剣道部に入部した私は有頂天だった。自分たちで何でも考えて稽古を進めていける。
すでに入部をしていたKちゃんとSちゃんともすぐになじんだ。顧問の先生の勧誘でさらに2人の同級生も入部した。5人そろって何もかもが新しいそんな空間に飛び込んだ。
自分勝手な私にとって自由にできるというのはほんとに嬉しかった。好き勝手に稽古をした。今考えるとなんて恐ろしい稽古内容だったことだろう。基本なんてあったもんじゃない。地稽古という試合要領の稽古ばかりを繰り返していた。試合に出てもきっと勝てるそんな大きな勘違いも生れた。そして運命の日を迎える。剣道を始めて3週間弱 無謀にも私達は試合に参加した。

その日は 中体連夏季総体 あらゆる運動クラブが全国大会を目指して、臨む神聖な大会である。団体、個人にエントリーした私達は1回くらいは勝てるかな?も・もしかしたらもう少し・・甘かった 試合の内容はもう全然覚えていない。それくらいひどかった、うちのめされた当然といえば当然 でもそこで私の負けず嫌いに火がついた。絶対頑張る!!強くなりたい!!胴をはずされて 腫れ上がった肘に私は誓った。自分の稽古不足はそのまま自分に返ってくる。自分が頑張らないといけないんだ、そしてそれは団体戦の時にみんなに迷惑をかける。わがままな私が始めて学んだ”責任感”という言葉だった。

稽古した。素振りもした。基本稽古も頑張った。先の大会で友達になった他校の子達と練習試合も組んでもらった。あっちこっち出かけた。道場の稽古にも出かけた。学校での生徒同士の稽古からは考えられない稽古を経験した。つらかった、きつかった。 でもどんどん剣道にのめりこんでいく自分に気づいた。

私と剣道 入門編

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