2006
薬師丸ひろ子さん
初頭にあたってというわけで、近頃の薬師丸ひろ子さんはステキです。
突如、お母さん役で・・「三丁目の夕日」「1リットルの涙」(テレビ)も素晴らしかったのですが、阿川佐知子原作「ウメ子」(テレビ・TBS)の元サーカスの花形だったというお母さん、凛々しくも温か、見事でした。
なお、このウメ子役の女の子、ぶっとびのパワーをみせてくれました。村上茉愛(まい)ちゃん、記憶に残りました。
「木更津キャッツアイ」「オペレッタ狸御殿」と、たぬき姫ひろ子イメージを経ての母たぬきひろ子さん。
たぬき業界公認の、憧れのスターがひろ子さんです。
THE 有頂天ホテル
お正月の三谷幸喜「古畑三夜連続」、イチローの役者っぷりには皆々驚かされましたが、久々の古畑任三郎はやっぱり美味しゅうございました。
そして本編の脚本・監督作品。2時間10分の生放送ドラマ、おもしろい舞台を見せてもらいました、という印象。
役者さんも皆々楽しんでる様子、なかでも松たか子さん、YOUさん、そして副支配人役所広司をぴったり補佐する戸田恵子さんがいい。役名「矢部登紀子」の私生活を知りたくなるほどに。
2006.1.14 マイカル ★★★
空中庭園
角田光代さんの小説も魅ワク的でしたが、映画のほうもいっぱいいっぱいの魅ワクを。
小泉今日子さんの主演映画は「生徒諸君!」(1984年)以来
ずーっと見ていますが、実に無駄のない年の経過を感じます。この映画では、なんと鈴木杏さんを娘に持つ「完璧な笑顔」の母親役。誰かに声をかけられるコンビニの1シーン、鬼の顔で振り返り声の主が娘と判りいつもの「完璧な笑顔」に戻るというあたり、凄い。
微妙なカメラの揺れ具合が素敵。大楠道代さんとソニンさん(ミーナ先生)の野猿バトルが素敵。
2006.128 大門シネマ ★★★★☆
セルラー
面白い面白い。
キム・ベイシンガーさんっていうと、やっぱり観てしまうのですが、高校の科学教師、壊れた電話機を回復させるわ、大男の「主要な動脈」をさらりと切って絶命させるわ、わあいわあいの展開、あっぱれの心意気を感じる映画です。
そして、われらがウィリアム・H・メイシーさんの勇姿に拍手喝采、ブルース・ウィリス張りのガンプレイに絶句的涙を。
満足満足。
2006.1.29 DVD R ★★★★
テレビ
昨年から放映のNHK地上波「チャングムの誓い」に遅ればせながら大はまり、次から次へと降りかかるチャングムへの試練?に観だすともう止まらない。
さて、1月の新ドラマは粒ぞろい。
篠原涼子さんの代表作になりそうな「アンフェア」、家では素っ裸、死体の目線で感じるなんていうキャラが心地いい。
続いて「神はサイコロを振らない」。小林聡美・ともさかりえ・尾美としのりというと・・あれあれ「すいか」「転校生」の・・行方不明の飛行機が10年後にタイムスリップというお話、大穴風の傑作になりそうな。
1回目のみ見て満腹だったのが「白夜行」、というのは・・あの福田麻由子ちゃんがヒロインの少女役、笑顔と冷顔の使い分けに妖艶さが加わり唖然呆然、素晴らしい。もう彼女が出てこないという理由と、妙に深刻ぶった武田鉄矢刑事についていけそうもないという理由で。
プライドと偏見
イギリスのテレビドラマ「高慢と偏見」の繋がりで。
キーラ・ナイトレイさんは「ドミノ」の波乱ぶりとうってかわっての役柄なれど、ドミノが18世紀に生まれたらともいう残影をエリザベス役にみせてくれる。
それにしても、ダーシー役の方の影の薄さよ。あのコリン・ファースの苦虫噛み潰した表情が脳裏にあると・・なんとも腑抜けな。白馬に乗ったダーシー様という場面もなく。
2006.2.4 マイカル ★★★
博士の愛した数式
小川洋子さんの原作をきっちり読んでの鑑賞。そういえばフランスで映画化されたという「薬指の標本」はいつになったら観れるのか・・。
好きな深津絵里さん目当てだったのですが、空気的な役柄。びっくりしたのはルート頭で数学の授業をする吉岡秀隆くんのシーン。「友愛数」「オイラーの方式」と実にわかり易い自然体演技でお見事。
原作を膨らませた博士と義姉の関係は釈然とせず、仰々しき音楽も耳障り、巷の評判は最良なのですが・・どうも今ひとつ、以前からこの監督さんとの相性は悪いようです。
阪神タイガースファンとしてもやや物足らず。
2006.2.5 マイカル ★★★
PROMISE プロミス
前人未踏の中国ファンタジー、といわれても・・冒頭、チャン・ドンゴンがご主人様を背負い、暴走牛団を誘導し走る走る・・びっくり仰天、いったいこれはなんだなんだ!の世界。聞くところによれば、アン・リー、チャン・イーモウに先を越されたチェン・カイコーの喘ぎの勝負作とか。
しかししかし、アクションとしても陳腐、ヒロインも吸引力なし、悪役ニコラス・ツェーの人差し指アイテムに至っては・・明石家さんまかー!・・この「センス」、ついてゆけませぬ。
真田広之さんが可哀相。
2006.2.22 マイカル ★★
フライトプラン
何を隠そう、私はジョディ・フォスターさんとは、1976「タクシードライバー」以来30年の付き合い。1990「ハートに火をつけて」の彼女も好きなのですが、やはり1991「羊たちの沈黙」です。
NHKBSで放映された「悪役・ヒーローベスト100(2003)」では、クラリス・スターリングが、リプリー(エイリアン)、ロッキーを押さえての堂々6位のヒーローに・・・ちなみに悪役ベスト1はレクター博士でしたが・・。
この映画での彼女、どうしても私、クラリスが「今」というイメージがあるのです。2005年の母親クラリスだったら・・いくら子供捜しとはいえ、車のガラスを蹴破り、アラブ人に食って掛り・・そんなことまでと・・やや複雑な気分で。
2006.2.26 マイカル ★★
ヴェニスの商人
そうかそうか、一休さんもどきの「正確に肉1ポンド、一滴たりとも血を流してはならぬ」というヒロイン・髭面ポーシャの名台詞。やはり、このシーンが白眉です。
アル・パチーノのシャイロックが、さすが。パチーノを観てるだけで充分な映画に。
2006.3.3 大門シネマ ★★★
力道山
力道山に関する本も多々読み、相当な思い入れもあって・・。この映画での力道山、相当のフィクション(ややキレイな)が入ってはいるのですが、ソル・ギョングの力道山が蘇ったかの熱演をもとに実に全うな映画になっています。2時間半という長さなのですが、これも納得。
後見人役の藤竜也さんの妙演、また妻役の中谷美紀さん、「きっとうまくいきますよ」、一言一言の質感が素晴らしい。
あの時代、力道山は「日本人」を名乗る虚構のヒーローでした。誰もが彼を朝鮮人だなんて・・あの時代は「朝鮮人」という物言いは侮蔑的な言葉でした・・・東富士(映画では故橋本真也が)を真の日本人ヒーローにと画策した背景も描かれていますが、それにしても感無量の映画でした。
ちなみに、力道山本、プロレス興業の世界に力点を置いた 木下英治「力道山の真実」(祥伝社文庫)、戦後史としての 村松友視「力道山がいた」(朝日文庫)、韓国人の視点から描かれた リ・スンイル「もう一人の力道山」(小学館文庫)、闇の世界に焦点を当てた 牛島秀彦「力道山物語」(徳間文庫)、どれも力作揃いです。
2006.3.4 津マイカル ★★★★★
チャングムの誓い・アンフェア
レンタルのDVDを借りてきたほうが早いのですが、地上波で1週1週丹念に観るのも楽しいです。
今のところ、19話まで。チェゴサングンを宮中から追いやり、ハンサングンとチャングムをも失脚させるために使者のもてなし役にという、チェサングンの策略・・そしてそして・・面白い面白い。
キョン・ミリさんがきりりと悪役に徹していて気持ちいい。
そして「アンフェア」、まさかまさかのアンフェアっぽい展開にノンストップに面白い。好調持続。
イーオン・フラックス
シャーリーズ・セロン、君は薔薇より美しい、ブロンドを黒髪に染めての忍びコスチュームが映える映える。それにしても、あの「モンスター」の贅肉姿を見事にセロン体形に戻すというのは人間技ではないようにも・・スゴイ。
