3■手がかりを求めて


11■聖なるほこら
リムルダールを拠点にしばらく活動することにした。
マイラでも試した方法だが、魔物に苦戦するようならしばらくそこでとどまって戦えば、戦い方やペース配分が分かるようになる。それに、自分の体力や筋力が上がっていくのがわかって、それなりの達成感や快感があった。
結局リムルダール付近の魔物にあまり苦しむことがなくなってきたのは、町について一ヵ月と少したった頃だった。
その頃には多少懐具合にも余裕が出てきて、とりあえず剣を新調した。魔法の鎧というのがほしいが、なかなか買えそうにない。いつか買う日を夢見て、しばらくは指をくわえるしかないだろう。


町にこれだけ滞在すると、それなりに顔見知りもできる。ロッコは相変わらず二回に一回は待ち合わせ場所を間違って、ナナ(赤い髪の女はそういう名前らしい)の飛び蹴りを食らっていた。池の小島で焚き火にあたるのが趣味の爺さんは、伝承を語るのが趣味か、もしくは仕事でいろんな話をきかせてくれた。
町で手に入れた一番収穫めいた話は、この島の西の端に大昔勇者ロトが虹の橋をかけて魔の島にわたったという話だった。まあ話半分としても、その方法ならなんとかなるかもしれないとは思った。魔の島まで、確かにこの島の西の端が一番近い。ただ、虹の橋ってのが意味不明だが。
他にも、竜王の城の隠し階段の話があった。
これも誰も行ったことの無い場所の話だからうさんくさいが、まあ忘れないようにしよう。

あと、町の南にある集会所みたいなところにいる婆さんが占いをしていて、南にある聖なるほこらに行けといった。
「アンタは勇者ロトの子孫だね。言わなくてもわかるよ」
なんて婆さんは言っていたが、俺自身がロトの子孫という話を信じてないし、それを証明する方法もないし、裏付けもない。
どうして「分かる」んだろうか。
しかしこの先何か手がかりがあるわけでもない。南下してほこらに行ってみることにした。



町の南は、北に比べて魔物がさらに強くなった。
いきなり空からキメラに襲い掛かられたのには驚いた。リカントがさらに強くなったリカントマムルにも苦しめられる。
多少無謀だったかもしれない。
引き返してもう少しリムルダール付近で訓練するべきか、とりあえず聖なるほこらを目指すか。考えようと立ち止まる。と、日向だった場所が微かな地響きと共にすっと暗くなった。おかしな威圧感に振り返ると、そこに金色に光る壁ができていた。いや、壁じゃない。足も腕もある。石でできた巨人。その腕が振り下ろされる。
「っ!!」
なんとか避けた。
馬鹿正直に剣で切り掛かっても、こっちがダメージをうけることはあっても、向こうに有効打になるとは思えない。しかも向こうの攻撃は確実に俺のダメージになる。
関節を狙ってばらしていくしか方法はなさそうだ。こういう意味ではでかい相手で良かったかもしれない。動きも遅い。
時間をかけるとなんとか勝つことができた。
ばらばらにしたゴールドマンを見てふと思う。

金蔓。

強かったから積極的に戦いたくはないが、出会ったら確実に仕留めていけば、しばらく金に困らない。
地図のリムルダール南部を大きく丸印で囲んでおいた。


橋を渡って、リムルダールの南にあるほこらに辿り着く。ほこらは鬱蒼とした森に囲まれて静かにたたずんでいた。多少崩れた壁だったが、気にせず中にはいる。中には爺さんが一人居て、眼光鋭く俺を見た。
「そなたがロトの血をひくまことの勇者ならそのしるしがあるはず。おろかものよ! たちされい!」
叫び声。
一瞬、くらりとした。
気付くと、ほこらの外にいた。なんの魔法だろうか。俺は息を吐き出してまわりを見る。ともかく、さっきの爺さんは言ってたモノを持ってこなければ口もきかねえって事だろう。
立ち上がる。
ともかく、しばらくはこっちに来ても仕方ないって事だ。
リムルダールに戻ろう。

