもーん」
「まぁ、再び楽しみが先に延びただけだ」
「あのまま邪魔が入んなかったらほんとにやった?」
「なんだよ、いまさら」
「べつにっ!」
「おい!どこに行くんだ!帰るぞ!」
ドンジュンはいきなり浜に向かって走り出した
靴を脱ぎ捨てるとばしゃばしゃと水に入って行った
「ばかっ!なにやってるんだっ!」
「ふんっ!」
「こんな冷たい水に入ったら風邪ひくだろう!」
「ふんっ!そしたら介抱してよっ!」
あのばかは膝上まで水に入っていた。仕方なく僕も水に入って腕を掴んだ
?…なんで?なにも感じない。ドンジュンの思考が入って来ない
いきなり扉を閉められたように遮断される
「おまえまた妬いてるの?」
「誰にさっ!」
「ギョンビン?ミンチョル?僕?」
「わかんないの?」
だから読めないんだよっ!
「もう、あれもこれもなんにも思う通りにならないじゃないっ!」
「わがまま言うな!子供かおまえは!」
仕方なく力任せにドンジュンを浜に引きずりあげた
ひとしきり大騒ぎすると今度は大の字になって泣き出した
忙しいやつだ。そこがかわいいんだけど
キスしてやった
砂に頭が埋まるくらい強く唇を押し付けた
ドンジュンの手が僕の襟のボタをゆっくりはずしはじめた
そしてその右手がまたゆっくりと襟から背中に滑り込んだ
「うあっっ!」
「あはは!」
僕の背中に片手一杯分の冷たい砂が入れられた
「ばかっ!なにやってんだ!」
「ねぇ、誰のキスが一番よかった?」
「さあな」
「みんなキスしてる時ってなに考えてるのかな」
「さあな」
「僕さっきミンチョルさんの考えてることわかったよ」
「え?」
「泣きたい気持ち。僕にはあんなに冷たいこと言ってたけど、もう今にも泣きそうだった」
「おまえ…」
「なんでわかっちゃったんだろうね」
やっぱりドンジュンのやつ、そんな能力まで開花させたのか?
だから反発しあっておまえが読めないのか
「なによ、なに笑ってるのさ」
「面白くなってきたなと思ってさ」
「なにがさ」
僕はもう一度ドンジュンを砂に押し付けてキスした。悪さする腕は確保して
今度は少し抵抗した
やはりドンジュンの考えていることは入ってこないが、
執拗に深く続けているとなにかが見えてくる
僕に夢中になるにつれてはっきりしてくる
薄布をはがすように。ふふ…そうか
「あんっ、もう終わり?」
「帰るぞ」
「なんでよ、これからいいとこなのにぃ」
「さ、車に乗れ、帰りもおまえの運転だ」
「ずぼん濡れてて気持ち悪いー!」
「勝手に風邪ひけ」
「ちょっと!なにさ!いじわる!」
こんなに素晴らしい成長を遂げた鷹には、そっちから帰って来させないとな
それが育てた者の楽しみというものだ
その後… オリーさん
「ミン、よく聞いて。僕にすまないなんて思うな」
「迷惑をかけるわけにはいきません」
「じゃあ僕はどうなる。君がいないと何もできない。病気になりそうだ」
「僕はただあなたに幸せになってもらいたい」
「だったらそうすればいい。僕を幸せにしてくれ」
「ミンチョルさん…」
「これからは僕の時間はみんな君のものだ。いくらだって僕を幸せにできる」
「はい…」
『何だかどこかで吐いたセリフが混じったような…まっいいか』
「ここはすごいね。ベランダに風呂がある」
「ええ、驚きました」
「あいつの選びそうな場所だ」
「入ってみます?」
「いや、あいつの真似はしない」
「え…」
「こっちだ。おいで」
「は…はい…」
「明日の夕方まで戻らないと言ってきた。だから…ゆっくり…」
*** **** ** ***
『待てよ、あの2人がこの場所を教えてくれたってことは…この部屋にもカメラがあるのか…』
『たぶん…』
