〜思い出話シリーズ〜   [戻る]
私の音楽との出会い/FUKUさん

 私の音楽との出会いは、中学時代に吹奏楽部でトロンボーンを吹いたことから始まりました。顧問の井上先生には、とてもかわいがっていただき、コンクール前に、必死に練習し全員の気持ちがひとつになった演奏ができた時の、ぞくぞくするような感動を、今でもよく覚えています。

 高校を卒業し大学で勉強するために、福岡に下宿しました。そこで、アルバイトしてダイヤトーンのP610を自作ボックスに納めたのが、私のオーディオの入門となりました。それから大学を卒業して、当時の人気の日立のHS−500に買い換え、オーディオの楽しさに開眼しました。そして、その次に出会ったのが、長年あこがれ買いたいと思っていたタンノイのVLZ(ゴールド)とラックスSQ38FDの組み合わせです。この装置で、本格的にクラシック音楽を追求して、ハイフェッツのバイオリンなどを聴き、タンノイ党へ入会しました。タンノイで初めて聴くその弦の美しさに感動の日々を送りました。

 その後スピーカーをVLZからタンノイのヨークへグレードアップしてワルター、グールド等を聴き、さらに音楽を聴く楽しさに夢中になっていきました。それから、色々なオーディオ製品を購入して、オーディオの深みにはまっていきました。それを救ってくれたのが、私のスピーカー遍歴の終着駅として現在も使っている国産のオートグラフ(TEAC製)でした。このスピーカーを手に入れてから、装置を単純化しました。メインアンプをウエスタンの300Bを使い、プリアンプには、マッキントッシュC−22を揃えてから、安心して音楽を聴くことに専念できるようになりました。

 オートグラフを中心とするオーディオ装置が揃い、それを生かすために昭和59年に、ささやかながら和風のオーディオルームを作りました。部屋を作って初めて、オートグラフがまともに鳴るようになりました。タンノイ・オートグラフは、タンノイだけのもつ包み込まれるようなコンサートホールの音を聴かせてくれます。音楽だけにのめり込ませ聴く者に感動を与えてくれます。それ以後は、装置を一切いじらず、このタンノイオートグラフだけで20年間音楽を聴くことに専念してきました。

 今後の私の音楽美の探求について書いてみますと、  一つ目は、音楽のすばらしさ偉大さに感謝しつつ、音楽を日々聴きこみ、自らの感性を高める努力をし、自分の心と対話するような音楽を求めていきます。
 二つ目は、ゆったりした気持ちでクラシック・バロック・中世の音楽やモダンジャズに接し、自然でやわらかな音色のする音楽作りをめざし、1つの文化まで高めていきたいと思います。
 最後に、美しい自然や素朴な花との出会いに似た美しい音との出会いを求めて音楽を聴き、人間を大切にして生きていきたいと思います。