極私的映画日記2005

★★★★★大当り ★★★★当り ★★★平 ★★はずれ ★大沈没 ☆は2分の1
2004年公開映画 私的ベスト 怒涛の韓国ムービーに圧倒されっぱなしの一年でした。故、@からF、すべてがベスト@なのです。●洋画 @オールドボーイ @子猫をお願い @オアシス @シルミド @殺人の追憶 @ラブストーリー @悪い男 G真珠の耳飾りの少女 Hオーシャン・オブ・ファイアー Iスパイダーマン2 残念にも コラテラル、マッハ、キルビル2、スクール・オブ・ロック、ラブ・アクチュアリー  がはみ出てしまいました。
日本映画は、 @下妻物語 A誰も知らない Bスウィングガールズ C理由 この4本で決まりですが、ほんとのベストは、2003年作品の「ジョゼと虎と魚たち」です。そしてワーストは?もちろん「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」

PS・ 洋画では、「春夏秋冬そして春」を・・2005年になって鑑賞・・、是非@に入れたいです。すると、スパイダーマン2がはみ出ますか・・。いやはや韓国映画、おそるべし。
カンフーハッスル
新年初頭を飾る一発目。これが大爆発傑作!カメラ技術頼りの擬似カンフーではなく、香港映画のプロが仕上げた「目からウロコ」のカンフー、・・ブルース・リー当時の香港映画に還ってきたような思いが・・たしかにワイヤーワーク・CGの進化はあっても、この舞台となる「豚小屋砦」(なんというリアルさよ!わああ、○○○してはるう・・!)、少年時代の淡い思い出、あの当時の香港映画への熱い想いが伝わります。チャウ・シンチーさん、ありがとう。
なにより、達人たちが凄い粒揃い。雄叫び達人の家主妻ユン・チウさん・キャラNO1 なんて方、七小福に所属しスタントウーマンで活躍、007にも出演したという経歴。そしてブルース・リャンさん、ユン・ワーさん、お久しぶりです。
この映画、「空気」が違いました。(なんなんでしょう・・。)大好きな匂いでした。
1.3 津マイカル ★★★★★
白いカラス
なんとも意味深な邦題です。黒人であることを拒否して生き続けるコールマン、その過程が青年時代の回想に綴られるのですが、そこらへんをもっと深く知りたかったです。
わがエド・ハリスさん、この映画ではヒゲ面のベトナム後遺症男という役で、ちょっとエド・ハリスしてない風で残念。静かな雰囲気の佇まい、という映画ではありましたが。・・・ニコール・キッドマンさんのしたたかな艶っぽいさにため息
1.2 DVD R ★★★
すべては愛のために
エチオピアからカンボジア、そしてロシアまで、これぞ「裏トゥームレイダー」かのアンジェリーナ・ジョリーさん。
彼女自身、国連の親善大使という立場ですから、この映画のヒロイン役は正解でしょうが、後半の流れはあまり説得力がありません。愛する医師の救出というラブ模様は、すべては愛のためにということで終わるものでもないでしょうに。
前半にジョリー・パワーを感じただけに、実に残念。
1.2 WOWOW録画 ★★★
イルマーレ
原題は、なななんと「時越愛」。韓国映画定番といってもいい時空超ものなのですが、チョン・ジヒョンさんがブレイク前の2000年の作品。イ・ヒョンスン監督の、金太郎飴的美映像が心地よく、海岸縁の正に厳島神社風家屋?にうっとりさせられて・・乾燥機回しっぱなしじゃないと、湿気対策はどうするんかいな?水道・ガス・電気は配管どうなってるんかいな?などという世俗的な思いはさておき・・浸ってしまいました。
余談・このイルマーレのセットは、江華島の西側・席毛島に建てたとか。チョン・ジヒョンさんメインの赤いチラシは、とても美しく・・欲しいです。(韓国のチラシは迫力のA4版で、デザイン的にもそそるものが多いです。)ワーナーがリメイク権を獲得とか。
1.3 WOWOW録画 ★★★★
北京ヴァイオリン
チェン・カイコー監督。天才的な素養を持つ息子を、なんとか頂点にと日夜励むお父さんがいじらしくも愛らしく、また演じるリウ・ベイチーさんが実にいい風情をみせてくれるのです。少年と世捨て人風のチャン先生、ぶっ飛びのリリーさんとの触れ合いも切なく、・・ところがところが、息子の出生に至るといった余計な芸当があって、せっかくの余韻が薄められたのが口惜しいです。
なんでまた、セピア色の回想シーンが出てこなければいけなかったのか、解せません。実に口惜しいと・・。あの権威ある先生の、実は子どもだったという訳でもなく・・解せません。でもでも、とにもかくにも、私、好きな映画です。
1.8 WOWOW録画 ★★★★
春夏秋冬そして春
キム・ギドクさんは、韓国では異端児扱いされていて、小学卒で映画教育皆無・・30近くになるまで映画を観たことがなかったという噂も・・それが海外で脚光を浴びという状況に、嫉妬交じりの批判も多いとか。この作品もドイツの会社が製作に参与しています。
それはさておき、私としては「悪い男」に続く2本目。
この水上に浮かぶ寺、これは周王山国立公園にある注山池にセットとして建てられたとか。(今は自然保護のため撤去されたという。)この絵のような幽玄の世界が素晴らしいのです。そして時代と季節の変化、なななんと「冬の世界」には、監督自身が。石を体にくくりつけ山を登る姿に思わず合掌。もう、全編がファンタジー。
(韓国映画でこれだけ漢字が出てくるとは・・「般若心経」が、「閉」の字が・・。)
魚と蛙と蛇に石を糸で結び付け悪戯をする幼子の姿、他他、どのシーンも忘れられぬシーンに。まるっと、体がとろけるような傑作です。
1.10 大門シネマ ★★★★★
さよなら、クロ
長野県の松本深志高校に住みついた野良犬クロの実話が基になっていて、映画の時代は60年代末からの10年間に。「卒業」「俺たちに明日はない」を上映する映画館、浪花千栄子さんのホーロー看板もちゃんと。10年後の映画館では、「ロッキー」が・・。
ちょっと懐かしく、ちょっと暖かくなれる映画に。私、犬は好きですが、野良犬さんは塩見三省さんと一緒で・・・怖い。
1.11 WOWOW録画 ★★★
TV ごくせん 他
お待ちかねの「ごくせん2」が始まりました。
仲間さんのジャージ姿、タンカ声に久々ぞくぞく快感を。素晴らしいです。いざ決戦、髪を下ろしメガネを外し・・いよー、待っていました!とかけ声を思わず。録画して、2回も観てしまいました。そうそう、井上順さんがちょっと怪しいです。
ちょっと期待した「富豪刑事」、ヘリでご到着の深キョン、いつもながらの人形芝居、これが回りの役者さんたちと微妙にずれていると面白いのですが、完全にずれていて、観てるほうは緊張しまくり、残念。
それよりも、話題のNHK、「義経」、白石加代子さんの語り、美輪明宏さんの「妖」と、久々の骨太大河ドラマを観る思いが。さて、これから・・。そうそう、「華岡清州の妻」、これは田中好子さん故、面白そうです。 以上 1.23現在。
ジョンQ
それなりに魅せるのは、さすが好感度NO1のデンゼルさん。ただ、せっかくのジェームズ・ウッズさん、ロバート・デュヴァルさん、アン・ヘッシュさん、はてまたレイ・リオッタさん(もろまってましたの適役なのに、最後はいいこちゃんに・・)の豪華脇役陣が生きず、デンゼン・ワンマンショーに。しかし、心臓移植シーンがもろ出てきたのには驚き。年2000件以上行われているアメリカだけに、妙に軽いのが・・また驚きでした。
1.15 WOWOW録画 ★★★
ミニミニ大作戦
金塊入りの金庫を水中へドカンと落としこむという、ヴェネツィア舞台のシーンが楽しく、嬉々としたドナルド・サザーランドさんがまた嬉しい。そんなこんなで、ヨーロッパが舞台になるのかと思ってたら、なんだー、舞台はロスに。前作のミニ・クーパー、狭い街路を走りまくりという見せ場は、地下道を疾走するあたりに模様替え。しかし、金庫を運ぶトラックをまるごと地下へ落としちゃうというのが、またまた楽しく・・まあいいかと満足を。中段のだれは大目に見て、シャーリーズ・セロンさんが妙に初々しかったのにもマル。ただ、エドワード・ノートンさんだけは、ペケ。ちょっと情けない。
1.22 WOWOW録画 ★★★

えびボクサー ほか
「ネバラン」「オペ怪」「オー12」、今ひとつ観たい気にならず悶々とした日々が。早く観たいのが、「復讐者に憐れみを」(ペ・ドゥナさん!)「サマリア」「故郷の香り」といったアジア系映画。そうそう、「オペたぬ」は、早々と・・茫然唖然の怪作(野村正昭さん)との声が・・怖いもの観たさとはいえ、・・お蔵入りになったりして・・心配です。
さて、近頃早送り風で観たのが以下の三本。まず、「えびボクサー」は、イギリス映画。銀シャツ男の主人公(ケヴィン・マクナリーさん)が巨大えびをボクサーにしてしまおうという涙ぐましい物語で、少々泣かせます。次に「バレットモンク」、チョン・ユンファさん汚点の映画で、ほんとにジョン・ウー製作?信じられません。チベットシーンで観る気を喪失。次に「ミシェルヴァイヨン」、ほんまに仏蘭西映画かー、単なるMTV映画に。あのル・マン・レースが・・これまた観る気力失せる映画でした。
透光の樹
極上のラブストーリー、それも不惑の年を超えた男と女の。根岸吉太郎さんは、ロマンポルノ時代から相性のいい監督さんで、「キャバレー日記」以来のお付き合い。ゆったりとしたテンポが好ましいのです。
石川県鶴来という陰影のある街が、ある意味、映画の主役になっていて、秋吉久美子さんがしっぽり街に溶け込んでいます。あの「赤ちょうちん」から早30年かー、感無量。ラストの老婆姿に、うっとり。
この映画、ショーケンの影がちらつくのですが、官能シーンでの永島敏行さんはテレと遠慮がみえて、これがショーケンだったら全く別の映画に変わっていたかもしれませぬ。
ラスト近く、各駅停車らしき電車のシーンが、これぞラブ・サスペンスの見事さでした。
1.29 大門シネマ ★★★☆
悪い女・青い門
「悪い女」はDVD用のタイトル、原題が「青い門」。キム・ギドク中毒状態で、1998年の3作目を。
海辺の民宿に娼婦として住む画家志望の女、民宿の大学生の娘、このふたりを軸にした一種のホームドラマなのですが、まあなんというんでしょう、キム・ギドクさんの色塗りの妙に圧倒されます。それにしても、このドラマ、日活ロマンポルノ、ピンク映画の全盛期にもあったかの題材では。女優さん達の顔付きがそれっぽいのです。
それにしても、ヒモ男、民宿の親父、息子、娘の恋人、漁師とすべての男たちを受け入れる女性の深さよ。
「金魚」を介したふたりの笑顔というラストシーンが美しいです。
1.30 DVD R ★★★★★
ヴァン・ヘルシンク
さすが「ハムナプトラシリーズ」のスティーヴン・ソマーズ監督、モンスターオンパレード、ここまでやるかのCGコースター趣向は微笑ましいといいますか・・。ドラキュラ三人娘?の勇姿に喝采を。
2.5 DVD R ★★
オペラ座の怪人
水曜夜とあって、女性方でほぼ満席の熱況。数えるばかりの男客は、おびえつつ・・。
当方、このミュージカルの知識なく、作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー、自ら製作といわれても。ただ、あのジャンジャンジャカジャカジャーンというテーマ曲だけは・・知っていましたが。
冒頭、モノクロのオークション会場場面が、映画ならではの高揚感で過去へなだれ込むといったあたり
にゾクゾクさせられるのですが、それ以上のものはなく、はっきりいって退屈な2時間半に。舞台の映画化か、映画の舞台化か、わけ判らぬ勘違いの世界です。ヒロイン役のエミー・ロッサムさんにも吸引力感じず、あのポカーンとした表情のなさはなんなんでしょう。
2.9 津マイカル ★★
油断大敵
役所広司さんは、なにを演らしても上手いなあ。嫌味なく、品があります。そして柄本明さんの絶妙さ。
また、夏川結衣さんが前半輝き、父と娘の関係に微妙なクサビを。実にまっとうな展開で、派手さもなにもないのですが、心残る佳作に。成島出監督。オイチッニ、オイッチニの掛け声がいつまでも。
2.11 DVD R ★★★
シャレード