ハル・ベリー、アンジェリーナ・ジョリーとオスカー女優ならアクションをという路線、個人的に大好きですねえ。
芝生の手前で大開脚停止という見せ場他、セロン様観てるだけで満足でしたが、あの長い手足をフルショットで捕えた「大開脚回し蹴り」といったアクションが無かったのが無念。
なにやら日本風のお部屋作りとか、足が手になってる改造女とか、未来社会の設定も意味ありげで、数々のアイテムの楽しさに座布団ひとつ!。
2006.3.10 マイカル ★★★★☆
プルーフ・オブ・マイ・ライフ
「ヴェニスの商人」でのポーシャの変装ひげに、ヒゲといえばグウィネス・パルトロウだーと連想したのですが、あれあれ違ってましたっけ・・。
現在と過去が交錯するサスペンス調の作品なのですが、そこらへんが難といえば難になっていて、結局なんだったんだ、という思いも。「博士が愛した数式」あたりの「わかり易い数学入門」といったところもなく、主人公キャサリンの自分捜しストーリーにつきあうのが憂鬱にも。同じ監督、女優で舞台で成功した作品の映画化とか。
2006.3.9 大門シネマ ★★★
スピリット
これはまた王道カンフー偉人伝、ジェット・リー扮するフォ・ユァンジアの一代記。
中国国家高揚映画でもありますが、中村獅童扮する日本人格闘家だけは異例の「よい役」。茶を飲みながらのふたりのやりとりは聞かせます。
段々畑の広がる中国奥地の風景も印に象し、中国味に浸れる展開が心地よいです。思うのですが、ブルース・リーの時代は「マーシャル・アーツ」、また「カンフー」、そして今、格闘技世界での最強って?
(ジャッキー・チェンの「神話」と同日公開も、こちら三重県では上映なし。これが寂しい。)
2006.3.17 マイカル ★★★
あれこれ
○アカデミー賞を今年もWOWOWでじっくり。ジョンなんとかさんの司会に至るまでのプロロ−グは楽しい限り。いろいろ趣向を凝らしての展開なれど、やはり今年は作品自体の地味さもあって今ひとつ弾けられない風。
受賞者では、やはりジョージ・クルーニーさんが一番の冴えをみせ、いやあかっこいいったらありゃしない。クルーニーさんはお人柄もよいとかで、たいしたもんだぜと感心します。新しい007役者さんは、公開前からボロクソのようですが、私はクルーニーさんのボンドが一度観たい。
ご贔屓のレイチェル・ワイズさんの受賞も嬉しい1シーンに。
○「サウンド・オブ・サンダー」、ジャッキー・チェンの「神話」はともかくも、今いちばん観たい映画。
○芝山幹郎さんの映画コメント(週刊文春)は時に相反する思いもありますが、「映画一日一本」(朝日文庫)を読みつつ・・この方の映画味覚はたいしたものだと・・脱帽しました。
○「女王の教室part1」ともいうべき、鬼教師誕生前史のドラマ、これは凄かった。これでもかこれでもかという不幸の連続、そして「敵」となる生徒が・・。天海祐希さんは役者やのう、思わず唸ってしまいました。「いい加減、目覚めなさい」「イメージできる?」の名台詞にうっとり。
○久世光彦さんの急死には驚きました。週刊新潮の連載を読んでいたこともあって。そして佐々木守さんが2月24日、亡くなられたと・・「お荷物小荷物」「コメットさん」「怪奇大作戦」の脚本家・・。哀悼。
○「アンフェア」は、とうとう真犯人にたどり着いたのですが・・ウーンやっぱりそうきたか、まあしかし面白さピカイチだったことは確か。篠原涼子の代表作、伝説のドラマに。はじめから通して再度観たいものです。
サウンド・オブ・サンダー
「カプリコン1」はじめSFスピリット魂お持ちのピーター・ハイアムズ監督、期待しましたぞー。
製作会社が倒産したりセットが洪水で流されたりと公開までいろいろあった作品。
なにやら1地方だけのタイムトラブルのようで、巻き込まれた他の世界はいったいどうなったのかが不可解なのですが、B級っぽい雰囲気、70年代の映画を観てるような安心感があって、好きですよ。ハイアムズ監督!
2006.3.25 マイカル ★★★
プロデューサーズ
これは大好き、ちょっと御下品で、ちょっと胡散臭い・・いやあ、あのメル・ブルックスさんが、こんなミュージカルを、しかも作詞・作曲まで。知りませんでした。
ネイサン・レイン(元名プロデューサー)、マシュー・ブロデリック(気弱な会計士)、ゲイリー・ビーチ(ゲイ演出家)他他、もう芸達者な皆さんにプラス、一歩間違うとトンデモの世界に入り込みそうな世界を日常にしてしまうミュージカルってのが・・見事です。身障者風お婆ちゃん軍団のダンシングなんて、これぞこれぞの世界です。
そうそう、あのゲイ舞踏家?役のロジャー・バートさん、あれあれ、この方、どっかで観た方?、近所の方だっけ職場の方だっけ、絶対どっかで観た方なんですが・・もう強烈な印象を。
ひとつ、ユア・サーマンさんは単に背の高さだけという、それだけの配役のように、ちょっと解せませぬ。
2006.4.8 マイカル ★★★★☆
親切なクムジャさん
私としては、某方にお借りした「チャングムの誓い」ビデオ連続鑑賞の最中(医女の道、まっしぐらというあたりです)、そこにイ・ヨンエさんの・・しかしパク・チャヌク復讐三部作のということで劇場でなんとか観たかった作品、ヨンエさんがチャングムかクムジャかゴチャゴチャになりつつ、いやはや。「オールドボーイ」「復讐者に憐れみを」といった強力な前作に比べると、小手先でひねった弱さがみえるのですが、クムジャさん、画面の右から左へ銃器を手に一直線に走り、カメラはそのまま右から左へという「妙」、被害者全員が加害者ひとりを厳粛に抹殺しゆく変に可笑しげな「妙」、堪能いたしました。
クムジャ語録がいいのです。「妊娠してお腹がふくらむと、お財布が厚くなるようで嬉しかった」「早く死んでね」他他。
2006.4.9 DVD R ★★★
イン・トウ・ザ・サン
これはけっこう期待したのですが。
スティーブン・セガールもので、私の好きな作品はなんといっても「ハード・トゥ・キル」。年に一回は今でも地上波放映されていますが、中国日本入り混じったセガール奇跡の回復修行シーンがよろしく、なにより恋人役のケリー・ルブロックさんがよろしい。「ウーマン・イン・レッド」で一目ぼれした彼女、今はセガール夫人というのはほんまかいな?
それはそれとして、この映画はちょっとヒドイ。よく聞き取れないセガールの日本語、冴えのないセガールアクション(上半身しか動けないのか)、東京が舞台とはいえ何のインパクトもなく話は流れるだけ、寂し寒い。
悪役の大沢たかおさん、セガール助手のペース・ウーさんのほうが、数倍光っています。
2006.4.10 DVD R ★★
クラッシュ
「ミリオンダラーベイビー」の脚本家ポール・ハギスの初監督作品。
そして、アカデミー作品賞・・こんな渋い、そして妙に後引く映画が・・アカデミー賞の常識を蹴破ったような思いが。
映画の背景となるロサンゼルス、人種差別がここまで露骨に生活に入り込んでいるとは、リアルタイム風に描かれる様々なエピソードが見事にからみあい、そして「奇跡」が・・。鍵屋親子の「奇跡」というのが泣かせます。マイケル・ペニャという俳優さん、そして天使のような幼女。
マット・ディロン、テレンス・ハワード他、俳優さんもよろしいです。されど、いくらリアルタイム風とはいえ・・少々出来すぎ、そうか、リアルタイムファンタジーってのも・・あり?。
2006.4.20 大門シネマ ★★★
チャングムの誓い
全54話、ついに観破。地上波でじっくりとというつもりが某方からお借りした全話録画ビデオテープを観出すと、もう止まらない、こんなに一生懸命観たドラマは久々であります。
なんせ毎回怒涛のように押し寄せるチャングムへの試練、そして雑草かトカゲのしっぽか、踏まれても斬られても蘇る、これぞスーパーヒロイン!
私のご贔屓は・・一族のためと悪に徹するチェ女官長(元尚宮)、キョン・ミリさん・・「おのれ、チャングムめ」と眼を爛々と輝かせ、机をバンバン・・そしてそして・・彼女の最後に魅せた聖なる笑顔に・・涙。童女の笑顔でした。

