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ひとりごと 5 2000ねん7がつ
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主婦の登山
〜家族を残しての登山〜
家族を下界、つまり家に残して、山好きの友達と登山に出かけるとなると、
何月何日に、登山に出かけるので後のことはよろしく。
と言うにはちょっと後ろめたく気が引ける。
主婦が朝早くから外出し、夕食に支障をきたす外出は、
結婚して15年になるが、そうそうあることではない。
子供が学校から帰ってくる時間には、ほとんど家にいる。
それが専業主婦のつとめというように、わが家では、掟になっている。
うちの夫は、お昼ご飯は家に帰ってきて食べる。
したがってお昼には夫の帰りを待って、昼食の準備をしなければならない。
もし、外出するのであれば、お弁当を作って出かけるという習わしが15年続いている。
結婚して間もない頃、友達や姉とショッピングをしていたら、
お昼には帰れない時間になっていたことが多々ある。
「しまった。」
と思って、電話をかけるが、電話の先では、もう不機嫌な夫の声が返ってくる。
「やってしまった。」
後悔するが、時すでに遅しと、買い物から帰って夫の顔を見ると、やっぱり怒っているようだ。
そんな繰り返しを15年過ごしてくると、だんだん萎縮してくる自分がいることに気づく。
しかし、結婚して15年の古女房になると、夫の怒りも最もだと納得する。
亭主が働いているのに、仕事もしないでショッピングだ、やれ女友達とのランチだと
食事の準備もせずに家を空けて遊び続けていれば怒るのももっともだ。。
専業主婦の私が山に行かせて欲しいなんて、せいぜい月に1度か2度の事ではあるが、
気が引けるのである。
それなりに根回しが必要になり、下準備をし、帰ってきてから家事がスムーズに出来るように、
夕食の下ごしらえまでしなければならない。
これで、泊まりのある登山に行こうとするのは、自殺行為だ。
離婚と言うことにも成りかねない。
「エプロン脱いで山に行こう」とか
「女ひとりの快適山歩き」などのような本のようにはいかないのが現実である。
家族が出かけ、家事をやり終えた朝の9時過ぎから午後子供が帰ってくる
3時、4時過ぎには家に戻っていなければならないという、
悲しいかな、そんな少ない時間での登山は、登山ではなく「ハイキング」「ウオーキング」
でしかないのである。
ささやかな時間をどうにかして山で過ごそうと思い、
近郊の低山に出かけてみるのである。
幸いにも私の住んでいるところは、田舎で、しかも山間部である。
ちょっと車を走らせたら、登山口に到着するのである。
大都会のように気軽にショッピング・・・の様に気軽に登山なのである。
家族の出かけた後、戸締まりをし、山へ出かけ自然を満喫し、
洗濯物を取り込む時間にはもう家にいる。
そんな程度の登山であるが、今は夢中なのである。
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