特集:自動車業界の再編成

自動車業界再編成
もう何年も前から自動車業界再編成の動きが絶えない。これには、国際化、情報化も大きく影響している。
最大の業界?とも言える自動車業界は、最新の科学技術や経済動向が大きく反映している。
日本の場合
まず、日本の自動車業界から見てみよう。
今、世界No1の自動車会社が日本のトヨタである。そして、これにマツダ、スバルが参画して「トヨタ連合」を形成している。
消費者からすれば、この連合により、様々な技術が組み合わされ、ユーザーに魅力的な自動車が提供される期待がある。
ただ一方で、一部の大企業が寡占状態になり、ユーザーに不当な負担を強いることのないよう、しっかり監視していくことも必要であるだろう。
これに加えて、最近、名誉会長が亡くなったスズキもトヨタに近い。スズキは軽自動車業界の有望な存在であり、トヨタもこの連携に意欲的であると思われる。スバルも軽自動車部門を持っており、軽自動車を含めた勢いのあるトヨタグループが形成されつつある。
他方で、最近話題になっているのがホンダ・日産統合の話題である。一部ではホンダの吸収合併になるのではとの噂もあったが、2月13日現在、吸収合併の話は原点に戻った。しかし、両社とも、今後の互いの協力には意欲を残している。
日産はゴーン会長の逃亡劇もあり、それ以降、低迷が続いているが、フランスのルノーとの資本提携後、ルノー傘下に入ったが、2023年に入り両社の資本関係を対等にすることになった。また、三菱自動車も日産・ルノーと提携してルノー・日産・三菱アライアンスを結成している。
このように、日本の自動車業界は世界の自動車業界も含めての再編の動きになってきており、どのように展開するか状況が読みにくくなっている。
ホンダ・日産の統合問題でも、三菱自動車が参画するかどうか微妙である上に、フランスのルノーがからんでくると統合の話がどう展開するか非常に読みにくい。
ホンダの取引銀行は三菱UFJ銀行がメインバンクであり三菱グループである。ホンダと三菱自動車の関係も微妙である。
もし、仮にホンダ・日産の経営統合がなり、三菱自動車もそこに参加するとなると、日本の自動車業界は、トヨタグループ対ホンダグループの構図になる可能性もある。
私もホンダ車に載っているが、ホンダが2021年6月を以って軽自動車の生産中止を決めたことが報道された。なぜか、と思っていたところへ日産との統合の話である。
今、軽自動車業界は、スズキ、ダイハツ、ホンダ、日産三菱合弁会社の四社である。ここ数年間の新車販売台数は、ホンダの軽自動車N-Boxが、全自動車のうちで最高の販売台数を記録している。その反面、乗用車部門はトヨタの独壇場になっている。しかし、日本での軽自動車の販売台数の比率は30〜40%であり、重要な位置を占めるようになっている。
このうち、スズキ、ダイハツはトヨタ系列であるが、ホンダ・日産・三菱がもう一つの系列になりそうな状況にもなっている。
このような自動車業界の状況の中で、ホンダは軽トラック部門をなくして、軽自動車をNーBoxなどの人気車種に絞り込みたいのかもしれない。
この自動車業界の現状は理解できなくはないが、ホンダの軽トラックを使っているユーザーとしては、ホンダはどちらを向いて自動車づくりをしているのか、納得のいかない気持ちが残る。
ここで、各自動車会社のこれまでの代表的なクルマを紹介したい。これは、私の独断で抽出したものです。みなさんは、どのような車種を選択されますか?
なぜ、私がこの車種を選択したのか考えながら、見ていただくのも面白いと思います。なぜなら、私には私のカーライフがあり、皆さんにはみなさんそれぞれのカーライフがあるからです。
ちなみに、これまで私が乗った車種は、三菱ギャラン・ランサー、日産サニー、ホンダフィット、フィットシャトル、Nboxです。トヨタ、マツダ、スバル車には乗っていません。乗ったことのない車には乗れるうちに乗ってみたいですね。


世界では、まずはUSAから
それでは、世界の自動車業界再編成の動きを見てみよう。
まず、アメリカ合衆国であるが、トランプ氏が大統領に再選され、「アメリカNo1」を掲げて、世界のリーダーたらんとしている。
これが、今後の世界の自動車業界の動きにどう反映するか微妙であるが、従来からのUSAの三大自動車メーカーは、ガソリン車を中心としたフォード・GM・クライスラーである。
このうち、クライスラーは経営危機から多国籍企業化し、その後、中国の汽車集団やフランス政府の関与、そして、現在は、オランダに本社を置くステランティス企業となっている。
この三大自動車メーカーに、電気自動車のテスラ社が加わってきている。テスラ社のCEOイーロン・マスク氏は、トランプ氏の懐刀的な存在で、USAの経済の動向を左右しかねない。
V8ガソリンエンジン車中心のUSAの自動車界に電気自動車を持ち込んだのがテスラ社であり、マスク氏は、旧Facebookの買収や宇宙産業にも投資している。そのマスク氏がトランプ氏の「政府効率化省」のトップになっている。
USAの自動車政策は、外国製の自動車を輸入して良しとするのではなく、自国アメリカで生産できるようにする方針である。
例えば、日本のトヨタもLEXUSという高級車ブランドを北米で立ち上げて、北米で生産している。
このように、アメリカ合衆国では自動車企業の多国籍化や自国生産化が進みつつある。
トランプ氏は実業家出身だけに、金回りの良いマスク氏を懐柔する政策に出たのかも知れない。しかし、トランプ氏がテスラ車に乗っているという情報は聞かない。
ちなみに、トランプ氏のこれまでの愛車は、大統領専用車は別にして、ランボルギーニ・メルセデスベンツ・ロールスロイスなど5L以上の大排気量のV8またはV12型エンジン搭載の豪華なクルマであり、大排気量のアメ車はGMのシボレーカマロであるが、いの一番に選んでいるのでもなさそうである。
いずれにしても、アメリカは大きなマーケットであり、経済大国であるので、アメリカの自動車産業の有様は、世界の自動車産業、経済に大きな影響を与えることは間違いない。今後の動向に注目したい。 最後に、アメリカの代表的な自動車を紹介しておきたい。