……ゴールドマンいねえかな。
12■太陽の石
リムルダール近辺で、さらに戦う。

もう、さすがにこの辺の魔物は恐くない。ときどき南でゴールドマンを狙い撃ちにした甲斐もあってちょっとした成金状態になったから、覚悟を決めて魔法の鎧を買った。とたんに魔物の攻撃が痛くもなんともなくなった。
良いものは高い。
高いものは良い。
世の中の道理だ。
俺はため息をつくとリムルダールを後にした。

これから探すべきは、まずロトの血を引く「しるし」。まあ、俺が本当に血をひいてるかどうかは別として、しるしがあればあの爺さんと話くらいは出来るだろう。
それから、虹の橋をつくるためのもの。太陽の石はラダトームにあると聞いているが、「雨」については細かいことはよく分からないままだ。

ともかく今ある、少ない確定情報はマイラの温泉から南に4歩にいいもの有り、なわけだが、なにせ情報源がロッコだから怪しい。が、まあ人はいい奴だから信じておこう。
一回ラダトームに報告に戻るのをかねて、マイラに行ってみることにした。


マイラについて最初に宿をとって、温泉に行ってみる。相変わらずマイラはのんきな村だった。かすかに硫黄の匂いのする空気も懐かしい。
村の奥にある温泉施設から、南にむかって慎重に地面を調べながら歩く。4歩ってのがいまいちよく分からないが、しばらく地面を見て歩いていくと、土に何かが埋もれていた。
ひっこぬくと、細長い。土に汚れたそれをマントの端で拭く。装飾の細かい笛だった。金属で出来ているから、ためらいなく水で洗う。きらきらと光る綺麗なモノだった。
これが何か分からないし、土に埋もれたようなモノを、なぜリムルダールに住むロッコが知っていたのかなぞだが、まあ、いい。
久しぶりに温泉につかって疲れをいやし、ぐっすり眠った。


朝起きて、用意を終わらせてからルーラを唱える。
久々のラダトーム。城はいつもどおり、兵士たちが忙しなく働いていて、正面の魔の島に建つ竜王の城を見据えていた。
王の間に通されて、久々に王に会う。王は俺の無事をまずは喜んでくれた。「逞しくなった」といわれ、少し嬉しいやら恥ずかしいやらの気持ちになる。
俺はリムルダールの南のほこらでの話をして、しばらくはしるしを探すつもりだと伝える。それから、虹の橋のことを伝えた。
「太陽と雨……」
王はつぶやくと首を傾げた。
「確かこの城に太陽の石と言うものがあったな」
「噂でそのように聞きました」
俺は顔をあげて王を見る。
「あれはどこで見たのだったか……」
王はしばらく思い出そうと考えて、やがて重々しく口を開いた。
「イチェル、城の中の捜索許可を与える」

あきらめた!

俺はなんだか腑に落ちない気分で王の間を後にした。
城の中を歩き回ってみる。鍵のかかった扉は無視して、入れる部屋という部屋を回ってみたが目新しいものは見つからない。
かわりに、城に住んでいた学者にマイラで見つけた埋もれた笛が、妖精の笛というもので、ゴーレムを眠らせることが出来るモノだと聞いた。そういえば随分前に、ゴーレムが笛の音に弱いと聞いた記憶もある。これのことだったのかも知れない。
結局学者も太陽の石の在処は知らなかったから、俺はその部屋を後にする。