『ミン、プロならたまには見つけてみろ』
『すみません。ミンチョルさんといると集中力が落ちるんです.』
『たまにはあの2人におあずけを食らわせてやろう』
『え?』
『カバーかけたままやるぞ』
『はい…』
**** ****** ** ***** **
蜘蛛の恋 part7 妄想省家政婦mayoさん
「あれ?あの人…さっき僕らがここに到着した時からいるよ?ずぅ〜〜と」
「そう?」
「あれ?1人じゃないみたい…懐に何か抱いてる…犬かな…」
「犬?……」
「あ!あれ、黒蜘蛛だよね!スヒョン…」
「……」
「食べに行くんでしょ?戻るんじゃないの?」
「お前も動かないじゃないか…固まっちまうぞ?俺達」
「うん…だって…」
「寒くないか?」
「大丈夫……あっ!…い…」
「お?どうした!?…んっ…」
「見た?###してたよね!誰よ一緒にいるの」
「……」
「僕が狙ってたのに!」
「……」
「い・痛っ…ぐすっ…目に砂入っちゃった…」
「んっ…どれどれ……よし。取れたぞ…どうだ?^_^ 」
「 ^_^v 」
「よぉ〜〜し!今からでも遅くない!蜘蛛をオトす!」
「やめろ…」
「え??どうして?自分だって狙ってたじゃないか!スヒョン」
「あいつはオチない」
「何よ、何よ。僕に出来ないって言うの?心も少し読める!」
「お前には無理だ……」
「じゃぁ、じゃぁ…スヒョンが仕掛けて…僕が…」
「帰るぞ。ドンジュン!」
「やだぁ〜〜」
「駄目だ!」
「風が強くなったな…今度こそ…戻るか。」
「うん……蜘蛛さん?」
「ん?何だ…」
「お願いがあるんだ…」
「ん?ん…言ってみろ。俺に出来ることか?」
「あのね……&&&&…一緒に」
「お、おい!お前…本気で言ってるのか?」
「…うん」
「お、俺は…そういうのに慣れてない!!」
「わかってる…でも…」
「何故、こだわるんだ、&&&&に…」
「だって祭りが終わったら…毎日逢えなくなる…だから…」
「テス…わかった」
「ほんとに?」
「今回だけだぞ。&&&&だけだぞ!」
「うん!うん!^_^ 」
蜘蛛の首に腕を絡ませ抱きつくテス…
「お、おい!やめろ!」
「いいじゃん…」
「駄目!駄目だ!」
留守番の2人 妄想省家政婦mayoさん
「@_@mayoッシ…」
「@_@テソンッシ…」
「なぁ…これさ…また映画だよね…」
「追加映像かな…どう思う?」
「エェ~イ…僕ら<おもおも部隊>の映像もまた追加する気か?」
「テジュンさんすごいよね…自分から行ってるもん…」
「見てみろよ…溶けてるなんて生易しい顔じゃないぞ?イナもタコみたいに吸い付いてる」
「<おもおも踊り>…する?」
「いや。その手には乗らない…」
「ぷっ…」
「ミンミンは?」
「見てよ…シーツかぶってるよ…」
「そのうち夢中になって…息苦しくなって…いつものミンミンになるよ」
「はは…そうだよな…」
『闇夜ぉ〜〜』
『お??どうしました?』
『テスが…テスが…&&&&って…いいか?』
『いちいち聞くな!』
『だってぇ〜俺さぁ…』
『あ、車に入ってるもの。使ってね!』
『何だ?…』
『身体にいいから』
『…???』
銀細工師登場 ぴかろん
僕は今日も包丁使いの練習をやった
テプンは包丁を振り回すのでちょっと怖い
テソンは、そんなテプンを少し睨みながら、でも美しい千切りを生み出している
こんなに野菜を切って、もったいなくないかと聞いたら、ご飯の時に千切りサラダがたっぷり出てきた
練習を終えるとチーフから電話があった
「え?…アクセサリー?はあ…ええ…解りました。やってみます」
アクセサリーの注文だった
僕は夢中になって銀細工を始めた
え?材料?
