●敷くのが大変
園地の条件によっては、敷くのが大変です。これからはマルチ栽培用に園地づくりをしていかなくてはいけませんね。
●全部が甘くなるとは限らない
マルチ栽培は、みかんの甘さに直接影響を与えるわけではありません。水分をカットすることによって間接的に働きます。ですから、シートを敷いても水分がカットできなければ、効果はありません。また、みかんには糖分だけでなく、すっぱさのもとになる酸が含まれています。水分をカットすると、糖分だけでなく酸も増えますから、そのへんが生産者のウデの見せどころです。
●ストレスを与えすぎると
なんでもそうですが、やりすぎはいけません。人間も適度なストレスは緊張感を産み、仕事も効率よくこなせますが、過度のストレスは体を壊してしまいます。それと同じでみかんも枯れるほど水分をカットしてしまうとダメみたいです。そのへんも生産者のウデの見せどころです。
まあ、なんだかんだ言ったって食べてみないとわかりません。コントロールされてつくったモノより、自然に育ったモノがイイ人もいるでしょうし、甘さもあんまり甘いものより、適度な甘さでバクバク食べるほうが好きな人もいると思います。
「果物は皮をむくのが面倒」という人が増えて、どんどん消費量が減っています。でも、じっくり皮をむいて、香りと味を楽しめる果物こそ「スローライフ」、「スローフード」というストレス社会を生き抜くキーワードにかなうモノのような気がします。
さ、みかんに親指の爪を立てましょう。その瞬間、うすく潮風の入った癒しの香りが広がるはずです。
参考文献:日本農業新聞(2002.12.11付「食と農のかけ橋」
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