あきらめて鍵のかかった扉をあけてみることにした。城の一階、東側は鍵の扉で行けなくなっていたから、初めて足を踏み入れる。こちらがわには厨房や兵士の詰め所などがあった。たぶん居住区になっているのだろう。城の裏にでる小さな通用口のようなものもある。
南側の一番奥の部屋には、床に強力な魔法のバリアの仕掛けがあって、歩いて通り抜けるのはつらそうだった。しかし、向こうには兵士がいる。手前側にいる兵士は、体力に自信があるならバリアをわたってみるのもいい、等と言う。少々癪だったから、バリアをわたってみることにした。ヤバかったら回復呪文を使えば良い。
一歩、足を踏み入れる。途端に体を貫く激しい痛みに襲われた。痛みで体から力が抜けていくのが分かる。無謀な挑戦だったかと後悔したが、もう遅い。俺はこまめに回復呪文を使いながら、バリアを渡り切った。
兵士は驚いた顔をして俺を見て、それから嬉しそうに笑った。
「よくこのバリアを渡りましたね。それだけの体力があるのなら、ガライの墓に行けるやも。ガライで暗やみの壁を押すといいですよ」
「?」
俺はガライに住んでいたが、墓には行ったことがない。一般人は墓がある広大な敷地を囲む壁の、入り口前で祈る程度しか許されていない。中には町長やお偉方しか入れない。入った先に何があるのかも知らない。
「行ってみます」
俺は答えると、再び決心を固めてからバリアを渡った。

今度は裏にでる小さな通用口から、外に出てみた。もう行ってない場所はここくらいしかない。
小さな店を開いている商人がいた。売り物は魔法の鍵。リムルダールまで買いに行った、苦労して手に入れた鍵が、ここにある。たとえ本店の5割り増しでも、使った分を買い足しておくべきだろう。内心怒りを感じながら、俺はいくつか鍵を買い足した。
庭はだだっ広い平面だった。ある程度歩いてみたが、裏庭だけあって、あまり派手な庭ではなかった。
しばらく行くと、草に埋もれるように庭に下りの階段があった。何があるのかとゆっくり階段をおりてみる。
思いの外広い部屋があって、中に爺さんが一人だけ座っていた。
「おおイチェルよ! わしには分かっておった。いずれロトの血をひく若者がここをおとずれることを。この宝箱には昔、勇者ロトから預かった太陽の石が入っておる。そなたが竜王をたおすために必要なものじゃ。さあ、宝箱を開けるがよい!」

俺は言われたとおり、部屋の奥にあった宝箱をあける。大きな高煙草の中には赤い布が敷き詰められていて、その中に輝くオレンジ色の宝石のようなものがついたものがうやうやしく置かれていた。これが太陽の石なんだろう。
「イチェルよ。そなたがこの地に再び光をもたらすことを、わしは信じておるぞ。さて……。長い間太陽の石を見まもりつづけて、わしもすこしばかりつかれたわい。そろそろ休ませてもらうことにしようかのう……」
爺さんはそういうと大きくため息をついて、それから天上を見上げた。
「わしに太陽の石を預けに来た勇者ロトの姿は、今でもはっきりおぼえておる。そなたにはたしかに勇者ロトの面影が……。この地に再び平和を……。頼んだぞイチェルよ」
そういって爺さんはふらふらと歩いて、小さな部屋のベッドにもぐりこむ。
そしてピクリとも動かない。

もしかして、力尽きたのか……?

嫌な予感に、俺は爺さんに走りよる。
爺さんは……。





寝ていた。この上なく幸せそうに寝てやがる。




俺の気遣い返せ!



こうして俺は太陽の石を手に入れた。
13■雨のほこら
太陽の石を手に入れてからしばらく途方にくれる。
この先、どうして良いのか全く分からない。
仕方が無いから、地図を見つめてみる。アレフガルド大陸の西側にはまだ行ったことがないから、そっちに行ってみてもいい。
ドムドーラとメルキドがある。
が、どっちも遠い。
いつかは行く事になるだろうが、もしかしたら魔物がいきなり強くなるかもしれない。まだ、そんなに俺は強くない。
まだ地道に近場を放浪した方がいいかもしれない。