GM 1977年製
キャデラックデビル
GM 2020年製
シボレーコルベット
1977年製
クライスラー
最近の
クライスラー
Ford 1977年製
リンカーン
Ford 2018年製
マスタング
テスラ
モデルX
テスラ
セミ5

ヨーロッパの自動車業界から
次に、欧州であるが、さすがに、欧州は自動車発祥の地だけあって、多くの自動車企業が乱立し、離合集散を繰り返している。
各国にそれぞれ伝統的な自動車会社があり、設立時のコンセプトを必死で保持している。それが、このあと述べるような欧州の自動車産業社会になっているのではないかと思われる。
現在、欧州で最大の自動車メーカーはVWグループ(VWのほかに、アウディ・ランボルギーニ・シュコダ・ポルシェなどが参加)であるが、ほかにも、BMWグループ(これにはBMWのほかにイギリスのMINI、ロールスロイス参加)、メルセデスベンツグル―プ、ルノー、そして、アメリカのクライスラーを継承した多国籍企業であるステランティス(フィアット・アルファロメオ・ランチア・マセラティ・アバルト・プジョー・シトロエン・DSオートモビルズ・オペル・フェラーリなどが含まれる)などがあり、百花繚乱の状態となっている。
欧州は、アメリカ合衆国とはまた異なり、ECの問題など、それぞれの歴史やポリシー・プライドを持つ国々の集合であり、そもそもECC=欧州経済連合から始まった歴史に見られるように、一つの連合体とするには、あまりにも長く重い歴史がある。
これ以外にも、中国、ソ連、インド、東南アジアなど様々な国や地域の事情があり、将来的に自動車業界がどうなっていくのか、不安もいっぱいあるが、別の見方をすれば、人類の英知を集めて、素晴らしい自動車が誕生する可能性も秘めているともいえる。
国際化、多国籍化、情報化、AI化などのキーワードをどう活用し、どう人類の楽しみや喜びや幸せにつなげていくのか、ヨーロッパ自動車産業界の発奮に期待したい。
最後に、ここでも、私の独断でヨーロッパ各国の自動車を取り上げてみたい。読者の皆さんもご存じの車もあるかもしれません。懐かしさも含めてご覧ください。

VW(フォルクスワーゲン)グループ
世界の大衆車VWビートル
GM 2020年製
ゴルフ第二世代
1986年製
アウディクワトロ
ランボルギーニ
カウンタック
チェコのシュコダ130S
ラリー車
ポルシェカレラ
クーペ
BMWグループ
セダン型スポーツカー
BMW M3
MINI Cooper
R56
1999年製
ロールスロイス シルバーセラフ
メルセデス・ベンツグループ
1995年生 300SL
ガルウィングクーペ
2011年 SLS AMG
ガルウィング
2015年製
AMG GTカー
2022年製 電気自動車
ドイツ・中国合弁会社
2016年製 二人乗り電気自動車
ドイツ・中国合弁会社
2023年製 SUV電気自動車
ドイツ・中国合弁会社
ルノー・日産・三菱グループ
R8ゴルディーニ
4輪独立懸架・4輪ディスクブレーキ
アルピーヌルノーA110 1800
軽量・RR方式のラリー名車
2021年製 電気自動車
日産ノート第三世代
2025年製 電気自動車
日産セレナ、1.4L3気筒エンジンで発電
ステランティスグループ
フィアット・アバルト131ラリー
FRモデルで軽量化,ラリーで活躍
アルファロメオ300Ti
アルミ合金製DOHCエンジン搭載
WRC目的のスポーツカー
イタリアのV8エンンジン搭載
最高速300q/hのスポーツカー
チューニングメーカーアバルト
1368CCながら135馬力にチューニング
プジョーのWRCカー
永久の名車シトロエン2CV
空冷2気筒エエンジン・操縦安定性・居住性・経済性
フランスの中上級車
ハイドロニューマテックシステム採用
バランスの取れた標準的なラリーカー
フェラーリの最高傑作F40
最高速度300q超市販車


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