何か知らないけどどうしようか悩んでいたら『白夜倶楽部・ピョートル』って人から銀細工用のセットが届いたんだ
『素人にもできる銀細工』って本と一緒にね
簡単だった
だから楽しくなっちゃって…
注文の品はできちゃったけど肝心のチーフはまだホテルに戻ってないらしい
明日の夕方には戻るってことだし
これ、ノーギャラかなぁ…
そだ!僕も妻に一つ作ろう
そう思って妻の好きなお花をモチーフにしたペンダントを作った
かわい〜い(^o^)
自分のも作ろっと
僕のは〜、んと…やっぱ…妻が認めてくれた時の思い出…タバコかな?へへ
作ったペンダントを下げて廊下を歩いてたらイナがいきなりペンダントを引っ張った
「これ、いいな」
「そ?僕が作ったの」
「器用だな、いいな」
「チーフに頼まれてさ、注文受けたんだ。ペアのペンダント」
「…ペア…。…。俺も!俺も作ってよ、ぺアで!」
「ぐえっ引っ張るなよ、いいけど…どんなデザイン?」
「ん…と…ごにょごにょ」
「…解った」
イナ、二つね
「あの、私も…」
「ああ、チャン理事」
「お分かりでしょうが、椅子の…」
「モチーフですね。あの二万ウォンかかりますけど」
「構いませんよろしく」
わお
大流行!
たのし〜
さ、フラフラしてないで早速作業しなくっちゃぁ
どこもかしこも ぴかろん
今朝のイナは可愛かったな…
ずっと僕の腕の中で寝息を立てていた
僕は早朝から仕事だったので、イナを起こさないようにベッドをすり抜けた
仕事の前にシャワーを浴びていると突然唇を奪われた
「こら…ん…解ったから…んん」
イナに触れると僕の体の芯に火がつく…
けれど仕事が待っている
僕は火を消してイナから体を離した
「…仕事?」
「うん…続きは…後でね」
「…今は?」
「無理だよ〜時間ないもん」
「ちぇ」
ああっ可愛いっ堪らないっ
でも、抑えなければ…
「イナも練習あるんだろ?」
「うん…」
「じゃ、しっかりやんなくちゃ…あ、こら」
…。…。こらってもう…
「あとで本とに?」
「うん。フル回転で働いてくる」
「…ん…」
えへへ、えへへへ
いかん、顔がにやける…。こんなところをチニ君に見せてはいかん!
「総支配人、顔が崩れてます」
「ちっチニ君!」
「…負けちゃった」
「…チニ…」
「よぉく考えてみたら、いつも私からキスしてたわ。イナさんからキスされた事なかったのよね」
「チニ君」
「けどなぁ…あの台本できっと二人のモヤモヤは昇華するだろうって思ってたのに、お門違いってヤツね」
「…」
「あれ、イナさんから先にキスするようにしてたでしょ?」
「…ぅ…ああ」
「で、イナさんがリードするようになってた」
「…ん…」
「総支配人からのキスは台本には無かった」
「…すまん…」
「…それで火がついたのね…イナさんの心に…」
「え?」
「つまり総支配人は、受けるより攻める側だったって事に気づかなかったのよ、私」
「…」
「ちょっとした間違いで人生を台無しにしてしまう…どこかの新作映画みたいだわ…フフ」
「チニ君…」
「いいの。私はイナさんが幸せならば…って事は私、イナさんにあんまり執着して無かったって事ね」
「…」
「総支配人、イナさんにも伝えて。私と顔を合わせても無視しないでよって。これからはいいお友達でいてねって」
「…チニく」
「でもあの映画は絶対上映するわ。総支配人、覚悟しておいてね。総支配人めちゃくちゃかっこ悪くしちゃうから」
「…ああ。いくらでもかっこ悪くしてくれ」
「…さ、仕事しましょ!」
いい子だな、チニ君
ただちょっと色気がないけど…
「言いたいこと言えた?」
「うん…」
「本とにすっきりした?」
「うん。うん」
「よしよし、頑張ったわね」
「ねぇチェリム、私、イナさんの事忘れられるかな…(;_;)…イナさんなしで生きていけるかな?」