マイラの西側を歩いていくと、北東にむかって伸びる半島がある。地図でみていても何もなさそうな半島だが、行ってみることにした。
リムルダール南の聖なるほこらだって、地図上では何もない島に存在していた。今はほとんど手がかりもない状況だし、行けそうな場所は行っておいたほうがいいだろう。別に、先に何もなくてもかまわない。今は歩いた分だけ、強くなっていく実感がある。長い目で見れば、無駄ではないだろう。
深い森で、光があまりささない中を進む。二日ばかり北に進むと、かすかに海鳴りが聞こえてきた。もうすぐ半島の北の端につくんだろう。
森を抜けると視界に広々とした空と海が広がって、俺は眩しさに目を細める。ずっと暗い森を歩いたせいで、多少時間感覚があやふやになっていたが、太陽はちょうど頭のうえにあった。眩しくて当然だろう。
森を抜けてしばらく行くと、潮風にさらされて倒れそうになっているほこらを見つけた。
やっぱりほこらってのは人里離れたところにあるんだろう。

崩れそうな壁に気を付けながら中に入ると、爺さんが一人で暇そうに座っていた。
彼は俺に気付くと立ち上がる。
「そなたが旅に出たと聞いて、ずっと待っておったよ」
「俺が旅立ったのを知ってたのか」
「まあな」
爺さんはそう言って、顎髭を撫でた。
「しかし竜王はとてつもない魔物。倒されるのが分かっていて、みすみす行かせるわけにはいかん」
「やっぱりまだ弱いか」
「そこでイチェルよ。そなたの力を試させて欲しい。この地のどこかに魔物たちを呼びよせる、銀のたて琴があると聞く。それを持ち帰ったとき、そなたを勇者とみとめ雨雲の杖をさずけよう」
「雨……」
俺の呟きに、爺さんは目を細めて笑った。
「イチェルの成功を祈っとるよ」
「つまりこれ以上のヒントは無しと」
「そういう事だな」
俺は爺さんに礼を言うと、ほこらを後にした。
14■ガライの町へ
久しぶりにガライに戻る。銀の竪琴っていえば、ガライの持ち物。探すとなれば、もうガライの墓くらいしかない。
ガライで育ってなきゃ、しらなかった。
その点では運がよかったのかも知れない。

家に戻ると、爺さんは籠を編んでいる最中だった。
「イチェルか。帰ったのか?」
「寄り道だ」
「なんじゃ、途中か」
「そんなに簡単に終わるか」
いつもの椅子に座って、俺は大きく息を吐く。
「どうだ、疲れたか?」
「慣れた」
「そうか」
そのままお互い黙って、爺さんは籠を編むのに戻り、俺はなんとなく家の中を見る。
変化はない。
「今度はいつ出発するんだ」
「明日の夜……ちょっと墓荒らしに……」
爺さんは手を止めて俺を見た。
「墓荒らし?」
「あんまり詳しく聞くなよ」
「いや聞き捨てならんだろう」
俺は仕方なく雨雲の杖を手に入れなければいけなくなった経緯を説明した。
爺さんはしばらく唸って考えている。
「俺だってガライに敬意はあるから、できればしたくないんだが……」
「120ゴールドで命を買われたうえに罪人か……」
爺さんは大きくため息を吐いた。
「……まだ墓荒らしはしてない」
「これからするなら一緒だろう」
「爺さん黙っとけよ」
「積極的に言うことじゃない」
「まあそうだな」


朝は久しぶりに眠りたいだけ眠った。昼ごろ起きて、爺さんとのんびり話をしたり、薪を割ったりして過ごす。
少し前まではこんな生活が普通で、少し退屈だった。今では、この呑気さが懐かしく心地好い。