「お前の運命は三人の女に握られている。一人目はお前を死なせるが死なぬ。二人目はお前が助けるが、お前により死ぬ。三人目はお前を死なせるが、多くの命を救うであろう」という謎の予言に始まった韓国ドラマ、朝鮮王朝の宮廷という背景の新しさ、名言名セリフ続出の脚本、正攻法の演出、イ・ヨンエさんの真っ直ぐさ、すべてが素晴らしゅうございました。皆さん何年経っても老けないというのもよろしゅうございました。

チェ尚宮とともに一族のためと健気に悪の道をすすむクミョンさん、あのチャングムから「幸せですか、・・だといいんですが・・その座を手にするために大事なものを捨てたんですものね」とまで嫌味を云われ、もうボロボロの彼女、最後のセリフに涙しました。
「自分の意志を貫くこともできず、心から自分を信ずることもできず、心から自戒することもなく、曇りのない才能をもつこともなく、曇りのない真心をもつこともなく、ひたむきな想いを寄せられることもなく、ひたむきに恋に生きることもできず・・・。」

また地上波でじっくり毎週観なければ・・。
 ご贔屓のキョン・ミリさんです。
小さな勇者たち〜ガメラ
伊勢志摩・名古屋が舞台、こちら地方ではけっこう話題になっていて期待十分、初日夜に駆けつけましたが・・やや寂しい入り。
金子修介監督、怒涛の三部作とは違い、子ども視点のガメラということもあって、妙になつかしくも、まどろっこしい映画に。ガメラの造形は可愛いいだけにパワー不足、また敵役ジーダスというのがなんのために暴れてるのか不可解なうえに悪の魅力も迫力もないというチープなシロモノ。そして、怪獣映画の醍醐味である破壊シーンが・・丁寧なミニチュアの家屋が一瞬にしてというあたりも平板、名古屋駅頭のビルにガメラ突っ込むというあたりが唯一の見せ場とはいえ、あそこはビル群を遠慮なく壊していただかないと・・妙な配慮が辛い。
丁寧に描かれている志摩地方の日常生活というのも、言葉からなにから妙にこそばゆい。ウーン。トトのお守りを子どもたちが運び行く感涙シーンほか、いいとこもいっぱいなのですが・・。
2006.4.29 津 マイカル ★★★
恋は五七五
これは好きなタイプの映画、あの「バーバー吉野」荻上直子監督、松山市を舞台にした「スィングガールズ」俳句版という雰囲気。帰国子女(関めぐみ)、ウクレレ少女(蓮沼茜・懐かしい味わい)、元チアガール(小林きなこ)が揃ってなぜか俳句甲子園へ、そして(微妙な笑い声が可笑しい)嶋田久作先生率いる嫌味なエリート俳句軍団をやっつけちゃうという簡単なお話、これが定番風に心地よいのは監督さんとの相性かな。
「向日葵や 僕らにひとつ ある言葉」「南風 わたしはわたし らしく跳ぶ」「ひらがなの ノオトよ風の 夏帽子」「片恋の 涙に風の 薫りけり」 なんていう俳句のヒトコマヒトコマが愛らしい。
もひとつ、ウクレレバックで三人娘が運動場貸切で唄う「キャンディーズ・やさしい悪魔」、これがよろしいです。
「かもめ食堂」を早く観たいものです。
2006.4.29 WOWOW 録画 ★★★★
ナルニア国物語・ライオンと魔女
単におつきあいということで全く観る気力なしで・・ところがところが面白うございました。
「ロードオブシリーズ」「ハリポタシリーズ」は一作目のみでご遠慮申し上げた私、タンスの奥がナルニア国、このての童話宇宙、大好きです。
子どもたちのキャラも楽しく、お菓子に釣られて魔女の僕になろうとする弟さんはともかくも、末っ子の一等純でしっかり者のルーシー(ジョージー・ヘンリー)がたのもしく、そこそこ勇者らしくふるまう長男ピーター君も悪くないのです。
白い魔女、ティルダ・スウィントンさんは、「コンスタンティン」イメージの翼はないが恐ろしい役者っぷり。CGライオン・子供たちの「父」として王様アスランも堂々たるもの。声 リーアム・ニーソン。
2006.5.3 津 マイカル ★★★
Vフォー・ヴェンデッタ
ウォシャウスキー兄弟の新作ということで、はてはて・・これは予想に反してけっこうヘビイな「革命戦争」ものでありました。
一度も素顔をみせない仮面の怪人「V」、この仮面男のナイフ捌き、またエプロン姿での料理捌き、これが一品。
ナタリー・ポートマンさんのスキンヘッド力演はともかく、脇を固める男俳優さんの重量感が楽しく、独裁者キトラーをおちょくるテレビ制作者ゴードン、キトラーサイドの宣伝担当テレビマンと、圧巻です。マスコミの「情報」、今も昔も心しなければ。
2006.5.12 津 マイカル ★★★
ナイロビの蜂
見事な作品。アクセントの効いたフェルナンド・メイトレスさんの演出っぷりが力強く・・ケニアの生の風景が・・ゴルフ場と捉えたカメラが横移動するとスラムの村が・・。
そしてテッサ=レイチェル・ワイズさんだー!彼女の「くっきり」とした表情に・・私、いつもパワーを与えられるのですが、あの妊婦姿(真か偽かは別として)、あの裸っぷりは素晴らしい!勇気りんりん!
愛の物語として、告発の物語として、この作品はぞっこん素晴らしい。レイフ・ファインズさんの熱いモノローグ「帰る家はない、テッサが僕の家だ・・家に帰るよ、君の元へ・・」・・これぞ、映画だー!音楽も心残ります。
それにしても、邦題の味気なさ、いくらなんでも「ナイロビの蜂」ってのは・・。(しかし今年のアカデミー賞というのは何だったのでしょう?、この作品か「キングコング」のほうが、「クラッシュ」より数段輝いていたはずなのに。??)
2006.5.13 津 マイカル ★★★★☆
ピンクパンサー
あのピンクパンサー、クルーゾー警部登場からはや40年。(「ピンクの豹」1964年)。ああ感無量。そして我らがスティーブ・マーティンがクルーゾーという快挙!
80年代、「二つの頭脳を持つ男」「「オール・オブ・ミー」他のちょっと外れたキャラで圧倒的だったマーティンが蘇った喜びに、マーティン流のクルーゾーがめちゃ楽しく、ピンクパンサーのアニメにマンシーニのテーマがかぶさるタイトルだけで、あたしゃ咽び泣きました。
ジャン・レノまでもオバカに誘い込み、ケヴィン・クラインのドレヒュスもピタリはまり、壊し屋クルーゾーギャグから「ハンバーガー」訛りギャグまで大たんのう、感謝感激でありました。
(余談ですが、今度発売されたクルーゾーDVDBOXはちゃんとシリーズ2が収録、先行BOXに飛びついて買ったあたしはバカをみました。)
2006.5.18 四日市 シネマズ ★★★★★
ダ・ヴィンチ・コード
なにやら回りは大不評、「家で掃除してたらよかった」なんていう方もみえたとか。
私はというと、けっこう楽しめましたよー。あれよあれよの展開で2時間半が全く気にならず、原作本上中下巻、読む時間を省略出来たーと感心しましたが。
この原作、キリスト伝説をひっくりがえすいわゆるトンデモ本ということですが、「マグダラのマリア」をヒロインにした仮説話、ウームあるあるとけっこう納得させられるのですが・・。(家へ帰ると、テレビはダヴィンチ特集、牧瀬理穂さんが「マグダラのマリア」役、これが似合っていました。そんなとこもあってミーハーの私は大納得状態に。)
これは遅ればせながら原作をと、興奮さめやらない私です。
2006.5.20 津 マイカル ★★★
  初日夜、ほぼ満席状態。途中で席を立ってという方はみえませんでしたが。
ブロークバック・マウンテン
実のところ、ふたりのキャンプ生活シーンの心地よさに眠気を覚え半分ウトウト状態、そこへイキナリの絡み合い、思わず目が覚めました。
ふたりの妻をからめた、ふたりの男の切ないラブストーリー、63年から20年間の忍ぶ恋物語。
嘘めいた日常生活を逃れ、ブロークバック・マウンテンで時に再会するふたりにホッとしてしまいます。アン・リー監督の静かな語り口、そして映像が見事です。
トレーラー生活のイニス(ヒース・レジャー)の元を娘が訪ねて来る、結婚式への出席を約束した後、ジャックの遺品となったシャツに思いを込める、このラストがなんともヒリヒリ痛い辛い、じわじわ心残る映画になりました。
2006.5.24 津 大門シネマ ★★★
 夜の回、なぜか女性方約15人に男は私ひとり。いくら女性サービスディとはいえ、なんで?
亡国のイージス
福井晴敏原作ものは観るのが初めて、阪本順治監督のこれ、いたあ驚きました。(映画館で観ておくべきでした。許してください。)
編集・音楽が外国人スタッフ、そのせいか韓国映画っぽい(チェ・ミンソ演じる北朝鮮工作員の存在が、あの「シュリ」をイメージさせることもあって・・)。なんせホンモノのイージス艦を使ってるだけに見事にリアル、真田広之さんがヒーローから一歩引いた妙味みせ、「よく見ろ!日本人 これが戦争だ!」と言い放つ北朝鮮リーダー中井貴一さんが一皮むけた凄みを。
息の詰まるような窒息状態のこの種の日本映画から見事に抜け切り、これは快挙です。あっぱれ。
「ぼくんち」で阪本監督を決めたという、小滝祥平さんも素晴らしい。
2006.5.26 WOWOW 録画 ★★★☆
  
寝ずの番
中島らも原作をマキノ津川雅彦監督での話題作、というわけで。
テレビ放映なんぞ絶対無理という春歌・猥歌・下ネタ一途の作品、長門裕之さんの丸きり死体至芸、長門・笹野高史さん(一番弟子橋次)の爆笑二人芝居、岸部一徳さん(息子・橋弥)のお見事替歌軍艦マーチ、冨司純子さんのまあ美しい「十三夜」の舞、「♪おれの心は トタンの屋根よ かわらないのを 見てほしい♯」という決め歌披露と、名シーンの連続なのですが・・。
違和感ひたすら漂うのは、下品の一歩手前の粋さ狙いということらしいのですが、どうみても上方の匂いのしない役者さん・・中井貴一、堺正章、木村佳乃といった方々・・らも原作の思惑に相反しています。
2006.6.1 津 大門シネマ ★★☆
  
嫌われ松子の一生
今年の日本映画では・・オンリーワン。主演女優賞も決まり。日本映画の枠を超えた破天荒・波乱万丈の快怪作!
松子さん(昭和22年11月生まれ、私と同学年、思えば福田和子さんもそうだったのだ。)のトンデモ不幸人生が「不思議の国のアリス」か「スカーレット・オハラ」(タイトルからエンドマーク迄もろ「風と共に去りぬ」)か、ミュージカル風に綴られるという妙。
中谷美紀さんの突き抜けた快怪演が映画を支え、中島哲也監督の映像の仕掛けっぷりは「下妻物語」以上。(ただ、2時間超というのは、ちょっと辛いところあって・・そのらへんは「下妻」以下に。)
ぶくぶくに太った53歳の松子さん、川原での最期の喘ぎに・・思わず涙を。
子供時代の松子ちゃん・・奥ノ矢佳奈ちゃん、あの爆転顔が夢に出てくるくらいに・・素晴らしい。
いっぱい記したいことがありすぎる映画でした。
人生、捨てたものではりません
2006.6.3 津 マイカル ★★★★★
 
デイジー
大ヒット中の「海猿」を観ようかどうしようか迷った末に。「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウさんというポイントもあって。
監督は香港、俳優は韓国、音楽は日本(梅林 茂)、舞台はオランダというユニバーサルな愛の名作ということらしいのですが・・・・。刑事さんと殺し屋さんのふたりが、(高校生も恥ずかしがるような)純な愛をひとりの女性に捧げる、正に韓国映画っぽいお話、きれいな景色にも誘引され半分ウトウトしながら観ていました・・。私、チョン・ジヒョン映画、これで4本目ですが・・「イルマーレ」以外はしっくりくるものが・・。
ラスト、らせん風階段での銃撃戦だけは目が覚めました。さすがラウさん。
2006.6.8 津 マイカル ★★
  
うつせみ
まあ素敵な邦題・・原題は「空家」。キム・ギドク監督の華麗なファンタジーラブストーリー。
いつものギドク作品と違い、可笑しい微笑ましい後味に・・。寡黙な青年テクソは、留守宅に侵入し束の間の日常を楽しむ。なぜか手で洗濯し、壊れた器具を直し、デジカメで自分を撮り、冷蔵庫の余りもので食事を・・。
そんな中、人妻ソナと出会い、ふたりの沈黙の日常が始まる。人妻ソナもまた・・手で洗濯し・・。

テクソと離れたソナが、家の主人を無視して入り居間で横になる、主人も「まあ、いいか」というようにそれを眺める。その後、かげろうのようにテクソがその家に訪れ同じように横になる。
ここらあたりの絶妙さ、たまりませぬ。
そして・・意表を衝くラストの1対2のラブシーン、たまりませぬ。
2006.6.14 津 大門シネマ ★★★★★
  
トリック2
ずーっと「トリック」を観続けて来た私にとっては、劇場版がどう展開しようと、ただ嬉しく楽しく・・。
(ただ今回は、山田・上田黄金コンビに、矢部刑事・母里見さんが全くからまないというというのはスケジュール調整のためとはいえ「落度」ですぞ。)
それにしても由紀恵さん、定番マジシャン姿から武者姿、「ごくせん」言葉まで披露。端正美女(周りは誰も思っていない!)のボケまくり、大河ドラマも「大奥」もよろしいですが、山田奈緒子あっての仲間由紀恵。
私、死ぬまでついていきます。

アベカンさんもまた体力的にも絶好調。エンドタイトルでの「これからどうする?」の漫才しゃべくりまで、ふたりのイキはぴたり。もう、名人芸のイキに。
2006.6.17 津 マイカル ★★★
 
運命じゃない人
おもろかったわー、という快挙的傑作。内田けんじ脚本・監督、日本映画って進化してます、見事。
私、長生きしたいのは・・実のところ、この先ずーっと映画を、新しい映画を観たい観続けたいだけ・・これですこれです。
実直一途の主人公宮田くんの淡いラブストーリーかと思いっていると、まあパズル展開宇宙の一夜の出来事・・この宮田武役の中村靖日さん、ひとりぼっちの悲劇ヒロイン桑田真紀役の霧島れんかさん、宮田思いの私立探偵神田勇介役の山中聡さん、偽札束がポイントの組長浅井志信役の山下規介さん、なんでもござれの倉田あゆみ役の板谷由夏さん、この5人が見事に交錯する「妙」、2回連続観てしまってしまう「妙」、いやはや素晴らしい。
やくざ組長の視点で、素足の宮田くんが演技するあたり・・唸ります。
日本のビリー・ワイルダーにしたい内田けんじ監督。
2006.6.23 DVD R ★★★★★
 
