信楽です

「しがらき」は、1200年、「炎」が一日も絶えたことのない焼きものの里として知られている信楽焼の町です。
さて、信楽焼のたぬきは、昭和26年、昭和天皇の信楽訪問の際、沿道で待ち受けるたぬきたちが全国発信され、一躍有名になったといいます。その時、詠まれた短歌が「幼な時 集めしからに なつかしも 信楽焼の 狸をみれば」というものでした。
その信楽狸の本家といわれているのが「狸庵(りあん)」さんです。その先代が、藤原銕造(てつぞう)氏で、京都の伯父の家で清水焼の修行中、11歳の秋、大小の狸が小高い丘の上でお腹をたたいて楽しそうに踊っている姿に遭遇、それをヒントに「信楽狸=酒買い狸」が生まれたといいます。なお、この「酒買い狸」については、「笠」「通帳」「一升徳利」の三点を辿ると、江戸の初期に尾張の国、常滑で生まれたものでは、という説もあるようです。


私の方からは、車で1時間ほどの距離ですので、年に一度は尋ねるのですが、今回は2001年8月17日の記録を。
三重県からですと、名阪国道を「壬生野」インターで降り、422号線を上ると30分で「信楽」です。以前は、途中百メートルほど狭い山道がありましたが、今はなくなりスイスイと行けます。
正確な地名は「滋賀県甲賀市信楽町」です。

「狸庵」さんの玄関です。ちょうど、運悪く金曜日が定休日でした。2階には先代作の狸像をはじめ歴史を感じる狸ものが多く展示されています。 「狸庵」さんの敷地にそそり立つ「巨大狸」は高さ6メートル(狸の全長)。信楽では他にもあちこちに巨狸が・・。
307号線沿いの、これはびっくりの巨大狸の寝姿!「狸家分福」さんです。1階が陶器や狸の販売店、2階が飲食店になっています。こしのある「たぬきうどん」が!また、2004年1月23日「足楽の湯」がオープン、ゆったり出来ます。 そこいら中でみかける、たぬきの大群です。これは、「山上陶器」さんのお店の前です。こちらにも巨狸が。こちらのお店は、もと小学校の講堂だったとか。
その「山上陶器」さんの事務所に飾られていた「風船風のたぬき」、是非譲っていただきたいとお願いしたのですが、
ただ一点の非売品とか。仕方なく写真を。なにやらお店の倉庫から最近出てきたもののようです。
こちらは、その名も「たぬき村」さん。307号線を水上方面へ、ちょっとはずれにあります。こちらは、もり沢山のたぬきグッズが、しゃもじ・湯のみといったものに個性が。たぬき地蔵・たぬき御殿と何でもあります。
これはナナナンダ?ヒッチコックの「鳥」を思わせる光景です。みな狸なんですねえ。「鳥タヌキ」です。私のお気に入りのスポットです。「信楽陶芸村」さん。 絵になりますねえ。
「信楽駅」です。ちゃんと、たぬきがお出迎えを。 その駅の右手には、巨狸の電話ボックスがあります。


信楽には、このほか、40ヘクタールという広大な敷地を持つ県立「陶芸の森」があります。平成2年に開設されたもので、創作・展示等多様な施設がいっぱいです。
また、おしゃれな陶製品がいっぱい揃っているのが、陶芸の森の入り口あたりにある「大小屋・OOGOYA」さん。たぬきのお店はなくて、うさぎのお店が入っています。




しがらきでは、ななんと「たぬきタクシー」が走っています。

思わず、運転手さんから名刺をもらっちゃいました。

木の葉の帽子はかぶってみえませんでしたが。


    2005 追記


三吉ダヌキの八面相

中島千恵子・作 関屋敏隆・絵
2001.7.10 サンライズ出版

「信楽」を舞台にした、三吉少年とタヌキ、陶工の家族の物語。
15年前に出版されたものの再版です。




ここで、信楽狸の八相訓を。
「笠」 転ばぬ先の杖、用心常に身を守る笠。何事も上を見ず下を見て暮らすこと。(注・時に破れ笠のたぬきがいますが、これについては、下ばかり見ていても向上心はないので、たまには上も見て世の中を広く見ることが肝心という教えがあります。)
「目」 何事も四方八方に気を配り、偏見無く正しくものを見る。
「○八徳利」 何事も徳を積むと利を生む。何事も八分目に。八分の利。
「金袋」 金銭などの宝は自由自在に運用を。
「腹」 小さいところにくよくよせず、あわてず騒がず、大胆な決断力を。そして豊な包容力も。(腹が白いのは善人の証)
「通帳」 信用第一。経済の発展も正しき記帳から。
「尾」 終わりよければすべてよし。事の終わりは大きく太くしっかりと。
「丸裸身」 平気で丸裸で立つ姿は、飾らず邪心を捨てるという教え。巧言令色を知らず、不平不満も言わない姿。(注・この「裸身」に変えて「顔」〜愛想よく真心を持って・・という八相訓もあります)

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