ジャンボ干支が出来るまで



全長3.5m  高さ4.0m  重量300kg

辰水神社のジャンボ干支づくりは、16年前に営農転作グループである家所城山12人衆が、村おこしの一端としてはじめました。その後、地域住民を中心とした、ふるさと愛好会が引き継ぎました。
昔から、干支の下を潜ると一年間は健康で、ご利益があると言われています。
以来、毎年お正月には県内外からも、1千人余りの参拝者が訪れ人気を集めています。このことが今では、地域の活性化につながっています。

 完成までを全て紹介いたします。

11月21日(火)PM8:00〜
第1回目の会合を開催しました。久しぶりに集まったメンバーたちは、来年の干支である巳づくりの製作に、意欲をもって集まりました。
まず、全般の作業を取りまとめている組織長から、今年もまたよろしくとの挨拶ではじまり、その後、経験をもったみんなの考えをもとに、完成予想図の検討をしました。
津ケーブルTVの取材もあり、みんな緊張の趣きで意見交換をし、来年の干支づくりにかける意気込みに、計り知れない熱意が感じとれました。
今後の日程については、12月2日を皮切りに年末までほぼ毎日行なわれます。

12月2日(土)AM9:00〜
今日から本格的な作業にとりかかりました。
まずは設計図をもとにパイプでの骨組みからはじめました。一番苦労したところは、直径8cmのパイプを円形に曲げ、それをねじりがら垂直に立たせ、頭の部分を90度に曲げそして15度左へ向けることでした。
油圧式で曲げる機械と溶接機を駆使しながら、ほとんど神業にちかい作業を1日かけてやっとのおもいで仕上げました。


12月3日(日)AM9:00〜
今日は朝から小雨がパラつく寒い日でした。
昨日の続きと同様、溶接機を使っての骨組みの補強と、胴体にする発泡スチロールの接着板の取り付けをしました。溶接には本職が登場、テキパキとそれはもう見事な芸術作品が出来上がりました。
また、今日は津市方面から見学者があったり、新メンバーが加わるなど活気あふれる作業現場でした。


12月4日(月)PM8:00〜
昨日出来上がった骨組みに対し発砲スチロールを張り付けました。縦180p×横90cm×幅54cmの発砲スチロールをニクロム線で3等分に切断し、それをまた扇状に切り、更に半分に切ってパイプに取り付ける作業は思ったより難しいです。
ひとつ一つ現場合わせの手作業で、正確な計算と判断力が求められ時間がかかりそうです。とりあえず今日は、3ヶ所を専用の接着剤で取り付け終了しました。


12月5日(火)PM8:00〜
昨日と全く同じ作業を行いました。でも変わったことは作業速度が早くなったことです。学習能力が身についたのか、段取り早くなったのか、人数が多かったのか、昨日の2倍の6ヶ所をパイプに取り付けることができました。
作業が終わったあと、寿司の差し入れがあり
みんなで飲んだビールの美味かったこと。
12月6日(水)PM8:00〜
昨日に引き続き同様の手の動きでした。ただパイプのループが徐々に小さく、複雑に変化していき、何度もパイプに合わせ作っていく必要がありました。
仕掛けを中にはめ込みながら
取り付けは、面倒で手間がかかりました。


12月7日(木)PM8:00〜
今日は、最大の難所である胴体のひねり部分。尚かつ重なって上にあがっていくところを難なく一発でクリアした。
写真は上から見たところで、設置面の部分が貼り付けられ、確認点検をしているところです。

12月8日(金)PM8:00〜

これからが、いかにリアリティーに仕上げるかの始まりです。
へびは独特の生き物で、あまり好きになれなれませんが、何か神秘的な雰囲気をかもしだしています。出来上がりもそういった気持ちが伝わればと思っています。


12月9日(土)PM8:00〜
今日は、土曜日とあって人の集まりが悪く、まして緻密な計算を必要とする個所であるため、実質的な作業はありませんでした。明日への作業取り組みの相談をしました。
12月10日(日)
本日は英気を養うため休息日にしました。
12月11日(月)PM8:00〜
だんだんと難所に近づいてきました。今日は胴体から首にかけてのひねりの部分の製作をしました。幅25p、長さ50pの正方形の発砲スチロールを、幅25pを頂点に15度斜めに切り、それを半分にして交互にパイプの芯に巻きつけました。また完全に接着した部分をヤスリで削りはじめました。


12月12日(火)PM8:00〜
昨夜、少し雪が降ったせいか、今日は風が冷たくやけに寒い一日でした。
作業場もストーブの火を最大限にし、身体を暖めてから仕事のしやすいように足場組みから始めました。
発泡スチロールで、首のひねりの部分から頭にかけての、ゆるいカーブを丁寧に接着しました。また胴体の丸いところをイメージを描きながら、徐々に削り仕上げる作業もしました。


12月13日(水)PM8:00〜
全て骨組みに発泡を張り付けることができ、おおむね全体のバランスがつかめとれるところまできました。、あとは仕上がりまでお互いの感性をひとつにしなければなりません。
胴体を削った発泡の粉は、まるで真綿雪のように、衣服に付着してそれはもう冬一色の世界でした。


12月14日(木)PM8:00〜
最後の難所、頭の部分にきました。足場を組みその上にコンパネを置いての作業です。それでも届かないところは、お酒のケースを台にして行ないました。
写真はちょっと格好悪いですが、前日首を削りすぎて補修しているところです。まる一日この状態にしておけば、完璧に引っ付きます。



