熊野鬼城太鼓イタリア珍道記

第3回国際大道芸能祭

2月19日(木)

 関西空港10:20発 ルフトハンザ航空にてフランクフルトへ。 14:55着  乗り換えてローマへ。 16:20発 18:05着 到着後ホテルへ (ローマ泊)

 午前3時集合にて、市長公室担当清水さんの見送りを受け車にて出発。

 関西空港国際線ロビーで添乗員植松英夫さんと待ち合わせ、日程等の説明、打合せ後 出国手続きをし、ルフトハンザ航空便にてドイツフランクフルト空港経由でローマへ。市内クラリージホテルで宿泊しました。

2月20日(金)

 午前中ローマ市内を視察。午後専用バスにてソレントへ移動。

 夕方ソレント市長表敬訪問。担当者と太鼓演奏打合せ (ソレント泊)

   ホテルにて現地日本人ガイドの出迎えを受け、専用バスにてローマ市内を視察。小型バスのため比較的駐車が容易で、トレヴィの泉、コロッセオ、真実の口、スペイン広場等すぐ近くに駐車して効率的に視察することができました。古い歴史を持つ建物があちらこちらに立ち並ぶ、街全体が古代美術館のような風景に一同圧巻され、改めてローマの持つ歴史の重みを実感しました。

午後は高速道路をひた走ること約4時間かけてソレント市へ移動。ホテルブリストルチェックイン後スーツに着替え、ソレント市にホームステイ留学中の中村 若菜さんの出迎えを受け、同行にて18時ソレント市役所を表敬訪問。

ソレント市内は思いのほか暖かく、市役所まで町並みを見学しながら歩いて行きました。市役所内で担当者のアントニーノ・フィオレンティーノ氏と日本人通訳ガイドの郡 真理子さんの説明を受けたあと市長室にてマルコ・フィオレンティーノ市長、エンニオ・バルバート市議会議長と面談。

     小畑から今回の国際大道芸能祭に招待頂いた事へのお礼を延べ、熊野市や松原竜宮太鼓、鬼城太鼓からの手土産を手渡しました。

 これに対しマルコ市長からは姉妹都市の熊野市からはるばる来てくれた事、太鼓の演奏をソレント市民が楽しみにしている事、また自分が11月に熊野市市制50周年に招待を受け、訪熊することをとても楽しみにしている事、これを機会に熊野市との友好がますます深まるであろうとの歓迎の言葉を頂きました。 手渡した手土産をその場でひとつひとつ開けて、中身の解説の手紙を見ながら手にとって見、またノートパソコンを立ち上げて昨年12月にソレント市を訪問した熊野市の子供の写真をパソコン画面で見せてくれたり、こちらからプレゼントした鬼城太鼓のCDを早速聞いてくれたり、竜宮太鼓からの土産のバチを持って振って見せてくれたり、終始和やかな雰囲気で冗談を交わしながら姉妹都市として互いの親交を深めました。

  その後、アントニーノさんの案内で初日に演奏するヴィラ・フィオレンティーノに行き、芸能際のプロデューサーを交え打合せ後、ホテルに戻りました。

2月21日(土)

  午前中ソレント市内視察。午後演奏準備、夕刻より太鼓演奏 (ソレント泊)

   ソレント2日目は曇りで強風の吹く天気ながら暖かい朝を迎えました。ホテルにて朝食後、タッソウ広場でアントニーノさんと待ち合わせ市内視察。コッレアーレ美術館や聖フランチェスコ教会を案内してもらいました。

コッレアーレ美術館はこの地方の貴族コッレアーレ家によって20世紀始めに建てられた館で、大理石でできたローマ、ギリシャ時代の建築的遺品、17、18世紀のナポリ及び外国産の家具、陶磁器、絵画が数多く展示されており、美術的価値としてかなり古く、有名なものもたくさんあるとの事です。 アントニーノさんは美術品にとても詳しく、丁寧に一つ一つの美術品を解説してくれ、植松さんが聞いたところアントニーノさんのお父さんも芸術家との事で一同納得しました。

     聖フランチェスコ教会のそばの僧院は8世紀前半に建てられたもので、教会も起源は1500年代ですが、1688年の地震の被害を受け、18世紀の初めに完全に建て直されたとの事ですが、いずれも中世の歴史を感じられるとても趣のある建物でした。視察後、アントニーノさんが予約してくれた海辺のシーフードレストランで昼食を頂き、ホテルに戻って準備後、ヴィラ・フィオレンティーノに向かい、太鼓をセッティングして、衣装に着替えて演奏の準備をしました。

