イラクでは、1月30日に国民議会設立のための選挙が行われ、
民主国家樹立への一歩を踏み出したのですが、
まさに「テロとの戦場」と化している感もあって、
厳しい情勢が続いています。
「エネルギーレビュー」という業界誌の
2005年2月号に、
カリフォルニア大学客員教授・小矢部 一郎さんが、
「イラク情勢、過去1年を振り返る」として、
2004年の「客観的なデータ」を紹介していました。
その一部をご紹介します。
イラク駐留米軍は、2004年11月現在、13万8千人。
アルカイダ関連の外国籍武装勢力は、同じく11月段階で、3千人と推定。
米軍死者数は、2003年5月1日〜2004年12月2日で、1,118人。
イラク暫定政府の治安部隊・警官の死者数は、2004年9月28日現在で、2,250人。
テロや戦闘に巻き込まれて死亡したイラク一般市民は、2004年9月10日現在で、1万3
千人〜1万5千人と推定。
拘束・戦死した武装勢力戦闘員は、2004年1年間で2万4千人と推定。
「君の命を数で数えないよ、名前で呼ぶんだ」
(高石ともや「ネイムズ」)。
そうです、この膨大な数の人たち、一人ひとりに人生が、
家族が、暮らしがあるのですね。
一方、治安回復・人道支援のために派遣されている軍部隊は、
2004年10月現在で、18か国、2万4千人。
派遣人数の多いのは、
イギリス(8300)、韓国(2800)、ポーランド(2350)、
イタリア(2700)、ウクライナ(1450)、オランダ(1300)などで、
わが国の自衛隊の550人は、9位で堂々のベストテン入り。
オランダが撤退を決めていますが、自衛隊は1年間延長決定。
三重県の久居に駐屯していた部隊からも70人が派遣されました。
イラクの情勢は、素人目には複雑化するばかりで、
平和が訪れる日は、なかなか見えてきません。
平和でないのは、
戦争を始めた人がいる訳です。
このような状態を招いたことについて、
イラクの国民に対しては、
一体誰が責任をもっているのだろうか、
などと考えてしまいます。
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