METROPOLIS  メトロポリス

  手塚治虫原作。 …と言うのを、映画が始まってその言葉が出るまで気付きませんでした(汗)
  予告編の、何を見てたんだろうか、私は…。

  人類が到達した最高のテクノロジーが生み出したユートピア、メトロポリス。
  その富とテクノロジーを象徴するレッド公の巨大ビル「ジグラット」の完成を祝い、街中が沸き立っていた。
  探偵ヒゲオヤジこと判俊作とその甥のケンイチが、臓器販売・生体実験の罪に問われているロートン博士を追って日本
  からこの国へやってきたのは、そんな中だった。
  ロボット刑事(ヒゲオヤジがペロと命名)を案内役に、二人は地上の反映から取り残された地下世界、ZONE1へと降りる。
  その一角にある廃工場…ロートン博士の研究所…に二人が辿り付いた時、博士はすでにレッド公の養子でマルドゥク党
  のリーダー・ロックに殺害され、工場は炎上していた。
  工場に飛び込こんだヒゲオヤジは博士から小さな手帳を託され、ケンイチは炎の中で呆然とする裸の少女と出会う。
  床がくずれ、ZONE3まで落ちていったケンイチと少女…ティマは、様々な陰謀や革命、野望や憎しみに巻き込まれ、
  振り回されながら、最後のステージ、ジグラット最上階へと誘われて行く…誰もが思わなかった破滅へと向かって…。

  色々な要素がこれでもかというほど詰め込まれていて、あらすじがまとめられません(汗)
  そして、それほど詰め込まれているのに、見ている間に無理を感じませんでした。
  どんなに冷たくあしらわれても…最後まで義父を尊敬し、ひたすらに慕うロックの思いが、届かないからこそ哀しく、もどかし
  かったです。
  自分がなんであるかに気付く瞬間ギリギリまで、人であると信じ、人の心を持っていたティマ。
  ティマを最後まで信じぬき、向かっていったケンイチ。

  一途で、懸命な思いがたくさん詰まった作品です。

  Voice  ティマ:井元 由香    /  ケンイチ:小林 桂
        ロック:岡田 浩暉    /  ヒゲオヤジ:富田 耕生
        レッド公:石田 太郎   /  ペロ:若本 規夫
        アトラス:井上 倫宏   /  ロートン博士:滝口 順平

  企 画  りんたろう / 丸山 正雄 / 渡邉 繁


VAMPIRE HUNTER D  バンパイアハンター D

  菊地秀行原作のベストセラー小説(「D-妖殺行」:朝日ソノラマ・ソノラマ文庫)の映画化作品。
  マイカルのフェアか何かで他の映画よりも安く見れたのを覚えてます。

  荘園主エルバーン家の令嬢シャーロットが、バンパイア貴族マイエル=リンクに誘拐された。
  エルバーンは、バンパイアハンターとして名を馳せる'D'に、娘を取り戻すよう依頼する。
  同時に、賞金稼ぎであるマーカス兄妹にも。
  バルバロイの守護者、ベンゲ・カロリーヌ・マシラと戦いを繰り広げながら、それぞれにマリエルを追う。
  道中、流れで互いに助け助けられたDとマーカス兄妹の末妹であるレイラは、いつかどちらかが死んだ時に花を手向ける
  約束をした。
  誘拐されたと思われていたシャーロットは、マイエルに想いを寄せ、愛し合っていた。
  二人は、貴族の安住の地「夜の都」へと旅立とうと考えていた。
  かつてバンパイアの王と共に貴族の栄華の時代を築いた伯爵夫人・カーミラの助けを借りて。
  しかし、カーミラの幻影が、二人と、それを追ってきたD達を翻弄する…。

  タイトルと主人公だけ知っているだけで原作は読んでいなかったのですが、楽しめました。
  画面が、とにかく秀麗です。 天野喜孝さんのファンは、ぜひ観るべし。
  迫力と色気、そして哀しみを帯びたストーリーにすごく惹き込まれました。
  日本アニメなのに、英語が自然にはまり過ぎてます。

