陽気ぐらし
人間が創造されたわけ
私たちのからだはどうなっているのか、科学の発達が、次々に細部まで明らかにしてくれました。とりわけ、遺伝子に関する研究が長足の進歩をとげ、驚かされるばかりです。考古学では人類の歴史をどんどんさかのぼり、一枚また一枚と神秘のベールをはがしていきます。
どこまでもミクロの世界へ、どこまでも太古の世界へ。探求心旺盛な人間のことですから、人類は「いつ」「どのようにして」つくられたのか、という情報はまだまだ私たちの手元に届けられることでしょう。
しかし、どうしてもわからないことがあります。人間は「だれが」「なんのために」つくったのか、ということです。それは、人間を創造した「元の親」に教えていただかなければ分かりません。
「元の親」を親神天理王命(おやがみてんりおうのみこと)と呼びます。親神様は「月日(親神様のこと)には人間はじめかけたのは、陽気遊山(ゆさん)が見たいゆえから」と教えています。人間が陽気ぐらしするのを見て、神も共に楽しみたい、そのために人間とこの世界を創った、という意味です。
自分中心の心づかいや行いは慎み、他の人々を勇ませてこそ本当の陽気です。異なる個性をもつお互いが、互いの良いところを伸ばし合い、足りないところは補い合う。そのようにたすけたり、たすけられたりしながら、共に生きることが陽気ぐらしの姿であり、それが、私たち人間の生きる目的なのです。
陽気ぐらしの世界は、人間だけの力で実現するものでなく、神とともに築き上げていく世界です。「人が勇めば神も勇む」といわれるとおり、たすけ合いのなかで人はイキイキし、その姿を見て親神様も勇む。親神様が勇むと、生きとし生けるもの、自然全体がいっそうイキイキとしてくるのです。
天理教は陽気ぐらしの実現を目指します。