COLLECTOR

およそバーで流れている音楽といえば、ジャズというのがやはり定番である。手にしたそのグラスの中の魔法の液体とともに、夜へ夜へと深く誘ってくれる。雨音のしずくのようなピアノソロから全身がわき立つようなハードバップまで、解放された時間の上を心地よく彩るクールな感触。
それでも音楽という世界はもっともっと豊かな官能であり、未知なる出会いや発見が必ずあるはず・・・・・時には神経がさっと敏感になる楽器のコントラストや、激しく鼓動し旋回するビート、そしていつか聞いたことのあるような甘い旋律などが、移りゆく感情の襞にそってエモーショナルに起伏する。
洗練された気品もいいけど、少しばかり憂鬱で陰のあるまなざしの先に夜は流れていく。
コレクターのスタイルはオープンの時から変わらない。
色とりどりのカクテルみたいに音楽が、クロスオーバーしながらスピーカーからあふれ出す。

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