「…チニ…どっかで聞いたセリフだわ!それにアンタ、ちょっとあのサル君の事気に入ってなかった?!」
「…鋭いわね、チェリム…」
「映画の話でえらい盛り上がってるし、笑いのツボとか一緒だったじゃない…私、サル君とアンタのほうがうまく行くような気がするわよ」
「…チェリム…私もアンタとテプンさんがうまくいくような気がするのよ…」
「私の事はほっといてよ!」
「ペッタンコ!危ない!ふせろ!」
「きゃあっ!…。何よこの包丁!」
「気をつけろよ、練習中なんだ!いつ包丁が飛んでくるかわかんねえんだぞ、ま、お前は胸がないから刺さる部分も少なくて大丈夫だろうけど」
「なんですって!むかつくー!」
「…ほら…お似合いだわ…ね、ウッキー君(^o^)」
「うんピンキーちゃん(^o^)」
つぶやき大会2 オリーさん
先輩がカンガルーになった。いつも懐に猫を入れてる。なんちゃって
まあ元から優しいところのある人だったからね、何となくわかるけど
それよりユリ&ピト親子は祭が終わったら、クラブ経営に本腰を入れるらしい
麻薬に手を出さない彼らとしては当然の選択だな
だが問題は店のコンセプトだ
ギョンビンがBHCに行ったまま戻らないとすると
先輩のキャラ設定で大きく変わる
お笑いかシリアスか…ま、僕は器用だからどっちにころんでもいいけどね
なるようになるか…ふふん
フハハハ!笑いが止まらない。完璧だ。僕の王子様は
早く見せたいものだ。僕の晴れ姿を
皆が僕の優雅な王子様に魅了されるに違いない
ちょっと脇役に難があるが、僕の実力でカバーできるだろう
それに来月は集中放送が始まる
フフフハハ!まとめて見れば誰が見ても明らかだろう
誰が本当の主役なのか…イナにとって代わる日は近い
なんだかいいことが重なりそうだ
それにしてもテスのやつ一体どこに消えた
BHCにもいないようだし。クビにしちゃうぞ
まずいなあ、まだ出し物が決まらない。やっぱ、王子さまかなあ…
チャン理事はあの椅子が届いてからというもの一切の動きが止まった
椅子に腰掛けてばかりいる。そんなにユリを踏みつけてるのが楽しいのか
テファも行方不明だ。せっかく連れてきてやったのに、と思ったらいた!
他の倶楽部で忙しいからこっちには来ないと言いやがった
小顔で茶髪で気のせいかカッコよく見えたぞ
ああ、どうしよう…そうだ!
ここにきてるクラブ全部買っちゃえばいいんだ。ウヒヒ
なんでもっと早く気がつかなかったんだろう
え?何?チャン理事?僕勘当されてるの…あっそ…
おかしい…あの白夜倶楽部、ふつうの守りじゃないわ
どーしても覗けない。ちぃ!
なんだかいやな予感がする
あたしたちのダンスが負けるなんてあるわけないけど…
それにあのヨンジュンて子とテスと一緒に歩いてるあの影
とっても美味しそうな気配
会長ともマイキーとも全然違う、男の魅力。うう、逃がさないわよ
でも…どうやって捕まえたらいいのかしら
謎の集団だわ
ちっとも絵筆が進まん
昨日きたあいつは何だ。メガネにマフラー
へらへら笑ってばかりで。しかも差し歯ときてる
偽物はいかん、偽物は
もっと素で勝負できる美形はいないのか…
こう、何と言うかいるだけで人を惑わせる色気を発散させておるような…
芸術とは過酷なものよ。ふぅ
チェリムのやつ随分成長したよな。いい女になってたよ
俺の事ぜったい好きだぞ、あいつ
俺も胸が薄いことをのぞけばそこそこ気に入ってるけど、まいったなあ
だってジソクとスハさんが嫌がるだろ
あいつのこと姉さんなんて呼ばなきゃいけなくなったら
家族思いの俺としてはつらい選択だな
やっぱチェリムにはあきらめてもらうしかないだろう
いや、ちょっとジソクに相談してみるか…家族の問題だしな
そういえば、テジはどうした?元気かな?