ステップフォード・ワイフ
あのキャサリン・ロス主演映画(1975・未公開)のリメイクというということ以外、全く予備知識なしで観始めると・・まあ、面白い面白い。90分の時間設定も嬉しい限り。
ニコール・キッドマンはともかくも、ありゃ「プロデューサーズ」のマシューさんだ、ありゃまたまたゲイ役のロジャー・バートさんだ・・そしてベット・ミドラーさんにクリストファー・ウォーケンさん、はてまたグレン・クローズさんと曲者役者大集合の趣。
男にとっては夢の「ステップフォード」・・あたしも住みたい、ってのが本音・・、しかししかしマサカマサカの終盤、SFホラースリラーコメディ、ウォーケンさんの首が軽く吹っ飛っぶってのが・・二重構造的に素晴らしい。
2006.6.25 WOWOW 録画 ★★★☆
  
カーズ
ピクサーブランドの生みの親、ジョン・ラセター監督、なんとも愛おしい作品に。
クルマ好きではない私、でもレース映画は好き、主人公がライトニング・マックィーンだって・・「栄光のルマン」を何度となく観た私、レースシーンの臨場感、あの爆煙のリアルさ・・圧巻。
そしてドック・ハドソンには・・ポール・ニューマン(声)が。レーサーとしてのニューマンとマックィーンが競演したかの想いが。いやあ、素晴らしい。
そして、ルート66の忘れられた田舎街「ラジエタースプリングス」の豊かな脇役たち。サリー{ポルシェ}さん他、クルマに恋しちゃったというのは・・はじめてです。
アメリカの「三丁目の夕日」っぽい・・かな。それにしても、愛おしい映画。
2006.7.1 津 マイカル ★★★★☆

(初日の字幕版にて・・これが寂しい入り・・それはそれとして・・私、映画観るのは、いちばん後ろのやや右よりという座席なのですが・・前座席の女子高生ふたり、脚は前の座席に放り出し、始めから終いまでしゃべるしゃべる、それも英語で!頭張り倒してやろうかと思いつつ・・私の経験から、外国の若い女姓二人連れは要注意です。) 
Mi 3
トム・クルーズさんは偉い!
製作・主演、これだけ体使って(走りっぷりが素晴らしい!)、お金使って、やること自体・・スゴイです。
j・j・エイブラムスさんの監督術も素敵です。フィリップ・シーモア・ホフマンさんの悪も素敵。バチカンでのハイテク扮装、声までもというあたりの緊迫感から、終始淀みないアクションの切れ味・・これまた、よろしいです。
あのテーマ曲聴くたびに震える世代の私(ちなみに我家の固定電話着信音は、このテーマ曲。子器着信音は007です。)にとっては・・これはMiシリーズのベストに。
イーサンの愛弟子リンジーさん、早々いなくなちゃいますが・・惚れ惚れ。ゼーン役のマギー・Qさんにも・・惚れ惚れ。(マギー・Qさんといえば、香港映画「レディ・ウェポン」。アクション以上に延々流れるストリップシーン、記憶にありありでした。)
2006.7.2 津 マイカル ★★★★
 
タナカヒロシのすべて
かなりけったいな味が居残る作品。かつら工場勤務の32歳独身、タナカヒロシの不幸押し寄せストーリー。
この主人公を演ずる鳥肌実さんが、なんだかよく解らないなりに素晴らしい。
冒頭流れる「コーヒールンバ」(西田佐知子さん)、なんで「コーヒールンバ」なのか、これまたよく解らないなりにうっとりしてしまいました。田中誠監督。お弁当売りのユンソナさんがいいです。
.2006.7.3 WOWOW 録画
 ★★★
セヴンソード
これは映画館で観るべきでありました。
2時間半、明から清への時代、ツイ・ハークさん久々の中国武侠もの。なにがなんだか誰が誰だかわかり難いというのが、以前熱中した香港映画の常で、ツイ・ハークさんはその中心的監督でした。
「七人の侍」風の展開に、アクションのつるべ打ちに、久々、胸躍らせつつ楽しめました。悪役スン・ホンレイさんと七剣士中唯一かっこいいドニー・イェンさんの、壁に囲まれた空間でのアクションが見事です。
この二人と交わる薄幸美女(なんという女優さん?)がよろしいです。
未完成な作品でも、そこが大好きという、愛すべき映画に。
2006.7.6 DVD R ★★★★
 
シルバーホーク
トム・クルーズさんも偉いが、わがミシェル・ヨーさんも偉い!
当時42歳!彼女製作の第2弾は近未来SF、これがなんと仮面をつけて(・・なぜ仮面か、ちゃんと説明もあります・・ただヨーさんに仮面は似合っていないけど・・)笑顔ふりまき日夜悪と戦う、その正体は大富豪のセレブお嬢様というわけでけで・・唖然のヨーさん、やや厚化粧の若作り。
悪の秘密基地での、「バンジーアクション」「ローラーアクション」と新趣向の見せ場ほか、万里の長城越えのバイクアクション・・あれはほんとにヨーさんのスタントなのか?・・ほかほか、これまた愛すべき映画に。この天衣無縫さ、大好きです。
2006.7.8 DVD R ★★★★
 
海猿 LIMIT OF LOVE
1作目の映画も原作もテレビも全く観ていないだけに、ウーム。この映画を観るに相応しい観客ではなかったかも。
沈没寸前だというのに、脱出口を前に、延々携帯で「愛の告白」やらを繰り広げる展開にびっくり。誰か止めなさいよ。
運よく携帯が、そして恋人の携帯番号をちゃんと暗記している主人公にびっくり。
船が傾いてるのに、なんで主人公たちの空間は傾いていないの?脱出口の階段って傾きはないの?指示を出す保安庁本部ってのは?もうそんなことばっかし目に付いて・・。
2006.7.8 津 マイカル ★
 
日本沈没
けっこう期待したのですが・・。
この監督さんは「節度あるパニック描写」を心がけたらしいのですが・・。CGなしのミニチュア然とした前作の衝撃描写に比べ、なんと手ぬるいこと、都庁ビルが清水寺が姫路城がタワーがリアルタイムでぶっこわれ沈み行く・・そこが観たいのに・・各都市の「その後」シーンが絵画のように現れるだけのお粗末さ。
日本難民が世界を彷徨う、アメリカからも見捨てられるという最中に、いきなり主題歌流れラブストーリーを高らかにという光景にも唖然呆然。
小松左京原作の魂は何処へ。小松左京原案映画です。
2006.7.15 津 マイカル ★
 
七人のマッハ
いやはや、スゴイの一言。「マッハ」にもびっくりしたのですが、このダン・チューポンさんのアクションは、あのトニー・ジャーと双璧にスゴイ。
この作品、けっこうドキュメント風、タイ国家高揚のところも、バンコクの町が一瞬にして崩壊するといったイメージ画像から(「日本沈没」よりよほどスゴイ!)子供たちからお爺さんまで敵に素手で立ち向かうといったあたりも心地いい。
体操、サッカー、ラクビーといったスポーツ競技もアクセントになっています。
ジャッキー・チェン「ポリスストーリー1」への想いもみえる作品です。
2006.7.16 
DVD R ★★★★☆
クローサー
マイク・ニコルズ健在の作品。あの「愛の狩人」を思い出しました。
戯曲(パトリック・マーバー)の映画化、台詞のひとつひとつがさすがイギリス、味わい深いです。4人の男女がからみあい・・といっても際どい台詞だけで際どいシーンは皆無・・ジュード・ロウ(売れない作家)、クライヴ・オーウェン(皮膚科医)の男ふたりの妙なしつこさがうっとおしくも微笑ましい。
そして
ナタリー・ポートマン(アリス、実はジェーン・ジョーンズ!これがミソ!)が見事に素晴らしく、その他3人に比べ実に清清しい。
も一人のジュリア・ロバーツ(写真家アンナ)が妙に冴えないのですが、当初はケイト・ブランシェットの予定だったとか。
2006.7.17 
wowow 録画 ★★★
パイレーツ・オブ・カリビアン2
ちょっと長すぎ・・「おまけ」があるとかで長い長いエンドタイトルまで観てしまった・・たった3秒足らずの「おまけ」は、我慢したほどのものではなく・・ブツブツ。
といいながらも、ジョニー・デップのジャック・スパロウは相変わらずお茶目乗り乗りで楽しいし、キーラ・エリザベスのアクションも上達、圧巻はタコ怪人「デーヴィ・ジョーンズ」(あのビル・ナイさんというが・・お目目が寂しげで可愛いんです。)、パイプオルガンをタコ足で奏でる妙技までみせてくれます。
怪物クラーケンの凄さから小回りのきいたアクション、(ちょっと長すぎましたが)まんずまんずの2作目、さあ3作目はチョウ・ユンファさんが・・正直、楽しみ。
2006.7.22 津 
マイカル ★★★
かもめ食堂
このゆったり感、たまりませんわ。
ずーっとこの映画に温まりたい気分、陽水の「クレイジーラブ」が流れ映画が終わっても「なんで終わっちゃうのかなあ」と席を放れがたいという感じが観客席に漂うという稀な作品でした。
フィンランドという背景にすっぽりハマる「かもめ食堂」の姿、フィンランド人として生きるサチエさん(小林聡美さんあってのサチエさん!)・ミドリさん(片桐はいりさん)・マサコさん(もたいまさこさん)、三人とも「日本」からの連絡なんぞ一切ないとうのが潔いのです。