あの「シャレード」の02年リメイク版。ジョナサン・デミ監督というのに、劇場公開までいかなかったのは?ヘップバーン役が、サンディ・ニュートンさんというのが辛いところ、彼女は頑張ってはいるのだが、まるで華がない。マーク・ウォールバーグさんも地味めだし。しかしご贔屓ティム・ロビンスさん、なぜかシャルル・アズナブールさんが突然歌いだしたりという珍な見せ場もあって、まずまず楽しめました。
2.11 WOWOW 録画 ★★★
アレキサンダー
紀元前4世紀、エジプトからインドまでの帝国を築き上げたアレキサンダー、「トロイ」のドラマドラマした趣に反し、神話の英雄たちの悲劇に怯え苦悩する主人公がここにいる。オリバー・ストーン監督にしては、充分にまっとうな作品になっていて、3時間の長さも苦にならない。
ペルシャ軍との壮絶な戦いが正にスペクタクル、息をのむ凄さに。そしてオリンピアス役のアンジェリーナ・ジョリーさんの大怪演に唖然。母親から逃れたいがため故郷を遠く離れた、という説もうなずける。この作品、男色の英雄という解釈から、一部では大批判がされ、アメリカでの興行もぱっとしなかったようだが、私、買いますよ。
2.12 津マイカル ★★★
スイミング・プール
監督、フランソワ・オゾンさん。魅惑の映画、しかし解らん判らん・・こちらのアタマが悪いんでしょうが、すべてはサラ・モートンの創りだした世界だったのか、パソコン・十字架・耳栓といったキーがあっても、・・どなたか「答」を教えてくだされ。
ヨリック・ルソーさんのカメラ、フィリップ・ロンビさんの音楽、一級品です。そして、シャーロット・ランプリングさんの、眼がテンの凄さ!救いを求めたくなる、稀な映画です。眠れない・・・。
2.13 DVD R ★★★★
ボーン・スプレマシー
マット・デイモンさんのリアルすぎるアクションは、前作以上の切れ味。ひとつひとつの行動に意味があり、それが映画を増幅させ、いやあ・・堪能できました。オンボロ車でのカーチェィスシーンは、ちょっとカメラぶれ過ぎでしたが、ハラハラの感動もの。また、ジョン・バウエルさんの音楽が乗せる乗せる。
ただ、マリーさんが亡くなり、たったひとりのボーンの道行きは、観ている側にも辛すぎて・・早く観たい第3作、ボーンに幸せを。
2.16 津マイカル ★★★★ ちょっと寂しい入り。
魚と寝る女
やっとこさ、観れました。1998「青い門」の次、1999年の作品、「悪い男」が2002年ですから・・ウーン。キム・ギドク映画としては、あっちいったりこっちいたりの4本目です。故に、今まで観たキドク映画(背景の湖、いたぶられる魚、「春夏秋冬・・」に。黙する猟奇的主人公は「悪い男」と対に。)がオーバーラップしすぎて・・ああ、それにしても・・痛い、射たい・・、こんな凄い映画があったんですねえ・・。
傷つけ傷つけあう世界に、見事にはまる風景の妙、
沈黙のソ・ジョンさん、ギドク宇宙の業の深さよ、素晴らしい!もっと観たい、観たいです。
2.27 ビデオ R ★★★★★
メダリオン
最近はジャッキー・チェン映画が・・劇場で観れない・・最新作「香港国際警察」が観たいのに・・地方までは来ないのです。
日本公開50作目というこの作品、やっとDVDで。
ジャッキー死して蘇りという、ファンタジーアクション?、でもワイアーアクションのジャッキーは似合わないです。生身の、ああこれぞというシーンもいっぱいなのに、・・でも、やはり私にとっては、ジャッキー映画を見れるだけで幸せでした。
3.4 DVD R ★★★
ふくろう
素晴らしすぎます。新藤兼人さんは、1912年生れ、この作品はなななんと91歳の・・。信じられません。
東北の山奥、開拓村の生残り親子が・・これが、大竹しのぶさん・伊藤歩さん母娘・・次から次へと男たちを招き寄せ・・招き猫といいますか、招き梟・・招き子狸?舞台は一幕もの、妙に吉本新喜劇風で、思わぬ来客にしのぶさんカメラにウヘッってあたりは、もろ末成由美さんでした。
乙羽信子さん、太地喜和子さんの「藪の中の黒猫」が蘇ります。
乙羽信子あっての新藤映画が、今、大竹しのぶに転生を。この映画だけは、韓国映画を超えていました。
3.5 WOWOW録画 ★★★★★
密愛
大好きなキム・ユンジンさん、これも長らく観れなかったもの。
女性監督ビョン・ヨンジュさんの作品。背景となるナビ村(韓国南部の南海郡)が、この不倫劇にしっとりはまっています。ユンジンさん、ミフンの生活を匂わすベットシーンがよろしいです。
ただ、ラストに至る展開に疑問が・・。久しぶりに聞くジョーン・バエズ・・私、来日コンサートに20歳前、行きました・・「ドナドナ」は、あまりしっくりきませんでした。
3.8 ビデオ R ★★★
鬼が来た!
2000年、中国映画。これも長らく観たかった作品。終戦当時の中国の村、ここに舞い込む捕虜状態の日本兵・花屋小三郎(香川照之さん)と通訳(ユエン・ティンさん)、困惑の村民たちとの奇妙で壮絶な出来事が。日本兵は図式的には悪なのだが、日本人俳優をちゃんと配置したこともあり、恐ろしいまでのラスト(突然のカラー!)にも納得させられる。製作・脚本・監督のチアン・ウェンさん、自らが絶妙の演技を、素晴らしい。
「軍艦マーチ」が、耳に残る残る・・傑作でした。
3.11 ビデオ R ★★★★★
生きたい
新藤兼人監督、1998年、86歳の作品。「ふくろう」を観て、あっこれも観なくては!と。次は「「午後の遺言状」(95年・未見)を。
躁鬱バージンの大竹しのぶさんと、言葉だけは達者な老人三国連太郎さんのふたり暮らしコンビが、「クソ親爺!」「徳ちゃん!」と・・絶妙のおかしさ。そしてモノクロでの姨捨話が・・哀しい。そして、この映画、「カラス」が、主人公かも。
しのぶさん、大好きの私、彼女は天性の喜劇役者かも。
3.12 ビデオ R ★★★
酔画仙
朝鮮時代末期の天才画家チャン・スンオブに、チェ・ミンシクさん(「オールドボーイ」!・・ちょっと福与かすぎでは・・)が。けっこう物語りは淡々と、時代背景をもっと知っていればとは思いつつ・・。アン・ソンギさんは、ほんと品があります。愛しのソン・イェジン(なんと今はヨン様の相手役で・・)は、なんという中途半端な役で。いささか、まどろっこしい印象に。
3.12 大門シネマ ★★
男の顔は履歴書
1966年、松竹、加藤泰作品。これは、初見なのです。安藤昇さん・アラカンさん・文太さん、東映やくざ前の・・なんと安藤さんがメガネ町医者、文太さんは完全な脇役(それでも、あの与太者シリーズの片鱗が)、超ローアングルの加藤フレームが冴えに冴え、いやあ40年近い前の映画とは・・。「朝鮮人」対「日本人」という背景のなか、この熱気、感無量です。内田良平さんの眉毛剃異形、真理明美さんの初初しさ(見事に綺麗・・彼女は「モンローのような女」だったのです。)、伊丹一三さんの直線演技は信じられない感動も。
もひとり、私は任田順好(とうだじゅんこう)さんという女優が好きでした。加藤作品「花札勝負」での偽お竜、大好きでした。あの威圧する表情に哀しさが・・。彼女は「沢淑子」という芸名だったようですが、今は・・。
そうそう、このタイトル、大宅壮一さんのコピーでした。「男の顔は履歴書、女の顔は請求書」・・うーん、素晴らしい。
語り尽くせません。
3.15 ビデオ R ★★★★★
ラストプレゼント
今ひとつ、ふたつでありました。
韓国映画定番、ちょっとそれはという・・。唯一、心暖かき?詐欺師役の、クォン・ヘヒヨさんが楽しいです。舘ひろし顔の彼が、なんのかんのカッコつけての粋がり、おかしすぎました。どっかでみた顔だと思ったら「冬ソナ」で・・?
3.18 WOWOW 録画 ★★
休憩
受信料不払いしたくても、一年前払い口座振込の場合は・・どうしたらいいものか・・そんなわけで、(どんなわけじゃ)、NHK「義経」。主人公義経ご一行様(松平弁慶含め)に全く生彩なく、圧倒的なのが・・渡清盛・平法皇、この二人の腹太骨太芝居に拍手喝采、平家物語で一年やってほしいくらいです。ひとつ、中井頼朝・財前政子・小林時政の源氏トリオは妙です。
何気なく観て驚いたのが「不機嫌なジーン」、このセンス、よろしいです。竹内結子さんに初めて感じ入りました。なんのかんのあっても、こういうドラマをやっちゃうフジテレビさんはエライです。サラ・ボーンの「ラヴァーズ・コンチェルト」を持ってくるのもエライ。小林聡美さんにオダギリジョーさんをくっつけちゃうのもエライ。そして、ワンカット「たぬき」も出演を・・(10回)、エライ。
ブリジット・ジョーンズの日記 2
先行レイトショーに駆けつけました。全編ゼル効果、その太り様に大感動を。
桐野夏生さんの「柔らかな頬」より、「背中に食い込んだブラジャーから余る肉の部分、あれが好きだった。下着にしめ付けられれてはみ出る余剰の肉がその女の本質だと思っていたのだ。・・
女はそれぞれ違う肉をはみ出させるのだから・・」。
ゼルさんてほんに生々しい。素直に愛らしい。
以上が、BJ 1の感想コピーなのですが、恋人マークが「君のはみ出る肉が好きなんだ」の台詞にびっくり。そのはみ出し方からバカドジ加減から、レニーさん、半端じゃありません。コブタちゃん歩きから、もう一挙一動、ここまでやるかの驚き、頬緩みっぱなしでございました。(ただ、これからのレニーさん、激太激痩せの波にアカデミー賞授賞式では、10歳は老け込んだ感じ、心配です。)

マークとダニエルの映画史に残る(・・残るかー?)大の大人が子供になっちゃう大喧嘩まで、楽しめました。
3.21 津マイカル ★★★★ 祝日の夜、かなり寂しい入り。パンフが著作権の関係?から、無い・・前代未聞です。
ロング・エンゲージメント
セバスチャン・ジャプリゾの世界というのは、確かにオドレイ・トトゥさん、ジャン=ピエール・ジュネさんの「アメリ」コンビに共通するところが。「シンデレラの罠」「雨の訪問者」・・当時ならマルレーヌ・ジョベールさんが・・この主人公マチルドを演じていたかも。
「彼が乗った車より先に私が道に出ていたら、・・」といった思い込みに生きるマチルドが愛らしく、また愛らしいだけでなく実にしたたかというのがちょっと怖い。
凄惨な戦場シーンも、ティナ(M・コティヤールさんが素敵。)による連続殺人シーンも、カメラ(ブリュノ・デルボネルさん)の明るく幻想的な色調からか、ファンタジーで少しコミカルでもあります。それはそうと、びっくりしたのがジョディ・フォスターさん、完全な別ストーリーとしての出演、それも身体を張っての・・、どういう経緯での?どうにも気になり、パンフを買い求めたのですが、それには配役紹介の顔写真すらなく全くの脇役扱い、好きな女優さんだけに・・気になって気になって。彼女は、ジュネ監督の熱狂的なファンということなのですが・・。
それはそれとして、推理仕立てに頭クラクラしましたが、映像の豊かさにうっとり楽しめた作品でした
3.25 津マイカル ★★★
チルソクの夏
1977年から78年の下関を舞台にした作品。陸上部の仲良し4人組のひとり郁子(水谷妃里さん)と韓国・釜山の安くんの国を超えたラブストーリーということなのですが、韓国人は「朝鮮人」として日本では扱われ、また韓国では日本の歌を歌うことなどとんでもないことという時代、メールも携帯もない時代、それがあっという間の今というのが、感無量です。時代の速度が早すぎます。
ベランダでの「横須賀ストーリー」、余興シーンでの振り付き「カルメン77」、安くんがぎごちなく歌い彼女たちが泣きながら歌う「なごり雪」、カラオケが主流になり消え去るのみの流しのギター歌手(なんと山本譲二さんが・・「雨に咲く花」を・・)といったやや過剰な味付けも好ましく、私にとっては納得の一作に。リーダー的存在、やることやっちゃってる上野樹里さんは、この作品でも、ちゃんとスィングしちゃっていました。皆々、陸上姿が様になってるのが清清しいです。もひとつ、イルカさん(先生役で1シーン)の韓国語版「なごり雪」、泣かせました。
3.26 WOWOW 録画 ★★★
インファナル・アフェア U