遠くまで来てしまったんだ、多分。


夜中にそっと家を出た。
多分、爺さんは起きていただろう。
けど、何も言わなかった。

ゆっくり、なるべく闇に紛れて歩く。
夜中の風はひんやりとしていて、物音はない。足音と鎧の音を聞きながら歩くと、ここが町中なのか、いつも歩く広野なのか、よく分からない感覚になる。
そうこうしているうちに、町の北半分を占めるガライの墓の入り口に辿り着いた。
鍵のかかった入り口は細い月に照らされて、何とも心細い。
「さて……」
俺は意味なく声を出して入り口に近づく。鍵を差し込むと、恐ろしく簡単にソレは吸い込まれていった。カチャリと軽い無機質な音と共に、鍵は簡単に右に回る。
ドアが開いた。

中は広いロビーのようになっていて、小さな池や小部屋があった。たぶんお偉方はここで何か祭事をするんだろう。
見たところ、何もない。
どこに銀の竪琴はあるのか。


しばらく中をみて歩いてみる。あまり時間はない。朝までにはなんとか決着を付けたい。

壁に手をついたときだった。
その手がずぶりと闇に吸い込まれる。

俺は倒れるように闇に吸い込まれた。
15■ガライの墓
明るかった。
頭上に太陽はない。
ただ、明るかった。
闇に吸い込まれたはずなのに。
奇妙な感じ。
細長い通路が真っすぐのびている。
通路は明るく、白っぽく、そして、嘘みたいに現実感がない。
通路を進む。
戻りたい気持ちがあったが、帰り道が分からなかった。


真っすぐ進むと、行き止まりが見えてきた。その前に、爺さんが一人立っている。遠近感が狂う感覚。
理由はすぐにわかった。
爺さんには実体がなくて、よく見ると足が床に付いていない。
幽霊なのかも知れない。
爺さんは深くフードを被っていて、その表情は窺い知れなかった。
「ガライの墓から生きて帰ったものはおらぬ……。死にたければ行くがよい……」
爺さんはそれだけ言うと忽然と姿を消した。その場に、下り階段が残る。これを下りなければいけないのだろう。



まあ、道はこれしかないわけだが。


死にたくば、か。

爺さんのことばを思い出すといやになった。
が、仕方ない。
俺は松明に火を付けようとして、それを取り止めた。ガライの墓がどの程度の規模かは知らない。町の北にだだっ広く広がっているとは聞いていた。が、実際地上の壁のなかの大半は広いロビーになっていた。どんな感じか、想像がつかない。
松明は、最後の手段に残すことにして、まずはレミーラを唱えて辺りを照らすことにする。時間がたつにつれ明かりが弱くなるのはわかっているが、松明にはない明るさと光の有効範囲の広さは魅力だった。
松明は魔法を使えなくなって、なおかつレミーラが切れたら使うことにして、松明をしまってからレミーラを唱える。剣を手にしっかり持つと、俺はゆっくり階段をおりた。
暗いはずの洞窟も、レミーラである程度の距離まで明るい。これならなんとかなりそうだ。


中は複雑な迷路になっていた。
一応は通った道をメモしているし、角に印を付けてきたが、これは迷子というかも知れない。脱出用の魔法を覚えておいてよかった。
洞窟の中はずっと暗い。もう何回かレミーラを唱えなおした。何回か休憩をしたし、食事もした。一体ここに入って何日経ったのか。もう感覚がない。
もちろんその状態でも、魔物は襲ってくる。楽に倒せるだけ強くなっていたし、思い切って買った魔法の鎧がダメージを軽減してくれたから、なんとかなっている。
が、時間感覚もなく朦朧とした状況で、魔物の返り血を浴びてソレを拭うこともできないでいると、自分のほうが魔物よりも悪い存在な気がしてくる。
いや、ここの「平穏」を乱しているのは俺のほう。魔物たちは自分のテリトリーを守っているだけだ。

爺さんの言った罪人という言葉が、いまさらのように突き刺さる。

ああ、そうかもしれない。

立ち止まる。
自分がどこにいるのか分からなくなった。

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