前々号で、夏時間導入の動きがあることをお知らせし、
それについての疑問を取り上げました。
「東京での感覚で考えられているようで、
地方都市での生活は考慮されていないようにも感じます。」
と書いたのですが、
その後、ふと思い付いたことがあって、
それはほとんど確信にかわりました。
日本標準時(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
は、ご存知の通り、明石を通る、東経135度の子午線が基準になっています。
ちなみに、江戸時代には、
日の出、日の入りによって昼夜を区別し、
それぞれを等分して時刻を定めていました。
「地方時」、「不定時法」というそうですが、
その地方ごとの太陽の運行に合わせて生活するには
便利な方法だったわけです。
それが、生活の近代化にともなって、
1時間の長さを一定にたもつ「定時法」、
日本の国内では同じ時刻を使う「標準時」が採用されてきた訳です。
関西では、ほぼ正午に太陽が真南に来ますが、
東ではそれより早く、西ではそれより遅くなります。
東京での、日の出、日の入りは、
私の住んでいる地方都市よりは、相当早いということです。
どのくらい早いのか、計算してみました。
経度は、東経、西経それぞれ180度までありますから、
地球全部では360度。
それを太陽が一回りして24時間ですから、
360度=24×60分
つまり、1度で4分のずれだとわかりました。
東京の中心部と千葉市の間くらいを、
東経140度の子午線が通っています。
標準時よりは、4×5=20分の違いです。
夏時間と東京時間を考えるうえで、
もう一つ思い出したことがあります。
東京では、ほとんどの会社が「時差出勤」で、
6時ころが終業のようです。
ということは、太陽との関係では、
6時半ころの終業ということです。
現状で私たちより1時間半遅い生活ですから、
夏時間で1時間時計を早めても、
私たちの標準時での生活感よりまだ遅いことになりますね。
居酒屋などは、8時ころがピークで、
私の住んでいる地方都市とは、
2時間くらいの差がありますから、
東京の夜の始まりはもっと遅いのかもしれませんね。
これならば、東京では、夏時間を実施しても、
生活感に反していることにはなりません。
夏時間論者が多いかもしれません。
しかし、考えてみてください。
「地方時」では、
日本の東西で1時間くらいの違いがあります。
130度の子午線が通る九州では、
日の入りは、関西よりさらに20分遅いのです。
夏時間になると、
東京人の感覚でいえば、
午後3時ころに会社が退けるのと同じようなことになるのですよ。
暑い盛りじゃないですか。
それからテニスをしに行きますか?
東京の人たちは、
何かと自分たちの感覚でものを考えて、
それを地方に押しつけるというように、
私は「偏見」をもっています。
夏時間は「国」の政策なのですから、
そのような議論にならないように、願うばかりです。
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