おにぎり、鮭の網焼き、とんかつ、なすの揚げ煮、卵焼き、肉じゃが、かもめ食堂のメニューは素敵です。食べ物の絵姿に涙してしまうのも、この映画の「妙味」。
荻上直子さんのファンタジーハードボイルド傑作。うじうじした人間関係をさらっと流し、すくっと生きるサチエさんに拍手!(あなたもわたしも、サチエさんになりたいんです。)
2006.8.1 四日市 中映 ★★
★★★
亀は意外と速く泳ぐ
「スウィングガールズ」の上野樹里さん、1年たつと高校生から23歳主婦「片倉スズメ」役ってのが素晴らしい。それも「奥様スパイ」とは。樹里さん大好きのわたし、もうそこに貴女がいるだけで映画が樹里トーンに。素晴らしい。岡本信人パパと相撲とっちゃっても全く違和感がないってのが素晴らしい。
そのスパイとなる過程がゆるゆる可笑しく描かれ、こちらはクスクス可笑しの連続でうっとり。
大作風日本映画のカン違いにうんざりさせられる昨今、このての日本映画を観るとほっとします。
「扇谷クジャク」役で蒼井優さん(も大好き)が競演。後半、公安警察登場でやや映画が混乱してしまうのが残念でしたが。
2006.8.5 
wowow録画 ★★★
 この樹里さんの表情、いいですねえ。大好き。
間宮兄弟
まあ、幸せな「兄弟」めが・・と、こちらが幸せになれるかというと・・そうでもない。
正直、やや「うんざり」の印象で・・間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでいるじゃん・・といわれてもねえ。
あの兄弟の部屋、本やらなにやら、「観察」したいのに・・そんなシーンがないというのが解せない。
びっくりしたのは、弟役の塚地武雅さん。ドランクドラゴンという名も初耳で全く知らない方でしたが、体から顔から「間宮弟」になりきっているのが見事。それから沢尻エリカさん、ほんとキレ可愛いなあ。
間宮兄の作った「おにぎり」、サチエさんの「おにぎり」と同じくらい美味しそう・・でした。
2006.8.9 
大門シネマ ★★
メゾン・ド・ヒミコ
けっこう期待はしたのですが・・うーん。(興味ひいたのは・・ダンスシーン「また逢う日まで」のみ。)
ゲイ老人ホームを舞台にした作品ですが、なんか映画全体、無理してる感じがあって。
どうも私、柴咲コウという方が苦手ということもあって。
「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心監督、ごめんなさいませ。
2006.8.10 
DVD R ★★
SPL 狼よ静かに死ね
SPL・殺破狼、中国占星術で反乱を司る「七殺」「破軍」「貧狼」を意味する・・とか。
なんだかんだいっても、久々の大好き香港映画、なんせサモ・ハンさんがマフィアの首領、そしてドニー・イェンが伝説の刑事、この二人のバトルがワイアーなしの肉弾戦、最高です。時代劇の印象強いドニーさん、現代劇にこちらも戸惑うのですが、VS殺し屋ウー・ジンのシーンもあって・・アクションは満開。
サモ・ハンさんの妻子への思いが仇となってのドニーさんの壮絶な死に様、ああ、香港映画にむせぶ一時となりました。
2006.8.11 DVD R
 ★★★★
スーパーマン リターンズ
おお、還ってきたスーパーマン、と先行上映に駆けつけるのですが・・やや寂しい入り。今この日本では、「スーパーマン」は馴染まないのかも。
クリストファー・リーヴの「スーパーマン」は1978.年に第一作が・・そんなに経つのかなあ、新スーパーマンのブランドン・ラウス(能面顔?)はなんと1979年生まれ・・うーん、そんなこって感無量・・でもないけれど、ジョン・ウィリアムスのテーマを聞くとやっぱり感無量に。
地球に還ってきたら、最愛のロイスは子持ちで男と暮らしてる・・スーパーマンがストーカーマンになったりするあたりがよろしいです。そして、ルーサー役のケビン・スペイシーさんがつるつる頭(美形!)でやることなすことお間抜け悪党で最高、「スーパーマンなんて大嫌いだー!」ってのがいいですねえ。パワー、技、いうことなしの作品に。

それはそうと、渥美清さんの「役者のスーパーマンだって跳べ跳べって云われても、跳べないんだよね・・辛いよねえ。ハリガネで吊ってるんだもんね。」って言葉が・・思い出されました。
2006.8.12 
津 マイカル ★★★☆
テレビ・テレビ・テレビ 結婚できない男
夏シーズンのドラマでは、「結婚できない男」がいちばん。あまりお友達にはなりたくないような独身男・アベさんが実によろしく、ケンちゃん(犬だから犬ちゃん?)の表情もよろしく、夏川結衣さんの年相応の雰囲気がまたよろしく・・飽きのこないドラマ仕立てに。ポイントは、アベ&ナツカワの奥深い会話、「妙」です。こういうドラマが観たかった・・傑作の予感。

次は「マイ・ボス マイ・ヒーロー」。夜はやくざの若親分、昼は高校生という主人公に、長瀬智也さんがピタリはまって、その百面相ぶりは気持ち良い良い十三里・・意味不明?。これは韓国映画のドラマ化とか、本編がみたいものです。
しかし驚くべきは、昔は「不良暴走青年」だった人が・・今は「校長先生」・・けっこう、それらしいのが・・なんか、不思議。

あと、たまに観るのが「下北サンデーズ」、上戸彩さんに初めて感心しました。

それはそうとこの間、小林聡美さんが出てるというので気になって観た「誰よりも君を愛す、じゃなくて・・ママでした」、専業主夫の田村正和さんはともかくも、久々の内田有紀さんが愛らしく、聡美さんがまたよろしいんですが・・どうなんでしょう?「かもめ食堂」の余波か、最近聡美さんの一言一言がすべてを癒してくれる風な役が多いですねえ。
ちょっとそれも困ったもので、小林サトリって感じも・・。
そういえば、もたいまさこさん(「マイボス・・」}も・・サトリ風情に。
花田少年史
これはいいぞー。
花田一路少年の夏の成長物語、幽霊をからませての展開が楽しく嬉しく、ちゃんと家族愛テーマも生きていて・・これはいいぞー。
西村雅彦・篠原涼子(泣きの寸前でコメディ化しちゃうあたりが素敵、なりふり構わずの旬な匂いが・・また色っぽい!可愛い!)コンビに、子役陣が泣かせます。丸坊主ってのがいい、一路(いちろ)役の須賀健太くんの間合いのよさから、泣かせるのが荘太役の松田昴大くん、まあ切ない芝居をみせてくれます。
そして荘太の家族になる男勝りの桂役、鬼頭歌乃ちゃん、ハムカツサンドを前に涙するシーンに、私泣けました。そして、カトリ・センコじゃない香取聖子役の女の子・・この子がめちゃ可愛い・・セーラー服握りしめ死を前にする表情に・・私悶えました。(ここだけの話ですよ。「変態」呼ばわりされたっていい!という思いで。)
2006.8.26 津 マイカル ★★★★
グエムル 漢江の怪物
このタイトルでは・・お客さんが・・やっぱり・・確かに「グエムル」って響きが・・そんでもって「○○の怪物」ですから。

しかししかし、これは怪物的シネマ、「ほえる犬は噛まない」以来のポン・ジュノ&ペ・ドゥナ一途の私、初日、駆けつけました。
ツッコミどころ満載でも、この心意気、最近の邦画大作の意気地なさをみるにつけ、久々「韓国映画」の真髄を観ましたぞ。
このグエムルの佇まいと動き、暗闇でモゾモゾといったかったるさは微塵もなく、白昼堂々ってのが素晴らしい。体操得意の、また茶目っ気もある、それ相応等身大のグエムルに・・惚れ惚れ。
これをハリウッドの一級スタッフに造らせて、映画ではアメリカくそ食らえみたいな展開が・・また、心地良い。
警察・軍隊・マスコミ・政府・医者、誰も味方にはなってくれない、そして「怪物」に立ち向かう「家族」、その「怪物」のもの悲しき喘ぎ、「家族」にとっても「怪物」にとっても・・本当の敵は同じだったっというのが・・伝わります。
2006.9.2 津 マイカル ★★★★★

⇒再 2006.9.22
今日で終わりということで再び・・最終回、お客さんは4人。
ほどよい大きさのグエムル、尻尾を除くと10メートル、ってのが余計に怖く親しみ易い。そのグエムルアクションに再度感激。(この造形については盗作だという声もあるようで、ネットではかなり騒々しい・・騒ぎの次元がとち狂ってるのでは。)
皆ここ一番にずっこける家族、わが子を間違えるタンパク質不足?のカンドゥになりきるソン・ガンボさん。
実にいい味見せる父親役のピョン・ヒボンさん、怪物を前に銃を構えたはいいが・・弾がない・・あっと言う間に吹っ飛ばされるという雨のシーンは泣かされます

おじさんパク・ヘイルは最後の火炎ビンでずっこける。おばさんペ・ドゥナは土壇場で金メダルを逃がすが・・最後の最後は決めてくれる。そしてヒョンソ役のコ・アソンさん、眠る怪物の背中に跳び乗って・・これまた失敗なのですが・・という踏ん張りが素晴らしく感動的です。そして潔く彼女は死にます・・彼女だけは生き返ってほしかったのですが。

こんな傑作を劇場で・・2度も観れたことに、感謝。

    リンク⇒      
マッチポイント
名古屋へ所用が、時間をつくって新装の「ミリオン座」さんへ。やはり名古屋は都会、きちんとお客さんも入ってる、当たり前ですか。
ウディ・アレンさんっていっても、その当時の愛妻ミア・ファローさんとの「カイロの紫のバラ」ぐらいしかまともに観ていない私、今回のお目当ては・・あたりきしゃりき・・スカーレット・ジョハンソンさん。
今回の彼女、自分から「私ってセクシーNO1娘よ」と自己表示するという本領発揮の役柄、主人公クリスに俄然詰め寄るあたりの下世話な迫力もよろしい眺めに。
よくあるお話ながら、可笑しげなサスペンスに味があって、テニスボールのネット上での「天国と地獄」模様がちゃんとラストに繋がるのが鮮やかです。とんでもない極悪口先男の主人公にジョナサン・リース・メイヤーズさんが。
2006.9.9 名古屋 ミリオン座 ★★★★

「カポーティ」が面白そう。ギドクさんの「弓」も観たい。日本映画では「フラガール」。
マイアミバイス
「グエムル」は1週間たつと、日1回の上映に。ちょっと悲しい。
さて。
むさ苦しいコリン・ファレルは観たくもない、されど、マイケル・マン監督、そしてコン・リーさんが・・というので心を無にして。
どうもコン・リーさんの「イザベラ」という組織の女幹部役、今ひとつよく判らない、いきなりモサモサのコリンとハバナ迄行って恋に落ちるかー?そういうわけで、半分眠気が襲う始末に。コン・リーさん、ちょっと固い。
マイケル・マンらしいのは、ラスト、夜の銃撃戦、ひたすら熱い。そして、至近距離から人質抱かえての犯人への一発、このシーンは凄すぎる。そこだけは大満足。
2006.9.10 津 マイカル ★★★
X-MEN ファイナル ディシジョン
ちゃんと1.2観てはいますが・・・私にとっては、イアン・マッケランさんのマグニート、そしてパトリック・スチュアートさんの教授が好一対で強烈な記憶に。
ですから、教授があれあれ半ばに死すという展開に?、しかししかしラストのラスト、「チャールズ」が・・。
復活してほしいプロフェッサーです。そして、「キュア」により人間化したマグニートさん、あのチェスの動かし方をみると、復活しそうだなあ・・と。

