ほととぎす

お手玉のときの数え歌です。なかなか信心深いうたでした。
一番初めは一ノ宮(いちのみや)

二は日光(にっこう)の東照宮(とうしょうぐう)

三は讃岐(さぬき)の金毘羅(こんぴら)さん

四はまた信濃(しなの)の善光寺(ぜんこうじ)

五つ出雲(いずも)の大社(おおやしろ)

六つ村々氏神(むらむらうじがみ)さん

七つ成田(なりた)の不動(ふどう)さん

八つ大和(やまと)の東大寺(とうだいじ)

九つ高野(こうや)の弘法(こうぼう)さん

十で所(ところ)の氏神(うじがみ)さん


これまで信心(しんじん)したけれど
浪ちゃんの病気は治らない

三月三日の蕨(わらび)折り
武雄(たけお)は浪子(なみこ)の手をとりて

浪ちゃんあぶない転(ころ)ぶなよ
心配なさるな武雄さん

武雄は戦(いくさ)にいくときは
白い白い真っ白い

ハンカチふりふりねえ貴方(あなた)
早くかえってちょうだいね

向こうでボウボウなる汽車は
武雄と浪子の別れ汽車

もう一度会いたい汽車の窓
泣いて血を吐(は)くホトトギス

別れて血を吐(は)くホトトギス


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