2005年6月26日

ムラさん通信の索引へ |  前々号  |  前 号 

  ザ・サークルのギター弾き「ムラさん」から、 日頃お世話になっている「みなさん」へのお便りです。 ホーム・ページでは十分に伝えられないザ・サークルの近況や、 文化情報、私の雑感などを、随時お知らせします。
メイルでも配布していますので、必要な方はお知らせください。次回からお送りします。
ご意見、ご感想などは、 Eメール でどうぞ。

 随分暑くなってきました。 いよいよ夏時間を考えるのに適した時季がやってきました。
夏時間とは、夏の半年間、 時計を1時間早めるというものです。 太陽の動きを基準にすれば、 今より1時間早く出勤して、 1時間早く退勤することになりますが、 あなたは賛成ですか、反対ですか。

国会は、郵政民営化一本槍ですので、 夏時間法案にまで手が回らないのは明らかですが、 われわれ国民の側が、 先回りして考えておいてもよいと思います。

前々号に引き続いて、 夏時間を取り上げてみました。

 ◇夏時間と東京時間◇ 

 前々号で、夏時間導入の動きがあることをお知らせし、 それについての疑問を取り上げました。
「東京での感覚で考えられているようで、 地方都市での生活は考慮されていないようにも感じます。」 と書いたのですが、 その後、ふと思い付いたことがあって、 それはほとんど確信にかわりました。

 日本標準時(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』) は、ご存知の通り、明石を通る、東経135度の子午線が基準になっています。

ちなみに、江戸時代には、 日の出、日の入りによって昼夜を区別し、 それぞれを等分して時刻を定めていました。 「地方時」、「不定時法」というそうですが、 その地方ごとの太陽の運行に合わせて生活するには 便利な方法だったわけです。

それが、生活の近代化にともなって、 1時間の長さを一定にたもつ「定時法」、 日本の国内では同じ時刻を使う「標準時」が採用されてきた訳です。

関西では、ほぼ正午に太陽が真南に来ますが、 東ではそれより早く、西ではそれより遅くなります。 東京での、日の出、日の入りは、 私の住んでいる地方都市よりは、相当早いということです。

どのくらい早いのか、計算してみました。 経度は、東経、西経それぞれ180度までありますから、 地球全部では360度。 それを太陽が一回りして24時間ですから、 360度=24×60分 つまり、1度で4分のずれだとわかりました。

東京の中心部と千葉市の間くらいを、 東経140度の子午線が通っています。 標準時よりは、4×5=20分の違いです。

 夏時間と東京時間を考えるうえで、 もう一つ思い出したことがあります。 東京では、ほとんどの会社が「時差出勤」で、 6時ころが終業のようです。

ということは、太陽との関係では、 6時半ころの終業ということです。 現状で私たちより1時間半遅い生活ですから、 夏時間で1時間時計を早めても、 私たちの標準時での生活感よりまだ遅いことになりますね。

居酒屋などは、8時ころがピークで、 私の住んでいる地方都市とは、 2時間くらいの差がありますから、 東京の夜の始まりはもっと遅いのかもしれませんね。

これならば、東京では、夏時間を実施しても、 生活感に反していることにはなりません。 夏時間論者が多いかもしれません。

しかし、考えてみてください。 「地方時」では、 日本の東西で1時間くらいの違いがあります。 130度の子午線が通る九州では、 日の入りは、関西よりさらに20分遅いのです。 夏時間になると、 東京人の感覚でいえば、 午後3時ころに会社が退けるのと同じようなことになるのですよ。 暑い盛りじゃないですか。 それからテニスをしに行きますか?

東京の人たちは、 何かと自分たちの感覚でものを考えて、 それを地方に押しつけるというように、 私は「偏見」をもっています。 夏時間は「国」の政策なのですから、 そのような議論にならないように、願うばかりです。

お便り、ご意見は、 Eメールでどうぞ

ムラさん通信の索引 |  話題別索引

HOMEに戻る