さておき、マグニートさんの楽しげな金属操りっぷり、まるごと鉄の橋をぶっちぎってのスペクタクルには拍手喝采、あれって本当の役者冥利ってやつ、一度でいいから私もやってみたい!
あとはキティちゃんの透り抜け能力に、ミスティークさん(レベッカ・ローニン=スティモス)の最期の美しさに、拍手。
身を乗り出してしまうほどに、興奮してしまいました。長すぎず短すぎずの時間もよろしいです。
2006.9.16
津 マイカル ★★★★
電車男
この元本には、どうもついていけず・・妙にうさんくさいという思いから・・半分まで読みきれませんでした。
そして、地上波での放映を。
映画としては、よく出来ているとは思いますが・・ウーン・・よく判らないのは、主人公がどんどん洗練され、最期は単なる今時の若者に成り下がってしまうという展開・・オタクならではの心意気を、心の深いエルメス嬢が理解してというなら判るのですが・・これって脱オタク仕向け映画なんですかねえ。周りの名無しの皆さんが自己再生しましたなんていうオチは、ちょっとねえ。
オタク第一世代?の私としては、どうもひっかかる映画でありました。
2006.9.17 テレビ 録画 ★★
フラガール
あまりの評判の良さに・・初日、鈴鹿まで駆けつけましたわいわい。
福島県いわき市、1965年、閉山迫る炭坑町に「日本のハワイ」というぶっとんだ発想もスゴイですが、そこにフラダンスを地元民でというのがまたスゴイのです。この実話を基にした作品。
ぴゅっと芯が通った華のある蒼井優さんが素晴らしく、その母富司純子さん、緋牡丹お竜が年取ったらこれだというきりりとした演じっぷりがまた素晴らしい。
切れ味凄い(男湯にまさか飛び込んじゃうとは・・)松雪泰子さん、最初の泣かせ場で哀しく迫る徳永えりさんほか皆さん、素晴らしい。
しかし・・泣かせ場みっつ。生活のためといちばんのフラ志願の徳永えりさんが、ムリヤリ夕張へ旅たつというのは不可解。彼女こそ、最後まで残ってもらわねば。ムリヤリの最初の泣かせ。次が静ちゃんの親の危篤を知っても「踊ります」というところ。そして、駅のホームでの先生と教え子の別れ。出来すぎです。
確かに私も泣きましたよ、しかししかし・・なにか過剰すぎて・・「スゥィングガールズ」そっくりのラストもやや興ざめでした。

が、なんのかんのあっても、蒼井優さんに★ひとつ。
2006.9.23 鈴鹿 マイカル ★★★★
千年湖
あの香港映画「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」を思い出す、さてさて韓国発の純愛ホラー映画?
スケールも大きく、お話としても引っ張れの面白さなのですが、ファンタジーとしての魅惑が今ひとつふたつ。
愛に生きる将軍にチョン・ジュノ、ヒロインにキム・ヒョジン、私としては女王役のキム・ヘリさんに惚れ惚れ。
2006.9.27 DVD R ★★★
フォーガットン
ジュリアン・ムーアさんが記憶探しに奔走する前半にワクワク、ところが一転、宇宙人SF化。最後は宇宙人がピューと空へ飛ばされ、「母子の愛」が地球を救うという展開に・・うううう。評判には聞いていましたが、すごい映画でした。
「ER」グリーン先生はどないなったんやら・・。
2006.9.29 DVD R ★★
スケバン刑事
個人的には待ちに待った、松浦亜弥版「スケバン刑事」、三重県内では桑名と明和のみ、初日車を走らせて・・ところがまあ寂しい入りでありまして・・応援したい映画はことごとく興行不振のようです。
CDショップでは、新品の売れ残りあややDVDが半額で売られていたし、ますます哀しい思いを。
アメリカ帰りのサキ、特命を受け真っ赤な傘とセーラー服で学園へ・・というあたりまでに「東映プログラムピクチュア」蘇る風にゾクゾクしたのですが。

伝統のヨーヨーアクションが、CG頼りでは・・。20年ほど前、運動神経皆無の南野陽子さんが魅せてくれた重厚なヨーヨー音の響きが聞こえません。敵役の石川梨華さんがなぜかヨーヨー持ってこれまた上手に扱ってるってのも(・・彼女、完璧に様になってる・・)不可解でした。
戦闘服でのあややアクション、「何の因果か、マッポの手先・・四代目襲名、期間限定、スケバン刑事」って決め台詞、眼力たっぷり可愛く惚れ惚れというのは確かだったのですが。

竹内力さんとのキタネエー部屋でのしっとりした語らい、母斉藤由貴(初代スケバン刑事)への思慕、そんなサキの生き様をメインにして欲しかったと。丸山昇一さん脚本にしては、お話が平凡すぎて・・、もっと弾けてもらわないと。
2006.9.30 明和 109 ★★★ プラス、無理矢理あややに★ひとつ
風のファイター
「地上最強の男」「空手バカ一代」・・の・・大山倍達だー、朝鮮半島から日本に渡り極真空手の創始者となった伝説の人、・・これは、「巨人の星」な「チャングム」だ!、という三池祟史さんの賛辞に・・納得。
あっぱれの展開にあれこれ詮索は無用の世界、ラストにはちゃんとサービスで猛牛対決まで、これが嬉しい。
日本の町並みのあっぱれ、加藤雅也さんの日本一の武道家も。平山あやさん(よく知らない方でしたが)の存在は?・・これは少々うっとおしい・・。
もうなにがなんだかの世界に・・姫路城に突如忍者集団ってのもあって・・、これは酔うしかないという作品でした。
2006.9.30 DVD R ★★★☆
テレヴィ TV
「結婚できない男」は、さりげなく淡々としたラストに、さすが・・と・・唸りました。
「ドッヂボールじゃなくて・・私はキャッチボールがしてみたいです・・あなたと」、この夏美さんの一言にウーン!
金魚鉢の中の2匹の金魚に・・ウーン。

10月4日、「アンフェア S」、ゾクゾクする面白さに感服感激。これまたナツミはナツミでも雪平夏見33歳、彼女の父親的存在だった「安本さん」(志賀廣太郎さん、この人よく知らなかったですが1948年生まれの方、同世代、ウム)が・・このスペシャル版の中味の濃さは、そんじょそこらの「映画」をぶっ飛ばしていました。安本さんの最期に涙。
ただ映画版への複線となる江口洋介さんは、金平糖かみかみ・・ややうっとおしい存在。

もひとつ「喰いタン S」、「燃えよドラゴン」遊びから、「マトリックス」遊び、007遊びまであって、ちゃんと「猫に小判、豚に真珠」という遊びで話が展開、ちゃんと金田一少年絡みの父子描写で泣かせ、「人間は勝手なものです。他の命をもらわないと生きていけないのです。残さず食べてあげましょう。それが供養というものです。」なる教訓もあって・・これまた感服感激。
神話
ジャッキー・チェンの映画を久しく映画館で観ていません・・これはほんに寂しいこと。
これもDVDで。
これは一粒で二度美味しいというジャッキーシネマ。現代のジャッキー・・ネズミ捕りアクション・岩山跳びアクション、この軽さは神々しい!、2200年前のジャッキー・・(兜が似合ってないのですが・・)・・初の歴史劇アクション。
中国・兵馬俑、インド・古代遺跡といった見せ場から、ヒロイン キム・ヒソンさんの納得の美しさ、モア・ヒロイン マリカ・シェラワットさんの納得の美芸、盛り沢山すぎてという感じあっても、これぞジャッキーシネマの真骨頂、あっぱれ!
2006.10.7 DVD R ★★★☆
デュエリスト
これは・・好きな映画に。
「悲しい目」の刺客、愛を知らなかった女刑事。(テレビ「チェオクの剣」をベースとか、とはいっても節制のない演出っぷりに2回と観なかったのですが・・ただ、あのハ・ジウォンさんだけは気がかりで。)
その女刑事
ハ・ジウォンさんが素晴らしいです。泣き叫び、(*^。^*)をクシャクシャにというあたり、おじさんAとしてはぞっこんに。可愛い。

そして自意識過剰すぎる監督(イ・ミョンセさん)のデュエリストぶり?にも。舞踏アクションが清清しく、特に気に入ったのは「明と暗」の画面でふたりが交錯するアクション、タンゴ風ワルツ風の愛の語らい、白眉でした。
韓国の志村喬こと、アン・ソンギさんのひと抜けした妙演に・・ほっ。
この「やりたい放題」映画、好きだなあ・・。映画館で・・ほんに観たかったです。
2006.10.8 DVD R ★★★★★
狩人と犬、最後の旅
カナダのロッキー、犬ぞりが走る光景を大俯瞰で捉えた最初のシーン、びっくりするやらほろっとしてしまうやら・・。
実在の狩人、ノーマン・ウィンター自身が彼を演じるという、ドキュメント?
ハスキー犬アパッシュ(他に「ノブコ」という名の犬も・・)とノーマンの友情をメインにしているのですが、黙々と懸命にそりを引く犬たち、過酷というより残酷という思いが。どうなんでしょう。映像の「圧倒的な迫力」は解るのですが。
それとノーマンさん、ちょっと喋りすぎ。妻役?のメイ・ルーさんが寡黙でいいです。

ウーン、少々ひいてしまう映画でした。
2006.10.9 大門シネマ ★★☆
ソウ 2
「1」以上に込み入った話が展開して・・あれよあれよの「3」に続くのです。
刑事さんが犯人「ジグソウ」を捕えました、しかし彼はちゃんと罠を仕掛けていて・・そして、刑事の子供が密室にという二重構造的なお話に。けっこうオゾマシイ場面も続出して、前作以上のパワーアップ。
「1」の仰天ぶりに比べると鮮度の点では落ちてしまいますが、それでも・・面白い。サービス過剰の面白さです。
2006.10.11 WOWOW 録画 ★★★☆
ブラック・ダリア
デ・パーマ映画といえば、76〜82年「愛のメモリー」「キャリー」「フューリー」『殺しのドレス」「ミッドナイトクロス」、ここらへん最高でしたねえ。ナンシー・アレンさん、アンジー・ディッキンソンさんの「Dressed to Kill」、今も鮮烈に。映画に酔っ払うという感覚がデ・パーマ演出。
さてさて・・。
1940年代のロス、惨殺されたブラック・ダリア(ミア・カーシュナーさん、美しい!)を軸に、市警刑事のバッキーとリー、そして御贔屓スカーレット・ジョハンソン扮するケイ、ヒラリー・スワンク扮する大富豪の娘マデリン・・他がミステリーにからみあい、最後はなにがなんだか・・よく整理しないと・・こんがらがる展開に。いえる事は、皆さん、四六時中タバコを吸いからかしてたということ。