   夕方になるにつれ、風が強まり、雲行きも怪しくなってきましたが、雨が降ることはなく、予定の18時にはすっかり暗くなり、会場の建物の前にはたくさんの人が集まってくれていました。定刻少し過ぎにプロデューサーから説明を受けていた通りの和太鼓のイメージとはかけ離れたヨーロピアン調のお色気むんむんの曲が流れ、女性のアナウンスに続いてジェット機音が鳴り響き我々の出番となりました。

   一人一人一礼をしながら登場し、太鼓の前に膝をつき、まずは即興の寄せ太鼓を演奏。聴衆の拍手を頂きながら小畑が日本語で挨拶し、曲名の紹介をしたあと、オリジナル曲の魔見島(マブリカ)を披露。演奏後は思いのほか多くの拍手と歓声を受け、我々の精一杯の演奏の気持ちが伝わったことを実感しました。

   太鼓の演奏に続いては、建物玄関で男女3名による曲芸があり、これも多くの拍手を受けていました。2グループの大道芸(?)披露のあと、プロデューサーが改めて2グループを紹介。会場から歓声と拍手を浴びました。

   そのあと、会場の聴衆に声をかけ、バチを手渡して子供たちに自由に太鼓を叩いてもらいました。また一緒に写真を撮ったり、サインを求められるなど、とても和んだ雰囲気となり、楽しそうに太鼓を叩く子供たちの顔を見て、太鼓の響きが国を問わずストレートに人の鼓動に伝わってくれたのだということを感じ、とても嬉しく思いました。

   片付けてホテルに戻り、遅い夕食の後、無事初日の舞台を勤め上げれたことと、好評を得た事の達成感で、一同ぐったりという感じでぐっすり寝ることができました。

2月22日(日)

  午前中ソレント市内視察。午後演奏準備、夕刻より太鼓演奏 (ソレント泊)

   3日目は雨が降り強風が吹き荒れる嵐のような朝になってしまいました。予定していたカプリ島に渡って蒼の洞窟を見学するというのは取りやめ、市内を見学しながら町の店でそれぞれ買い物をした後、アントニーノさんが予約してくれたタッソウ広場横のレストランで昼食を頂き、ホテルで準備後タッソウ広場に戻りました。

   ちょうど雨もあがってきましたが、広場横の屋根のあるカフェで叩かせてもらうことにし、太鼓をセッティング。夕方4時頃には通りも歩行者天国になり、多くの人が集まってきました。仮装をして通りを練り歩く人達もあり、祭りムードが盛り上がる中、演奏を始めました。今回はイタリア語でグループの紹介をしてもらい、小畑の日本語の挨拶を現地通訳の郡さんにイタリア語に通訳してもらって曲のイメージを伝えたうえで、寄せ太鼓と魔見島を披露しました。昨日よりもたくさんの聴衆に拍手を受け、アンコールがかかり、即興でもう一曲演奏しました。昨日同様演奏後は観客に声をかけてバチを持ってもらって、自由に太鼓を叩いてもらいました。

   タッソー広場での演奏の後、トラックに太鼓を積んで移動し、我々からここで叩きたいと頼んで許可をもらった16世紀の貴族集会所後のセディレ・ドミノヴァに太鼓ひとつを下ろして、寄せ太鼓を叩かせてもらいました。

   通りに戻って適当に太鼓を鳴らしながらトラックに積み込もうとしたところ、たくさんの人だかりができ、アントニーノさんからもう一度、通りで叩いて欲しいとの依頼を受け、再度魔見島を演奏。舞台で演奏するよりも間近で見てもらうことができ、演奏後アントニーノさんもとても喜んで、聴衆に熊野から来た友達だということを大きな声で改めて紹介してくれました。

