本の紹介

作者が紀伊長島町、海山町、尾鷲市出身の方の本

この地方出身、或いは、在住の方が、執筆された本が、たくさんあります。
小説、随筆、句集、童話、民話、資料、記念誌
その中で、幾つか抜粋して紹介させていただきます。
私が、購入した本、頂いたもの、図書室で目にしたものだけですので、片寄りもあります。
できるだけたくさんの本を紹介できたらと希望しております。
 *作者の敬称は、省略させていただきます。


奔 流 浜口熊嶽(はまぐちゆうがく)の生涯
 北村 博司 (紀伊長島町) 紀州ジャーナル社(絶版) 1982年1月1日

紀州の小さな港町に生をうけ、明治・大正・昭和の三代にわたって、世界に名を馳せた霊術家・浜口熊嶽の生きざまをえぐる。膨大な史料と、綿密な時代考証をもとに、人間味豊かな熊嶽の人となりと、取り巻く人間像、その生きた時代に筆を進めている。
まやかし半分の霊術師に過ぎないのか、まれにみる偉人であったのか、再評価の意味も込めて・・・紀伊長島にはこのような 骨太な人が、確かに実在したのです。

その他の著書・・・・・「芦浜原発はいま 芦浜原発二十年史」(現代書館)、「原発を止めた町 三重・芦浜原発三十七年の闘い」(同)ほか

キ・オ

面白紀州弁
 中野 朝生 (紀伊長島町)  1989年1月20日

尾鷲北牟婁のことばを面白おかしく紹介。具体的な使われ方から、言葉の由来、音韻まで、30年以上の年月をかけた方言研究の成果がこの一冊にわかりやすくまとめられています。この本に早く出会っていれば、このHPの長島弁辞書は、もっと楽に出来ていたかもしれません。
                                                                                      キ・ミ ・オ

ぼくはサカナへん   
 西田 久光 (紀伊長島町) 且O重タイムズ 1990年9月20日

ふるさと、牟婁の海、そしてそこに写る自画像と家族像。
自ら海欠症と呼ぶ潮気中毒患者が綴る、海の賛歌19編。
                                                 キ・書店

海のまつりごと    
 大久保 房男 
(紀伊長島町) 紅書房 1991年8月20日

訛の強い隣の席の級友と特別親しくなった「私」は誘われてその故郷の漁港へ遊びに行き、海辺の祠や地蔵さんの由来をお伽話のように聞いていたが、それが現実生活に生きていて、漁民たちの運命共同体を抹殺する抵抗運動であるのを知る。「私」は次々と思いがけぬものに出会う。
今は文壇の大家である作家たちに、かってはやかましく注文をつけた著者が敢えて発表した小説とは。

                                                                                                                                                                                       キ・書店

漂いの鳥      
 植地 史明 (尾鷲市) 創樹社   1989年6月20日発行

忘れたことは思い出すことができる。だが、無くしたものは二度と戻っては来ない。夢であれひとであれ、時間であれ、取り返しがきかないんだよ、人生ってものは。判り切ったことだが、人間って奴は失ってからでないとそれを理解できない。だから、もっと自分を大事にすることだよ。どんな些細なことでも。生きて行くってことは、たぶん、大切なものを無くし続けて行くことだ。自分の中の大切なものも、他人の大切なものも・・・本文より

その他の著書・・・・・・・「未明の鳥」「濃密な部屋」等 
著者のHPアドレス・・・・http://www.d1.dion.ne.jp/~s_ueji/

                                                                                                      オ・書店

生きるもの (Yunnanozoon)脊椎動物      
 宮原 章次 (紀伊長島町) 文芸社   2000年4月15日発行

脊椎動物が存在するための要素は新陳代謝である。
釈迦はその涅槃を獲るために何十年にも亘って「呼吸法」を学んだと言われている。勝治は、人が偽りでない状態は、人は誰も新陳代謝をしているということを感じていた。

その他の著書・・・・・「孤独の微笑(My Lonesome Smile) 」(文芸社)

                                                キ・オ・書店

紀州のテンカラとふるさと  
 竹株 希朗 (尾鷲市)  1992年1月1日発行

街へ出て田舎にないものを捜すより、田舎のものを街へ持ち出してやろう
そんな気骨が竹株さんの青春を支えてきたにちがいない・・・
イラストと写真がいっぱい!