そのタバコ人バッキー役のジョシュ・ハートネットさんが男眼からみてもよろしいのですが、リーと同棲中だがナニが無いというケイ、このリーとケイの関係が妙に解りづらく、かなりの過去があるという感じにジョハンソンさんがみえないのです。ヒラリー・スワンクさんのダリアそっくりの美女という設定にも無理があり、これまたミスキャスト風。

スゴイのは、大富豪の妻ラモーナに扮したフィオナ・ショウさん。大見得切った爆発をみせてくれます。
なんのかんのいっても、久々の映画らしい映画でありました。
2006.10.14  マイカル 津 ★★★ 明日がマイカル記念日千円開放ということあってか、初日夜の入りは16人、ちょっと寂しい。
スネーク・フライト
予告編を観て・・これは!といわば使命感で。ジャンボ機が蛇に乗っ取られるなんて!前代未聞!
そして、「セルラー」「デッドコースター」のディヴィット・R・エリス監督とくれば、面白さ保証付き!
故、面白すぎました。蛇がウジャウジャとはいえホラー世界ではない半分コメディ世界、よろしいのはパニック映画の定石なのですが、身勝手なお偉いさんとかマナー無視のアホカップルといったうっとおしい方々はちゃんと蛇の餌食になってしまいます。ある方が蛇に丸呑みにされるあたりは拍手喝采ものでした。
そして、サミュエル・L・ジャクソンさんが「もう頭に来た、くそったれの蛇野郎ども」とばかり立ち上がるあたりに大興奮、
蛇だらけの誰もいない操縦席、さあどうなる、ジャンボ機が無事着地するまで・・私、うっすら涙してしまいました。よう頑張ったなー・・と。
2006.10.22 マイカル 津 ★★★★★  
秋のテレヴィ
秋の新番組、出来る限りでチェックをしてみました。
まず、いちばんは「14才の母」、あの「女王の教室」の小学校6年生・神田和美ちゃんが、わああの展開に。あのドラマでは、
志田未来(みらい)さんの役者っぷりに感動したものでしたが、このドラマの彼女は・・またそれ以上に素晴らしい。(余談ですが、1回目、昼休みDJでの最初の楽曲が・・ジョニ・ミッチェルの「サークルゲーム」ってのには・・感無量。)
自然体とはいえ、ある時みせる表情の大人っぽさ、艶っぽさにびっくり。
北村一輝さんのうさんくさき色付けを、井上由美子さん(脚本)、これからどうする?期待。

「セーラー服と機関銃」、あのテーマ曲がそのまんま歌われ、長澤まさみさんが星泉役をけっこう楽しんでる様が伝わります。快作になりそうな予感。小泉今日子さん、緒形拳さんの謎めいた役設定に期待も。堤真一さんが、またよろしいです。薬師丸&渡瀬コンビとはまた違う微妙さ。映画では、柄本明が演じた黒木刑事に小市慢太郎さん、この方の役者っぷりに注目。

「僕の歩く道」、草ナギ剛さんのためのドラマ、自転車姿だけでドラマになってるのが凄い。
「役者魂」、これぞドラマという君塚ドラマ。松たか子さん、彼女のちょっと意地悪っぽい表情が好きですねえ。
この火曜日のフジドラマ2番組と、同「Dr.コトー」はどこからみても安心できる感じです。新任看護婦の蒼井優さんに期待が。しかし3年たつと・・あの時任三郎の息子もまあ変わるものですねえ。

「のだめカンタービレ」、原作も1巻だけですが読み一期待の番組でしたが・・御贔屓の上野樹里さんが役を作りすぎていて・・いつもの樹里さんでよろしいのに。ドラマも騒々しい限り。
「嫌われ松子の一生」、怒涛の映画版を先に観てると・・落差がひどい・・観続ける気力、湧かず。
「鉄板少女アカネ」、堀北真希さんが頑張っています。全国各地で料理バトルという展開で、まずまず面白いかな。とまあチェックしたものは以上です。

