2003年4月27日

ムラさん通信の索引へ |  前々号  |  前 号 

  ザ・サークルのギター弾き「ムラさん」から、 日頃お世話になっている「みなさん」へのお便りです。 ホーム・ページでは十分に伝えられないザ・サークルの近況や、 文化情報、私の雑感などを、随時お知らせします。
メイルでも配布していますので、必要な方はお知らせください。次回からお送りします。
ご意見、ご感想などは、 Eメール でどうぞ。

 アトムネタを連載したところ、 読者の反応がよいのですね。 それに気をよくして というわけでもないのですが、 アトム特集は、 ネタが切れるまでつづけようと思います。
 今回は、まず、 いただいたお便りを紹介し、 鉄腕アトムという漫画そのものについての話題を お送りします。

 ◇鉄腕アトム、読者の声◇ 

 さすが、鉄腕アトム、 読者のみなさんからの反響がありました。 お便りをいくつか紹介します。
高田馬場は学生時代を過ごした街なので
アトム誕生の地と知ったときは妙に嬉しかったのを思い出します。
 うわぁ、ごめんなさい。
前号では、高田馬場説に異論を唱えてしまいました。
実は、私どものクリニック2000年4月にオープンいたしました。私どもの クリニックのシンボル、アトムの人形(横になりねっむている)を院内に置き 三年後を皆で楽しみにいたしておりました。先日、4月7日無事に目をさまし アトムの音楽が9:00a.mに鳴り響きました。

患者さんも、診察開始時間でしたのでその瞬間に出くわし感動してました。
 そういう人形があるのですね。
 クリニックの名前にちなんで、 手塚作品をシンボルに選ばれたのだとお察ししますが、 数ある手塚キャラクターのなかでも、やはりアトムですよね。
ブラックジャックでは、少しね。
 開院3周年、おめでとうございました。
今朝わたしの勤務は、6:30からだったので 眠くて眠くて夕方眠ってしまいアトムを見られ ませんでした。きのうのサンダーバードやひょう たん島も見られず残念!!
 そうそう、アトムのテレビアニメの新シリーズが始まりました。
第1話を見た感じでは、少し今様になっている感じ、 僕のアトム像とは少し違和感がありました。 もともと、アニメのアトムファンではなくて、 雑誌に連載の漫画の方のファンでしたしね。
 ひょっこりひょうたん島も始まっていますね。 僕も、第1回は見逃したので、ビデオをセットしておきました。 こちらは、以前放映された再制作ものを、テレビ50周年とかで、再放送。 以前の放映で見た印象ですが、 オリジナルとは、声優さんが変わったりしていますが、 よく再現されているし、 なつかしさだけでなくて、今見ても面白い。 お薦めです。
 ◇鉄腕アトムという漫画の誕生◇ 

 漫画のなかでのアトムの誕生日は、2003年4月7日ですが、 アトムという漫画の主人公の誕生は、昭和26(1951)年のことです。

初めて登場したときは、 「アトム大使」という漫画のなかの 登場人物のひとりでした。 光文社の出していた「少年」という月刊雑誌に、 1951年4月から1年間連載されたのです。
その連載の終了間際になって、編集部から、 アトムを主人公にした連載が提案されたのだそうです。
翌1952年4月から「鉄腕アトム」というタイトルで連載が始まりました。 全集版で見ると「鉄腕アトム」としての第1回のタイトルに、 何と「あたらしくはじまった科学まんが」と肩書きが付いています。 その後、「少年」が1968年3月号で廃刊になるまで続いたのでした。

 これが、本線の鉄腕アトムですが、 ほかにも、1968年から69年にかけて産経新聞に連載された 「アトム今昔物語」というシリーズもありますし、 小学一年生や、小学二年生という雑誌に連載された、 小さい子向けのシリーズや、単発のものもあります。