劇場で観れなかったのが悔しい作品のひとつ。1作目を「奇蹟のような香港シネマ」と感じ入った私、これはこれは1作目以上の緻密さ、あの二人の過去が物語になっているのですが、ヤンとラウよりも、上司ウォン(アンソニー・ウォンさん)、ボスのサム(エリック・ツァンさん)、そしてマフィアの二代目(フランシス・ンさん)のめくるめく暗黒人間模様に熱くなります。
サム役のエリック・ツァンさん、わが香港映画歴の上では・・福星軍団の高木ブー風オマヌケ姿から、ロレッタ・リーさんとの至上のラブストーリー「最後勝利」(後生大事の録画ビデオは家宝です。)、そして名作「ラブソング}と、大きな大きな存在なのです。
エリック・ツァンさんを観るだけでも、価値ある一編でした。
3.31 DVD R ★★★★★
ソウ SAW
これは凄い映画です。とんでもない映画です。もうなにがなんだか、モンド無用の映画。あれあれ、それはないんじゃないのーというラストまで、映画本来のトンデモ宇宙をあらためて知るというショック、あっぱれ。
監督・シナリオともに26歳の若手、これが素晴らしい。
DVDで再生すると、「最前列の観客」のつま先が微妙に変化してたりと・・しかし、そんなことはどうでもよろしいのです。
ちょっとした感動ものの作品に。
4.1 DVD R ★★★★
午後の遺言状
新藤作品、どんどん遡って、やっと観ました。奥さんである乙羽信子さんの遺作となった、1995年の作品。
新藤さん筆の記録文(老いと死を見つめて)を読むと、その乙羽さんの壮絶ともいえる姿が目に浮かび、涙してしまいます。
杉村春子さん、朝霧鏡子さん(全くの初見の方)の妙演あいまっての、祈りに似た映画に。
ひとつ、新藤兼人さんの映画、若い女性のヌード(この映画では、瀬尾智美さん)が必ずワンシーン、素晴らしい。
4.1 ビデオ R ★★★★
アビエーター
途中眠りかかりましたが・・実のある映画でした。
ディカプリオさんがいい。(・・と思ったのは初めてなのですが。次の主演は「酔いどれ天使」「インファナルアフェア」のリメイクとか。はては「アレキサンダー」とか・・興味深々です。)ヒゲはやしての後半は、一見クラーク・ケーブル風。
このハワード・ヒューズという主人公、60年代に映画となったジョージ・ペパードさんの「大いなる野望」から半世紀、けっこう気になっていた方で、この映画では半分くらいの描かれ方、ラスベガスを制覇した後、全てを拒絶した孤独な晩年までディカプリオさんに演じて欲しかったと、残念です。
ケイト・ブランシェットさんのヘップバーン役は、さもありなんの感じではありますが、ヘップバーンとスペンサー・トレイシーのラブストーリーのほうがもっと知りたい私にとっては、まあそんなもんかという印象に。(キャサリン・ヘップバーンの伝記映画ってのは、多分近い先実現するんでしょうに。)
4.3 津マイカル ★★★
忍者ハットリくん
まあ、なんと申しましょうか・・。東京タワーの天辺にすっくと登場、スパイダーマン風に空を舞うハットリくんなんていう見せ場もあるのですが、どうもテムポが悪いのです。だれすぎです。主以外に姿を見られてはならぬという掟で、話をもってくのが誤りです。ムリヤリ、盲目の彼女なんていう設定に無理があります。「ファミリー向け」「一般向け」とふたつも予告編があったことをDVD特典画像で知りましたが、その発想からして変ですねえ。
4.9 DVD R ★★
80デイズ
120億の制作費、世界10ケ国のロケ、しかし米日興行はぱっとしなかったという作品。80デイズって?原題の「80日間世界一周」のほうが判りやすいのに。日本での宣伝もわがジャッキー・チェンが全く表に出ず、どこに的を絞っているのか不可解な印象が。さて、映画のほうは・・ちゃんとジャッキー映画になっていて、中国でのサモ・ハン登場あたりのカンフーシーンは涙ものの懐かしさでした。
カレン・モクさんの魔女風怪演も!(彼女、カレン・ジョイ・モリスさんって改名しちゃったのかしら?)
4.15 DVD R ★★★
コンスタンティン
このての映画、好きなんで駆けつけちゃいました。地獄と天国、サタンと天使、その境に棲息する人間。悪魔払いのアイテムやら、翼広げるガブリエルさんの勇姿?もろもろ、惑惑しながら堪能いたしました。黒スーツ着用のキアヌ・リーブスさん主演故「マトリックス」風世界にも通じてるようですが、けっこう軽い乗りの作品で、おとぎ話的に楽しかったです。レイチェル・ワイズさんは、水責めの大役、あっぱれでした。
主人公のヘビー・スモーカーぶり、もう少し美味しそうに吸ってほしかったです。それと、長い長いエンドタイトルの後のもったいぶったワンシーンは、・・・未だ煙草好きの私にとっては、全く意味のないものでした。
4.17 津マイカル ★★★
インファナル・アフェアV
Uだけは劇場で観れなかったという悔しさに、意気込んで・・四日市まで・・日曜初回、お客さんは総8人という寂しさ。T、Uと観ていてこそのV、いやいや観ていても混乱しました。後半は「夢」のシーンまでも。
しかし、この熱気、圧倒的です。新キャラのヨン役のレオン・ライさんが、同シャン役のチェン・ダオミンさんがさすがの妙演。
錯乱苦悩のラウ(アンディ・ラウさん、素晴らしい。)、ヨンの存在に怯え、カメラを、パソコンをというあたりのサスペンスが、怖いくらいにハードボイルドです。
ヤン(トニー・レオンさん)の顔を自分にみてしまう、「善人になりたい」ラウの無間地獄。「運命(環境・状況)は人を変えるが、人は運命を変えられない」無間道。心底しみ入る3部作でした。
(ハリウッド・リメイク版、エリック・ツァンさんのサム役が、ジャック・ニコルソンさんという噂が・・これも観たい!)

4.24 四日市 シネマズ ★★★★★
テイキング ライブス
カナダ・モントリオールを舞台に、FBI捜査官アンジェリーナ・ジョリーさんが殺人犯に挑む・・のだが、もろサイコ殺人犯に挑むという挑発的なシーンに唖然。後半の急展開にまた唖然。まさか妊婦姿にトリックがというラスト、あまりに節制がなさすぎです。ずーと片田舎で、日常も妊婦のふりして、彼女は犯人を待っていたというのは・・。
ただ、ジョリーさんの、けっこう健気な可愛い顔を観れて・・幸せではありましたが。
4.28 DVD R ★★★
新選組始末記
やっと観れました。若山富三郎さん(当時・城健三朗)の近藤勇が。
浪人・山崎蒸(市川雷蔵さん)をメインに、三船版新撰組より数倍面白い。芹沢役の田崎潤さんはともかくも、土方役の天知茂さんが冷徹参謀にぴたり嵌り、そこにたのもし若山さんが良き味をみせてくれます。

そして、恋人藤村志保さんが微妙に可憐です。1963年の大映映画、品格があります。
次に観たいのは、1964年東映、加藤泰監督の「幕末残酷物語」。土方に西村晃さん、山崎に内田良平さん、というのが観たい。
4.29 NECO 録画 ★★★★
海女の戦慄
1957年・新東宝映画。NEC0チャンネルの新東宝映画はけっこう楽しみで、この作品も観たかったもの。「海女の化物屋敷」(三原葉子さんと文太さん)もなかなかのものでしたが、次は「人喰海女」(これは宇津井健さんと三原さん)を是非。
ポスターには、「拳銃の海に挑む話題の乳房!(よく判らん?)肉体の砂丘に抱く海底の秘宝!(ますます判らん?)」、確かに乳房・拳銃・秘宝が出てきます。前田通子さん主演、そしてマドロス姿で時代劇化粧の天城竜太郎さんがバックに歌というミスマッチ。(「僕は風来坊」、小阪一也・歌)
そして白眉は三ツ矢歌子さん、ほんに可憐・・この時代、彼女目当ての青年が殺到したに違いありません。
DVD保存することにししました。
4.29 NECO 録画 ★★★
キャットウーマン
ラズベリー賞受賞のハル・ベリーさん、ちゃんと授賞式にも出席というのもアカデミー女優の勝ち組故の貫禄。私は、あのアカデミー授賞式のロングスピーチで、好きではない女優さんになっていたのですが・・この映画の彼女は素晴らしい、惚れ惚れです。前半の愛らしさから一転の、女化猫ぶりのけばけばしさ、むち使いから猫アクションも様になって、なにより彼女が楽しんで演ってるってのがいいです。そして、シャロン・ストーン様も、あっぱれ。「私は女よ、身を守るんだったらなんだってやるわ」と大理石肌で悪に徹するのです。
DVD特典に「キャットウーマンの歴史」が!あのアーサー・キットさんがテレビシリーズでのキャットウーマンだったとは。アーサー・キットといえば「ショージョージ」しかなかったのに、そうか狸も猫も・・アーサー・キットさんだったのだ。
いろいろ難はありますが、偏向的に好きな映画に。満月に向かい、お尻をくねらせ歩むハル・ベリーさんに満点を。
4.30 DVD R ★★★★
砂と霧の家
あまりの救いのなさ。ベン・キングスレーさんの、ショックな自殺シーン(これはキツイ・・キツすぎる)。そういえば、ジェニファー・コネリーさんの、釘踏みシーンというのも・・。2時間、辛すぎて。
あの横暴警官って存在は、いったいなんだったんでしょう?居心地の悪い映画でした。
5.1 DVD R ★★
テレビ
4月の新番組より。「汚れた舌」、もう完全にホラーの世界。森口○子さんが圧倒、松原智恵子さんが、藤竜也さんが。連続して観るには、かなりの体力がいりそう。「エンジン」、キムタク寅さんって趣。主演級の方々が脇に・・というのが贅沢三昧。別にカーレーサーって設定じゃなくても。ホームドラマ部分でイケそう。「アネゴ」、篠原涼子さんファンとして初回観た限りでは、やや凡凡の感じ。「オールイン 運命の愛」、完全にはまりそうです。
そうそう、久米宏∩あやや、ってんで期待した新番組・・、あまりのタイミングの悪さ、生と思ったら録画もの、いきなり平和な中国という白々しさ、これでは観る気力が失せます。
ビヨンド the シー
ケビン・スペイシーさんは凄い。「ユージュアル・サスペクツ」で初めてケビンさんを観たとき、あの映画の時代にぴったりの姿形に驚いたものでしたが、そうかボビー・ダーリンだったのだ。製作・監督・主演、それもボビー・ダーリン愛の証に。
私としては、ボビー・ダーリンというと、アメリカンポップスの小粒な歌手という認識で、いちばん親しんだ曲というと「電話にご用心」あたり。また、サンドラ・ディーというと、トロイ・ドナヒューとの「避暑地の出来事」のイメージが強すぎて、ボビー・ダーリンとの印象は薄かったのですが・・。
ベトナム戦争の時代に、フォークを歌っていたとは・・。ケビン入魂の映画、ボビーの子供時代を投影させた展開が見事です。また、ケビンさんの歌心にも。最高に居心地のいい映画でした。ケビンさんは、ほんまもん素晴らしい。
5.2 大門シネマ ★★★★★
シャル・ウィ・ダンス
これまた心地いい映画。オリジナルと違うところは、奥さんスーザン・サランドンさんの存在の重さ。日本の中年おじさんにとっては、そこらへんアメリカは違うなあという思いもありますが。草刈民代さん役のジェニファー・ロペスさんは、踊りからしてパワフル印、競技会前夜の息のむタンゴの迫力よ.。おお、お尻の迫力よ。
竹中直人役には、おー「ターミナル」の・・。オリジナルより明るく楽しく笑えるという逸品。リチャード・ギアさんの微笑み顔にも脱帽しました。
5.3 津マイカル ★★★★
→オリジナル版がテレビ放映され、久々に再観。また、周防さんの「Shall we ダンス? アメリカを行く」(文春文庫)をつられて熟読。「2時間以上の日本映画なんてアメリカ人は絶対みない」という発想から、映画のカットを自身で模索するあたりの克明な経緯が感動的です。またリメイクの契約についての経緯も勉強になりました。
サマリア
キム・ギドク中毒症の私にとっては、まさか三重県内で、しかもシネコンで観れるという快挙、土曜日の夕刻、お客さんは全たった7人でした。
痛辛いというギドク宇宙が薄れたぶん、余計に腹部にくらえこむという内なるギドク宇宙。たまりません。
ラスト、石を並べた川べりの自動車教習所、ヨジンの運転するよろよろ車、連行される父を乗せた車、身動きできないヨジンの車、映画に溶けるってのは・・こういうことか。
ふたりの彼女が、溶かしてくれました。
5.7 四日市シネマズ ★★★★★
交渉人・真下正義
「踊る」テイストを継続して、一本!これは、いい!「踊る」以上の声も納得。
