心感記



 2004年3月9日、この日はれいめい塾史上二人目の京大受験生の合格発表日だった。連日の特講の末、なんとか京大の英語に対して抵抗できるまでになった。思えばれいめい塾で一年を通して英語を教え初めて2年目の年、やっと講師らしい仕事ができはじめた。去年はとにかく自分が伸びると思った方法で授業、授業、授業だった。他の教科に関しては深く立ち入らないが、こと英語に関して、「こうすれば伸びる」といったものはない。単語を覚えたから伸びるのか、英文法を覚えたから伸びるのか、構文を覚えれば伸びるのか。否、伸びはしない。英語は、いや言語というものは、1+1=2のような単純明快なものではない。しかしこれらを修得することは英語の上達の十分条件ではあるのだ。これらを覚え修得しても、英語が伸びる保証はない、しかしこれらをこなさなければ、英語力の上達は望めないのではないか。すくなくともそう信じている。

 そもそも英語とは何か、世界の多くの国々で母国語として使用され、さらに多くの国々で公用語或いは、第二言語として使われ、そしてビジネス言語やコンピューター言語として使われている。中国語は確かにその言語話者数では世界一だが、それは単に中国の人口が多いだけで、中国語話者は中国、極東アジア地域及び世界各国の中華系移民を数えるのみだ。その意味では中国語は世界一のインターナショナルな言語とはいえないのである。Internationalityという側面で言語を考えると、第一に英語、その次にスペイン語、フランス語が続く、中国語はその次ぐらいだろうか。つまり英語を習得するということは単一言語で最も多くの人々とコミュニケーションを取る事を可能せしめる言語なのである。

 では次に英語が現在のように世界中で使用されているのは何故だろうか、一つにはアメリカ合衆国の母国語であるということが挙げられる。バブル景気に沸いていた日本語を考えれば、これは容易に想像できることであることであるが、経済的に強力な国には当然世界に冠たる企業も多数存在するに違いない、そして諸外国からそれらインターナショナルカンパニーとの取引が持ちかけられるだろう。各国の企業は当然その企業それぞれの文化、つまり色があり、その企業の従業員の大部分が使用する言語によってのみ真の意味を解するということも多々あると考えられる。諸外国の企業は当然、その単語を使用しないでは取引における微妙なニュアンスを伝わらないこともあるのだから、自然と取引企業における、取引先相手企業の主要使用言語の習熟度も上昇していく。こうして強経済国の言語が次第にインターナショナル言語へと変貌を遂げていくのである。現在日本の企業において英語の習得は主要な課題となっているが、バブル景気当時の日本語はおおいに世界に浸透していった。これことは日本語が英語文化圏に浸透した確たる証拠であると言えるだろう。

 もう一つの理由には、英語が言語として未成熟で構造的に非常に簡単であることが、英語のインターナショナリゼーションをもたらす遠因と考えられる。例えばコンピューターという単語がある、日本語にはComputerに変わる単語は存在しない。今ではコンピューターの可能性は非常に広がり、正確な訳語とはいえないかもしれないが、日本語でコンピューターをあらわる言葉は電算機である。つまり電気仕掛けで動く計算機という意味である。コンピューターというコンピューターそのものを端的にあらわる言語は存在しないのである。これをもってなぜ英語という言語が構造的に簡単なのか。それは新たな概念に対して、既存の単語を組み合わせてその新たな概念を言い表すことができないほど、英語の言語は単純で、日本語やフランス語のように、語法や文法に煩雑化していないのである。また英語を実際に日常生活によって使用している人ならおわかりいただけると思うが、英語の言語というものは非常に端的な言い回しが多く、日本人のような隠語を多用し、類推によって真意を推し量る傾向のある言語話者にとって、英語の感情表現は少々面映い感じがするものだ。日本人が英語の習得に困難を感じるのもその辺りに原因があるのかもしれない。しかしその一方、ものごとを端的に言い表せるということは、微妙なニュアンスを伝える時はともかく、人に何かを伝えるということにおいて、誤解を生む可能性を低くしてくれる。ビジネスや軍隊のような誤解、誤認を極端にきらう分野において、英語は統計的史料のように単純明快に、話者の意図を伝えることができるのである。日本の自衛隊の一部においても英語が命令伝達において使用されていることは、日本の自衛隊が親米的であることとは必ずしも関係していないと思われるのはこの英語の言語特性によるものだ。

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2000年11月9日、アメリカより発信
2000年11月10日、ノッチンからの返信
2000年11月13日、アメリカより発信
参議院議員・高橋千秋からのメール
2000年11月24日、ヨシキからの返信
2000年11月30日、名古屋大学・野依教授の発言
2000年11月9日、塾先より遠山真佐美ちゃんへ送信
2000年12月3日、遠山真佐美ちゃんからの返信
2000年12月4日、アメリカより発信
2000年12月13日、アメリカより発信
2000年12月22日、アメリカより発信
2001年1月10日、アメリカより発信。
2001年6月7日
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