 なお、テレビアニメは、 1963年の1月から1966年12月の放映だそうで、 視聴率は第1回が27.4%でその後上昇し、 最高視聴率は40.3%だったそうです。 (桜井哲夫「手塚治虫−時代と切り結ぶ表現者」講談社現代新書)
 ◇鉄腕アトムを今読むなら◇ 

 アトムの漫画は、今でもいろいろ出ていますが、 実は、版によって、 「○○の巻」と同じタイトルのお話でも、 少しずつ違うのですね。
ストーリーは同じなのですが、細部が違うのです。
沖光正の「鉄腕アトム大事典」によると、手塚治虫は、 「作品が出版されるたびにかならず自身で手を加えた」 とのことです。

 私の手元には、 豪華愛蔵版「鉄腕アトム」(講談社コミック)と 手塚治虫漫画全集「鉄腕アトム」(講談社)とがあります。
「ムラさん通信」の原稿は、 この二つを確認して書いています。

 愛蔵版と全集版を 見比べてみるとやはり違います。

 読みやすいのは、愛蔵版。
手塚治虫が亡くなったのが、1989年2月9日。
愛蔵版全15巻は、 1992年から93年にかけての発行ですから、 アトムの決定版として残したいという編集者の意思が想像されます。 ハードカバーの装丁も絵(印刷)も丁寧で、 初出の早い順にちゃんと並んでいます。 版形も全集より一回り大きいので、絵も見やすくなっています。 アトム今昔物語や、小学二年生版の新・鉄腕アトムも入っています。 このシリーズを揃えれば、アトムの全体像が分かります。

 全集の方は、 たぶん初出の「少年」連載に近いのだろうな、 という感想です。古い感じがします。
連載当時の雰囲気を残しているともいえます。
絵も昔のマンガっぽい雰囲気が残っているところが、 かえって魅力です。
どちらもお薦め。

 この機会にアトムをもう一度読んでみようという方のために、 現在容易に入手可能なものを探してみました。

 講談社からはいくつかのシリーズが出ています。  1979年ころに刊行された手塚治虫漫画全集 (講談社のホーム・ページ) では、全18巻と別巻が2冊になっています。 今でも入手可能なようです。
 漫画文庫という新しいシリーズ (講談社のホーム・ページ) も出ているようです。
 1987年ころに出ていたKCスペシャルというシリーズ(全7巻) (アマゾンのホーム・ページ) も、今でも入手可能なようですが、 沖正光の「鉄腕アトム大事典」で調べますと、 含まれていないお話がたくさんあって、 しかも連載順と無関係な順番で収録されているようです。

 漫画の出版では定評のある秋田書店からも、 サンデーコミックスのシリーズ (s-book.comのホーム・ページ) で現行商品として出ているようです。

 「少年」を出していた光文社からは、 光文社文庫COMIC SERIES (アマゾンのホーム・ページ) というのが出ているようです。
 ほかにも、オリジナルの版元ですから、 鉄腕アトムoriginal (光文社のホーム・ページ) という復刻調のものを出しています。
「鉄腕アトムハッピーバースデーボックス」(たぶん予約終了) (光文社のホーム・ページ) の中にも復刻本や復刻調のものが含まれているようです。

 中古市場にもいろいろ出ていて 愛蔵版も入手可能 (イージーシークに出品のページ) なようです。

 鉄腕アトムのことを調べるなら、 沖光正「鉄腕アトム大事典」(晶文社) (アマゾンのホーム・ページ) です。 ムラさん通信の原稿も、調べものは、これに頼っています。
光文社の知恵の森文庫 (アマゾンのホーム・ページ) からも出ているようです。
晶文社版がオリジナルなのですが、 文庫の方が出版が最近なので、 情報が新しくなっている可能性があります。 値段も文庫の方がずっと安くなっていますので、 買うとしたらこちらかな。

以上、ご参考までに、…。

お便り、ご意見は、 Eメールでどうぞ

ムラさん通信の索引へ

HOMEに戻る