ハイテクのど真ん中に、アナログ職人さん(お久しぶりの、元気な金田龍之介さん)がというのが嬉しいです。
地下鉄の網目を錯乱させる「クモ」、姿を決してみせない犯人、コンサートホールでの「ボレロ」をクライマクスとした(・・なぜか指揮者が西村雅彦さん)盛り上がり・・「ボレロ」は、サスペンス映画の定番ではありますが・・、映画好きにはたまらないネタ話(ミシェル・ルグランとフランシス・レイが、・・しかし映画一本でもさっと検索しちゃう、真下パソってのは優れものですねえ。)、最後ちゃんとオマケ付きというサービスもあって満足しました。ユースケさん、「交渉人2」、いけますよー。
5.14 津マイカル ★★★
ムーンライト・マイル
永遠のわが分身・ダスティン・ホフマンさん、いいなあいいなあ、スーザン・サランドンさんもいいなあいいなあ、と・
このジョーという主人公、あの「卒業」の主人公ベンに時々だぶってしまいます。ただ、ギレンなんとかさんの無機質な顔つきにはうんざり。はっきりせい、と。
あまりにも、はまりすぎる展開と台詞の味気なさに・・ちょっと萎えました。
5.15 WOWOW録画 ★★★
血と骨
これは、「映画」で観たかった作品。(観たいと思いつつ、地方のシネコンでは早々終了。)
この背景のリアルさ。「美術」という分野なのでしょうが、凄すぎます。これには、感動しました。故に、「映画館」で観たかったと。
背景として、子供たちの「人間とびばこ」(?・あれって、なんていう遊びだったのか・・私もやりました・・)、「フラフープ」「ゴムとび」といった時代の触りがありますが、ちょっと確信犯ですよ、あの捉え方は・・。
5.17 DVD R ★★★
スカイハイ 劇場版
番人イズコのテレビ版はけっこう観てましたが、映画版は・・さすがゴーマン作家北村龍平さんらしく、情緒もなにもないアクションものに。元番人たちが次々に心臓をえぐられゆく展開は面白いのですが、後半のしつこい盛り上がりはなんとも。
始めて知った女優さんですが・・決め姿が様になる魚谷佳苗さん(科学者の秘書)、妙に後にひく菊地由美さん(巫女役、声優さんとか)・・この二人の対決はよかった!・・、ちょっと浮き加減の岡本綾さん(放送中の「エンジン」に出てる人か?)・・私お好みの戸田菜穂さんも出てて、そのあたりは大満足でしたが。
5.18 DVD R ★★★
キングダム・オブ・ヘブン
リドリー・スコット監督というので、心から楽しみに。12世紀の仏蘭西とエルサレムが舞台、主人公バリアンの「戦争と平和」が、見事なスケールで描かれています。CGを感じさせないクライマクスの攻防、屍の周りを舞うカラス群といったシーンの凄さ。仮面姿のエルサレム王(エドワード・ノートンさんが顔をみせない妙演)、イスラム指導者サラディン、このふたりの秘めた戦いが素晴らしいです。ヒーローものではなく、いわば負のヒーロー・・オーランド・ブルームさんがよろしいです。そうそう、エヴァ・グリーンさん、お母さんのジョベールさんも多かったけど、・・ソバカス女王。
5.21 津マイカル ★★★
ハーバー吉野
萩上直子さん脚本・監督作品。これがけっこうおかしくもほっとさせる。その町では、男の子はみんな「吉野ガリ」(ザビエル風)・・なんせ伝統なのである。ハーバー吉野のおばちゃん(もたいまさこさん)は毎日せっせと刈りまくる。そこへ都会から転入生が・・と、子供たちの反発が始まるのだが、これもゆるーい反乱で微笑ましい。
けっこう残る快作です。
5.25 WOWOW録画 ★★★
テレビあれこれ
「義経」は渡清盛さんが素晴らしかっただけに、空洞化。その後、光るのは小池栄子さんの巴、力あります。
山田太一ドラマ「やがて来る日のために」(5月6日)は、いつもの山田さんの雰囲気ではなく、ちょっと違和感が。連続ドラマ10回分をダイジェストにした趣。故に、連続ドラマ化してほしいです。
「タイガー∩ドラゴン」は凄いテムポで、落語一話分がテーマとなって、相当に楽しい。適材適所の配役陣が見事です。
「オールイン」は、嵌り中。けっこう映画ネタがあって、やくざの組長、「ゴッドファーザー」は観ておけ、勉強になるぞ、俺は20回観た。・・なんてのが嬉しい。
「エンジン」は好調。子供たちが息づいている。春海役の戸田恵梨香さん・・(そのお母さんに国生さゆり、その変貌ぶりに拍手。)・・盛男役の太め細目の男の子、「ハーバー吉野」の茶髪転校生くんも。皆さん、いいです。
休憩
初日、いてもたってもいられず。「オペレッタ狸御殿」に駆けつけたいのですが、こちら三重県下では上映なく、名古屋ピカデリーが最短劇場。上映時間はというと、昼間だけという・・・冷たさ。ちなみに夜は「花と蛇2」。来週中には無理にでも。
しかし、一般的な評判は・・ちと最悪状況。心配心配。
⇒ これからは、さん付けは止めることにします。敬称略で。⇒とはいえ、癖のもんですから・・。
ミリオンダラー・ベイビー
イーストウッド珠玉の傑作。映画はスクラップ(モーガン・フリーマン、さすが!)の語りで進み行きます。31歳の女性ボクサーが、老トレーナーと共に頂点へ登りつめるという感動ものかと思いしや、・・・ドイツ悪役ボクサーとの一戦は久々ロッキー風に盛り上がるのですが。
この映画は、男と女、父と娘、そんな関係を超えたラブストーリーです。最後に明かされる「モ・クシュラ」の意味の重さ。
マギーの母親のみせる残酷さ、フランキーの娘の非情さ、そんな無の家族よりも、深く結ばれた神々しいまでの絆をふたりに思います。ヒラリー・スワンクの涙が出るほどの輝き、君は薔薇より美しい。イーストウッドと交わす微笑みに・・。あのアイスメロンの美味しさが映画から伝わります。
5.28 津マイカル ★★★★★

(余談なのですが、日本映画での初女性ボクサーは?・・私の記憶によれば、三原順子(じゅん子)さん・・「あいつとララバイ」・・です。厚化粧ボクサー、いとほしい!)
オペレッタ狸御殿
ご報告を。
私的には、本年度いちの期待作、しかし・・結果は・・作家の映画、誰が観ても、なりきり鈴木清順ワールドではあるのですが、この底知れない脱力感はなんとも。清順作品、過去いろいろ観てはいますが、相性はよくなく、狸御殿映画に清順さんが!と聞いただけで、不安が先にたちました。いいところはいっぱい、もろ狸の薬師丸さんの妙演から、由紀さおりさんの「マイウェイ」熱唱、チープ丸出しの舞台設定の素敵なはずれ具合、佳曲「恋する炭酸水」・・ほかほか・・。しかしながら、どこでどう弾けたらいいのという平板さ、これも清順映画の業なのですが。
されど、このキテレツ味は、後生残りそうです。DVDが待たれます。
(ほんとは、ごく普通に・・宮藤さんとか三谷さんあたりに演ってほしかった「狸御殿映画」でしたが。大絶賛の声も、「素晴らしくて、天才的で、セクシーで、おかしい」(ニューヨーク・タイムズ)と。)
5.31 名古屋ピカデリー ★は・・つけられません。パスです。
ぶるうかなりや
WOWOWドラマ。鶴橋康夫さんのテレビドラマは、浅丘ルリ子時代からよく観てきましたが、さすが!この切れ味、実に相性がいいといいますか。池端俊策シナリオ。また音楽の乗り(本田聖嗣)が素晴らしい。・・宮沢りえさん歌う「愛のさざなみ」・・いいですねえ。
柄本明・渡辺えり子夫婦に、息子村上淳、この家族の崩壊と再生が描かれるのですが、1シーン1シーンの煮詰まり方が違います。夜逃げ家族サポートの盛り上がりもあって・・キューブを運転しての柄本カー・アクション?・・息がぬけません。
亀好きのやくざ・本田博太郎さんが妙演。
5.22 WOWOW放映 ★★★★
火火
田中裕子さんが「信楽の骨太かあさん」を見事に力強く体現しています。素晴らしい。
前半は陶芸家としての生き様が、後半は母としての生き様が。関西言葉の妙でしょう、湿っ気なく、時に強く時に弱く、ほどよい針の刺し具合で描かれています。実在の神山清子さんが、映画のなかに生きていました。
賢一役の窪塚俊介さんもよかった。
(・・余談ですが、「狸」は、あのヒッチコック鳥狸が唐突に1ショット・・高橋伴明監督もあの鳥狸をなんとか入れたかったんでしょうか。そして、信楽駅前の大狸が、これはちゃんと流れのなかで。)
6.11 大門シネマ ★★★★
四日間の奇蹟
原作を読み、真理子さん=マリアと憧れての・・実写版?・・これがビミョーなのです。「読んでから観るか、観てから読むか」、正しく・・これです。
石田ゆり子さんは悪くない、されどイメージがビミョーに違います。監督さんとしたら、真理子メインの映画に仕立ててはいるのですが、辛い過去のよくある話よりは、真理子さんのマリア的キャラを散文風にみせて欲しかったと・・。そして、千織さんのイメージも・・あまりに図柄が大きすぎて・・少女かなあ・・。
吉岡秀隆さんだけは、的確なイメージでした。
蛇足、平原さんの主題歌・・難しすぎます。「ジュピター」のCDを買い求めた私、でも一発屋に終わりそう。
6.10 マイカル ★★★ (皆さん、誰ひとり最後まで席を立ちませんでした・・というより立てないという状況に。私も実は密かに泣いてしまったひとりでありましたが・・)
高慢と偏見
イギリスBBCで1995年に放映され、ヨン様状態にコリン・ファース人気が沸騰したという総6時間の作品。この白馬の王子様風マーク・ダーシーに触発され、「BJの日記」が生れたというのは有名な話・・らしい。
某女狸様からお借りしたDVD、前半はカントリーダンス等等ちょっと辛かったのですが、後半の乗りは相当なもの。次女エリザベスの踏ん張りあっての玉の輿、いやはや驚きました。映画化ではキーラ・ナイトレイさんがエリザベス役とか。ちょっと観てみたい。
6. DVD ★★★
バットマン ビギンズ
「バットマンシリーズ」ではピカイチ、酔い加減もピカイチ。極上品でした。
バットマン誕生の背景には暗く深い意味があったとは。そしてヒーローとしての意味も。
応援に、コウモリ軍団が・・ってのには震えました。ドラマとしても役者揃って、ケン・ワタナベさんはともかくも、あのゲーリー・オールドマンさんがなななんと好々爺警官、いつもよき父イメージのリーアム・ニーソンさんがイメージそのままで終わらないという極悪役、そしてバットマンの守り役にマイケル・ケインさん、モーガン・フリーマンさん・・まあ贅沢!いい味わい。
6.18 マイカル ★★★★
WATARIDORI
ジャック・ペラン総監督という2001年の仏映画。登場する40種1000羽の鳥たち。卵の段階から飼育され3年間の撮影期間を費やしたという途方も無いドキュメント。なんせ鳥とカメラが並行して飛ぶという、とてつもない映像に唖然。ヒッチコックの「鳥」での鳥目線映像の凄さが、延々続くという、「もの凄さ」。一部やらせっぽいシーンあっても、この根性には脱帽。
何度でも観たい映画、何度でも「鳥」に生まれ変わりたくなる映画、素晴らしい。
6.19 NHK・BS録画 ★★★★★
エイリアンVSプレデター
モンスターとしての悪役に徹したエイリアン(宇宙トカゲ?)に対し、プレデターのほうは鎧甲に身を固めた時代劇風戦士の趣。唯ひとり生き残る女戦士サナ・レイサンとプレちゃんとのVSエイリアン図式が妙に楽しい。
おぞましいプレデターフェイスもそれなりに頼もしく見えててくるから不思議です。愛すべき作品です。
6.24 DVD R ★★★
ダニー・ザ・ドッグ
誰が何といおうと、これは傑作!つっこみどころは満載でも、映画に乗ってしまえばコッチのもんです。だいたいですねえ、リアリティがどうのこうの、リアリティってやつ、面倒ですねえ。それを言ってしまえば、「ミリオンダラーベイビー」のどこにリアリティがあったんでしょうか・・。
それはさておき。今までのカッコつけすぎミエきりすぎのジェット・リーさんが、なんという妙演。闘犬として育てられた男が、ピアノ調教師モーガン・フリーマンさん(三本たてつづけに観た劇場洋画、すべてに出演という快挙?)と出会い自分を取り戻してゆくというストーリー(リュック・ベッソン脚本)。これが実に泣かせるのです。アイスクリームを初めて食べるダニー、美味しそう。
絶対死なない(死ねない?)ボブ・ホスキンスさんの自分勝手な説得力も見事です。
ルイ・レテリエ監督の音楽的演出、あなたはエライ!