戻ってよかったんだろうか、彼のところへ
でも彼を信じよう
僕たち、きっと幸せになれますよね、何があっても
それに、あの、その、彼ってキス上手いんだもん
硬派の僕としてはあんなの初めてで…
もう絶対拒めないし…
いけない…思い出しただけで目まいが
ちょっと性格変わったかも
蜘蛛の恋 part 8 妄想省家政婦mayoさん
俺らしくもないことを…
酒場の女を連れ込んだこともある。官能に溺れたこともある
それだけで過ごしたこともある。俺はお前の知らないことだらけなんだ
そんな俺が怖くないのかお前は
無邪気な笑顔を見たら…つい…言ってしまったじゃないか
「今回だけだ」と…
「蜘蛛さん?…食べないの?」
「…ん?あ、いや…」
「あんなにお腹ぎゅるぎゅるしてたのに…ほら、食べて!(^_^)」
「ん…あぁ…パクッ…お?」
「美味しい?」
「ぉお…」
「ここはパンがおいしいんだって。一緒に食べておいでって…」
「誰に?…って闇夜か」
「うん、テソンさんも…さっき言ってた」
「そうか」
ったく…あいつら…どうしても俺をパン屋にしたいかぁ!!!
確かに俺の作るパンは評判がよかった
あの頃はみんなを笑顔に出来る、人を幸せにするパンが作れた
今の俺はそんなパンが作れる自信がないんだ
蜘蛛さん、僕、もしかしたらオールイン、クビになるかもしれないんだ
BHCも僕のヘルプいらないだろうし。ミンミンもいるし…
蜘蛛さんも僕とパン屋さんやろうよ。ね?
「さっきから変だよ?」
「……」
「ぷっ…&&&&のこと?」
「…」
「もしかして…初めて?じゃないよね…」
「おい!」
「あ、ごめん…」
「な、慣れてないだけだ…こういう…」
「楽しい&&&&にしようね(^_^)」
そうやって…また…無邪気に笑う…
俺がお前に一度手を出したら…お前は壊れてしまうぞ
お前は俺の怖さを知らな過ぎる
今の俺は…自分を押さえる自信がないぞ
どうしたらいいんだ俺は…どうなっても知らんぞ俺は
蜘蛛さん…そんな怖い顔しないでよ
優しいのは知ってるから。どんなことになっても…
僕、信じてるから…
らぶらぶらぶ ぴかろん
僕は舞台装置の点検、出店ブースの具合、中庭の男組の監視、それから映画上映会場の設営など、いろいろな仕事をキビキビとこなした
リハーサル室に行くと、色々な人たちが練習している
あの人は落ち続けている
立派だ
側転落ちなどもマスターしたらしい
なんでも十往復落ちを披露するらしい
さすがだ…
男組の太極旗は…重そうだ…
しかしチアボーイズの群舞はまるで軍隊の行進のように乱れない
素晴らしいな
あ…ニャーだフフフ
え?ニャーってなにって?
イナ…イナ…イナァ…イニャァ…ニャーだ!
悪いか!
え?ぼく?へへっへへへっ
「にゅ〜」
「ニャー」
イナが来た。へへ。可愛いな
「ニャー、君が指揮を執ってるの?」
「ん」
「えらいね、イーコイーコ」
「にゅ〜何してるの?」
ああ赤ちゃん喋りが堪らん!何?なぜ「にゅ〜」かと?
聞きたいか!教えてあげようへへ
テジュン…テジュ…テニュ…ニュ…にゅ〜だ!フフンいいだろう!