12月15日(金)PM8:00〜
定刻に作業場へ行くと、既に某TV局が取材に来ていました。今日は金曜日とあって人数は少なめ、作業を始めるや否やインタビューのあらし、唐突の質問に思うように対応できず残念でした。
昨日張り付けた首の部分の補修や、頭のカドをとり全体のバランスを
考えながら、作業を進め時間とのたたかいでした。
12月16日(土)PM8:00〜
今夕、またチラッと雪花が舞った。
冷たい手を擦りながら、身体は自然と干支づくり作業場へと
向いていた。やはり夜になると条件反射が働いてしまったようです。
ほとんど最終段階へ近づき、あとは頭と2m地上にセッティングした時の、バランス状態のチェックです。特に、首はネックとなるところなので、念入りに仕上げました。


12月17日(日)
今日はお休みしました。明日からまた頑張ります。
12月18日(月)PM8:00〜
1日充電日をしたせいか、改めて見ると何か変な気がした。頭の形がどうもネッシーに似ているようで、ちょっと滑稽な感じがしたので、頭の上と下あごを削ることで何とかヘビらしくなりました。
また、舌を出す仕掛けの作業も、ワイヤーなどを使って念入りに行い、失敗のないようにみんなでチェックを入れました。
全て高いところで、命綱を使っての命がけの作業でした。
12月19日(火)PM8:00〜
今日は陣中見舞いに、地元の名士と子どもたちが来てくれ、それはもう賑やかな作業場でした。
もう後一歩で完成という所まできました。あと荒削りと接着面のひずみ部分の修正をパテで施し、胴体の最終仕上げをしました。

12月20日(水)
今日は休みにしました。
しかし、昼間は地元幼稚園児がペンキ塗りをしてくれました。

    12月21日(木)PM8:00〜
昨日、園児がペンキを塗ってくれたあとを、今日は、ペンキが全体に行きわたる下地塗りをしました。
頭の部分は、少し手を入れ表現豊かに仕上げ、同時に目に電球を入れる段取り作業もしました。
色はアイボリー調でやわらかく、やさしい色目に仕上げていくつもりです。


12月22日(金)PM8:00〜
やっと最終段階に近づいてきました。今日はコンプレッサーを使って、刷毛で塗れない凹になっている部分と、貼り合わせした個所を注意しながら吹き付けました。これで完璧に防水加工が出来、雨水が張りぼての中に浸入することはありません。
あとは、目と腹をつくり完成です。
12月24日(日)AM8:30〜
風は冷たかったけれど、最高の晴天の中干支を載せる足場づくりをしました。山から間伐材のヒノキの丸太と枝を運び出し、寸法を測りながら鳥居の前にいつもどおりに設置しました。
干支の作業場では、腹の部分を淡いクリーム色で吹き付け、メリハリを付けました。
12月23日(土)
今日は休みました。明日念のため吹き付けを確認し、必要あれば再度吹き付けしたいと思います。


12月25日(月)PM8:00〜
目と舌を取り付けていよいよ最後です。目は赤い電球を付け、点滅するように考えています。また、舌は出たりへっ込んだりなるような仕掛けをします。
しかし、舌の部分が思ったより難しく、あまりリアルになり過ぎると、かえって恐怖感がわき、その分手間がかかりそうです。今日はできなかったので、明日、工夫を凝らし取り付けることにしました。
12月26日(火)PM8:30〜
最後に舌を付けて、やっと出来上がりました。しかし、舌がうまく動かない.。原因は曲線が多い、引っ張る線が長いなどが考えられ、もう一度点検することにしました。とりあえず29日の奉納までには、間に合うようにするということで今日は終えました。
12月27日(水)
今日は休みました。明日はホントに本当に最終仕上げにしたいです。

12月27日(水)PM9:45〜
しかし、ちょっと心配なので舌の取り付けに行きました。案の定、いろいろと創意工夫を凝らしても、舌の動きがうまくいきません。結局、29日の奉納の時には出来るように頑張ります。
12月28日(木)
明日に期待をかけて、今日は休みました
メンバーそしてスタッフの皆さん、12月の最も忙しい時期に、まして夜8時からの疲れきった時間に、本当にご苦労様でした。お陰様で皆さんの汗と努力の結晶が形となって出来上がりました。
高さ3.5m、長さ4.5m、胴回り1.7m、重さ約300sが明日神社に奉納されます。


12月29日(金)AM9:00〜
今日は、奉納の日にふさわしく、とびっきりの晴天でした。
心配していた舌の動きは、ちょっとした工夫でスムーズになりました。
早朝から地元の人たち、ふるさと愛好会のメンバーが作業場へ集まり、出来上がった干支を格納庫から搬出しました。
いつもながら各社報道陣が見守る中、約500mの沿道を子どもたちと共に、干支を神社へと運びました。
鳥居の前の設置台に載せ、お祓いを受け初詣に向けての準備は完了しました。


2001年1月1日(月)AM0:00〜
あけましておめでとうございます。
31日に干支を確認しがてら、年越し参りに行きました。干支は、スポットライトをあび目からは赤いランプが光って、それはもう神秘的な情景でした。
176段の階段を登ると、かがり火の周りには人並みが溢れていました。
しかし、元旦は寒さも加わってか人数は少し少なく、フリーマーケットはちょっと期待はずれでした。
2001年1月2日(火)AM9:00〜
例年に比べ参拝者の足並みは鈍く、報道の重要さが改めて身にしみました。でも、地元三重TVは元旦早朝から取材に訪れ、神社境内からハトを放つ瞬間や、ヘビの干支を放映してくれました。
フリーマーケットの干支写真や地元味噌等の販売も人数が少なく、21世紀へのスタートは厳しく、ここにも不況が波が押し寄せていました。