レポーター:田舎のGRF(2004.12.8更新)
2004年11月7日。
朝九時半、天気は快晴、ホテルのロビーからは美しい富士山が見えました。
音楽人さんの助手席に乗り込み、いざ東名高速を東へ。
御殿場のE氏宅へ向かいました。
御殿場からは間近に富士山が見えて超ラッキー、もうこれだけでもやって来た甲斐があったとゆうもの。
富士山周辺にお住まいの方は幸せですねぇ。
E氏のルームは自宅ガレージの二階の洋室と和室の続き部屋でした。
和室の奥の板張りの上にコーナーヨーク(レッド15インチ)が置いてあります。
これも、大変綺麗な良い物でした。
レッドにしては、素直な静かな鳴りようでした。
お話では、建物が軽量鉄骨の弱い造りで音量を上げると音が破綻してしまうそうです。
建物自体が負けてしまうとゆう話でした。
確かに音量は抑え気味でしたが、染み入るような高域と、和室なのにちゃんと低域が浮遊するように聞こえて、自然と音楽に入り込める上手い鳴らし方でした。
これ以上の事を要求する必要もないなと思える静かで豊かな音です。
お酒の好きなオーナーさんが、畳の上で座布団を枕に旨い酒を飲みながら寝そべったり、あぐらをかいたりして聴いている姿が想像できました。

機器はリスニング位置の後方の洋室にセット。
マランツ7&5の組み合わせです。

下の車庫にはポルシェ、BMWのバイク二台、そしてラックスMB300が箱のまま置いてあったり、とても多趣味な方です。
E氏宅を後にして午前中二件目、沼津のM氏宅へ山を下ります。
M氏宅は閑静な住宅街の中にあり、お宅も周りの家も新築が目立ちました。
玄関には、可愛らしい奥様がお出迎え。
ご夫婦とも教員をされているそうです。
奥様のチャーミングな笑顔と元気な声に気を良くしながら、玄関脇のご主人の部屋へ。
扉を開けると下へ二段ほど下り、床はほぼ外の庭と同じ高さになっているようです。
天井高を稼ぐための策だそうです。
部屋の中央には何とセミコンサートグランドピアノがデーンと置いてあります。
壁には棚があり楽譜やらレコードやらがいっぱい。
チェロも二台立てかけてありました。
聞けば音楽の先生なのだそうです。
なるほど納得でした。
そんな、ゴミゴミした(失礼)部屋の隅っこにレッド12インチ、コーナーヨーク、チャトワース(密閉箱)が置いてありました。
ずいぶんスリムで今流行のトールボーイタイプといった感じです。

もう片方は反対の隅っこに。
リスニングポイントとスピーカーの間にはでっかいピアノ。
大丈夫かいなと思いつつ、それでも一応中央に座らせて頂いて試聴開始。
最初の音からビックリ仰天。
見ると聞くとは大違いとゆうやつです。
SPの置いてある部屋の奥からふわーっと降るように音が響いて湧いてくる感じです。
なんじゃこりゃ、どうなってるんだと部屋を見回しても特別変わった事がしてあるでもなし。
ピアノがあるのにちゃんと鮫島有美子の声がきちんと定位して聞こえている。
座っているところから、スピーカーを見る事も困難な状況なのに。
あらまぁ、どうゆうふう?です。
狐につままれたような気持ちで、弦を聴く、オケを聴く、ジャズを聴く。
スイングが軽快に鳴っている。
部屋の響きとは不思議な物です。
この状況で、直接音など聞こえるはずもないと思ったのがちゃんと聞こえるし響きも豊か。
どこか大きな教会の中で聴いているような、そんな響きの部屋でした。
でもSPはあのちゃっちいチャトワース。
ここでも、レッドの音はしっかりと音楽の芯を捕らえ聴く者に音楽を伝えています。
この高域のきつさ、存在感は聴くほどに麻薬のような魅力があります。
このSPは欲しいなと思ってしまいました。
奥様の実家から送られて来たミカンを搾ったジュースがとても自然な味でおいしかった。
ご主人の至福の時間が流れて、心が落ち着き、良い家族の雰囲気が感じられるおうちでした。
可愛らしい奥様にお礼と別れを告げて次のお宅へ。
もちろんご主人にもですよ。
次のお宅は喫茶店です。
沼津にあるY氏のお店です。
アンティーク調のお店の一番奥にゴールド15インチ、コーナーヨークがひっそりと空気のように音楽を奏でています。
その前にはグランドピアノ。
ミニコンサートなどをやっていた事があるのだそうです。

試しに店の中を歩き回ってみましたが、どこで聴いても同じように聞こえます。

ZAIKAとゆう845を使ったプッシュプルアンプがメインアンプ。
空気のような鳴り方はこの845のお陰かなとも思いました。
カウンターの奥にプリとプレーヤー。
ガラードをご主人が苦心してフロートさせてありました。
正面に向かって強姦されるように聴く激しい聴き方も良いですが、このY氏のお店のように漂うような音楽に、聴くともなしに浸っているのも心地よいです。
プリからパワーのケーブルが当然非常識的に長いので、高域がほとんど減衰していることと、レッドやシルバーのような存在感のある高域の癖がないゴールド の特徴を理解しました。
高域に関してはうちのHPDもたぶん同じなのでしょう。
昼食にサンドイッチをいただき、次のお宅へ。
一件約二時間弱の滞在です。
忙しいけれど、豊かなタンノイの音のお陰で、気持ちはのんびり。
もっとも、急いで運転しているのは音楽人さんで、私は同乗しているだけなので当然ですね。
では、次ページへ繰り越します。
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