ムラさんのギター・ワークショップ

コード2つだけの曲 その1

ロンドン橋/メリーさんの羊


 このギター・ワークショップを始めたきっかけは、 ムラさん通信の読者のひとりから、 ギターを教えてほしいというお話があったことでした。
これまでその方のリクエストと、技術水準に合わせて教材を選んできましたが、 私のまわりには、これからギターを始める人もみえます。

 今回は、コードを覚えたてくらいの方のお役に立つようにと、 もう少し易しい教材を選んでみました。
 ギターの習い始めは、コードの数が少ないに越したことはない、 ということで、一つの曲にコードは2つしか使いません。
 曲もよく知っている方が、練習になります。
ということで、選んだのは、マザーグースから「ロンドン橋」と「メリーさんの羊」です。
マザーグースの唄は英語国で長く伝承されてきた曲で、この2曲は日本でもよく知られています。
マザーグースを扱ったサイト 「大好き!マザーグース」 を見つけましたので、曲については、こちらをごらんください。
ロンドン橋については、
http://www2u.biglobe.ne.jp/~torisan/%DB%DD%C4%DE%DD%8B%B41.html
メリーさんの羊については、
http://www2u.biglobe.ne.jp/~torisan/mglist-m.html
に歌詞と解説がのっています。

 古い曲で著作権の問題もないと思いますので、 MIDIも付けておきます。
曲を知らない方は、利用してください。
また、MIDIに合わせて練習するという使い方もできます。
ロンドン橋
メリーさんの羊

 コードを覚える 

 まず二つのコードを覚えます。 押さえるのが簡単で、きれいな音が出るようにということで、 DとA7というコードを選びました。

まず、Dコードです。
コードを説明するのに便利なダイアグラムというものがあります。 これがDコードのダイアグラムです。
*  @  @ 
+==+==+==+==+==+
|  |  |  |  |  |
|  |  |  |  |  |
+--+--+--+--+--+
|  |  |  |  |  |
|  |  |  @  |  @
+--+--+--+--+--+
|  |  |  |  |  |
|  |  |  |  @  |
+--+--+--+--+--+
|  |  |  |  |  |
 糸巻きを上にしてギターの指板を見た図と考えるわかりやすいと思います。
+==+==+==+==+==+
は、ナット(つまり0フレット)を表しています。

|  |  |  |  |  |
は、6本の弦です。
+--+--+--+--+--+
が、フレットを表しています。
@で押さえる場所を示しています。
ナットの上に@を付けたのは、 押さえなくてもコードの音なので、弾く弦です。
* を付けたのは、 コードの音ではないので、弾いてはいけません。

Dコードの押さえ方ですが、
○人差指で第3弦の第2フレットを押さえます。
○薬指で第2弦の第3フレットを押さえます。
○中指で第1弦の第2フレットを押さえます。
左手のどの指で押さえるかの情報を加えて、 ダイアグラムをもう一度掲げておきます。
* (0)(0) 
+==+==+==+==+==+
|  |  |  |  |  |
|  |  |  |  |  |
+--+--+--+--+--+
|  |  |  |  |  |
|  |  | (1) | (2)
+--+--+--+--+--+
|  |  |  |  |  |
|  |  |  | (3) |
+--+--+--+--+--+
|  |  |  |  |  |
(1) が人差指、(2) が中指、(3) が薬指、 (0)は、開放弦です。

A7の押さえ方

 次は、A7です。ダイアグラムを見れば、分かるようになったと思います。
(0)(0)   (0)   (0) 
 +==+==+==+==+==+
 |  |  |  |  |  |
 |  |  |  |  |  |
 +--+--+--+--+--+
 |  |  |  |  |  |
 |  | (1) | (2) | 
 +--+--+--+--+--+
 |  |  |  |  |  |
 |  |  |  |  |  |
 +--+--+--+--+--+
 |  |  |  |  |  |
念のため確認しましょう。
○人差指で第4弦の第2フレットを押さえます。
○中指で第2弦の第2フレットを押さえます。
 これであなたは、二つのコードの押さえ方は分かりました。 左手はOKですので、右手の練習に入りましょう。

 コードを弾く 

 それでは、Dコードを弾いてみましょう。 ダイアグラムをみながら、Dコードを押さえてください。
右手にフラット・ピックを持ってください。 軽く5弦から1弦に向かって弾きおろしてください。

 いかがでしょうか、きれいな音が出ましたでしょうか。 実は左手の押さえ方も難しくて、弦がしっかり押さえられていない場合も多いのです。
それはおいおい練習していくとして、慣れる気持ちでどんどん練習を進めます。
厳密にいいますと、Dコードでは第6弦は弾かないのですが、 練習とは、要するに慣れですので、最初は余り気にせず練習してください。

リズムを付けてみます。4拍子のつもりで、1小節に4回弾きます。
これをタブラチュアというものに表すとこうなります。
--2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---++
--3---3---3---3---+-3---3---3---3---+-3---3---3---3---+-3---3---3---3---++
--2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---++
--0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---++
--0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---++
------------------+-----------------+-----------------+-----------------++
 これは、時間の進行を横軸に、その時にどの弦の何フレットで音を出すかを表しています。
弦楽器の楽譜としては、かなり古くから使われている方法です。 弦楽器というのは、左手でどこを押さえるかということがとても重要ですので、 音の高さだけを表すだけでは不十分なのです。 クラシックギターでは、オタマジャクシを使った普通の楽譜で演奏しますが、 数字またはアルファベットで、運指の情報が書き加えてあります。

 タブラチュアの見方ですが、6本の横線は6本の弦を表しています。上が1弦、音の高い方です。
数字は押さえるフレットです。左手でそのフレットを押さえて、右手で弾くのです。
時間の長さ(タイム)は、「----」で4分音符の長さ、4拍子の1拍のつもりです。

 A7は、次のようになります。
--0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---++
--2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---++
--0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---++
--2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---+-2---2---2---2---++
--0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---++
--0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---+-0---0---0---0---++
 最初はボロン、ボロン、または、ポロン、ポロンという感じで弾いてください。
慣れてきたら、リズム感を出してみましょう。
4拍子ですから、「強・弱・中強・弱」というリズムですね。 1拍目と3拍目を少し強めに弾いてみましょう。
もう少しうまくリズム感を出す方法があります。
1拍目と3拍目は低音弦を中心に、2拍目と4拍目は高音弦を中心に弾いてみてください。

 いろいろ試してください。どのように弾いたら、どのような感じになるでしょうか。
ギターからいろいろな音を引き出してみてください。これがギターを楽しむことです。

 今回はここまで、次回は、リズムの付け方を練習して、 曲にコードをつけます。

次へ(コード2つだけの曲 その2)

私を待つ人がいる陽気に行こう谷間の虹

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