6.25 マイカル ★★★★★
永遠の片想い
韓国映画らしい、ちょっと仕掛けのある佳作。いつもながらのチャ・テヒョンさんは、ふたりの女の子を優柔不断かつ強引に巻き込み・・。そしてソン・イェジンさん、「明日が世界の終末だって憂い顔」で。ちょっと音痴風の生唄が切ない可愛い。そして、イ・ウンジュさん、・・2003年のこの映画で健気に生きていた彼女が、今いないことに・・涙。
6.25 WOWOW録画 ★★★
宇宙戦争
うーん、ウーン、WUU、と唸ってばかりでは先に進まないのですが・・うーん。
前半の、これぞスペクタクル、怖さ全開のつるべ打ち、これはどこまで行き着くのか・・ところが、ところが・・どうしちゃったのかスピルバーグ、ティム・ロビンスさんに何の責任も無いのですが、ティムさん登場からの失速感は・・唖然。
延々ファイバースコープマシンをもて遊んだ末、みもふたもないエイリアンの実像、いくら原作どおりとはいえラストのオチの素っ気無さ、茫然でありました。
7.2 マイカル ★★★
丹下左膳 百万両の壺
これはほっとします。豊川悦司さんが、なかなかのサゼンぶり。私にとっては、サゼンといえば大友柳太郎さんなのですが、けっこうトヨエツさん、様になっています。そしてお藤さん役の和久井映見さん・・「女は皆、お藤なんですよ」と彼女が分析したといいますから、見事にはまっています。そしてそして、壺をかかえトコトコ歩み行く武井証くんの絵になることといったら・・。
明るい明るい、素敵な映画でした。
7.2  WOWOW録画 ★★★☆
隠し剣 鬼の爪
公開当時、見逃していた作品。
すべてに一級品。明るい明るい「丹下左膳」に比べ、衣裳からセットから重量感あって、山田洋次監督らしい丁寧な日本映画に。ただ、あまりにも「たそがれ清兵衛」イメージがつきまとい、奉公人きえ(松たか子)を略奪するあたりの展開と「隠し剣」のくだりに違和感が。隠し剣はともかく、あの「鬼の爪」は・・あの藤枝梅安・緒形拳さんが・・少々唖然。
7.9 DVD R ★★★
ヘルボーイ
ナチスドイツが冒頭に登場。なにやら懐かしくもオドロオドロシイ展開に惑惑、主人公ヘルボーイ(ロン・パールマン)の純な思いに、ヒロイン セルマ・ブレアさんがしっとり応えてくれる。CG満載であっても、ヘルボーイの律儀な奮闘ぶりあって気にならないという稀なる作品。ギレルモ・デル・トロ監督の、ちょっと間をぬいた演出ぶりが素敵です。
7.9 DVD R ★★★★
休憩
・「ピンクパンサーシリーズDVDBOX」をオークションで購入。ピーター・セラーズのラジオ・テレビ時代の特典映像あたりに興奮。しかし、なんで「シリーズ2」が欠けているんでしょう?版権?うーん。
・夏のテレビ新番組をやたら録画して。ところが第1回は、どれもこれも無意味に長い。「いま、会いにゆきます」を筆頭に、いらいらさせられるだけの悪しき慣例、止めていただきたいものです。
「スローダンス」・久々の深津絵理さんは、やっぱり素敵に輝いていて安心。肝心のドラマのほうは、・・うーむ。
「女系家族」「おとなの夏休み」「教室の女王」と拝見。なかでは天海祐希さんの「ドラマ史上最悪の鬼教師」が面白そう。時間中トイレも行かせないという冷血ぶり、けっこう理にかなった先生のお話も聞け、癖になりそうです。2回目にして、ちょっと泣ける展開も。しかし最後、「貴方たちには負けたわ、これも私の計算だったのよ、フフフ」なんてことには決してならないように・・最後まで悪魔の教師でいてくだされ。そうそう、真矢先生に対するクールな福田麻由子ちゃん(あの「下妻物語」で桃子の小学生時代を演じてたのです。)がいいです。
「おとなの夏休み」も期待のわりにはダラダラ展開。寺島しのぶさんも生きていない。ひとり中越典子さんがよい感じでした。
故郷の香り
「山の郵便配達」のフォ・ジェンチイ監督。中国南部江西省の山村が舞台、これがまた懐かしくも温かい匂いで、物語を包み込みます。原題は「暖・ヌアン」は女主人公の名前、彼女と3人の男たちとの触れ合いがメインとなり、これが実にやるせない。香川照之さんが、耳も口も不自由なヤーバという役を演じているのですが、最後にみせるヌアンへの切ない情愛に泣かされました。
アヒルたちの行進、水に揺れるキャンディの包み紙、村にひとつのブランコ、ヌアンの化粧顔、チェック柄の折り畳み傘、・・・この監督さんには、身も心も捧げたくなる・・ぞっこんの映画でありました。
7.16 大門シネマ ★★★★★
埋もれ木
鈴鹿市を中心に三重県ロケが、(ローカルですが)話題になった作品。やはり気になって、鈴鹿まで駆けつけたというのは・・ミーハーの性ですか。
ただ夫婦千円のつもりが・・今回は特別上映ですので、ダメです。・・なんでー?と窓口嬢に聞くと・・監督のご意向なので・・と。そんな訳でということではないのですが、ただただ眠たい映画でありました。
ひとつのファンタジーらしいのですが、主人公の夏蓮(かれん)という女の子はどうってことない子だし、いろいろなアイテム(クジラ、埋没林、トンパ文字他他)の意味も不可解だけ、もっと判り易い言葉を使っていただかないと。映画の言葉は、「映像」なのでしょうが、この映画、はっきり「差別的映像」では。
おお四日市の近鉄駅前だー、津の観音さんだー、大門パチンコさんのネオンがー、とそこらへんだけは楽しかったですが。
7.18 鈴鹿マイカル ★★
逆境ナイン
またまた、ローカルニュース。伊勢市を中心に三重県オールロケというんで・・今度は名古屋まで。
これまた、脱力映画に。「2001年宇宙の旅」風に始まり、マカロニウエスタン風メロが流れ・・これはいけそうかと思いしや、どこがどう弾ければいいのかという展開に。112対0の逆境に・・少林サッカー風にくるのかと期待すると・・「透明ランナー」ってのは・・。評判の原作といいますが・・ウーン。このての映画は好きなタイプなのですが・・ウーン。予定調和の無意味さといいますか。バカっぷりが・・ふっきれていないといいますか。
伊勢市のさびれ放題の「新道商店街」が、実にいい絵姿に。それと、「津球場」ってのが、コンビナート地帯にというのがおかし嬉でした。
7.22 名古屋・シルバー劇場(この劇場は初めて。・・映画館らしい映画館でした。ちゃんと「喫煙場所」がロビーのようにあるのが頼もしい。早朝割引1300円ってのがまた頼もしい。) ★★
珈琲時光
ホウ・シャオシェン監督といっても、私が観たのはスー・チーさん観たさの「ミレニアムマンボ」のみ。彼女がやたら煙草を吸いまくる映画という印象のみ。そしてこの映画、・・けっこうはまってしまいました。
これも「埋もれ木」同様、眠気をひたすら誘う映画ではありますが、この眠気の心地よさはなんなんでしょう?
