狸 THE MOVIE

 

ということで、たぬきに関した映画の紹介を。
ポスター等ワイズ出版さん他の本からお借りしています

また、内容の一部、泉 速之著「銀幕の百怪」(青土社)から



マークは画面変換します。

 たぬき映画の起源は、大映の前身ともいえる新興キネマの時代に。
新興キネマ京都撮影所長の永田雅一とシナリオライター八尋不二は、徳島に旅した折に聞いた阿波徳島に伝わる狸伝説をヒントに「阿波狸合戦」を製作、これが予想外の大ヒット、気をよくした永田所長は、「文福茶釜」「狸御殿」と次々に製作、特に木村恵吾監督の「狸御殿」は、狸の姿を借りた空想の世界を見事なレヴュー形式で描き上げ三週続映の大ヒット作となった。
こうして生まれた狸御殿ものは、昭和17年、情報局の命令によって日活、新興、大映が統合され大映が発足しても引き継がれ、生みの親ともいえる木村恵吾の脚本・監督により、次々と大ヒット、大映十八番ものとなる。
(ワイズ出版・シリーズ映画 石割 平コレクションより)

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 颶風の剣士  1934.1.5
河合キネマ
2012年、 松山のたぬきサロン・山岡堯さんよりお知らせいただいた狸映画です。
大都映画製作作品。中島宝三監督、山本三八脚色の講談「八百八狸」の映画化。
前篇が1月5日、後編が1月15日に公開。
阿部九州男が稲生武太夫、稲葉喜久雄が犬神刑部に。
8巻、もちろん無声白黒。
阿波狸合戦 1939.4.13
大阪朝日座
小松島市の金長神社建立のきっかけとなった大ヒット作。監督・寿々喜多呂九平(すすきたろくへい)、八尋不二 脚本、高橋半 音楽。新興京都 1935米。主演の高山廣子さんは、無声映画からトーキーに至る頃、低音悪声を武器にしたという方。金長狸の娘役で。同年の「狸御殿」にも主演。

→生涯、一度でいいですので観たいものですが、映画フィルムは未だに行方不明とか。徳島の郷土史研究家・多喜田昌裕さんが、この映画フィルムを探して見えます。

小松島の金長・・羅門光三郎、屋島の禿狸・・荒木忍、淡路の柴右衛門・・尾上松録、鹿之子姫・・高山廣子、藤ノ木寺の鷹・・伴淳三郎 7巻 
文福茶釜 1939.9.24
大阪朝日座
依田義賢脚本・木藤茂監督。伴淳、森光子出演。

子狸たの吉・・伴淳三郎、お千代・・森光子 新興京都 1623米
・子狸が恩返しに茶釜に化けたことから騒動が。
狸御殿

1939.10.12
大阪朝日座
狸御殿映画の祖、木村恵吾 脚本監督。1947年にニュープリントで「笑う狸御殿」として公開されたとか。新興京都。これぞ初の狸御殿もの。

きぬた姫・お黒・・高山廣子、かちかち山の泥右衛門・・光岡龍三郎 1675米
続・阿波狸合戦 1940.4.18
大阪朝日座
大ヒット作の続編。八尋不二脚本・森一生監督 新興京都 1890米 

・対立する二派の狸合戦。藤の木寺の小鷹(南條新太郎)は覆面白装束の怪狸に助けられ・・・。

このちらしは、神田館という劇場のもの。お盆興行で、「ある弁護士の告白」(あまりの悲しさに非一般用映画、お子様は見れません、と注書が・・)と同時封切り予告がされています。
歌ふ狸御殿


1942.11.5 戦時下の大映京都作品、木村恵吾作品。カチカチ山で大火傷を負ったたぬき泥右エ門の娘、おくろは・・「シンデレラ」の時代物の香りで、文化遺産的作品?
サトウハチロー・古賀政男の作詞作曲、そして狸吉郎役の宮城千賀子さんが大ブレイク、一世風靡しました。狸の腹鼓がPOPしています。


 当時の評「狸映画役者としての高山廣子(おくろ役)の良さは、この映画では全く殺されてしまっている。彼女はかういふレヴィユ式の映画では生彩はなつ余地がない。」(上野一郎・映画旬報)〜とありますが、そんなに悪い印象はありませんでしたよ。

