R-CAPについて
R-CAPには2つの問題点がある、一つは思い込みに対する裏づけを与えることである。R-CAPは(記憶に従えば、)100項目にわたる質問の回答を基礎データとして用いる。よってその時々の自分の描く将来像にその質問を結びつけてしまうのだ。極端な例を言えば、自動車業界を志望している人物に「車が好きか」と問えば、「嫌い」を選ぶ人はそれほどいないはずだ。当時自動車業界を希望していた作成者は自動車製造ラインの品質管理が最も適正な職業となっていた。より詳しくはR-CAPの分析の項に譲ることにするが、このような思い込みを過信まで引き上げる可能性があることは強く警告しておかなければならない。
R−CAPによる今一つの問題点は、賢明な諸氏には無用であるかもしれないが、職種選択のよりどころとしてしまう可能性があることである。当時の私はただの自動車好きであり、仕事としての自動車業界という認識が薄かった。自動車狂いの人々の中で一緒に仕事をするのは楽しいだろうと言った程度の認識しか持ち合わせていなかったのである。ここで一言言っておきたいのは、管理者はただの自動車の好事家ではない。自動車のそのフォルムの芸術性やエンジン音・加減速の動きの官能性、自動車空間の精神作用などあらゆる意味での自動車の生き字引といっても過言ではないかもしれない。そしてそのそれぞれの知識から来る現状の問題点も枚挙に暇がないほど持ち合わせているつもりだ。話を戻そう、以上述べたように管理者の興味は自動車のデザイン・マーケティング、つまり商品開発に対してであることがお分かり頂けると思う。しかし実際の就職活動においては、R-CAPの結果に逢った品質管理を第一に挙げることとなる。今から考えれば愚行としか言えないこの行動は実際に近年就職活動をされた方ならお分かりいただけるかもしれない。
想像していただきたい。果たしてかつて経験したことのない職業が実際の就労経験のなかでどのような資質を必要とし、自分がどの職業に向いているのかなど判断することは可能なのだろうか。それよりも毎年数多の人々のデータの結晶による結果により強い説得力を見出すのではないだろうか。それでも強い信念と詳細な業界研究によって、自ら判断を下さなければならないのだろうか。
管理者: 森下直紀
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