私と剣道 苦難編

剣道三昧の高校生活を送った 私も 再び 岐路に立つ時が やってきた。
”大学受験”だ。 指導者になりたい それは剣道だけじゃなく子供達と一緒に学ぶ道 つまり教員になりたいと言うのが、私の夢だった。その夢を 達成すべく 竹刀を鉛筆に変えて頑張った・・・が無理だった。第一志望の国立をはじめ ことごとく すべりまくった。やっぱり 文武両道 口で言うほど簡単ではなかった。 結局 残された道は2つ地元の短大か それとも二次募集でひっかかった 隣の県の四大か・・・
私は 高校受験のときに 選択しなかったほうの道を選んだ。 剣道をやってみたい・・・
私は 未知の世界 体育学部への進学を決意した。

入学当初 不安でいっぱいだった。 まったくの未知の世界 集まってくる スポーツエリートたち
剣道部への入部は 最初あきらめた 稽古を見学して いかに自分がこれまでやってきたことが ちゃちで 自己満足だったかがわかった。はんぱじゃない・・・ さすがの 私も すっかりビビってしまい 恥ずかしくも逃げ出してしまったのである。

剣道部をあきらめ 私が選んだのは運動生理学の研究室だった。”スポーツを科学する。”そこには 色んなものがあった。”腕を曲げ伸ばしする”そんな簡単な動作一つ一つにも たくさんの不思議が 隠されていた。私は 夢中になって勉強した。それは大学受験のために ただ 試験のテクニックだけを たたきこまれた高校時代の勉強とは全く違う 自ら学ぶと言う 新しい世界だった。
このまま 剣道を離れていくのか ?? でも そのときの私は 新しい世界の魅力の方が大きかった。

そんなある日、武道学科の ”寒稽古”の お知らせが 目にとまった。
寒稽古?! どこでどうなって そうなったのかは わからない。無謀にも 私は寒稽古に参加してしまった。朝6時半からの稽古。でも 6時前には 同じ1年生の子達と 道場にいたような気がする。稽古の 途中で しらじらと夜があけ 朝の光が 道場に差し込んでくる。始めは 寒くて動かなかった体は 次第に上気してくる。独特の寒稽古の 雰囲気に私はすっかり 酔ってしまい また 自分の中にどれだけ 剣道のパーセンテージがしめていたかを 再認識した。
やっぱり剣道がやりたい!!!
考えられないことではあるが 私は 剣道部への途中入部を 決心した。

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