トラックに太鼓を積んでヴィラ・フィオレンティーノに戻って、太鼓を日本に送るべく梱包し、2日間に及ぶ舞台を無事終了でき一同ほっとしました。

ホテルに戻り食事をしようと思っていたところ、アントニーノさんから町の別のところでソレント特産のオリーブオイルの品評会をしているので見にいこうとのお誘いがあり、車で移動。会場で責任者から色々な説明を受けたあと、なんとコップに入ったオリーブオイルを試飲してアンケートに答えてくれということになりました。太鼓の演奏の後で喉がからからだっただけに、これには一同閉口しましたが、一番いいといわれる種類と他のものを飲み比べ、オリーブオイルにも味がまろやかな物から後味が辛い刺激の強いものまであることを舌とお腹で痛感し、アンケートに答えてホテルに戻りました。

疲れとオリーブオイルの余韻からか、一同いつもよりも軽めの食事にし、部屋に戻りました。 しばらくしてアントニーノさんが市長代理の人と2人でホテルを訪ねてくれ、今回のイベント参加へのお礼の言葉と記念品をプレゼントしてもらいました。

大変喜んでくれたようで、また市長が11月に熊野に訪問することを楽しみにしている事を改めて伝えてくれました。

2月23日(月)

  午前中ポンペイの遺跡等ナポリ視察。午後ローマへ移動 (ローマ泊)

ソレント3日目は皮肉にも朝から晴天で、ホテル屋上で記念撮影等をした後チェックアウト。見送りに来てくれた中村若菜さんと市内で別れ、ナポリ方面に向かいポンペイの遺跡を見学しました。

遺跡のレストランで昼食。レストランではたまたま誕生日を迎えた国村にデコレーションケーキのデザートサービスをしてもらい、ハッピーバースデイの歌声で盛り上がりました。

昼食後は車窓からナポリ市内を見学したあと、高速にてローマに戻り、初日と同じ クラリージホテルで宿泊しました。

2月24日(火)

  ローマ6:50発 ルフトハンザ航空にてフランクフルトへ。 9:00着  乗り換えて関空へ。 13:00発 (機内泊)

     早朝3時起床にて空港へ向かい、機中朝食をとってフランクフルトへ。空港の免税店で最後の買い物をして、関空行きの便に乗り換え、一路日本へ。途中天候もよく飛行機からアルプスの山々を綺麗に見下ろすことができました。機中で昼食、夕食をとって機内泊。

2月25日(水)

 関西空港着8:35 車にて帰熊 16:30解散

     ほぼ定刻で関空に無事到着し、入国の手続きの後、添乗員の植松さんと別れました。

  植松さんからは、このような市の親善のためイベントに参加するという目的を持っ    た団体に添乗するのは始めてで、とてもやりがいを感じたという感想を話してもらい、一同握手をして別れました。

  特に時差を感じることもなく、車にて熊野に向かい、途中渡瀬温泉で旅の垢を落として、懐かしい日本食に舌鼓を打ち、夕方4時過ぎ無事熊野に戻って解散しました。

まとめ

  今回のイタリアソレント訪問に当たっては、1週間の長期ということもあり、仕事の休暇がとれるようそれなりに苦労して準備をし、参加させてもらったイベントであっただけに、メンバーの意気込みは強く、また姉妹都市熊野の看板を背負っての責任ある演奏だという思いもあり、2日間に渡る演奏終了後聴衆から予想以上の反響を受けることができ、本当にほっとしています。 また、異国であっても演奏者の気持ちがストレートに伝わる太鼓という楽器の魅力を改めて感じました。

  今回の訪欧では、親切で臨機応変に対応してくれる植松さんという添乗員さんにとても助けてもらったと共に、留学している中村若菜さんや現地通訳の郡さんにも大変お世話になりました。

  また、ソレント市の方達からもとても快く受け入れて頂き、特にアントニーノ・フィオレンティーノさんには3日間に渡り、市内の案内や食事の手配まですっかりお世話になりました。 マルコ・フィオレンティーノ市長も冗談を交えて楽しく面談頂き、11月の訪熊をとても楽しみにして頂いているようでした。

  移動の合間に視察として色々な所を見学させてもらいましたが、ローマをはじめナポリやソレントもとても歴史を感じるところで、極自然に中世の建物が現存する町並みに圧巻されました。今年世界遺産登録を受ける熊野古道について、今後如何に保存し、観光資源として活用していくかのヒントが姉妹都市ソレントにあるような思いがしました。

  今回このようなすばらしいイベントに派遣頂き、様々な経験をさせて頂きました熊野市にとても感謝しております。今後もふるさと熊野の鼓動を我々の太鼓の響きで多くの人々に伝えられるよう精進を重ねたいと思います。本当にありがとうございました。



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