そうそう、「芋たこなんきん」、これは総集編を観たいです。役者さん、揃いすぎ。
父親たちの星条旗
極上の一品。
真摯な作品。
スピルバーク製作、お金もたっぷり使ってのクリント・イーストウッドさんの新作。そのお金の使い方に「品」があります。
2時間19分、硫黄島での生な戦闘、英雄行脚の三人、そしてその後の三人が、交錯しつつ綴られてゆきます。その交錯っぷりが見事です。これぞイーストウッド節、インディアン出身の若者の姿が目に熱いです。
次は日本からみた硫黄島。NHKのドキュメントで、大本営に見捨てられ追い詰められた日本兵の行き場の無い無残さが語られていましたが・・「硫黄島からの手紙」が早く観たいです。
2006.10.28 マイカル 津 ★★★★★  
デスノート 2
先日、何気なくテレビを・・おお、「デスノート」が放映されてる・・知りませんでした。原作は3巻あたりまで面白く読みました(映画は観ようという気持ちには残念ながら・・)・・おお、原作そのまんま、エルはそっくり、まあ死神もそのまんま。
テレビをけっこう面白く観て、さて原作もその後読んでいないし・・日本テレビさんに乗せられるのもいいかと・・初日・・これが大盛況、ここ最近にない客席の埋まり様。
というわけで、全くの白紙状態で臨むと、先の読めない面白さ、堪能しましたぞ。
これってどうなんでしょう。映画って雰囲気ってよりも、ややイベント化した感じの面白さ、客席全員でテレビドラマを楽しんでるって風、ちょっとしたショックでありました。
2006.11.3 マイカル 津 ★★★  
丹波哲郎さん
マイ・ベスト俳優であった、丹波哲郎さんが・・。
丹波さんというと、東映ギャング路線当時からのお付き合い。鶴田浩二さんとの「誇り高き挑戦」「組織暴力」「解散式」といった背広姿の現代やくざものには必ず丹波さんが・・73年の出演作は、「ポルノ時代劇・忘八武士道」から「仁義なき戦い・代理戦争」、はては「人間革命」「日本沈没」、悪性侍からやくざ・宗教家・総理大臣、何から何でも丹波哲郎なのだから、これはスゴイこと。いやはやスゴイ。
2000年の「十五才 家族W」の老境に達した丹波さん、見事でした。
丹波さん死すといっても、その気になれないといいますか・・「哀悼」なんて言葉が似合わない俳優さんでした。
ジョーンズさんのCM
あのトミー・リー・ジョーンズさんが、なななんと・・強面宇宙人の地球調査員役でという「BOSS」のCM、面白すぎます。
「この惑星の住人は・・イチキュッパ・・が大好きだ」から「この惑星の住人は、疲れることがうれしいらしい・・(そうなんです、なにかといえばお疲れ・お疲れさん・お疲れ様でしたの連発!)」、表情変えずにジョーンズさんが働く姿が・・可笑しすぎます。また、違和感が全くないとうのが素晴らしい。
そして、カラオケ職場でのジョーンズさん、耳障りだ騒音だといいつつ・・「この惑星の八代亜紀は・・泣ける・・」、そして「しみじみ飲めば・・」と唄い涙まで・・。
デニス・ホッパーさんのアヒルCMにも驚きましたが、もうそれ以来の快挙的CM、ずーっとシリーズで続けてほしいです。
隠された記憶
ミヒャエル・ハイネ作品。カメラが動かず一軒の家を撮り続ける、なんだこれはという冒頭のシーン。差出人不明のビデオが次々と送られてくる・・サスペンス風に展開する・・そしてそして「ラストカットに全世界が震撼」「衝撃のラストカット その真実の瞬間を見逃してはいけない」というラストへ・・カメラが動かず学校の出口を撮り続ける、なんだなんだこれはという最後のシーン・・これがさっぱり解らない判らない分からない・・。
人間のやましさ、フランスとアルジェリアの問題が背景にあるらしいのだが・・。観終わって、シネマの館長さんに「分からなかった・・」と、「ええ、私もそうなんで。2回観た方も分からなかったようで。プログラムにも何も書いてないようで・・」と。
アニー・ジラルドさんと出演者にありましたが、主人公の母役のかただったのか・・あの「男と女」の彼女だったようで。後でびっくり。妻役ジュリエット・ビノシュさんの冷静な「夫への追及」ぶりに、わが身を重ねました。
2006.11.10 大門シネマ ★★★★
HDDに溜まった映画より
HDDにどんどん溜まる映画を、ひとつふたつ。
「君に読む物語」、まあジェームズ・ガーナーさんが、ジーナ・ローランズさんが、アルツハイマーの妻にふたりの出会いからを読み聞かせるというまあ真似のできないストーリー。白鳥の湖から365通の手紙から、まあ・・しかし、話がくどすぎて、もう少しあっさりした味付けならよかったのに。気性の激しそうなこの娘さんのどこがそんなによかったのかも・・よく理解できませんでした。
「ブラザーズグリム」、ほんとにテリー・ギリアム監督?と思えるほどの凡作とみました。
モニカ・ベルッチさんも精彩なく、ひとりレナ・ヘディさんが凛々しい感じでまずまず。他、なにも申し上げることはありませんでした。
地下鉄に乗って
やや「邦画バブル」状況の今、ちょっと泣かせる原作があると即映画化、まあ出る出る次から次へと。
これはいいことなのか悪いことなのか、気になるのは「脚本」の個性、どうなんでしょう?泣きが無ければ「日本映画」でないという風潮、これは絶対いけません。
さて、例によっての浅田次郎原作、BTF日本版の趣、いったりきたりのタイムスリップ堤真一体験は一度誰もがやってみたいものですが。
そもそもなんでなんでのツッコミは別にして、突然の岡本綾消失シーンには・・訳わからずもグッとくるものあり、伝わりましたが・・(不倫相手がなんでそこまで・・ほんとのところ、訳わかんない・・)。無理な泣かせどころもなく、そこだけは品ある映画でしたが。ウーム。なんでもありの、あざとさ天下一品の浅田次郎もの、ウーム。
2006.11.11 津 マイカル ★★
トム・ヤム・クン
あの「マッハ」のトニー・ジャー、世界進出第一弾、「取り戻したい愛がある、取り戻したい象がいる。」、ときましたか。
アクションの凄さは、それはそれは。4階建建物での一気アクションから、ボートアクション、ほかほか。
しかしまあ、この締まりの無い演出っぷりはどうなんでしょう。
トニー・ジャーさんが可哀想、誰にも真似できないアクションが・・やみくもにたれ流されてる・・ウーン。
2006.11.12 DVD R ★★
太陽
昭和天皇です。イッセー尾形です。
ロシアのソクーロフ監督、1945年の天皇のドキュメント、平家ガニにうっとりする天皇、外国男女俳優のブロマイドに見入る天皇、皇后に頭をなでて貰う天皇、マッカサーとの語り合いでみせる自然体の天皇、そんなエピソードひとつひとつが心に沁みるという静かな静かな映画。
ポツダム宣言受諾のいきさつをが一切描かれていないという批判があるようですが、これはこれで実に真摯な作品。
B29が魚の形をして東京を襲うシーンの恐怖感が白眉です。
イッセー尾形さん演じる天皇がいとほしい。
2006.11.18 津 マイカル ★★★★★
クライング・フィスト
一本で二本の映画が煮詰まってるという作品。
なにもかもに反抗的なキレっぱなしの若者と、元銀メダリストボクサー今街角の殴られ屋の40歳男が・・お婆ちゃんのため、息子のために「新人王決定戦」に挑むという・・破天荒なお話。
いつもながらチェ・ミンシクさんが素晴らしい。おデブ風の体でリングに、しかしこれが見事様になってるという信じられなさ。
監督リュ・スンワンさんの力構え、ギラギラのリュ・スンボムさんの目構え、これまた快挙。
2006.11.20 DVD R ★★★★
トゥモロー・ワールド
子供が生まれなくなって18年目の2027年のイギリス。近未来とはいえ、ここまで荒廃した未来はめったにみられない。製作費120億円は、その荒々しい風景に注ぎ込まれたといのが凄い。
また凄いのはカメラの妙。
マイケル・ケインさんが手に足に銃弾を受けるシーンを捕えたカメラの静けさ。
妊娠した少女を必死で捜すクライヴ・オーウェンさんを、延々ひとつのカメラが銃弾飛び交う中、追うというシーンには仰天でした。
闘士ジュリアン・ムーアさんがあっけなく流れ弾でというシーンも・・。
2006.11.23 津 マイカル ★★★★★
プラダを着た悪魔
メリル・ストリープさんが圧巻、最後にふっとみせる微笑から、素ッピン顔で自分の話をアンディ(アン・ハサウェイ)に聞かせるあたり、57歳、圧巻女優です。
アンディの成長物語という枠組ながら、ところどころ酸っぱい味もあって好印象の映画に。
アンディを見守るという役どころの御馴染みスタンリー・トゥッチさんがみせるどんでん返しの悲哀がいいです。
2006.11.25 津 マイカル ★★★
セーラー服と機関銃
1981年作品ですから、もう4分の1世紀前ですか・・(テレビ長澤版星泉のほうは、毎週一人ずつ殺されるという定番化にウンザリ、最終回でやや弾けていはいましたが)・・・25年ぶりに本編を。
相米慎二監督の執拗さに薬師丸ひろ子さんががっぷり応えてるという・・これは!驚きました。
今の、特に若い方向けのバブル風日本映画に比べ、監督さんの個性がここまで感じられる映画が・・それもアイドル映画として存在していたとは。
観る側も創る側も、退化しているー。
太ッチョの娘(風祭ゆき・テレビでは小泉今日子)と佐久間(渡瀬恒彦)が密通していたとは、まあそれはともかくも・・。薬師丸ひろ子という方がこんな素晴らしい輝きをみせていたとは・・おそれいりました。その当時、リアルタイムで観ていながら、今になって・・こんなことを。
2006.11.26 DVD R ★★★★★
鉄人28号
これは・・どうなんでしょう?
横山光輝さんの漫画を「少年」時代から馴染んだ世代としては、ああ正太郎くんがちゃんと正装で!とか、なんせ正義の味方にも悪の味方にもなってしまうリモコン巨大ロボットの悲哀とか、そうだそうだと納得しつつ・・ラスト、いくらなんでもへりコプターの存在なしに静けさを保ってる戦闘シーンって?・・妙に訳知りの佇まいに、ウーン。
今をときめく蒼井優さんに薬師丸お母さん、阿部お父さん、まあ私好みの豪華キャストに・・戸惑いの空間でありました。
でも、この世界、けっこう大好きです。
2006.11.27 WOWOW 録画 ★★★
007 ガジノロワイワル
007 シリーズ21作目、とはいえ・・これは完全なNEW 007の1作目です。
ダニエル・クレイグさん、一見、往年のテレンス・スタンプさん思わせる屈折の風貌、この方がまあ走る走る、動く動く。
なんせ007誕生秘話ともいうべき作品、生身のボンドってのがよろしいです。びっくりの拷問シーン(・・これは痛すぎる・・あの「マラソンマン」の拷問シーン以来の痛さ・・)、あのアストンマーチン搭載の小道具には解毒装置が、ほかほかミドコロ満載、要の「恋の行方」も「納得の行方」でありました。
「血の涙を流す」ル・シッフル(マッツ・ミケルセンさん!)、悪の動機としてはけっこうセコイのですが・・またよろしいです。ただひとつ、あまりに悪役さんが多すぎて・・混乱。次回は「悪」一本勝負でお願いしたいなあと。
このNEWボンド、けっこう癖になりそな方でありますよ。(芝山幹郎さん曰く・・21世紀のS・マックィーン・・と。)
2006.12.2 マイカル 津 ★★★★
ゆれる
まずはタイトルに「ゆれる」。
怖いまでに「ゆれる」映画。西川和美さんという可愛い顔をした女性は、32歳にして・・まあ、こんな傑作を・・これからどうなるのでしょう、彼女は。
兄弟のゆれ続ける様が、ハードボイルドに描かれるというのが凄いです。それに応える香川照之さん、二面性のある怖さをギリギリのとこまでみせてくれるという、正にはまりの兄役。
すべての元凶は、弟(オダギリ ジョーさんがこれまたはまり役)、この身勝手野郎め、最後の最後で許しを請うなといいたいのですが、弟も確かに兄と同じ表裏をみせているのです。
オセロのような映画・・。兄はバスに乗ったのか乗らなかったのか・・この攻めるようなラストが素晴らしいです。
あと二三回は観たくなる後ひく映画でした。
2006.12.4 四日市 中映 ★★★★★
硫黄島からの手紙
「父親たちの星条旗」以上に、ズシリときます・・クリント・イーストウッドさんの眼は、パン職人の西郷(二宮和也・・しなやかさが素晴らしい!)の眼に。いかにも今風の若者にしかみえない西郷が、1944年を目撃するという流れ・・脚本 アイリス・ヤマシタ・・感服しました。
栗林やバロン西のキャラが、いかにもアメリカ映画っぽい雰囲気でそぐわない感じもするのですが、そうか・・これはイースドウッドさんの映画なのだと当たり前のことですが・・納得しました。
驚いたのは、投降した日本兵士ふたりを足手まといとばかり、アメリカ兵が撃ち殺すというシーン。こんなアメリカ映画は初めて・・。
地下の要塞がいかに造られたか、海軍対陸軍の葛藤とは、解りにくいところも多々、灼熱の苛酷な様が描かれていない等あっても、今この時代、このような真摯な日本映画(ただし創り手は、クリント・イースットウッド!)を観れたことに・・複雑な感銘を。

そうそう、「キルビル」も・・真摯な日本映画でした。
2006.12.9 マイカル 津 ★★★★★
武士の一分
なんという後味の心地よさ。
山田洋次さんの時代劇三部作、その締めとなる作品。木村拓哉の、そのまんまキムタクともいえる役者っぷりに・・ちょっとした感動を。光を失ったという状況でこれだけの演技が出来ると言うのは。剣さばきも、また妙。
泣かせの盛り上がりにすいっとエンドタイトル、音楽がんがんで泣かせを強要する今風日本映画に比べ・・なんという品のよさ。檀れいさん、笹野高史さんが・・また素敵。
2006.12.16 マイカル 津 ★★★★★
明日の記憶
今や日本を代表する顔になった渡辺謙さん、ハリウッド映画での活躍にフーンという印象しかありませんでしたが、私、この映画で初めて・・おおお、素晴らしい俳優さんなんだと・・。
聞けば、監督を堤幸彦さん(あの「トリック」の・・)に押したのが謙さんだとか。ちょっと違うんじゃないのという思いが外れ、これは真っさらな尊い映画に。大滝秀爺を配したあたりなんぞ、ほんに。
そして奥さん、こんな奥さんいないよなあとしても、樋口可南子さんの本心暴露のシーンあってこそ、映画の芯になっているのがたくましいです。
2006.12.16 DVD R ★★★★
大奥
けっこう期待を・・なんせ東映マーク、あの中島貞夫か深作欣二か五社英雄の世界を・・期待したのが間違いでした。
おどろおどろの魍魎宇宙・・全く違いました。いくら仲間由紀恵さん主演だからといって。
平々凡々の大奥世界、ケレン味もなにもないという・・ひたすら退屈。残るのは、杉田かおるさんの黒光りする眼差しのみ。
2006.12.23 マイカル 津 ★★
テレヴィ
秋番組で最後まで正味観たは「僕の生きる道」「14才の母」の二本。
「僕の生きる道」は実に静かに調和がとれた世界が心地よく、輝明くんが周りのみんなを成長させてゆくという筋立てが素晴らしかったです。「お湯の温度は39度」
「都古ちゃんへ・・」、残りました。
草薙くんから、長山藍子さんのお母さんから、小日向さん、大杉さん・・皆さんよかった。
「14才の母」、ちゃんと子供を生み育てようというラストに・・予想外れてほっと安心も。志田未来さん、田中美佐子さんのお母さん、良かった。あの北村一輝さんが急に改心?してしまうのには驚きましたが。
2006年も終わり・・。
今年の洋画では、「硫黄島からの手紙」「グエムル」「デュエリスト」が我ベスト3、以下「力道山」「ピンクパンサー」「うつせみ」「トゥモローワールド」「カーズ」「ナイロビの蜂」「隠された記憶」あたり。

邦画では、「ゆれる」「かもめ食堂」「嫌われ松子の一生」がベスト3。まあ、確かにバブル症候群でした。
テレビドラマでは、「アンフェア」「結婚できない男」「僕の生きる道」、別格で「チャングムの誓い」を。
テレビコマーシャルでは・・なんといってもトミー・リー・ジョーンズさんのBOSS。





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