「ニャー、みんながこっち見てるぞ。行かないと」
「もう一回音楽に合わせて出てくるとこから!いいな!はいっ!…これで暫くオッケーだよ」
「ニャー…」
「にゅ〜…」
イナは僕の手にそっと指を絡ませてきた
僕はその手を握り締めた
BHCの連中は、まだ舞台に出てきてない
隙を狙って僕はイナのうなじにキスをした
「…」
イナは首をすくめて僕を睨んだ
ぐふっかわいいっ
「イナさーん、音でませーん、ちょっと確認お願いしまーす」
「わかった!」
イナは舞台裏へ行ってしまった
僕はその他の点検箇所を見て回った
舞台裏近くの照明器具なども点検した
緞帳のスイッチを確認していたとき、いきなり誰かに飛びつかれた
解ってるけど、イナだって…
何メートルか先に人がいる
でもここは死角
だから…見つからないけど…人が来たら…どきどきどき
「イナ…こら」
「…」
「…。ん…」
「…ん…おいし…」
「…ん、ハムはだめ…」
はむはむはむ
「イナさん!音!」
僕達は、はじかれたように離れた
「後でって言ったろ?」
「にゅ〜があんな事するからだもん」
「…僕のせい?」
「音、でまぁす!」カチャ
♪BHCの未来は…
「あ…ん…」
はむはむはむはむ
「ん〜たまんないな、この味…」
「ばか。んんっ…」
やめられないっ!
研修 足バンさん
ジョン将軍:チン!チン
チン:おぉ、戻られましたか
将軍:研修に行って来たぞー!
ヨソル:……
チン:そのタキシードはなんだと言っております
将軍:いいからっ!ね!行ってきたよ!BHC!
チン:おぉ、参考になりましたかな?
将軍:いろいろ親切に教えてくれたよ!
チン:それはそれは…ではホストの基礎は…
将軍:もう、ばっちぐーだよ!なんてったってBHCは売り上げNo.1だからね!
チン:こころなしかお言葉も洗練されたようで
将軍:いい?まずね、#$&%$$…
チン:なんです?それは?
将軍:お祈りだよ!ご飯の前の!
チン:う…ま、まぁ、それは大切なことですな
将軍:それからこれ…はんぐほんぐばふばふっ!
チン:どうなされたっ!いきなり口に!
将軍:おーなふほ、こーひゃっへいっへんひふっこふんは!
ヨソル:……
チン:なんと言ってるかと?わかるかっ!たわけ!
将軍:はぐん!ドーナツをこうやっていっぺんに突っ込むんだ!
チン:はぁ…
将軍:まだあるぞ!こんな感じだ!ひゅんひゅんっ!
チン:しょ、将軍っ!そんなに頭を振り回しては血管が切れますぞ!
将軍:こうしながら料理をするんだ!
チン:本当にBHCに行かれたのですか?
将軍:それからこれもな!はぅ!はぅ!
チン:な、なぜほふく前進をっ?
将軍:あ、そうそう!こんなことも習った!
カッラーン!
チン:おぉ、みごとにゴミ箱に缶が入りもうした
将軍:それからこうして壁にこれ貼って…
チン:おぉ!これはわたしの女神めぐらいあん嬢のポスター!
将軍:で、んんんんーちぅーっ
チン:これぇぇっ!めぐちゃんになにをなさるかっ!
将軍:ちゃんと講義受けたんだからぁ!
ヨソル:……
チン:ん?僕はジェニファー・ロペスがいい?たわけっ!百年早いわ!
将軍:それでね、ほら、背中にこんなの!
チン:うわ!将軍!い、入れ墨をっ!?
将軍:誰かに描いてもらったの!LOVEって!
チン:あぅ…「LIVE」になっておりますぞ
将軍:なんでもいいよ
チン:将軍…
将軍:でね、歩き方はこんな風ね
カッカッカッ!
将軍:ね?かっこいいでしょ?で下から見てもらうんだって!
必須アイテムはロングコートね。この人は今日いなかったんだけど、他の人が教えてく…
チン:将軍っ!!
将軍:なんだよ、まだあるんだから!
チン:将軍!わたしの忠告をまったく理解しておられないようですなっ!
将軍:なんでよ。BHCの連中、けっこう真剣に教えてくれたんだよ
チン:ええいっ!だまらっしゃい!
将軍:なに怒ってるんだよ!
チン:こうなったらわたしがカリキュラムを組みまする!
将軍:じゃぁついに「家政婦は見た!男子秘密の花園」の…
シャッスーーーン!
将軍:あっぶねぇっ!髪切るなよヨソル!なんで槍があるんだよっ!
チン:タケミツにございます
将軍:どいつもこいつもチンの手先かっ
ヨソル:アホは裁かれる
将軍:こういう時だけ喋るなっ!