小津安二郎に捧ぐ、とい意味がよく判らないのですが、心地よい眠気というなら「なるほど」と。
一青窈さんが実にいい。古本屋の浅野忠信さん(よく出られてますねえ。「埋もれ木」にも。)もいい。それ以上にいいのが電車姿、三つの路線が交差する御茶ノ水駅風景はちょっとしたスペクタクルでした。行き交う電車の、浅野さんを捉えたシーンもスペクタクル。黙して正座する小林稔侍さんを延々捉えたシーンもまた。
眠気といらだちが妙に交錯した、好きな映画に。
7.23 DVD R ★★★★★
アイランド
ただただ、スカーレト・ヨハンソンさん観たさに・・それだけの理由で。あまり期待せず・・。
これが大迫力、いわゆるひとつのハリウッドアクション娯楽大作ってやつなのですが、今年ではピカイチもの。クローン人間を商品として生産するという時代、そのクローンである主人公(ユアン・マクレガー)が自分の住む世界に疑問も持ち・・、そして逃げる逃げる・・、ヨハンセンさんもちゃんとアクションしちゃって、始めてみる世界にポカンとする様は彼女の十八番風に素敵です。最後、ユアンと唇を交わしつつ「こんないいこと、もっともっと」(?)というシグサに、やや卒倒してしまいました。
ハイウェイに巨大車輪がドコンドコン転がり車が大横転といった見せ場他、ランボーすぎるほどのノンストップアクションここにありの光景が続出。ラスト、クローン仲間たちの大解放シーン、後味もよし、これぞ単純明快、ヨハンソン効果★プラスで、満点です。
7.24 津マイカル ★★★★
バッド・エデュケーション
大失敗。お昼を満腹状態の後、眠気を誘う類の映画ではないのに・・こくりこくり・・なにやら「ムーンリバー」が流れてきたなあ・・こくりこくりという有様。それでも後半、こちらもその気になるかの刺激的展開に眼が醒めて・・。「トーク・トゥ・ハー」のアルモドバル監督、自伝的要素の濃いものとか、女装姿も絶品のガエル・ガルシア・ベルナルさん、ようございました。
正直、まあ・・こういうのも良しか・・という印象。ちょっとサムイ。
7.27 津大門シネマ ★★★
ライフ・イズ・コメディ ピーター・セラーズの愛しかた
最近、ピーセラBOXともいうべきピンクパンサーDVDBOXで、彼の実体のない半オトナ人生を知っただけに・・このピーセラは嬉しくも、ちょっと辛い映画に。ピーターを演ずる・・というよりすべての登場人物を演じるジェフリー・ラッシュさんが凄い。(DVDの未公開シーンにもそれが。)
ブレーク・エドワーズ(ジョン・リスゴーさん)と仕事を共にしつつ、彼を二流監督と公の場でののしるあたり。・・ラストのBEとの別れ・・そして「チャンス」のあのラストへという意味合いも泣かせます。もうひとりのBE(ブリット・エクランドにシャリーズ・セロンさんが!)との出会い、これは笑わせちゃう。ピーセラさんの女性遍歴は、この映画でもソフィア・ローレンまで登場しての猛烈さ。そうそう、最後の妻はリン・フレデリックさんでした。・・アン・セラーズを演ずるエミリー・ワトソンさんが妙演。
とまあ、この映画はピーセラ好きな人にとっては至福の作品になっていて・・私的には大満足でした。
7.29 DVD R ★★★★★
レディ・ウエポン
孤島に集められた少女たちは・・美しく危険な暗殺者へ。
さて本編、これは単なる拉致じゃないの?あれあれバトルロワイヤル?といったアホな展開にガックリ。ラストの頭乗っかりド迫力アクションあたりだけは見事。主演はマギー・Qという方。親友役のアンヤさん(台湾)が泣きの演技で可愛い。
傑作「クローサー」を今も時々楽しむのですが、あれ以来、香港レディースアクションは沈滞気味で残念。
7.30 DVD R ★★
肉体女優殺し 五人の犯罪者
1957年・新東宝作品。浅草ロック座(・・余談・6年前に初めて観たロック座のショーには感激しました。セットも衣裳も踊りも栄えてました。)を舞台にしたストリッパー予告殺人事件に宇津井健記者が挑むという話で、石井輝男監督のセンス満載の映画に。
可憐・三ツ矢歌子さん扮する踊り子に、変質演出家・天知茂が苛酷なレッスンを強要するというシーン。ドラム合戦風の熱いシーンに。素晴らしい。それにしても、歌子さんが可愛くて・・。DVD保存に。
7.30 NECO録画 ★★★★
妖怪大戦争
期待度大で公開初日に駆けつけました。
期待が大きすぎて・・まんずまんず楽しめるのですが、どうも話の展開が・・1968年の大映作品では、異国の大妖怪ダイモンが日本を襲い、わが日本妖怪が立ち向かうという正しい「妖怪大戦争」でしたが、今作では怨念魔人・加藤保憲がマシン廃棄物を糧にして日本を闇の世界にという展開。お祭じゃとばかり全国の妖怪5百が集結するのはいいのですが、ただ集まってるだけ、本来のわれらが日本妖怪パワーの見せ場は全くないというのは如何なものか。・・段々腹が立ってきた・・。あの大天狗があんな簡単にやられてしまうとは・・。小豆洗い妖怪の、一粒の小豆が鍵になるとはいえ。
前作では「雲外鏡」という妖怪狸が出てきたのですが、信楽狸・化け狸がちょこっと顔を見せるだけというのも・・腹立たしい。
あたしは、この季節はどうもとしりごみする「雪女」・吉井怜さん(妖怪の皆さん、今ひとつやる気がないのがいいのですが・・)、見せ場たっぷりの「ろくろ首」・三輪明日美さん、そして「鳥刺し妖女」・栗山千明さんの「悪の舞姫」っぷり、「太股妖女」・高橋真唯さんの「正義の右往左往」っぷりはチェックポイントです。
8.6 津マイカル ★★★
スパイバウンド
モニカ・ベルッチさんが女スパイ・・ちょっとヤツレ気味の無表情さが妙に色っぽく・・スパイという自分から抜け出したいという思いが伝わります。実際の旦那さんというヴァンサン・カッセルと最後逃避行となるのですが、話はこれからというところでエンドクレジット。そもそも、ふたりのスパイ同志が「男と女」の関係になってるようでなってないといいますか、よく判らんところがスッキリしません。その後のふたりをしんねりむっつりというのが、面白いのに。
8.11 DVD R ★★★
モーターサイクル・ダイアリーズ
レッドフォード製作。エルネスト・チェ・ゲバラの「モーターサイクル南米旅行日記」を基にしたロードムービー。
ゲバラといえば、60年代のカリスマ、あのヒゲ面のポートレートはポスター・Tシャツに形を変え世界を駆け巡ったものでした。
その若きゲバラは喘息持ちで、けっこう女性関係も盛んだったようで・・それはそれとして、前半のポンコツバイクでの南米風景が素晴らしい絵になっています。ゲバラに「バッドエデュケーション」を観たばかりのガエルさん。後味いい青春映画ではありますが・・ちょっと出来すぎ、物足りません。
8.12 DVD R ★★★
閉ざされた森
長らくHDD保存されっぱなしだった録画もの、やっと解禁。これは相当に面白い。しかししかしドンデン返し映画というのは、やられたーというのが快感になる場合と、逆に「なんだったんだ、あんまりだー」と不快感で終わる場合が・・今作は出来すぎ故、やや不快。トラヴォルタにサミュエル・L・ジャクソンという顔合わせ?がミソ。そして、ヒロインの女性大尉コニー・ニールセン!ショートカットに制服のみで・・彼女が分厚い電話帳?をとりあげ、なにをするのかと思いしや、元彼をそれでブチノメスというシッヨクは、後世に残るシーンです。独断的に彼女に★を。
8.18 WOWOW録画 ★★★★
笑の大学
その昔ビデオ録画した「古畑任三朗」シリーズの1・2から厳選DVD保存にテープを見直していると、星 譲演出のエピソードにも遭遇。その星監督の三谷幸喜映画です。「お肉のために・・」フレーズから、舞台を超えて検察官が取調室を走り回るあたり、最高潮の映画に。ややラストがくどいのを除けばウットリの佳作に。浅草の風景にもウットトトリ。
稲垣吾郎くんも頑張ってはいますが、やはり役所広司さんの染まり具合は横綱相撲、少し落差が。そうそう、洒落たエンドタイトルは必見。まさかヒトラーが(チャーチルまでも)寿司を握ってくれるなんて・・感激しました。
8.19 DVD R ★★★
いつか読書する日←リンク
50歳独身、大場美奈子。階段を駆け上がる、自転車を走らせる、彼女の息づかいが全身で伝わります。田中裕子さんが・・素晴らしい。ラスト、一言よし!」と力入れ階段を昇り丘の上、彼女の神々しいばかりの、凛とした美しさ。
この映画は、架空の町「西東市」を舞台にしていますが、実際のロケは長崎市。こんな階段があっていいのかというぐらいの坂の町。暗い朝、美奈子さんが坂の町を牛乳配達するシーンは見事なスペクタクルに。
岸部一徳さんが、彼女の同級生高梨塊多役。そして・・塊多「ずっと思ってきたこと。したい」・・美奈子「全部して」。その切なくももどかしいラブシーン・・涙。そして、最後のデス・スマイル・・涙。
彷徨老人の字幕言葉の浮き加減ほか、難所はいくつかあれど・・美奈子さんと塊多さんと舞台となる町の深とした佇まいに心打たれました。
私、終生、・・塊多さんの変わりに・・美奈子さんを愛し続けます。

(PS 後日、美奈子悪女論という説を知り・・塊多への復讐・・ウム、ありだなあ、と。)

日本映画のちまちました4キロ四方の世界・・これぞ日本映画の醍醐味です。

老人と塊多・・「あの・・おいくつですか?」「・・85だ。」「あの、50から85までって長いですか?」「何で」「今、50なんで」「・・長げえぞ・・」。心残る会話でした。

8.22 伊勢進富座 ★★★★★ (進富座さんは初めて・・月曜日は男性千円デーということもあって、お客さんはけっこう・・次は「リンダリンダリンダ」をと御主人に約束を。久しぶりに映画館へ来たなあと。感謝。)

余談・近くにある閉館された「世界館」という劇場、今は映画グッズを売っていますよと教えていただき、駆けつけると今日は月曜日でお休みでしたが、そこのご主人が運よくみえお店を明けてもらいました。洋邦いっぱいのポスターが!それも美品ばかり、ナタリー・ウッドがメインになった(これは珍しい!)「ウエストサイド物語」を購入。4千円は安い。素敵な映画と、素敵なポスターのおかげで、至福の休日(遅れお盆休み中)に。・・ただ帰り道の遊技場では惨敗でしたが。
休憩
・今シーズン、テレビドラマで唯一「女王の教室」だけは欠かさず。マイ夢の中に、阿久津先生が出てくるのだから・・。ちょっと凄い。
観続けていると、神田和美役の志田未来ちゃんは・・エライ!と。
(当初、クール麻由子ちゃんを一押ししていましたが、今は全く精彩なく・・) キッタハッタの極道教室で、聖母のように荒波に立ち向かう彼女は・・輝いています。いい役者さんです。
奥さまは魔女
たまにはライトに。
サマンサといえば「鼻ピクピク」(ほんとは唇ピクピク?)のエリザベス・モンゴメリーさん、CSではちょくちょく未だに放映されるのですが・・1964年から72年のオリジナル版を懐かしく蘇らせたのが今作。それにしても、ニコールさん、40近いなんて信じられないくらいに若い可愛い。ブリッコを超えて、役者やのーと感心感歎。ニット主体というファッションがまたピタリはまってます。
シャーリー・マクレーンの老艶姿(きれいな御足!)、マイケル・ケインのお洒落な味わいも楽しいのですが、ダーリン役の方が暑苦しすぎて大減点。お話も今ひとつ爆発力が足りませんでした。
8.27 津マイカル ★★★ (同日初日の「踊る室井慎次」に比べると1/15の入り具合でした。)
TAXY NY
本家シリーズよりも・・キレ味よし、旨味たっぷり、凄腕ドライバー クイーン・ラティファさんの乗りっぷりが最高にいいです。ボケダメ刑事ジミー・ファロンとのコンビに乗せられる乗せられる・・そしてボケ刑事の母親にアン・マーグレットさんというのが・・泣かせます。またも(「エニイ・ギブン・サンデー」に続いて)アル中気味の可愛いお婆ちゃん風、絶句的にいとほしーい。最近のシャーリー・マクレーンの老艶姿といい・・嬉し泣き状態です。グシュン。
銀行強盗が美女モデル集団という設定も嬉しく、出来ればブリジット・ニールセンさん(「ビバリーヒルズコップ2」)を悪の統領役にして欲しかったです。しかしスタローン夫人だった彼女、今の艶姿が観たい。
8.28 DVD R ★★★★ 
香港国際警察
最近、ジャッキー・チェン映画が地方の劇場で観れない!悔しい日々が続き、ジャッキーのためにもと買ってきましたぞー、DVDを。
ジャッキー映画のわがベスト「香港国際警察」(1985)から早20年、感無量です。
ハリウッド版ジャッキーもよいよいなのですが、やはり香港映画、泥臭いジャッキーが還ってきました。失意のどん底で憔悴するという設定は似合いはしませんが、状況が状況です。そして蘇りのアクションつるべ打ち、50歳を超えて・・やっぱりジャッキーは神様です。最近いよいよ涙もろくなった私、ジャッキー勇姿に涙で乾杯を。
ただ恒例のNG集エンドタイトル、ワイアーにつられた彼は観たくなかった・・という思いが。
9.1 DVD ★★★★☆
容疑者 室井慎次
「踊る」主義者(・・どんな主義や?)としては、やはり観ておかなくては。
ご存知湾岸署メンバーは3人組の特別出演だけで、映画は全くの別モノに。気味悪いほどの灰島法律事務所メンバー、警察庁VS警視庁のおぞましき権力闘争と仕掛けに惑惑させられるのですが・・、ラスト、灰島所長(?八嶋智人さん)は駄々こねるだけの子供に化し、権力闘争はどこへやらのあっけなさ状態に。ただ、田中麗奈さんのキリリとした走りっぷり、室井さんの長い長い独白を受ける静かな佇まいに感心しました。
9.3 津マイカル ★★★
リンダ リンダ リンダ
たるみ気味な、無駄な間合いを武器にしている・・・どうも、このての日本映画が多いように思うのですが。これはいいことなのかというと、どうなんでしょう?はたして「映画」になってるのかなってないのか、微妙なところで右往左往して、さあ「お召し上がりください」という創作料理映画、・・女子高生のリアルさが見事にと云われても、女子高生を経験したことがない私には・・とまあグダグダ記しつつ・・。
ペ・ドゥナさんのすっとぼけた味わいがすべて、これで彼女の存在が無かったらどうなっていたのか。
リンク先の「映画生活」さんでは、この映画、けっこう熱く皆さん論争?されています。
9.5 伊勢・進冨座  ★★★
SHINOBI
これはハナから外国映画。いわゆるファンド映画だから当然外国向けという趣。そして、けっこう頑張っていますぞー。
画像も、もちろん仲間さんもジョーさんも美しく、アクションから衣裳から正にアジア映画。
惜しむらくは、ラストOBOROさん、時の権力者をチャン・ツィイー風にぶちのめす舞をやって欲しかったのですが。あまりにも弱腰、気が抜けてしまいます。
いろいろ難点あれど、まずは立派なエンタテイメントに。女忍者たち(黒谷友香さん、沢尻エリカさん)の哀しさも伝わりました。
9.17 津 マイカル ★★★  (始めて「SAYURI」の予告編を。わああ、桃井かおりさんまでも英語しゃべってはる・・。ほんに吹き替え版は予定ないのでしょうか・・。)
チャーリーとチョコレート工場
チョコレート大好きの私、冒頭、チョコレート製造工場のめくるめくスペクタクルにもはや恍惚状態。
実に贅沢なティム・バートン宇宙は、総天然色風に嬉しくなります。特に嬉しいのが、リスたち40匹(ホンモノ!)の見事な演技、ウンパ・ルンパ軍団のダンシング。
パパママ、ダブルおじいちゃんおばあちゃんと住むチャーリーくんのお家の温かさもよろしいです。ただ、バートンさん、「ビッグフィッシュ」あたりから家族愛に目覚めたみたいで・・・少々イメージが狂うのですが。そうそう、ジョニー・デップさんは見事ジョニー印でさすが。
9.19 津 マイカル ★★★★  
復讐者に憐れみを
久々、韓国映画にズシンズシン。パク・チャヌク監督、04年「オールドボーイ」の2年前、02年作品。
主人公は耳と口に障害を持つ若者、姉は腎臓病という尋常ではない設定から臓器密売、誘拐事件とてんこもりの残酷展開が押し寄せるのですが、省略法の演出が華麗なほど美しく、微妙な可笑しさもちらちらと。復讐者ソン・ガンボの最期も・・。
わが
ペ・ドゥナさんは、・・「リンダリンダ・・」の女子高生から2年前に戻り・・過激派革命戦士で「よい誘拐」を計画実行するというヨンミ役を見事ドゥナ風に演じています。革命歌を唄いつつのゴム飛びシーンなんて正にドゥナさん!(ただ半裸のナニ・シーンには私・・心がアタフタに。)
時にキム・ギドク映画を思わせるイメージも。しかし凄い映画でした。復讐3部作最後は「親切なクムジャさん」、早く早く観たいものです。
9.19 DVD R ★★★★★
コースト・ガード
キム・ギドクとしては2002年、「悪い男」後の作品。私にとっては、5本目となります。
誤って民間人を殺してしまった若き軍人、殺された男の恋人、ふたりが揃って狂気の世界へという筋書きなのですが、「いたぶられる魚」「水辺」「水槽」と随所にキム・イメージが。ただ、除隊になった男(チャン・ドンゴン)の心が今ひとつ伝わらず、部隊が女ひとりに壊されていくあたりも強引すぎるように思います。
キム作品としては、始めて印象に薄い映画に。
9.21 津 大門シネマ ★★★  
パッチギ!