  アニメーションだからこそ表現できるものがあるという事を、感じさせられました。

  Voice  D:アンドリュー・フィルポット   / 左手:マイク・マクシェーン
        シャーロット:ウェンディ・リー   / マイエル=リンク:ジャン・ラフター・リー
        レイラ:パメラ・シーガル      / ボルゴフ:マット・マッケンジー
        ボルト:ジョン・ディマジオ     / カイル:アレックス・フェルディナンス
        グローブ:ジャック・フレッチャー / カーミラ:ジュリア・フレッチャー

  製 作   山本又一朗
    


CAST AWAY  キャスト・アウェイ

  トム・ハンクス主演の、漂流もの。
  無人島で1人、という極限に突然立たされ、立ち向かわざるを得なくなった姿が、淡々と表現される。

  宅配便”フェディックス”のシステム・エンジニアであるチャックは、一秒も無駄にしないことを信条に、恋人とのデートで
  すら秒刻みで過ごすような忙しい人間。
  仕事の後で恋人のケリーと逢いくつろいだのも束の間、クリスマスプレゼントを交換し、すぐ帰る、と言い残して飛行機
  に乗りこむ。
  けれど、その約束は果せなかった。 不意の、飛行機事故によって。
  気が付いたとき、彼は誰もいない島で倒れていた。
  宅配の荷物と共に流れつく飛行機の乗組員の死体以外、人間の姿は見付けられない。
  荷物の中にあったバレーボールを顔にみたててウィルソンと呼び、彼だけを話相手にただ命を永らえさせる。
  出発前に貰ったケリーからのプレゼントの写真入懐中時計と、ただ1つ開けずに持っている流れ付いた宅配の荷物、そして
  ウィルソンへの不思議な友情を頼りに4年間を生き抜いたチャックは、とうとう島を出るチャンスをつかんだ…。

  たった一人、無人島に流れ着いて…とにかくありとあらゆる手段を試してみるチャックって、精神的にすごくタフだと思った。
  途中ヒステリックになったり死ぬことを考えたりしても、島から出ることをあきらめても結局生き抜く道を選んだのって、それ
  で生き抜いちゃうのって、ほんとにタフじゃなきゃできないと思う。
  バレーボールのウィルソンを話し相手にして発狂するのを防いだり。ちゃんと暦をつけていたり。
  頭もいいよなぁ…て、だからこそ、生き抜け、脱出できたのか。
  島から脱出できた時、海の上でウィルソンが流されてしまったのを追いかけるシーンで、思わず拳を握り締めてしまいま
  した。 流れていってしまったのが、すごく寂しかった…。

  やっと帰りついた文明社会での戸惑い、生きる希望だった恋人の結婚。
  4年の時間を超えて、完全に元の生活には戻れなくても、失ってしまった物があっても、また立ち向かって行けると思える
  結末でした。
  色々な意味で、「強さ」を見せてくれた映画だと思います。

  CAST  チャック・ノーランド:トム・ハンクス / ケリー・フレアーズ:ヘレン・ハント
        スタン:ニック・サーシー       / ベッカ・トゥイグ:ジェニファー・ルイス

  監督   ロバート・ゼメキス


102  ワン・オー・ツー

  ディズニー映画「101」の続編。
  …って、説明するまでもないか(^-^;

  毛皮マニアのクルエラ・デ・ビルと101匹のダルメシアン達の対決から3年。
  子犬誘拐の罪で服役中だったクルエラは、パブロフ博士の実験を受け、すっかり愛犬家になった…らしい。
  模範囚として出獄した彼女は“エラ”と名乗り始め、恵まれない犬達を保護する捨て犬シェルターを支援するなど、一躍
  動物愛護のシンボル的存在になっていた。
  前回の誘拐騒動に巻き込まれたダルメシアンの一匹ディップスティックの飼い主であり、クルエラの保護監察官となった
  クロエは、そんな彼女の変貌を信じていなかった。
  彼女が感じた通り、ロンドン塔の鐘の音をきっかけに、クルエラはその本性を目覚めさせた。
  捨て犬シェルターの責任者ケヴィン、生まれてまもないディップスティックの子供達も巻きこんで、またしても大騒動。
  ディップスティックの子犬たちの1匹、「ぶちなし」オッドが、大脱走のキーとなり奔走する。