狸になった和尚さん 1946.11.19 大映東京、現代喜劇。春原重義(政久?)監督。さて、どんな映画なのか?羅門光三郎 主演
春爛漫狸祭



1948.6.29 戦後初の狸御殿もの。シンデレラをベース,白雪姫を加味した「オズの魔法使」に匹敵する作品。木村恵吾作品。大映。

2002.10 喜多川千鶴さんが男役狸吉郎、笠置シズ子さんのブギが光って、私的には山茶花究さんのカッパ男がみれて大満足。

花くらべ狸御殿



1949.4.17

村恵吾作品。大映。あの双葉十三郎さんがほめた!という狸御殿もの、水の江瀧子、京マチ子出演。

→2002.10 チャンネルnecoさんで、やっと観ました。やはりウワサだけのことはありました。水ノ江瀧子さん(この当時は、水ノ江)の男役黒太郎、そして喜多川さんがお姫様役。京マチ子さんの魔女愛々が見事!水・京のめくるめくバレエダンスが、妙にエロティックでぞくぞくさせてくれます。

侍姿でのタップダンス風殺陣もいいです。悪役さんの「わしが死なんと話がお終いにならんのだ・・」という最期もおかしい。狸映画の白眉。音楽(服部良一)、舞踏(飛鳥亮)、特撮(円谷英二)ほかスタッフのセンスが今も新鮮です。





浅草国際劇場では、この49年、「春姿狸御殿」(宮城千賀子)、「花くらべ狸御殿」(ターキー)、「満月狸合戦」(宮城・ターキー)と三本が上演されました。この年は、ちょっとした「狸」フィーバーだったようです。
狸銀座を歩く





1950.4.23 加戸敏監督。大映。水の江瀧子・灰田勝彦主演。現代もので、銀座の大劇場を舞台に歌って踊る狸の化け比べが楽しい・・らしい

ターキーこと水の江さんは、裕次郎映画のプロデューサー、「ジェスチャー」のキャプテンとして知っていますが、舞台でも「狸」もので大喝采という経歴の方です。ターキーは、TAKIKOの愛称なのでしょうが、TANUKIの・・かも?

→2002.10 やっと。チャンネルNECOさんありがとう。水の江瀧子さん、これって35歳の頃なんですねえ。狸王国の瀧姫が婚約者の仇を追って花の東京に。三木鶏郎さんの「冗談音楽」が観れるという作品。ひたすら嬉し楽し。



中山千夏さん著の「タアキイ」によれば、10代の松竹歌劇のころ、瀧子さん、楽屋での愛称は、「タヌキ」だったようです。タアキイさんって人は、大陸的なおおらかさを持った、ほんとタヌーキーな方なんですねえ。
エノケンの八百八狸大暴れ 1950.12.16 渡辺邦男作品。エノケンプロ・東横映画。
犬神小源太・・榎本健一、父刑部・・渡邊篤 
阿波狸屋敷


1952.2.8
同時期公開「女王蜂」「呼子星」
八尋不二・佐伯幸三作品。大映。オペレッタ形式でない狸もの時代劇。堀雄二・伴淳・アチャコ出演。
阿波おどり狸合戦

1954.3.13
同時公開「或る女」
八尋不二・加戸敏作品。大映。阿波狸合戦を踏襲した狸股旅もの。黒川弥太郎(小松の金長)・横山エンタツ出演。ポスターの謡いは「恋と剣の七化け八化け!やくざ狸の三度笠!絶対面白い狸の股旅映画!」とあります。見たいなあ!
    
  満月狸ばやし
                   
 1954.11.8
同時公開
「龍虎八天狗」
.           
萩原遼監督。東映京都。錦之助主演。 東映時代劇では、これ一本がたぬきもの。原作 旗一兵。川田晴久・高千穂ひづる・山茶花究 共演。
                    

七変化狸御殿




  1954.12.29   同時公開
「青銅の魔人」第一部・「力道山に挑む木村」
ひばり狸もの第一作。大曽根辰夫監督。松竹。フランキー堺のドラムも聞けるという和洋なんでもありの煮込み風作品。

ひばりさんのポップな唄が二重○。

ポスターもテレカも、なぜか買っちゃいました。ひばりさんが超キュートです


ひばりさんの歌では、「お祭りマンボ」「車屋さん」あたりが大好きなのですが、あのリズム感は、踊りのちょっとしたシグサをみても凄いです。ひばりさんのJAZZアルバムがあるとか・・聞いてみたい。