舞台は1968年の京都、いきなりの高校生集団暴走シーンの迫力に驚かされますが、朝鮮学校生徒の面構えにも驚きを。よくまあ、これだけ活きのいいゴンタ連中が揃ったものよと。この面子なら立派に韓国映画と勝負できますぞー。井筒和幸監督、もうこれだけで映画が成功してます。ヒロイン沢尻エリカさんの度胸っぷり、キック一発真木よう子さんの切れ味と女優さんも最良です。
「イムジン河」をテーマにした朝鮮人差別の時代背景も伝わり、クライマクスのこれぞという高揚感、これこそ日本映画です。
9.21 DVD R ★★★★☆  
歌え!ジャニス・ジョプリンのように
なんとフランス映画、それもコメディでした。全く予備知識なく、ただジャニス・ジョプリンに惹かれて。(10月4日は彼女の命日、27歳で死んだジャニス・ジョプリン・・20代のころ、擦り切れるほど聞いたジャニスのレコード・・)
もう絶妙のテンポで笑わせてくれる前半、なんとジョン・レノンとジャニスのものばかり売っているお店、主人があれまクリストファー・ランベールさん、こんなところに。偽のジョンとジャニスを担ぎ出し、その張本人(セルジ・ロペスさん)の奥さんがジャニスに乗り移ってしまうという展開なのですが・。
この奥さん役が、マリー・トランティニヤン・・ロック歌手の恋人に41歳で殺される。父親違いの4人の子供を残して。・・そして父がジャン=ルイ・トランティニヤン・・その本人がこの映画のキー役で。恥ずかしながら、映画の最中、まさかルイさんとは判りませんでした。「狼は天使の匂い」「男と女」「Z」・・あのルイさんとは。
ラスト、名曲「コズミック・ブルース」をマリーさんが唄います。後半は完全な腰砕け、とはいえ驚きの一作。この監督さんはマリーの元夫だった人とか。今も錯乱しつつ、仰天映画でありました。
9.22 WOWOW 録画 ★★★★  
四月の雪
男ひとりでは観に行く勇気なく、「シンデレラマン」は観たいけどという相方を無理矢理引き込み・・ソン・イェジンさんに会いに。
「いつも貴女は明日世界が終わってしまうような顔をしてる」(永遠の片想い)と評されたイェジンさん、本作ではそのウルウル顔を監督さんの指示か封印、人妻の憂い顔を時に色香ふりまきみせてくれます。
ホ・ジノ監督は、泣かせる韓国王道映画ではなく実に静かな佇まいの作品に仕立て、「四月の雪」が降るラストシーンまで情感たっぷり。好印象のラブドラマでした。それにしても、ペ・ヨンジュンさんは「眼鏡」をかけるために生れてきた俳優さんなんですねえ。。
9.22 津 マイカル ★★★★ (けっこう若いカップルも、そしてわれらがオジオバカップルも・・大盛況でした。) 
大統領の理髪師
これは傑作です。1960年代の韓国、大統領官邸のある町の床屋さん、強制的にパク・チョンヒ大統領専属の理髪師にさせられるハンモ役にソン・ガンボさん!素晴らしい名演。
映画はハンモの息子ナガン(イ・ジェウン君、これまた名演)の語りでコメディ風に進むのですが、反共政治の中、下痢した人は皆「マルクス病」といった怪事件から、子供のナガンまでも連行され電気リンチを受けるといったところも実にコミカルな展開になっていて、イム・チャンサン監督、只者ではない。
79年にパク大統領は暗殺され、次の大統領の理髪師に任じられるのですが・・ハゲ頭見て「髪が伸びたらまた来ます」なんてことを口走り袋詰めにされ官邸から放り出され・・してやったりと微笑むなんてラストが嬉しいです。
9.23 DVD R ★★★★★  
NANA
休みを1日とって映画のハシゴをしてみました。水曜日の初回、やたら奥様方が殺到していたのはレディースディ(千円)、「四月の雪」へ、こちらの映画は寂しい入りで総計7人とは。
原作のマンガにイメージも台詞も完璧に近いらしいのですが、そこはよく判らず、けっこう古典的な展開が心地よくセット然とした雪国駅の風景にも
納得、ナナと奈々、中島美嘉さんと宮崎あおいさんコンビも最良級です。これからの進行がどうなってるのか不明なのですが、昔の恋人レン(松田龍平・・なぜか原作を知る人の間では不評・・)とああもあっさり又バスタブで戯れるというのは・・?しっかりしてるようで賢くないのがナナで、アホのようで実はオトナなのが奈々のようにも思いました。
9.26 津 マイカル ★★★  
超能力ユニット ファンタスティック・フォー
なんちゅうタイトルや。
お昼過ぎ、まあまあの入り。さてさて、ジェシカ・アルバさんです。「ダークエンジェル」後はさっぱりだった彼女、突然のようにコミックもので蘇り、日本版プレイボーイの表紙にも!
さてここでの彼女は、女科学者、そして透明能力を身に付けるという役柄。これが似合ってたかはともかくも、透明化けシーンがなんとも中途半端、上等なアクションのひとつくらいは披露して欲しかったです。次は「シン・シティ」だー。
岩石男ザ・シングが儲け役、橋の上での頑張りには大拍手を。後は・・ウーン、キレ味鈍い映画でした。
9.26 津 マイカル ★★★  
成瀬巳喜男映画
NHK-BSで放映された成瀬映画の数々。そのなかで録画鑑賞したものは、「晩菊」「浮雲」「流れる」「女が階段を上る時」「放浪記」「乱れる」「女の中にいる他人」「乱れ雲」の八本。実のところ、この監督さんの映画って・・フィルムグラフィーによれば、劇場で観たのはなんと「コタンの口笛」只一本。確か学校の実習授業で。
名作の誉れ高い「浮雲」は昔テレビで観たような・・という程度、全作品、全くの初物として遭遇を。
林芙美子原作のもの、これは森雅之(浮雲)にしても上原謙(晩菊)にしても、まあ男どもがだらしないといいますか、そこが面白いのですが、「放浪記」の芙美子のダメ兄・織田政雄さんなどは哀れすぎて・・。この当時の織田さん、どんな映画でも常に弱い男役で登場、私なんぞは陰ながら「織田!頑張れ!」と応援していました。自分に重ねていたのか・・好きな俳優さんでした。
監督と名コンビといわれた高峰秀子さん、私としては昔から苦手な女優さん(木下恵介映画ではけっこうリアルタイムで)でして・・色気もなにも感じない方でしたが、今回いろいろ観ても全く発展はありませんでした。むしろ、司葉子さんとか新珠三千代さんとか、この方たちけっこう栄えるんだと感じ入った次第です。最高だったのは「晩菊」の望月優子さん、モンローウォークまで披露を。
そして、いつも顔を見せていたのが加東大介さん!、特に「女が階段・・」での気のいい実に出来たオッサン、もう完全に騙されてしまいました。
そうそう、「女の中に・・」の小林桂樹さんと若林映子さんの首絞めプレイ、「愛の流刑地」の菊治・冬香を・・。
まあ大急ぎの全くまとまりのない感想文ということで。なお、いちばん面白く観れたのは「晩菊」でありました。
9〜10 NHK-BS 録画 
シン・シティ
「この街では愛さえも闘い」・・この街では戦いが「愛」。愛のエピソードがみっつ、ちょっと滑稽なほどの愛が展開します。
ナンシーことジェシカ・アルバさんがせつなく可愛く惚れ惚れ。ブルース・ウィリスとのからみも納得させられます。
「キルビル」風のぶっとんだ世界を期待したわりには大人しい映画で、二刀流デヴォン青木さん(刺客ミホ役)は刺激的ではありますが・・。モノクロ部分カラーってのも面白そうで今ひとつ興奮しませんし・・。いい題材なんですが勢いあまっての感じが。
10.8 津 マイカル ★★★ (寂しい入り・・大宣伝のわりにヒットに至らずってところですか?)