  可愛かった(笑)
  アニメ版101匹ワンちゃんは見てたのだけど、実写はこちらがはじめて。
  山田邦子さん…上手だねぇ。はまってるねぇ。
  本職の声優さんに混じっても見劣りしなくて、聞いてて安心て感じだった。
  実写版101を見ておくべきだったかな?
  観なくても楽しめたのだけど、ストーリーが前回の続きなんで、登場人物同士の関係図を知ってたほうが、分かりやす
  いかな、とは思いました。
  クルエラの催眠が解けたとき、刑務所のシーンで鳥と一緒の部屋にいた猫がげっぷをしながら出てきたのが…ちょっと
  ブラックだった(^-^;

  難しいことは考えず、ただゆっくり楽しみたい映画。
  つい微笑んでしまう、嬉しいラストも良かったです。

  CAST  クルエラ・デ・ビル:グレン・クローズ / ジャン=ピエール・ルペル:ジェラール・ドバルデュー
        クロエ・サイモン:アリス・エバンス  / ケヴィン・シェパード:イオン・グラファド
        アロンゾ:ティム・マキナニー      / ワドルスワース(声):エリック・アイドル

  監督   ケビン・リマ


PAI IT FORWARD  ペイ・フォワード[可能の王国]

  「世界を変える為にはどうするか?」
  1人の少年の想いを通して、大切な「何か」を観る人に語りかける作品。

  アル中でシングルマザーのアーリーンと暮らす少年、トレバー。
  彼が中学1年になった最初の日、社会化の授業でシモネット先生に出された課題。
  「自分の手で、世界を変える」
  そんなことが出きるのか、と思いながら、トレバーは誰より真剣にその課題に取り組む。
  生活に疲れた母親、母親と同じくアル中で自分を見捨てた父親、虐めが横行する学校…そんな生活の中に、希望の光を
  見出したかったから。
  そして考えついた「ペイ・フォワード」は…簡単だけれど難しい、けれど閉じ込められた心を揺さぶる、まさしく「希望」
  いつしかトレバーの手を離れ、ゆっくり少しずつ、広がっていく…。

  悪い言い方をすれば、善意のネズミ講(核爆)
  心に傷を持ったいろんな人の人生が交差する中に、少年の理想や夢が織り交ざっていく。
  しみじみ楽しめたけれど、ラストが嫌い。
  キツイ言い方をすれば、美談性を強調する為だけの展開、とすら思えてしまう。
  …で、またしても物語の結末を語るな、とパンフレットに書かれてるし(^^;

  トレバーが考えたことは、確かに理想論だけども…現実に、そういうことを考える人がたくさん増えれば、もう少し世の中
  住みやすくなるかな?とか思ったりもして。
  大人になるほど、人は臆病になっていく。
  いろんな感情の絡み合いがあって、自分の感情に振り回され、人の感情が見えるようになり…理想だけでは、歩いて
  いけなくなってしまう。
  それでも、彼が出した提案は、臆病者の背中をそっと押す勇気に変わったんだろう。
  まったく…ラストがおしいったらありゃしない(−−;

  色々と、考えさせてくれる映画です。
  観た人に、少しだけ勇気の後押しになってくれるといいな、と思いました。

  CAST  ユージーン・シモネット:ケイビン・スペイシー        / アーリーン・マッキーニー:ヘレン・ハント
        トレバー・マッキーニー・ハーレイ:ジョニエル・オスメント / グレイス:アンジー・ディキンソン
        ジェリー:ジェイムズ・カビーゼル               / リッキー:ジョン・ボン・ジョヴィ

  監督   ミミ・レダー

 

 

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