歌まつり満月狸合戦



1955.5.1
 同時期公開「のんき裁判」「緋牡丹記」
斎藤寅次郎監督。ひばり、いづみの競演。新芸術プロ〜新東宝。冒頭、カッパ軍団を引き連れ、川田晴久さんが歌い練り歩く姿は「WSS」のジェットソングばりです。そしてピーターパン姿のひばりさん(↓)が可愛い可愛い。

なんと若山富三郎共演。
狸王国ではちゃんとテレビで「人間界ニュース」が流れてまして、なげかわしい人間どもと、たぬきたちは悲しんでいるのです。

斎藤監督らしい、かなりのばかばかしさに満ちた映画で、狸御殿ものとは全く色合いの違った快作です。ひばりさんの歌が「歌詞」付きで・・映画カラオケ?。ただ、ビデオでは、映画の保存状態が悪く雨あられ状態です。山茶花究さんが悪役に。


昭和30年「少女」3月号付録・美空ひばり傑作映画マンガ「たぬきちゃん物語」(東浦美津夫 作画)。あまり映画とは関係ないストーリーですが、けっこう楽しめます。


この55年、浅草国際劇場で「唄祭狸御殿」が、ひばり・宮城千賀子で上演されました(1月9日〜21日)。左画像はそのプログラム。(ウラ表紙もUPしてみました。)この当時は映画一本とショウという構成でした。

ひばりさんものでは、56年5月17日公開「恋すがた狐御殿」(東宝・宝塚)という映画もあります。
怪談 本所七不思議 1957.7.10
同時公開「怪談累が淵」
2003.7 チャンネルnecoさんにて。この映画の存在は知っていましたが、「狸」ものということを、映画を観てはじめて知りました。

新東宝、加戸野五郎監督、林音弥・赤坂長義脚本。白黒55分。
江戸本所の「おいてけ堀」に古狸が人を化かしての悪戯を。古狸は捕えられたが、優しい殿様に助けられる。
そして、恩返しに、悪の限りをつくす天知茂さんらを「妖怪」となって・・という珍しい怪談もの。長兵衛狸とはいえ、娘(橘美千子)に変化しての登場。

狸御殿風なシーンもあり、ろくろっ首・傘お化け・一つ目小僧も登場して、見せ場たっぷりです。

大当り狸御殿

1958.2.26
同時公開「母三人」
リアルタイムで見ています。私10歳の頃。宝塚・東宝。佐伯幸三監督。狸御殿初のカラー。いづみさん(きぬた姫・お黒)主演でひばりさん(若君狸吉郎)は特別出演格。

ダイマル・ラケット、蝶々雄二の漫才も付いて浜村美智子の「バナナボート」まで聞けるというお得な一編。なにしろ私、このタイトルが好きなのです。初体験の狸映画にちなんで・・・。




阿波狸変化騒動

1958.3.23
同時公開「坊ちゃんの野球王」
新東宝。毛利正樹監督。明智十三郎・丹波哲郎。「八百八狸が勢揃い!恋と喧嘩に男を競うおぼろ月夜の化けくらべ!」

観たい!ポスターでは丹波さんがなにやら怪しげに歯をギラリと。金長狸・・明智十三郎、千手小太郎狸・・丹波哲郎。
初春狸御殿

1959.12.27
同時公開「関の弥太っぺ」
大映。狸御殿元祖の木村恵吾監督。カラースコープ。全編スタジオ内、舞台を観る感じの民謡中心の歌謡ショー。

若尾文子の狸姫と村人娘が主役。「僕の名前はタヌキチロー」と雷蔵が微笑み、勝新は薬売りで色っぽいカッパ女人?とからむ。
やっぱ、たぬきとのコンビは「河童さん」ですねえ。吉田正音楽。
お正月はこれです。今、この時代こそ、「200×・狸御殿」「平成狸御殿」を!


