まぁいろんな人達が店にやってくるんですが
このFさんの話は実に感動させられますわ・・・
あのオゾマシイ事件さえなかったら・・・・・
俺はきっとこのFさんとは仲良くもならなければ
知りあいにもなっていなかったとちゃうやろかと・・・
あれは暑い夏の夜やったな・・・
フラフラ〜っと入ってきたのは10時前後
しかも、かなりの泥酔状態で・・・
俺は
「また変なおっさん入ってきたのぉ・・・」
とひとりつぶやきながらビリヤードに勤しんでいた
そのとき背後から感じる異様な殺気を感じ取ったじょ
と、その時泥酔親父が
「わしも玉突きしてもええかいなぁ?」
と聞いてきた
断る理由もないので
「名前を書いて順番を待ってください」
と丁寧に答えた
しばらくビールを飲みながら順番を待っていたが
タバコがきれたらしく俺に
「兄ちゃん、ちょっとタバコ買いに行ってくるからわしの名前消すなよ」
と捨てゼリフを残し近くのコンビニに行くため姿をくらました・・・
待てど暮らせどおっさんが帰ってこない
順番がきたというのに姿が無い
仕方がないので名前を消そうとしたその瞬間
泥酔親父が血みどろになって帰ってきたじょ!
店内一瞬シ〜ンと静まり返り、その一挙一動に注目していた
俺は仕事柄責任があるので泥酔親父に
「いったいどうしたんですか?顔血まみれですよ?」
とアホみたいに聞いた
すると泥酔親父は
「車にはねられた」
「あいたたた・・・・・」
と
すかさず俺は
「警察呼んだか?」
「救急車は?」
「相手の奴は逃げたのか?」
と矢継ぎ早に質問を浴びせた
すると泥酔親父は
泣きそうな顔をして手には¥200を握りしめて
「ビ ビ ビリヤ〜ド〜」
俺は
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「おっさんアホか?」
と思いつつも
「仕方が無いから1ゲームだけ!それが終わったらもう家に帰れ!!!」
と心を鬼にして泥酔親父とゲームを共にした
しかし1ショット打つたびに顔からは血が滴り落ち
顔は1分ごとに腫れあがり
まるで戦場にいるような錯覚さえ憶えた
挙句の果てにゲーム終了時の顔ときたらまるで赤いドッジボールのようになっていた
泥酔親父の話によると、ぜ〜んぶ泥酔親父が悪いらしい
運転手が
「救急車と警察呼びますからしっかりしてください!」
と言っても、泥酔親父は
「救急車なんかどうでもええ!わしには行かなあかん所がある」
「やらなあかん事があるんじゃぁ!」
と言ってその場から這うように・・・
顔から血を滴らしながら・・・店に帰ってきたわ(笑)
俺は
「なんちゅうおっさんや?アホか?」
以来この店の常連ですわ♪
俺はこの人のことを ”ビリヤードの鬼”と呼んでいる
人間万事塞翁が午ですか
Fさんに栄光あれ!