皇帝ペンギン
(ローカル話ですが・・)某名古屋港水族館、皇帝ペンギンエリアというのがあり、その堂々の姿、・・水中を疾走する姿も観れるという・・観てるだけで至福という思いあって、人間以外で生まれ変われるのなら「皇帝ペンギン」か「キリン」(あの世俗を超越した姿がたまりません・・)か「たぬき」だなあと・・。
ところがところが、皇帝ペンギン・・にだけは生まれ変わりたくないなあと・・。母ペンギンの産み落とした卵を120日間、何も食べずに吹雪の中、守り続ける父ペンギン・・姿形だけで、神の創った至上のデザイン造形は「皇帝ペンギン」だと思っていた私・・表しか知らなかった、愚か者でした。
映画・・・・あえて字幕版で観たのですが(日本版らしきものを予告編で観た段階で、これはイカンなあと・・)、それでも台詞過多、テンポも良の下ってところでした。アメリカ版はモーガン・フリーマンの独り語りとか、これのほうが観てみたいです。
10.10 津 大門シネマ ★★★ 
秋のテレビジョン
「女王の教室」で血沸かせた夏ドラマも終わり・・。あちゃこちゃ観た秋ドラは、まず「あいのうた」。岡田恵和さんだけあって安心できそうな妙味が。和久井映見さんが実に可愛く栄えてます。
「危険なアネキ」は、伊東美咲さんの「タイガー∩ドラゴン」に続くボケ味が素敵すぎて、弟役の森山未來くんも相乗効果で素敵。ドラマも、持続できそうな面白さ。
そして、「熟年離婚」、松阪妻の離婚宣言に仰天悪戦する渡夫君、これは見もの。いやいや他人事でなく。
あと江尻エリカさん「1リットルの涙」。薬師丸ひろ子のお母さんが実にいい。彼女も「お母さん」役か・・・。
ドミノ
半月の東京近辺暮らしあって、久々の映画に。
トニー・スコット監督、スゴイ。車が空中高くぶっとばされようが何しようが、映画の1カットという実に贅沢な映画創りに驚かされます。主人公ドミノの生き様と一緒に、お話も映像も音楽も乱舞しまくり、うっとりです。この感覚、懐かしい・・あのニューシネマの残影が。妙に破綻したところが、いとほしい・・好きな映画です。
しかし、ドミノ(キーラ・ナントレイさん、いい根性されてます。)という実在の、しかもローレンス・ハーヴィーの娘さんだったとは知りませんでした。この映画の完成直前、35歳で死すとは。
「シンシティ」に続き復活ミッキー・ローク、そして、ジャクリーヌ・ビセットさんが・・おおお、言葉が・・。
10.30 津 マイカル ★★★★☆ 
私の頭の中の消しゴム
ソン・イェジンさんが冒頭なんという厚化粧で・・びっくり。上司との不倫に破れての設定。
前半、定石風のラブストーリーが淡々と描かれます。後半、アルツハイマー化したスジンと夫チョルス(チョン・ウソン)の情愛が切々と・・、泣かせる泣かせるという評判のわりには今ひとつ泣けませんでしたが、これはこれで上質のラブストーリーだと思います。
それにしても、イェジンさんはいとほしい方です。屈託のない笑顔から、ぽかんと空をみる記憶喪失顔、そして究極の泣き顔・・
日本映画が日本映画らしかった時代の女優さんが彼女に重なります。
10.31 津 マイカル ★★★ 
真夜中の弥次さん喜多さん
まあビックリ・・乗りのいいアホ喜劇かと思いしや・・ホモ弥次喜多、片方クスリ中毒という設定は驚くこともなく過ぎ行くも・・小池栄子さん(私、好き!)お米トギ、シャシャシャ・・以降の暗転模様、これは仰天。
あの「タイガー∩ドラゴン」のラストにも通じる、けっこう宮藤さんって根が重いんだという趣、作者の「性」なんでしょうか。
大好きなのは、あの「荒川良々さん、皆の衆」シーンのシュールさ!後世に残したい、語り草にしたいシーンでした。
11.3 DVD R ★★★ 
春の雪
わが20代、読み尽くした三島「豊饒の海」4部作・・この第一作あたりは直ぐにでも映画化されてしかるべきものが、30数年後、初の映画化というのは・・感無量といいますか・・このへん、心が複雑すぎます。
映画としては、よく出来ています。しかししかし・・あえて今、この「春の雪」は辛いです。観たくなかったと思いつつ観てしまったという辛さ。三島由紀夫自身の「批評」を、あの世から聞きたいです。
しかし、「映画」というのは・・残酷なほどにリアルなものなんですねえ。ツマブキ∩タケウチねえ。(なんせ「ジョゼ・・」の妻夫木、ジンコの竹内といったイメージが強すぎて。市川雷蔵・若尾文子で観たかった。)いくらなんでも宇多田ヒカルってのは・・三島残酷物語です。
11.6 津 マイカル ★★ 
三丁目の夕日
これはもうなんと申しましょうか・・(小西得郎さんだー)、昭和33年の世界(・・ちなみに私が小学校5年生のころ・・)、とはいえ、これは「三丁目」限定の異次元世界、生の昭和33年ではありませんぞ、しかししかし擬似タイムスリップ体験としては素材のせつないストーリーに、始めから終わりまで涙枯れることないという「初体験」映画に。いやあ、まいりました。
あの傑作「リターナー」、妙に懐かしい映画でした。山崎貴監督は、正にこの映画のための方、レトロな宇宙が見事なSF次元に。真正「東宝スコープ」の蘇りは、ミニチュア都電のぎこちなさに・・素晴らしい!
この作品は、あの頃はよかった風の趣きはありますが、これは見事な「東宝空想科学映画」です。
愛すべき映画でした。吉岡秀隆さん、情けないのが実にいい。薬師丸ひろ子お母さん、素敵にいい。(ちょっと気になったのは、あの三丁目界隈には「映画館」がなかったのか・・そこらへん・・寂しい思いが・・)
11.11 津 マイカル ★★★★☆ 
イン・ハー・シューズ
なにからなにまで正反対の姉妹が巻き起こす「以心伝心」(・・という意味とか・・原題は・・)物語。
キャメロン・ディアスがそのまんまの困ったもんだ妹役、もうこんなピッタリ役は最初で最期に違いない。しっかりもので、その実なんかズレテル姉さんにトニ・コレット、彼女がまた素晴らしい。そんでもってシャーリー・マクレーンがピシリと映画をしめる、正に監督カーティス・ハンソンのパワーここにあり。脚本スザンナ・グラントのパワー。
盲目の老教授によってマギーが自分をみつめ直すあたりには、ホロリと。
11.19 津 マイカル ★★★★ 
レジェント 三蔵法師の秘宝
ミシェル・ヨー自ら製作の2002年渾身作、しかし興行的にはぱっとせず、やっと日本では05年に。
中国チンタオ、敦煌、そしてチベット、2千人のラマ僧がというロケシーンも。ややもたつき気味のストーリーなれど、ミシェルさんの踏ん張りアクションだけで大満足。特にラスト、仕掛け山盛りの洞窟アクションは見事でした。
使えない部下を従えひとり頑張る極悪富豪、リチャード・ロクスバーグさんがよろしいです。
11.23 DVD R ★★★★ 
コープス ブライド
「死体の骸骨花嫁」、顔に空洞、目玉から蛆虫、ところがところが彼女のチャーミングさ(・・最近、チャーミングって言葉・・死語状態?)、恋してしまいました。ティム・バートンのストップモーション人形アニメ、素晴らしい。
77分というあっさりした時間枠も好ましく、美しき「死の世界」に浸れます。反して「生の世界」のなんという冷たさ、ここらへんの味付けがティム・バートンなのですねえ。
11.23 津 マイカル ★★★★ 
レイ
レイ・チャールズってそうかこういう人生を歩んだのだ、と納得。
そうか「ホワッド・アイ・セイ」はこうして生れたのか、と納得。
レイが15歳の時、31歳で過労死したという母アリサ、その存在感に納得。
11.25 DVD R ★★★ 
理想の女
オスカー・ワイルド戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇」の映画化・・とのことですが・・お目当てはウィンダミア夫人役のヨハンソンさん、舞台はどこでもヨハンソン、いつでもどこでもヨハンソン、というわけで今回も・・まあ初々しい。
ヘレン・ハント演じる「アーリン夫人」が核となり、「実は母と娘」というあたりが映画の根っこになるのですが、どうも流れとしては上滑り気味、今ひとつ伝わりません。それよりも、この映画、「結婚の正しい基礎は、大いなる誤解から」といったワイルド名言格言集を楽しむのが最良、訳判らぬ女性を取り巻くおじ様方の言葉使いが楽しいのです。
11.27 津 大門シネマ ★★★☆ 
Mr.& Mrs.スミス
きれいさっぱり後には何も残らない、究極のハリウッドスターシネマ。とはいえ、さすがピット&ジョリー、オーラ満開です。
ジョリーさんって・・未だ30歳、ふたりの養子を持った国連平和大使という顔、生き方の真摯さに・・あっぱれ印を。
貴女は、なにをやろうがしようが、すべて私が許します。
さてさて、映画はっていうと、ダグ・リーマン監督、あの「ボーン・アンデンティテイー」の切れ味はどこへやら、いろいろウラ話的にはあったみたいですが・・ちょっと厳しい。あのホーム・バトル後の錯乱ラブシーンの繋がりの奇妙さは?ハリウッドシネマの限界のようにも。
12.3 津 マイカル ★★★ 
SAYURI
原作も読み、不安と期待の一年、初日・・駆けつけました。長かったー、この一年。
そしてそして・・不安と期待が予想道理の作品に。これはこれは・・「七つの顔の映画だぜ」(?)
これこそ日本語バージョンをという作品、役所さんが桃井さんが「英語」をしゃべってるーというのが??「グリーン・デスティニー」が英語字幕にもかかわらずアメリカでヒットしたなら、なんでなんでという違和感、ウーム。
作品としては、堂々たるもの。コン・リーさん、至上!ミシェール・ヨーさん、貫禄!
半年後、DVD化された暁、日本語版を観て・・再考したいと思います。

⇒ 2006.8 DVD日本語版を。桃井さん他皆がちゃんと日本語しゃべってると安心出来るかというと、これが不思議。英語版では、「(日本ではない)とあるアジアの国のお話」というイメージで素直に受け取れたのが、日本語しゃべってるけど背景が日本と違いすぎる、なんじゃこれはとなって、音楽までも五月蝿く聞こえだすという次第。
やはり、英語版で正解だったようです。
12.10 津 マイカル ★★★★ 
モンスター
1年間で7人の男たちを殺し続けたアイリーン・ウォーノス、この怪物女にシャーリーズ・セロン、唖然茫然、オスカーも当然の凄演です。体型そのものを崩してしまうというのがスゴイ。口元をへの字に頭をのけぞらし、セロンさん、ここまで演じきると逆に爽やか壮快。また、セルビー役のクリスティーナ・リッチさん、不可思議な捻じ曲がれ具合が素晴らしい。
この監督さん、パティ・ジェンキンズという31歳の女性、ふたりの女優さんに乗せられてのフットワーク良しの快走っぷり。
殺人への過程にやや解りにくいところがあるのですが、いやはや、ズシンとくる映画でした。
12.11 WOWOW録画 ★★★★ 
キングコング
まさかの「キングコング」に、ここまで大泣きさせられるとは!
エイリアンもどき怪物体まで登場のテンコ盛りスペクタクルに仰天・・特に谷底めがけてヒロインとコングが恐竜ともども落下するというトンデモシーンはスゴイ・・そしてコングの愛に満ちた表情、素晴らしすぎる。
前歯2本がチャーミングなナオミ・ワッツさんが走る踊る落ちる叫ぶの大奮闘、美しすぎる。
ピーター・ジャクソン入魂の3時間大作、圧巻。
12.23 津マイカル ★★★★★ 
男たちの大和
こちらは、お帰りなさいの角川春樹、「俺の映画だ」と言い切る入魂の邦画大作。そして、8年ぶりのお帰りなさい佐藤純弥監督。3分の2の「大和」を作り上げただけに,ハリウッド張りの迫力。結局、何の戦力にもならなかったデクノボウ的戦艦、長嶋一茂さん(見違えるほどのいい役!)の言う「負けて初めて日本は目覚める」なる台詞には納得を。
このての作品は、観る人によって捉え方がいろいろなんでしょうが、私には作品としての心は伝わりました。
泣かされたのは、余貴美子さんのシーン、彼女は大好きな役者さんです。
12.29 津 マイカル ★★★ 
今年は・・。
この一年は、週イチの感じで映画を観まくったようにも。
外国映画は百花繚乱というべき満開の年、昨年は韓国映画満開の年でしたが・・。
そこでベスト10本を。横一列の10本です。
「ダニー・ザ・ドッグ」「カンフーハッスル」「ピーターセラーズの愛し方」「ミリオンダラーベイビー」「サマリア」「香港国際警察」「復讐者に憐れみを」「ビヨンドtheシー」「ドミノ」「キングコング」。
悔しいかな、「故郷の香り」「大統領の理髪師」「私の頭の中の消しゴム」「コープスブライド」「チャーリーとチョココレート工場」が・・。思えば「SAYURI」も捨てがたいし。
日本映画は、昨年の「下妻物語」「スィングガールズ」といった弾けたものがなく寂しい思いを。
なかでは「いつか読書する日」・・2回も観てしまいました・・がベスト。あと「パッチギ!」「三丁目の夕日」を。記念碑風に「オペレッタ狸御殿」を。
4キロメートル四方にすべてがある日本映画が、本心好きでたまらないのですが・・・「埋もれ木」「リンダリンダリンダ」あたりには気持ちが乗ってくれませんでした。間合なり行間が紙一重で違うと、単に退屈状態になってしまうというのが、日本映画の怖さでもあり醍醐味なんですねえ。


ヘイリー・ミルズ   映画HOME へ  2006 へ