花くらべ狸道中
1961.1.3
同時公開「銀座っ子物語」
久々八尋不二の狸脚本・田中徳三監督。弥次喜多道中をパロディに、雷蔵・勝新がコンビを。浜口蔵之助音楽。江戸狸と阿波狸の対決といった背景で、テレビスタジオ風の趣、京都・桑名・三島と旅するカツライスふたり、外の風景もあり。

中田康子と勝の競演は見もの。勝が唄い踊る、それもモダーンに。フィナーレも圧巻です。「
アイラブユーアイブユーと勝〜好き好き好きと康子〜リズムで恋をするーと二人」、これです


歌くらべ満月城

1963.12.1
同時公開「結婚の設計」
2002年になっての新発見・・なんと松竹映画なんです。「畠山みどりの・・夢のお城で八百八狸の恋比べ歌比べ」、的井邦雄監督、島倉千代子共演、カラースコープ。観ていません、故に観たい!
狸穴町0番地

1965.6.12
同時公開「忍びの者・伊賀屋敷」
大映久々の狸もの。木村恵吾監督。→2002.2 やっと観ました。

あまりにも狸たちが可哀想。人間に見事騙されるわ、安住の土地に棲めなくなるわ
オクロ(高田美和さん)の恋は成らずと、実写版ぽんぽこの趣なれど、あまりに無力な狸たちに涙。春川ますみ狸にもう少し頑張ってほしかったなあ。

西郷輝彦、アチャコほか。「まみあなちょう」と呼びます。


CHECKERS in TAN TAN たぬき


1985.4.20
突然80年代になって出現した狸映画。チェッカーズの面々が、超能力を持ったたぬきたちという設定。
川島透作品。


この当時、世の中「タヌキズム」だぜ。みんなタヌキーでいこうよか。ちょっとしたブームでした?



 マスコットたぬき、最高!


体当り狸御殿


2002.10.12 21世紀、ついに登場の狸御殿映画。京都の蔵本ヒカリさん制作の「幻のたぬMOVIE」、スチール写真から御入場ください。

オペレッタ狸御殿

2005.5.28 「狸は人と恋におちてはなりませぬー」鬼才・鈴木清順監督が挑んだ夢の狸御殿物語。

美術・木村威夫。主演 チャン・ツィイー、オダギリ ジョー。平 幹二郎、薬師丸ひろ子、由紀さおり、そして美空ひばり CG競演。カンヌ映画祭招待作品 「素晴らしくて、天才的で、セクシーで、おかしい」(ニューヨーク・タイムズ)と絶賛。

  ○特集ペイジはポスターからお入りください。






以下
あ・ら・かると・たぬき


 駅前茶釜
        

 1963.7.13    東京/東宝。駅前シリーズ 第6作。久松静司監督・長瀬喜伴脚本。
分福茶釜の茂林寺を背景に。ここでは呑福どんぷく茶釜の呑福寺という設定
三木のり平さんが、狸に扮していろいろ化けてくれて大爆笑もの。番外・1968年「社長繁盛記」では、森繁、谷啓、小沢の三人が提灯、通帳、やかんをぶらさげ、狸様で「狸音頭」を披露しています。


映画に出てくる左甚五郎直筆の狸?

                                   




狸になった和尚さん

1946.11.19 大映 76分・春原政久監督作品

観念寺裏山に棲む 古狸、人もあらうに和尚さんに乗り移り、はなばなしき笑ひを提供!(宣材より)

和尚に羅門光三郎。先生役で小林桂樹。
タヌキ紳士登場


1948.2.26 飯沢匡原作・八住利雄脚本・小田基義監督。吉本プロ・東宝。エンタツ/アチャコの両たぬきが私服をこやす柳家金語楼をこらしめる、という話のようだ。キネ旬のベストテンで、16位に。
たぬき

1956.3.18 大仏次郎原作・萩山輝男監督。松竹。渋谷天外他松竹新喜劇オールスター映画という。たぬきは形容詞的な扱い。
狸小路の花嫁
1956.2.4 東映。林房雄原作、小石栄一監督、波島進・千原しのぶ主演。
たぬき坊主(ぼんず)


1970.4.8 渡辺祐介作品。松竹。たぬき部落と呼ばれる村を舞台にしたフランキー・堺主演の現代もの。
たぬきのいる町 1983 共和教育映画社作品。片岡照義作品。52分の教育映画で、信楽を舞台にしたもの。
たん子たん吉珍道中

