〜思い出話シリーズ〜   [戻る]
音楽と音と/kksさん

< 幼年期 >
 父親が真空管ラジオとトランジスタラジオをラジオ第一放送と第二放送にあわせ日曜日の朝、「立体的に聞こえる」と喜んでいました。でも、幼稚園前の僕には分かりませんでした。
 レコードは17cmのターンテーブルにSPとLPモノラルを切り替えて聞くセラミックピックアップがついたレコードプレーヤーをテレビか真空管ラジオにつないでいました。なぜか、ベイヌム/コンセルトヘボウのクルミ割り人形(25cm版LP)がお気に入りになっていました。
 真空管ラジオのスピーカーにはってあった布製のネットには穴があいていて、音が出るときにスピーカーが震えることを指で確認。即、叱られました...

< 成長期 >
 中学2年生になり、やっとステレオを購入してくれました。
 もちろん、家族全員のため。3点セットになったパイオニア製でマルチアンプが流行していた時代のもの。うろ覚えですが製品名は IS-90。

 レコードが高くかつあまり音が良くないためにソニーのTC-6360というスラントタイプ(パネルが斜めになっている)のオープンデッキにFMを録音してポピュラーに傾倒。LPではサイモン&ガーファンクルの「明日にかける橋」ばかりを繰り返して聞いていました。ビートルズを知らないうちに高校へ。

 音楽ソースとしてFMが当然という時代で、高2の春に「はじめてビートルズのアルバムが放送される」というのでしっかりと録音(1972年3月)し、ビートルズの偉大さを確認。

< 学生時代 >
 それまで育った静岡県から京都に下宿。今風にいえば、6畳何にもなし・すきま風特別サービスのボロ下宿。入れ物はそれ相応でも大家さんが学生好きで、学生同士も毎晩ダベリング。

 2回生の頃から抑えていたオーディオへの思いが開花し第1期として「ヘッドフォーンとカセットデッキとFMチューナー」を大学生協で購入。

  ヘッドフォーン: パイオニア製(オープンエアタイプ、型番失念)
  カセットデッキ: ティアック A-360
  FMチューナー: ソニー ST-5150D

 半年もしないうちに、プリメインアンプとレコードプレーヤーと自作スピーカーを加えることになりました。

 プリメイン: ビクター JA-S41
  プリとメインの電源をわけてあり、値段の割に好評なアンプ。
 レコードプレーヤー: テクニクス SL-1700
  中学生の時に発表されたダイレクトドライブでなければオーディオでない
  という思いとレコードの終わりはオートアップになって欲しい気持ちで選
  んだ身分相応のプレーヤー。
 スピーカー: フォステックス FE-103
  学生の味方、低価格のFE-103を適当に設計した12mm厚ラワン材を糸鋸で切
  断し作り上げたバスレフスピーカー。音はガッカリ。下宿の防音効果が0の
  ため極小音量再生になっていました。

 キース・ジャレットのソロコンサートが流行っていた頃。学生時代に最初に買ったレコード(LP)はキース・ジャレットの「残氓」とポリーニが弾くショパンの「エチュード」

 下宿内で部屋を移動し、日の当たる2階へ引っ越し。同じ6畳でも気持ちいいけど安普請で歩くと床がグワングワンと揺れていました。部屋が壊れなければいいと毎晩お祈りをする位の柔構造。

 オーディオは一息おいて音楽喫茶やジャズ喫茶にも行くようになりました。

 碌山 タンノイのIIILZ(だと思う)でしっとりとクラシックを流していました。
  お客さんの音楽に対する理解が深く勉強になることばっかり。クレンペラーの
  指揮するマタイ受難曲を何回かにわけて聴かせてもらいました。
 オーティ ジャズ喫茶。怪しげな地下に入ると強烈な音。JBL4343とアルティッ
  クのA-7を交互に鳴らしていました。A-7の荒いけどプレーヤーの息吹とい
  うか気持ちが伝わる音に比べ、4343のまとまらない冷たさにJBL嫌いになり
  ました。
  JBLファンの皆さんゴメンナサイ (^^;;
 ふんじゃらーむ エレクトロボイスのセントリーというオールホーンスピーカー
  を真空管アンプで柔らかくそして熱く鳴らしていました。今思うとUV845か211
  を使った手作りのような気がします。それをソニーかガラードのタンテーブ
  ルにオーディオ・テクニカのAT-1501のロングアームでプロっぽくサポート。
  店の空間が大きいこともあるのですが、何とも言えない暗く、日常生活を忘
  れさせ、そのままいい意味の怪しさに取り込まれてしまうような雰囲気が漂っ
  ていました。
 しゃんくれーる 御所の東、鴨川の近くにあり「二十歳の原点」で有名(だったそ
  うな)、1階がクラシックで2階がジャズ。2階はついに足を踏み入れず。スピー
  カーはAR-3。

 YAMATOYA 熊野神社の近く。ヴァイタボックスのCN-191とマッキントッシュの
  組み合わせ。学生よりも大人になってから行きたい店。
   2003年12月に家内と行ったとき、tea for twoをかけてくれたお洒落さもあ
  ります。
 アルペジオーネ(現在はアルペと改称) 高野泉町にあるクラシック喫茶。タン
  ノイGRFをラックスのプリ5C50とメイン5M21で鳴らしていました。マスターの
  人柄から、年齢に関係なく音楽やオーディオ好きが集まり話題が豊富でした。
  営業終了後にいろいろとオーディオいじりを許してくれたので、GRFの体に迫っ
  てくるコンサートホールのような音とオルトフォンSPU-GTEの音の厚さとを教
  えてもらいました。
   マーラーの二番の最終楽章をメータ/ウィーンフィル(キングレコード)で何
  度もリクエストしていました。

 こんな経験が今の基盤になっています。