                                                 オ・書店

樹木と生きる  
 宇江 敏勝 (尾鷲市)  2001年10月30日発行

山の仕事に関わってきた作者が、様々な体験を通し、この地方に生きることの意義について思いを馳せた本です。

その他の著書・・・・・「山に棲むなり」(新宿書房)「木の国記聞」(同)「山の木のひとりごと」(同)「熊野修験の森」(岩波書店)「森のめぐみ」(同)「熊野草子」(草思社)「昭和林業私誌」(農山漁村文化協)

                                               ・書店

大学やめてもへっちゃら  世界の学者くまくす  
 小倉 肇 
(紀伊長島町) さ・え・ら書房 1972年10月初版 1990年9月十七刷

学問のためであれば、あらゆることをかえりみず、信念をつらぬき通した、南方熊楠(みなかたくまくす)の生涯を描き、学問へのとりくみと、人間としてのゆるぎない生き方への著者の想いが、いたるところにちりばめられています。
児童文学とはいえ、しっかりとした歴史的背景を踏まえて書かれたこの作品は、大人でも満足がいく読みごたえで、読書の楽しみがすみずみまで味わえます。

その他の著書・・・・・「三重の民話・たねまきごんべえ」「松尾芭蕉」「沢村栄治ものがたり」「愛と炎の記録」「絵本、七つ子星」「絵本、やくろうのいぬ」等

                                             キ・ミ児・オ・書店

青  春    
 檜山 繁樹 (本名 土井 治) 
(尾鷲市) 近代文藝社 1995年1月26日第1刷 

詩人 立原道造と親交のあった著者は、故人となった立原の未発表の原稿「綴方」の中に自分の小説作品にふれてかかれたものがあることをニュースや新聞記事で知る。保管されている弥生美術館を訪ね、「綴方」を読ませてもらい、また自身の作品をを読みかえすうち、青春の日々の思い出がよみがえる。そこで80歳の齢の記念とするために、学生時代 同人雑誌に発表した当時の作品を、一冊にまとめてみようと思い立つ。

なぜ、「青春」という、現在では、古めかしく感じる題にしたのか、当時のペンネーム「檜山 繁樹」を使うことにこだわったのかが、そのいきさつでおわかりいただけると思います。出版してまもなく、尾鷲図書館での講演で先生からこの本の誕生秘話を聞き、直筆サイン入りの本をいただく機会に恵まれました。

その他の著書・・・・・随筆集「春夏秋冬」(南海日日新聞社)翻訳書多数

                                                ・書店

雑想雑考 
 堀田繁治 (尾鷲市) 株式会社いんさつ館  2000年10月31日発行

12のサブタイトルで編まれたこの本は、ほとんどが、南海日日新聞社や勤めていた会社の社内誌に書いてきたものです。文章論からはじまり、故長野泰一先生のこと、故土井治先生のことなど、親交のあった方々とのエピソードが、詳しく書かれています。
文章論の中では、
限られた人生の中で、自分で磨き、錬えあげた、感性や思想や信条を作品の形で表現して、自分の生きた証を残したいという心情、つまり自己表現、自己実現への願望は、全ての人に共通したものではないでしょうか」と問いかけています。我々の漠然とした思いを具体的に、また巧みな文章で表現されています。
                                                                                    オ 非売品

みえ東紀州の民話 
 東紀州地域活性化事業推進協議会  1999年5月20日発行

熊野の自然の中で、神、人、妖精、動物たちの織りなすファンタジー。
神や仏の物語・熊野 木の国、鬼の国・おそろしくて不思議な話・ゆかいでおもしろい話・語り伝えられし人びと・地名とかかわりのある話・人と動物との深いむすびつきのサブテーマがあり、この地方らしい36のお話が綴られています。
民話の主人公たちをいきいきとよみがえらす、杉坂董のイラストがすばらしい!

                                            キ・ミ ・ミ児・オ・書店

熊野道中記 いにしえの旅人たちの記録 
 みえ熊野学研究会編  2001年3月30日発行

我々の地域に関する数少ない資料文献として、江戸時代を中心に出版されたり、書き残されている「道中案内」「道中日記」は郷土研究の基礎資料として大きな意味を持つと考えたからである。編集後記より
                                                                               キ・ミ ・ミ児・オ・書店

ふるさとの民話と資料 ー海山地方ー 
 脇 貞憲  緑樹社 1977年10月1日発行

昔から町内に語りつがれてきた物語を余すところなく集録したもので・・・将来に正しく伝えるには文字として残すにこしたことはない。
本書はこうした期待に応える労作であり、巧みな筆致とともに好著として推薦いたしたい。(当時の町長 塩谷辰巳氏の序文より抜粋)

                                              キ・ ・オ・書店

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