1954.9.14・21・28 新東宝。毛利正樹監督。お姫様に助けられた子だぬきが恩返しに人間に化け、という時代劇。民放ラジオの映画化。松島トモ子・小畑やすし 主演。3部に別けて公開されたという。「1 豆狸忍術合戦」「2 江戸恋い馬子唄」「3 歌くらべ狸囃子」
ど狸


1964.2.29 田中重雄監督、京マチ子主演。すごいタイトルです。現代インチキ物語との副題とおり、詐欺的な意味での「狸」が。
天才詐欺師物語・狸の花道


1964.8.1 山本嘉次郎監督の東宝「狸」シリーズ1。小林桂樹主演。後日、「たぬきの中の狸」というタイトルで再映されているようです。
シリーズ2は「狸の王様」(66.4.16)、以下「狸の大将」(66.7.25)、「狸の休日」(高島忠夫主演 66.10.22)と続きます。東宝映画では、他に「三匹の狸」(66・鈴木英夫監督・小沢昭一主演))という作品も。



たぬきさん大当り

1967.3.19 短編アニメで東映春の漫画まつりに「サイボーグ009」他と公開されたもの。G・M・リード監督。山本早苗製作。

ps・ツカさん からの情報によれば、このアニメが完成したのは、1959年のことで、あまりのあまりさに長年お蔵入りになっていたようです。貧乏な狸がマンボのリズムで踊りコンテストに出場して・・といった
内容で、15分の作。一度、怖いもの観たさで観たい!


なお、アニメージュ文庫「アニメポスター史」によれば、59年7月公開とあります。


平成狸合戦ぽんぽこ
1994.7.16 何ももうしあげることはありません。劇場で2回、ビデオは2本、DVDは1本、購入してしまいました。




○資料 「銀幕の百怪」(泉 速之 著)より

1914年6月公開の無声映画に「松山狸騒(狸騒動)」(牧野省三監督・日活)というのがあり、
これが「狸映画」の最初になりますか。以下、「狸」関連映画の拾い書きを。

1914.6.下旬 松山狸騒 日活京都 監督・牧野省三 浅草千代田館
1914.10.下旬 狸騒動 天活 浅草大勝館 4巻
 ?    八百八狸 日活京都 監督・牧野省三 主演・尾上松之助
1915.2.上旬 文福茶釜 日活京都 脚本・吉山旭光、牧野省三 主演・尾上松之助
1915.5.中旬  狸御殿 天活 3巻 浅草大勝館 (麻布狸穴の由来)
1916.7下旬 奥山狸御殿 監督不明 主演・尾上松之助
1916.10.上旬 狸長屋 天活京都 4巻 浅草大勝館
1917.1.14 まみ穴御殿 日活京都 監督・小林弥六 主演・中村仙之助 4巻 浅草千代田館
1918.1.12 八百八狸 天活東京 監督・吉野二郎 主演・沢村四郎五郎 5巻 浅草大勝館
1919.12.14 文福茶釜と呑龍上人 天活 主演・尾上栄三郎  巻数不詳
1922.5.31 八百八狸 松竹蒲田 監督・吉野二郎 主演・沢村四郎五郎 浅草大勝館 巻数不詳
1929.8.14 八百八狸 帝キネ時代映画 監督・山下秀一 原作脚色・松平昌之 主演・明石緑郎(後藤小源太) 家老山口がお家乗っ取りを謀るが、城内に棲む刑部狸が小源太の姿を借りて悪事を暴く。 巻数不詳 大阪芦辺劇場

また、アニメーションものは、かなりの数の映画があり、「ツカさん」からメールでいただいたアニメ資料をここに「転用」させていただきます。ありがとうございました。
1977年「日本アニメーション映画史」育文社 より、資料としていただいたものです。

「文福茶釜」1928年。制作:横浜シネマ商会
「タヌ吉のお話」1931年。制作:横浜シネマ商会
「文福茶釜」1932年。制作:伴野文三郎商店
「茶釜音頭」1934年。制作:政岡映画美術研究所
「ポン助の春」1934年。制作:P・C・L漫画部
「カチカチ山(海・山篇)1934年。制作:P・C・L漫画部
「森の野球団」1934年。制作:政岡映画美術研究所
「新説カチカチ山」1935年。制作:J・O・Cトーキー漫画部。脚本、作画:市川崑
「日の丸之助・山賊退治」(三太と山賊)1938年。制作:芸術映画社
「カチカチ山」1939年。制作:日本動画製作所
「大当たり文福」(とびこんだ文福)1940年。制作:日本映画科学研究所(日本動画製作所の社名変更)
「カチカチ山の消防隊」1947年。制作:日本漫画映画社
「ポン助の春」1949年。制作:東宝教育映画。1934年の作品と同じ題名だが同一作品か不明。P・C・Lが後に東宝になるから同一作品かもしれない
「鬼とたぬき」1949年。制作:近代映画社
「狸の腹鼓」1949年。制作:日本短編映画社
「スポーツ子狸・野球篇」1949年。制作:日本短編映画社。
「愛の鐘は鳴りひびく」1949年。制作:日本短編映画社
「かきくけこ狸」1949年。制作:日本短編映画社
「スポーツ子狸・競馬篇」1949年。制作:日本短編映画社
「ポン助の腕くらべ」1951年。制作:東宝教育映画
「狸ばやし」1951年。制作:東宝教育映画、日本色彩映画
「スポーツ子狸・競馬篇」(カラー作品)1953年。制作:日本短編映画社
「ぶんぶくちゃがま」(人形映画)1958年。制作:電通映画社、人形映画製作所
「かちかち山」1958年。制作:近代テレビ映画社
「わんわん忠臣蔵」1963年。制作:東映動画
「たぬきの恩がえし」1971年。制作:民話社。

ps 京都の「ヒカリさん」から送っていただいたアニメ、昭和10年・1935年の「縞団右衛門」(日本マンガフィルム研究所・9分)、これはたぬきが悪役になっていて印象はよくないのですが、この当時のアニメというのを始めて見せて頂きました。感謝。

ps 2004年秋、チャンネルNECOさんで放映された「マンガ映画の世界」にて、2本「たぬき」ものが。
「動絵狐狸達引」(うごきえこりのたてひき) 1933年・制作:東宝教育映画 大石郁雄作品。・・たぬきの親子と「ワル狐」のお化け話。
「ポン助の腕くらべ」 は、上記のとおりです。・・・初めて「ポン助」に出会えました。これも大石郁雄作品です。



宝塚歌劇では、昭和32年に高木史郎作「年忘れ狸御殿」が、梅田コマで。翌33年には、東京宝塚劇場で「花の狸御殿」と改題され上演。44年に新宿コマで。

(なお、八千草薫さんが昭和51年2月、宝塚劇場花組「文福茶釜」の小ダヌキ役で大当りしたというのは 有名なお話です。) 

最近では、オールスターOB陣で、「桜祭り狸御殿」(2001.4 新宿コマ、梅田コマ)「桜吹雪狸御殿」(2003.4 新宿コマ、梅田コマ)が。2005年には続き「桜絵巻狸源氏」と。そして、今・・「桜合戦狸囃子」、2006年。

舞台ものでは、平成8年3月・新橋演舞場で、宮本亜門演出の「狸御殿」が。市川染五郎、牧瀬里穂の顔合わせで。このパンフは、c・w・ニコルさんの一文、三浦秀一さんの狸映画解説など充実しています。
平成8年11月・近鉄劇場で、鈴木 聡演出の「ABCミュージカル・狸」が。平安時代の古典「とりかえばや物語」を原作にした、木の実ナナさん主演のもの。







2005年11月・大阪松竹座、12月・新橋演舞場で公演されたのが「スーパー喜劇・狸御殿」。
藤山直美さんの「きぬた姫」、まさにこれぞ狸姫、いやあ観たかった。












再び、映画にもどって・・。
1960年代末期の大映(「狸」といえば大映です。)の「妖怪シリーズ」、「妖怪大戦争」他で登場する「妖怪狸」(大きな腹に思うところの様子を映し出すという妖怪テレビ局タヌキ〜ドラえもんのポケットのような機能です。)(ここだけの話ですがドラえもんのルーツは、「たぬき」らしいです。)とういうのがあります。

また、京極夏彦原作・酒井信行作品「怪・隠神だぬき」。京極作品では、最近も「妖怪狸」が・・。一度、このへんはじっくりと。
「隠神たぬき」、暗闇にひょいと現れた「実像たぬき」に、私、身震いしました。谷 啓さんがMISOなのです。

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